ONE MAKE 1

〜ベーシックエアー(basic air)〜

ベーシックエアーっていうのはキッカーなどを飛ぶだけのことを言う。
そんなの誰でも出来るよ。なんて安易に思った人は人生をやり直せ。
どうやって飛ぶのが正しいの?と思った人は普通の人。これを読んで勉強するように。
頭の中に押えるべきポイントが思い浮かんだ人はベーシックエアーをちゃんとできる人。この講座は飛ばしてもいい。
エアーだけでなく、全てのトリックからフリーランに至るまで、理解して無いヤツは出来てないのと同じ。
これはボードだけに限らず人生の全てにおいて関わってくるから、やり直しになった人はできるだけ丁寧に人生をやり直すように。

ベーシックエアーがちゃんとできる人は、スタイルを出すことを別にすれば基本の4つのグラブが自然に出来るようになる。
すなわちインディーグラブ、ミュートグラブ、メランコリーグラブ、ステールフィッシュグラブの4種類だ。どれかが出来ないなら何かが出来ていないのだろう。基本グラブのうちテールグラブとノーズグラブはまたちょっと違うけどこれはまたの機会に。

ところでベーシックエアーにおいて押えなければならないポイントとは大きく分けて4つある。
「アプローチ」、「踏みきり」、「空中姿勢」、「着地」
の4つ。
エアーの初心者かどうかを見極めるのは、ベーシックエアーの空中姿勢を見るだけですぐに分かる。これはアプローチと踏み切りがうまくできていないと綺麗でなくなるし、その後の着地にも影響してくるから。
とにかくエアーがうまくなりたいなら、ベーシックエアーだけはしっかりと押えておくべきだ。怪我をする確立も大幅に減るだろう。

ポイントごとの説明に入る前に、初めてキッカーで飛ぶ前に必ずやっておいて欲しいことがあるので、まずそれについて。

・いろいろな地形を滑り、滑走に必要なバランスが取れること。
・板をフラットにした直滑降が5m以上できること。
・オーリーを習得し、コブや段差などを使って思い通りの場所で踏み切れること。
・目線を下に向けずにオーリーをタイミングよく出来ること。

それぞれスノーボード講座、グラトリ講座に書いてあるのでしっかりマスターして欲しい。
オーリーの強さについては気にしなくてもいい。キッカーでやるエアーはタイミングの方が重要だから。強いオーリーは割とレベルが高いから、それはベーシックエアーができるようになってから個人のレベルに合わせて徐々に強くしてくといい。
ガッツリオーリーはまだはえー!

初めからやろうとするとまずひっくり返る。強くするのは少しずつで、ホントに斜面でやったら先端が少し浮くくらいの軽いオーリーで、タイミングを合わせるイメージだな。

また初めて飛ぶ時はテーブルトップ型の小さなキッカー(高さ50センチくらいで、飛距離が1メートルくらい)でやることが理想。
大きさは適当なのが無ければしょうがないが、必ずテーブルトップ型でそのゲレンデで一番小さいキッカーでやること!

技術以外の点ではマナーを守れることが重要。
通常のゲレンデでのマナーもそうだけど、キッカーでのマナーも存在する。それは順番を守ることと、安全を確認すること、転倒の際に速やかに安全な場所へ移動すること、アプローチ前に手を上げて周りに伝えたりすることなどである。地方によっていろいろあるらしいけど、周りの人をよ〜く観察すればわかる。
マナー守れないヤツは飛ぶ資格は無い!
は!熱くなった・・・。マナーが守れないヤツも多くてねぇ・・・。頼むよホント。
基本的にうまい人はみんなマナーがいい。ここから学んでくれ。

じゃ、ポイントごとの説明に入る。

Point1 アプローチ
アプローチというのは滑走のスタートからリップまでの間のことを指し、特に限定してRが始まってからリップまでを言う人もいる。リップとはキッカーの飛び出し口のこと。
アプローチのポイントを一言で言うとリップで飛出す準備が出来ていること。
つまり
そのキッカーに合ったスピードにする
余計な力を抜く
リップ直前では低い姿勢になる
必ず板をフラットにして真っ直ぐリップに入る
ことくらいだろう。。
アプローチのときの目線はリップを見ていれば問題ない。目線は常に次に自分が行く場所を追うことになる。

キッカーに合ったスピードというのは他の人がスタートしてからどのくらい減速してるか、直滑降の区間はどのくらいかを確認すれば予想が付く。
初めてのキッカーに様子も見ずに入るという愚考
を犯してはならない。スピードが足りないのも、ありすぎるのも良くない。
テーブルトップ型であれば、スピードが足りない方ならなんとかなる。だからエアーの練習のはじめはテーブルトップがいいというわけ。ただし、着地後に突然ダウン滑走になるから気をつけよう。
それからスピード調整は必ずテーブルトップのリップ手前までに終わらせて、最後は直滑降でアプローチすることが重要。テーブルトップのR(斜度が変るところ)以降では減速してはならない。無理そうならRに入る前に判断してエスケープするのが無難。

余計な力を抜くというのは、緊張してると後の動作がスムーズに行かないから。オーリーの練習の時も固いままでは出来なかったはずだから予想付くかな。

リップ直前で低い姿勢をとるというのは、重心を低くすることによってオーリーをしたときの前後方向のブレを無くしたいということと、オーリー後に自然とその体勢に戻ろうとすることから、空中姿勢が安定しやすくなるため。練習のうちはかなり低くする気持ちが必要。最悪しゃがんで出るくらいで練習するといい。
体や足が伸びた状態で飛出すと危険。


板をフラットにするというのは、回転を飛ぶ人や、フロントエッジに乗ってオーリーで高さを出したい人はその限りではないが、ベーシックエアーがちゃんと出来てない人はフラットで練習してちゃんとできるようになってから考えた方がいいだろう。
エッジを掛けるというのは
よくあるハウトゥー本に書いてある罠だ。


なぜならオーリーは板がフラットの方がやりやすいから。慣れてきたらいろいろ試してもいいが、ベーシックエアーの練習段階では必要ない。またオーリーを強くする段階になって、フロントサイドにやエッジを掛けるといいというが、本当に少しだけエッジを掛けているだけなので、勘違いしてガッツリエッジを掛けると大転倒してしまうので気をつけろ。

これらの練習は通常の滑走中にできるから、オーリーの練習の時と同じく自分でリップに見立てた目印に向かって滑って1回は確認するといい。本当に基本に忠実にオーリーをするのと何も変らないことに気が付けばそれでいい。
その後小さいテーブルトップに実際にアプローチしてみよう。
ここではまだオーリーをする必要も飛び上がる必要もなく、ただ通り抜けるイメージで「リラックス、低い姿勢、フラット」の3つだけ考えていればいい。
アプローチの練習だって言ってんだろ!
これができるかどうかって時に余計なことはしない!何が悪いのかわからなくなる。
これはスピードが速すぎない限りちょっと浮くだけで転倒さえしないはずだ。
この時点で腰が引けたり着地がうまく出来ない人は、特に低い姿勢が出来ていないと思われる。出来るまで繰り返して欲しい。スピード調整が終わってRに入る直前に一回
屈伸をするように低くなる
ことをやっているプロライダーもいるから真似してみるといい。これは結構効果があるぞ。
低い姿勢になることで腰を引くスペースが無くなるから飛び出し時の後傾を簡単に防ぐことが出来る。
Point2 踏みきり
これも普通のオーリーと一緒。
アプローチ練習が終わって慣れてきたら、同じアプローチをしながらリップで極めて弱くオーリーをしてみる。大事なのはタイミングだけ。スピードは遅いままでやること。
目線は自分が飛んでいく先。つまり、エアーの最高到達点に向けることが重要。
オーリー確認しながら飛んだら体が折れてしまうから注意すること。
オーリーをかけるタイミングは板の右足より後ろだけがリップに掛かっているときが理想だけど、はじめは板の先端がリップに掛かったらすぐに前見てオーリーで問題ない。
慣れてきたら、板が半分くらい出てからとかでOK。
うまくなってくるとRが始まってから前見てても合うようになってくるからそのくらいを目指して欲しい。

オーリーが弱くてもいい理由はリップを抜けた部分の板が勝手にオーリーの形を作ってくれるから。もちろん高く飛べるようになるにはオーリーを強くしていく必要はあるけど、今は関係ない。
アプローチの時にせっかく作ったカタチを崩さないように、小さくなったままで合わせるだけの気持ちでやってみるといい。これだけでちょっとした浮遊感が味わえるはずだ。
この時点で崩れたら反復練習。アプローチ練習とオーリーが出来ているのだからそんなに時間は掛からないはずだ。多分オーリーの強さがまだ強いか、タイミングがズレてるか、オーリーのやり方に変な癖があるんだろう。合わせがすぐできないようなら、オーリー自体を見直すといい。

通常のオーリーは雪面に垂直に伸び上がるようにするのだが、テーブル型の斜面を上がった状態でオーリーするのに対して、着地はテーブルのくだり部分(小さく飛んでる時はテーブルの上部分)。最終的に着地する場所に対して体が垂直でないといけないから飛出しの時に通常のオーリーよりも更に前方に上半身を振り込んでいく必要がある。じゃないと外から見ると
ドロップキックをしている状態
になってしまう。
残念なことにキッカーはプロレスの練習をする場所ではない。しかし
見えない敵に向かって
低空ドロップキックをしている姿
をたまに見かける。残念だ・・・。
最初は小さいキッカーで練習しているだろうから、そのテーブルの上がり斜度とくだり斜度は大した差が無い。だからそこではあまり気にしないでも着地出来るだろうけど、他のキッカーでは通用しなくなるので上半身の送り込みも今のうちに練習すること。強くやりすぎると危ないので、少しずつ強めていけ。
うまい人でも始めてのキッカーではこの振込み角度の調整をする。アプローチの時のスピード調整の次に大事なことだ。エアーの頂点で板が地球と平行になるようにしとけば多くの場所では通用する。エアー頂点に板を平行に置きに行くイメージで飛んでいけ。うまくできない人やRがきついときには肩でエアーをリードするといい。
最後に、オーリーすると自然となると思うけどしっかり手を振り上げよう。これが後から効いてくる。
Point3 空中姿勢
次はいよいよ少しスピードを出してアプローチする。
アプローチ時のスピード調整に気をつけたい。踏みきりのタイミングもスピードを上げることで若干違うのでそこも注意すること。
空中姿勢ってのは「小さくなること」に尽きる。
空中で小さくなるといっても、間違っても上半身を屈めてはいけない。下半身を引き付けないと一気にバランスを崩してしまう。
だから「小さくなること」を書き直すと「足を引き付けること」になる。

できない人は、姿勢を低くしている状態からオーリーをすることにより、空中では自然と足を引きつけるはずだから、まずアプローチを見直す。
次に、オーリーするから後ろ足で踏み切った方の足をしっかりひきつけるという必要があるが、ちゃんと踏み切っていればその反動で勝手に上がってくるはずだから、踏切を見直す。
それからオーリーするときにちゃんと手は振り上げていただろうか?その振り上げた手を空中で下ろすことによってカウンター効果で足が上がってくるから手の振り上げも見直してみよう。
作用・反作用の法則に感謝!
あとは、、、
首を立てとけ・・・。
体を折っちゃうヤツは首が横向きになるからな。あまりカッコよくない。
ちなみに、目線方向だが、最高到達点以降は着地するまでずっと着地地点と思うところ。
見てないと着地が合わないからちゃんと見ること。
いつまでも上ばっか見てると足元をすくわれるってやつだな。

低い姿勢からオーリー、後ろ足でちゃんと踏み切る、振り上げた手を下ろすの3つで空中姿勢がかなりまとまる。
空中姿勢というのは結局アプローチと踏みきりの総合でホトンド決まるんだけど、それを生かすためには空中で「小さくなること」を意識してないとダメ。それを意識しよう。
空中姿勢がいいということは、アプローチ、踏みきりがいいってこと。だからここを見ることで安定感があるように見えるかどうかが決まる。って寸法だ。

それから、ここまでちゃんとできれば気が付くかもしれないけど、空中で小さくなって手を振り下ろしているわけだから、板に手が届いちゃうんだな。そしたらグラブできるでしょ。
Point4 着地
着地はオーリーをいっぱいやった経験があったりすればそんなに気にすることも無い。
書くまでも無いだろうが、足をやや伸ばして板が接地したら膝を曲げて衝撃を吸収するだけ。
できるだけフラットで着地すること。ノーズからの着地は危険なので、そうなるよりは少しだけテールが先に付くくらいに調整しよう。調整の仕方はノーズ側の引くつけた足を少し遅らせてリリースすればいい。
空中姿勢までが出来ていれば、ここで苦労することは特に無いはずだ。
ただひとつ言うとすれば、着地地点を見るってことだけ。
大きく跳ぶようになれば特に。
グラブするようになっても、グラブを観ることはなく常に着地地点を見るようにならなければならないので、体に覚えこませろ。
もちろん、着地してからは滑っていく先を見ることになる・・・ってそれくらい分かるか(´∀`*)ウフフ
最後に、この練習をする時に何度か転倒するだろうけど、そのときに一番やってはいけないことが転倒する時に手で体を支えること。転び方をマスターしてればそんなことは無いだろうけど、エアー後の運動エネルギーを支えるだけの強さは人間の手には無い。手首、肘、肩は簡単に怪我するから十分気をつけよう。
ノーモア骨折
それでも手を伸ばす癖がある人はリストガードは必須。必ず着用しよう。あとケツパッドもかなり役に立つに違いない。
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