今年から品目横断対策など農政が大きく転換され、米の需給対策も、国から生産者団体へと移され、米価も大幅に下落、今後の米づくりが危ぶまれている。

長い間、主食である米を管理して来た国は、備蓄米を確保以外は、他の野菜、果樹と同様に市場経済にまかせて、今までの減反政策も生産者団体にあづけてしまった。

さらに補助金の対象は、個人では4f以上、集落営農では20f以上としたため、小さな農家は、国の補助対象から外れたのである。つまり相手にされなかったのである。

 このことが、先の参院選で、自民党から民主党に流れたのである。しかも、民主党は、販売農家の価格保障制度をぶち上げたから、保守王国でさえ、この流れを食い止めることはできなかった。民主党は個々の農家を相手にしたのである。

 そうは言っても、政権が変わったわけではない。秋の収穫を迎えたのに、米農家はさえないのである。昨年の米価と比較して、平均20%以上も下落、来年は米作りを止めるしかないという農家が続出しているのである。しかも自分で農業機械一式を持っているところでさえ、そういう声を聞く。

一度米作りを止めたら、再びは、まず無理だろう。このままだと、耕作放棄地が更に拡大しそうである。放棄地に「柳」が出たら、農地とは呼べなくなる。日本の伝統的田園風景が、少しづつ消えつつあるのかと考えると残念でならない。

採算ラインを割ってまで米づくりをやって欲しいとは思わないが、採算ラインである米1袋(30kg)8000円の価値を認めてくれる消費者を一人でも多く見つける販売努力はするべきと思うのだがどうだろうか?この田島でも、長い間そういう努力をしてきた人は、動揺することなく来期も作り続けると言う。どうやら、ヒントは「親戚付き合い」をすることらしいのだが、米を作るだけから、米を買って頂く工夫をした「脳業」も必要になってきたようである。