ONE MAKE 4

〜メランコリー(melancholy)〜

メランコリーとは憂鬱だとか陰気という意味を持っている。
その飛んでいる姿がけだるそう?なところから来ているのだろう。

メランコリーはメランコリーグラブをしてエアーをすることの総称で、左手でヒールサイドを掴むことをいう。
メランコリーグラブをしてバックサイドシフティーをするとジェシー、体を反らせるとメソッド、メソッドをバックサイドシフトするとトゥウィークなどといろいろなエアーの名前になる。

ヒールサイドならどこを掴んでもメランコリーなのだが、通常メランコリーというと両足の間を掴むことを指す。人によってはボーンをして初めてメランコリーだという人もいる。
そういう人は不完全なメランコリーを揶揄して「メロン」だとか「メラン」と呼ぶので、是非ボーンまで覚えたい。

ここからは普通のインディーができるということを前提で書くので、そのつもりで読んで欲しい。
インディーをベースにするというのは、体の向け方はインディーとほとんど一緒で自然な前向きの開きとなることや、右手でトゥーサイドを掴むインディーの形をしたときに自然に左手はヒールサイドにあり、その手でヒールエッジを掴むだけなのだからそのほうがイメージしやすいという理由から。
無から有を作るより、単に変形だと思えば簡単。

実際に床の上でやってみると納得してもらえると思う。
個人的にはグラブするだけならミュートよりも簡単だと思うが、それはインディーの仕上がり具合によるかもしれない・・・。

ポイントはインディーやミュートよりやや背筋をまっすぐにすること
あとの姿勢はインディーと変わらない。
ヒールサイドを掴むのなら、背筋を伸ばすのは当たり前の動作だけど、今までトゥーサイドしか掴んでない人だったら、軸ズレが起こる可能性があるので、やや背筋を伸ばすくらいのイメージでノーグラブのまま飛んでみることをお勧めする。
テール側は掴みにいくと転倒に繋がりやすいので、必ず「足を引付けて掴む」ということができるようになってからチャレンジすること。

このくらいで実際にインディーを飛ぶのと同じようなエントリーからメランコリーグラブをしてみると、あっけなく触れるはずだ。あとはがっちり掴むようにするだけ。
はじめは左足の外側を掴むとやりやすいと思う。
それでもできない人は、ミュートグラブの左足外側(トゥーサイド)を掴んでいるところから、左足の外側くるぶしあたりにタッチ、左足のバインのハイバック・・・とミュートからずらしてくるやり方もあるので参考にして欲しい。
体の向きはインディーと一緒で掴み方が違うと覚えるか、掴み方がミュートからの変形で体の向きはそのときに自然と前を向くのかの違いで、出来上がる形は一緒だから。

できるところからの変形で覚えるほうがいいのはエアーだけに限らない。
お金の損得には厳しいけど算数が弱い人がいたら、お金のほうから算数を教えれば覚えやすいのと一緒。
スキー経験者にスノーボードを教えるなら、まったく知らない人用の教え方をするより、スキーの経験を生かせるような教え方をしたほうが早くうまくなるのもこのため。
それはスキーじゃなくても、陸上だろうが、自転車だろうが、卓球だろうがなんでもいい。ただしそのスポーツや経験を教える人も知っていないといけないってことはあるけど・・・。

軽く話がズレ始めたところで元に戻す。

メランコリーのときの右手の位置はミュートのときよりやや開いた感じになる。
インディーの掴む手を離したときのような感じでもいい。
こんな感じであっという間に左足外側のメランコリーグラブができるようになるだろう。

左足の外側を掴むことができたら、両足の間を掴みにいく。
はじめはなかなか両足の間を掴むことはできないと思うけど、それはカウンターを入れないとオープンサイドの回転がはじまってしまうから。
そこでグラブしてないほうの右手でカウンターを入れる。胸を開くように後ろ上方へ上げてやるだけでいい。ただし、このくらいのエアーなら肘は曲げたままで小さくカウンターを入れたほうがいい。ちょうど腕を残すようなイメージで。
それは思ったより体は開いていないから強いカウンターは必要ないことと、技のレベルの割りに大げさすぎるのはちょっとダサいから・・・。シフトを入れるまではこじんまり飛んでおこう( ;∀;) カナシイナー

さて、ここまではできたとして・・・早速その後はノーズボーンを入れていく。
スタイルは何で出してもいいんだけど、テールボーンをやってしまうと、トゥウィークとどっちかわからなくなる人が続出することを懸念してるから。
ホントはテールボーンの方がやりやすいんだけど、体を開いてテールボーンすると体が勝手にシフトしてるから、なにやらトゥウィークの出来損ないのような形になってしまうってのが理由。
もちろん、トゥウィークとの違いをハッキリさせてワザとテールボーンにするならそれは◎。是非やって欲しい。
まあここでは間違えようの無いメランコリー・ノーズボーンを説明する。

メランコリー・ノーズボーンは「メラン」だとか「メロン」だとか言ってる輩を一発で黙らせることができる技なので是非覚えときたい。
とは言っても、このヒールサイドを掴んだ形で左足なんか伸ばせるのか?という疑問があるだろう・・・。
想像力のないヤツラだ・・・。

そんな人たちにノーズボーンの秘密を伝授しよう。
やり方は何度も書いて飽きてきたけど、グラブ場所をずらすだけだ・・・
掴む場所は左足のすぐ内側を掴んでるようじゃ全然伸ばせない。できるだけテール側を掴む練習をここで必要とするんだけど、実はエアー軸を飛びはじめから右足側に移して飛ばなければならないことに気がつく。
つまるところ、ここまではタブーだった掴みに行く動作が必要になってくる。

と言っても、腕を先行させてグラブしにいくのとは違うので気をつけて欲しい。
エアーの飛び出し方をグラブしやすいように飛ぶってことで、軸を右足と左足の中央に持ってくるのではなく、右足側に残したまま飛び出すことになるのだ・・・。
これはテールグラブのときも使うので覚えておいて欲しい。

軸をテールに残して飛ぶコツは体を少しだけ遅らせてアプローチ(リップ上がるとこ)で板を先行させるようにしてといて自分の軸をとりあえず右足に乗せてしまい、そこからやや強めにオーリーをして右足だけをケツの下に引き寄せるようにするってこと。
つまり左足は飛び出し直後から軽くボーンをはじめている状態になる。というかこうしないとできない!と俺は思ってる。
体が柔らかい人はもっといろいろ試してみてもいいけど、これが楽なのには変わりない。
テールよりに軸を残して飛んだあと、体を正面方向にひねりながらヒールサイドの右足バインの内側あたりをグラブして、ちょっと伸びだ左足を右腕とともにさらに前方に押しやって完成。

そのうち写真を載せようと思ってるけど、空中で準備体操の伸脚してるようになるってことで、そうしたら右足の内側に手が届きそうでしょ。
あと、ここでのカウンターは軸を後ろにずらした体に対してのカウンターになるから、足も手も前方向でOK。ノーズを掴もうとするように手を大きく前に出すとボーンも大きくなる。
そして手を元に戻したら軸も元に戻るようになってる。全て自然の摂理。
ビバ!物理学!

最後に目線の話だけど、軸を後ろにズラしたまま飛んでるけど、空中に出たら着地地点を見るようにすること。当たり前なんだけど、軸をズラして飛んでるからちゃんと下を向けないなんてことになりやすいので注意。
下が見れないと、空中にドロップキックという状態になってしまうからホントに気をつけてくれ。

ってことで、メランコリー・ノーズボーンのやり方講座を終わる。
テールボーンがしたければメランコリーグラブの手を前に持っていくだけでノーズボーンより比較的簡単にできるからやってみてもいいけど、それするならトゥウィークの講座を見てから、違うスタイルになるようにメリハリをつけてやったほうがいいだろう。

最後に、これはあくまで一例であることを念頭において、自分のメランコリーを極めて欲しい。
メランコリーと言うからには、鬱な感じをいっぱいに出して欲しいけどね。
だけど、
メランコリーからの派生はいっぱいある

からそっちでスタイル出したほうが、、、っていうか、メランコリーでのスタイルを出したものに別の名前が付いていると言ったほうが正しいかな。
先にも挙げたけど、メソッド、トゥウィーク、ジェシーがその代表格だな。ノーズグラブも練習の仕方はここからだし。
メランコリーグラブでの一番カッコイイエアーはトゥーウィークであることを先に言っておく。これは誰がなんと言っても譲れない。だからノーズボーン出来なくても気にすんな(・∀・)イイコトイッタ!!

ひとつのグラブでひとつ以上のスタイルを持ったエアーが出来てればそれでいい。
でも出来れば2つは欲しいけどね。
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