GROUND TRICK 1

注意事項
猿どもはここを読んでも上達の役には立たないので読まないこと。
この講座はスノーボード講座3以上の実力を必要とします。猿が挑戦すると100%怪我しますので、飼主の方は取り扱いに注意してください。
十分な滑走技術を要していても、トリック、エアーなどに興味がない方にもここは必要ありません。ただし、フリースタイルの名前が哭くので速やかにアルペンに転向してください。
〜オーリー(ollie)〜

全てのトリックの中で是非一番最初に覚えてもらいたいものがある。 それはオーリーフェイキー

まずオーリーというものについて説明しよう。
簡単にいってしまうと、雪の上で跳ねる動作のことで、名前の由来はスケートボードで使われていたジャンプする技からである。
決してバイクなどで行なう”ウィリー”のように板の先だけ上げてみたりすることではないし、絵本の中で特定の人物を探す「”ウォー○ー”を探せ」のようにゲレンデでの人探しをすることでもないので注意したい。

そのオーリーをなぜ覚えるか?ということだが、ゲレンデに用意してあるキッカーやレール、ボックスなどのアイテムに入ることができるようになることと、グラウンドトリックも幅が広がるということがある。
そしてオーリーはエアを決めるには最低限マスターしなければならない基本中の基本テクニックであることは説明するまでも無い。
ようするに楽しむため
だな。
是非マスターしたいところだ。
というか、飛ぶために必要なんだから諦めて覚えるしかない。

やり方は、やや前加重に膝をまげた状態からすばやく後ろ加重にすることで板の反動をつけ、そのまま前足をひきつけたまま後ろ足で雪面を蹴ることによって空中に飛び上がる。
この動作を板の反動が一番伝わる状態でやってのけなければならない。

しかしそれがうまく出来ない人がいて、実際にゲレンデで板の反動が戻りきってから飛ぼうとしている間抜けを観測することができる。
板をバタバタさせて何がしたいのかよくわからない。そのような方はタイミングが掴めていないし、板のフレックスの変化にも気がまわっていないのだ。要するに間が抜けているのだ。

ここではこの講座を読んだ人がその間抜けにならないようにしていくので、ちゃんと理解してゲレンデに行くように。
なお、練習は必ずフラットなところでやること。
実際にはさっき書いたようになやり方であることには変わりが無い。前足を引きつけて板をしならせて、その反動を使って飛ぶだけなのだが、順番に説明していこう。
その全てがタイミングなのだということを肝に銘じながら読んで欲しい。
1.板をしならせる
女の子の筋力じゃ引きつけられない・・・。板が硬いから…。などという声を聞くときがある。
甘えんな。オーリーすること自体とはまったく関係ない。
オーリーとは力じゃなくてタイミング。筋力はしなりの量を大きくすることができるってだけで、小さくしならすだけでも飛べるんだよ・・・。
あと念のために言っておくけど、フレックスが強い板の場合、強く引きつけないとしならないと考える人がいるけど、それは間違いで、掛けた力の分だけの反力が必ずある。力は保存されるという法則がニュートンのいた時代からあるので大脳あたりにバッチリ刻んどくように。ボードじゃなくても必要な知識・・・(゚Д゚ )ムハァ
だから初めは大きくしならすことよりも、タイミングを掴むために必ず小さい力で練習すること。

しならせるには単に前足をひきつければいいんだけど、それだと筋力が結構必要なので小さな力で行なうには、まず前足に加重し膝を曲げておく。体が前に倒れすぎないように適度に前加重になること。前足の上に膝と頭を一直線に乗せて体重が前足に全部乗るくらいが丁度いい。(上の写真)
その後、前足を曲げた上体に保ちつつ体全体を後ろに引き、後ろ加重にする。ここでは後ろ足の上に体重が乗るように後ろ膝と頭の位置を移動する。腰の位置にも注意すること。(2番目の写真)
板の前側が軽く浮いた感じになるはずです。
ならない人は前足を伸ばしてしまっているので、前足を引きつけたまますばやく後ろに引いてください。
少しでも前足を曲げたまま後ろに体重を移すことができれば、必ず板が反ってきます。
その後パタンと板が元に戻ります。ここまでが初めにやること。
2.タイミングよく蹴りだす
これがこのオーリーの全てというかそんな感じだ。
蹴りだすのは当然だけど後ろ足で、蹴る方向は自分の体が前方上空に上がるような方向に蹴りだすことになる。
詰まる所、前足を引きつける事によって得た反力をうまく使えるかどうかだ。
引きつけてる途中で後ろ向きに蹴っちゃうとひっくり返ります。まあ転ばなくてもバランスを崩し、力をうまく使えません。
逆に遅いと、板の反力のほとんどが無くなってしまい、ただのジャンプにすらなるかどうか。。。
まあ前足を引き付け終わったときにすぐ蹴ることかな。
このとき前に加重を戻しながら蹴るんだけど、前足を引きつけたままで飛べば、勝手に前に前加重になるので、初めはそんなに気にしなくてもいいかも。空中で頭の位置が前足の上にくると丁度いいかな。(3番目の写真)
板の硬さや筋力によって多少タイミングが違うけど、何回もやっていると板が浮くようになります。繰り返してください。
3.滑りながらオーリー
斜面でオーリーをするときも、当然だけど緩斜面でゆっくりとしたスピードでること。
初めはスタート直後の動き出しのときにやると、平地でやったのとあまり変わらないので楽でしょう。
次はあまり早くないときにやります。当然周りをよく確認してから危なくない場所で行ないましょう。
斜面で滑っているから、あまり”前加重にもどしながら”ということを意識しすぎると着地のときに前につんのめるので気をつけてください。速いスピードでやるとつんのめるどころか前転をする羽目になります。
これも一つ一つの動作を確認しながら確実にやってください。
4.飛びたい場所でオーリー
大事なことは自分が思った場所で飛ぶことです。
テーブルに入って、リップを抜けた後に空中でオーリーをやっても、板に反力は得られないばかりか100%怪我するし、リップのかなり手前でやっても着地したときにまだリップの途中なんて事をしても当然怪我します。
カッコよくレールにエントリーしたいのに、レールにぶつかってから飛ぶことは出来ません。
ということで、自分が飛びたいときに飛べないと意味が無いので、これは動作を確認しながらやってうまく飛べるようになったら、全ての工程を意識することなく、「オーリーする」とか「飛ぶ」って思ったときに勝手に繰り出されるものにならなければいけません。
練習方法は、まず雪の形を見て凸凹や雪球を探し、その中から目標地点を決めておきます。
そしてその地点で飛ぶということを意識して、自分がどの地点から動作をはじめればその場所で飛べるのかということを何回か飛んで確認します。
このとき、全然違うところで飛んでるようなら、踏み切り地点が合うまでやり直し。
また、飛ぼうとしてから実際に飛ぶまでの距離が長すぎる場合は、その動作がなるべく小さくなるように修正をしていってください。
理想は板の先端が目標地点を通過したときに「飛ぶ」と思って動作をはじめて、テールの部分が目標地点に来たときに後ろ足を蹴りだして飛んでいる。ってのがいい。
踏み切りで気を付ける事は、「ノーズが目標地点を超えるように」ではなく、「後ろ足(上級者はテール)が目標地点で踏み切ること」なのでそこは意識したい。
5.空中での足の引きつけ
そして一番大事なことはカッコよく飛ぶこと。
決まってんだろうが・・・。
何のために飛ぶかだ。
せっかくオーリーしてても安定して飛んでなきゃ、そのうちキッカー入るようになっても怪我するだけ。

そう、覚えたオーリーでキッカーに入って高く飛ぶ為にやってるんだから、そこでバッチリ決まってなきゃ意味が無いでしょ。そのためのオーリーなのだよ・・・。
空中での浮遊感を味わうのが好きでボードを続けている俺にとっては、空中で余裕が無いのはダメダメ・・・。
余裕ができるとグラブができるようにるし、当然廻せるようになる。

そのためには安定することであり、安定するためにはオーリーを覚える段階から足をひきつける癖をつけなきゃならねぇ。
なぜ足を引きつけると安定するのかはちょっと考えればわかること。
体を小さくすることによって空中での余分な方向に掛るモーメント(要するに余分な力)を小さくするから安定するんだな。
意味がわかんなくても、とりあえず空中で小さくなっておけば間違いないから。
それにそうしたほうが高く飛べるしね。少なくとも足を曲げた分は・・・。

やり方は、オーリーをするときに曲げたままの前足をリリースしないってことだけ。
後ろ足はオーリーした時に蹴ってるから勝手に曲がってくる。
うまく出来ない人は、オーリーする前にもっと重心を低くして試して欲しい。大げさに言うと、しゃがんだままオーリーのような動作をする状態を軽くやった感じだから。(言い過ぎか?)
言い忘れたが、空中に出てから無理に足だけ引きつけようとすると体がひっくり返ることになる。ま、グラウンドでのオーリーなのでたいしたことないけど、結構痛いと思うぞ・・・。気をつけろ。
ポイントを整理すると、オーリーで飛ぶときに膝を伸ばしきらないってことが大事で、そのためには勝手に雪面を蹴って上がってくる後ろ足より、前足をひきつけたまま曲げておくことか重要。そのまま自然に上がってくる足を意識しておくだけで、空中に出てから余計な力を加えて引きつけようとしてはダメってこと。

も、わかった?



これらがスムーズにできるようになったら、あなたはオーリーマスター(ゲレンデ限定)です。
ここまでできればいろんな地形でオーリーをやってみましょう。
窪みやコブに合わせると、高く飛ぶことが出来たり、雪質の違いや、斜度の違いによって飛び方が多少違うことがわかります。
いろんな地形で飛べるようになったら、小さい段差などで挑戦し、うまく飛べるようになったら、テーブルなどにも挑戦できます。
もちろんオーリーを強く蹴って、高く飛ぶってことにも挑戦するといい。
そして目指せ限定解除!!!
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