◆ グアムでの釣りから・・・

        三十路の冒険を決意・・・カミさんに内緒で情報収集

平成2年の頃、小川のフナ釣りから始めた釣りも、渓流へ、湖沼、海へとどんどんエスカレートしておりました。とにかく毎週土日の週末が待ち遠しくてなりません。ところが、この頃は娘(今は高校1年生で剣道部、生意気盛り)が生まれたばかり、カミさんも育児に専念するため職場を退職しており、こんなわたくしの釣り三昧を快く思っているはずもありません。「あなたは、この子がかわいくないの?少しはウチでこの子を見てて!」・・という悲壮なカミさんの声にも、愛想笑いを浮かべ「あ、いや・・すぐ帰るから」とか「今日だけ、明日は(娘を)見てるから!」とその場限りの言い訳する毎週末でありました。

そんなとき、職場の労働組合の職員が「毎月1,000円ずつやっていた定期積立が満期になりました。口座に10万円振り込まれますから・・」という嬉しいお知らせを届けてくれました。やったー、臨時収入はホントいいねえ、しかも10万円!ナニに使おうかなあ・・やっぱり竿かな。いや、娘になんか買ってやろうかな。待てよ、カミさんのご機嫌とりがまず先だよなあ。・・てな具合に、まだ振り込まれてもいない10万円という大金の使い道をその日一日中考えていたのでありました。ウチに帰り、晩酌をやり、娘をあやしながら機嫌よく釣り雑誌を眺めていると、傍でカミさんが「へえー、今はグアムとかサイパンだったら7、8万円でいけるんだ!ねえ、聴いてる?」、わたくし「・・ああ」、カミさん「わたしたちも新婚旅行、近場の海外が良かったかもね」、わたくし「・・」、カミさん「聴いてんの?!」。

数日後、他の職員に用事があって職場に旅行会社の営業の方が来ました。わたくしの横の接客用のテーブルでの旅行会社の方と職員の話しを聴くともなく聴いていると、ここでもまた海外旅行の話しが出ています。アメリカやヨーロッパでも今では気軽に行くことができるようになったという話しのようです。わたくしは、2人の話しをさえぎり、その旅行会社の方に尋ねました。「あのう、グアムとかサイパンで釣りとかってできますかネエ?」。わたくしの心にいる釣りの悪魔がささやきます。「これって、BIGなアイディアじゃないかい??へへへ・・」。30歳代になって間もない頃、カミさんには決して言えない作戦が始まりました。


        目をつむり、これで手続き願います!・・・旅行会社に印鑑を手渡す

・・とはいうものの、初めての海外旅行です。しかも一人・・、しかも釣りだけのために・・、しかもたった10万円の軍資金で・・。グッドなアイディアとほくそえんではみたものの、いざ実行に移そうとしてみるとなかなかどうしてその決断ができません。いわゆるビビッてしまって・・というやつであります。しかし、ここで、こんなところで諦めてしまうにはもったいないチャンスであることがわたくしを奮い立たせてくれました。そのうえ、こんな大それた計画を実行するには今しかないだろう、へへへ・・そんな声が毎日、毎日心の中でつぶやきわたくしを誘っているのでありました。よしっ、行く!!

この決心が揺るがぬよう、まずはY市にある旅行会社に職場から電話をかけました。「すみません、グアムに行きたいんですが・・。明日の昼休みとかこちらに来てもらえますか?」、電話の向こうから「アリガトウゴザイマス。さっそく明日うかがわせていただきます」という返事です。そして次の日の昼休み。約束どおり旅行会社の営業の方が見えられました。「昨日はご連絡ありがとうございました!グアムに・・」、わたくし大慌てで「アアッ!ちょっとここではアレなので、こちらの方でお願いします!!」と人気のないロッカー室へと旅行会社の方を連れて行きました。

わたくし「な、なんかチラシとか見ると、7、8万円でグアムかサイパンにいけるというふうに書いてあったんですが、ホントですか??」、旅行会社の方「ええ、今はもうそれより安い価格で行くこともできますですよ、ハイ!(笑顔)」、わたくし「じゃあ、この9月にわたくしグアムに行きますので手続きしてください!これわたくしの印鑑です!」、旅行会社の方「・・」、わたくし「じゃあ、頼みましたよ!わたくしの気が変わらないうちに早く頼みます!」。こんな具合で依頼したこの冒険、さてさてどうなることやら・・当の本人が一番ドキドキしていたのであったことをここで正直に白状したいと思うわけであります。


        ザックを背に、ロッドケースを片手に飛行機に・・・ひと文句言いたそうな上司の視線とカミサンの呆れ顔

「もしもし、IKEdさんですか?こちら○×△観光です。先般ご依頼のありましたグアム旅行の件ですが、手配ができました。アリガトウゴザイマス!」、わたくし「わっ、き、来た!」。そうですわたくしの空前の冒険釣り旅行がついに現実のものとなったのです。ドックドック・・興奮しているのかなんとなく鼓動も強く、早くなっています。これで、本当に行かなきゃいけなくなったってわけか・・グアム!?昼休み、ソロソロと自分のデスクの引き出しを開けてみると、そこには家族に内緒で準備した朱色のカバーのパスポート。よっしゃ、行くベエ!!

それからわたくしの冒険?の準備が始まりました。旅行用のスーツケースなどあるわけもありません。考えた末、ハイキング用のザックを購入し、これに旅行に必要なものと釣具を入れることにしました。もちろんロッドケースは別に持っていくことになります。グアムでの釣りに対するそのときの自分のイメージとしましては、ちょうど地磯か沖磯の底物釣りのイメージでありました。もちろん船での釣りも考えましたが、船酔いが心配なことから自分の頭の中からは除外しました。

いよいよ、グアム旅行まで10日後あたりに控えたある日、職場の上司にその旨を伝えました。皮肉なことに?上司はわたくしに一番最初に釣りの手ほどきをしてくださったあのFUK係長であります。「ああ?グアムってあの外国のグアムか??」、わたくし「はっ、はあ・・」、「い、いやまあ、自分のお金で行くことだから何にも言うことはないが・・し、仕事は大丈夫か?」、わたくし「はいっ、土日を利用して行きますし、有給休暇は2日と半日ほどいただければけっこうです。も、もちろん仕事はちゃんと迷惑がかからないようにしていきます」・・それでもFUK係長は何か言いたそうです。・・すんません、係長!もう後戻りできないです!!

次に旅行まであと1週間・・わたくしはついにカミサンに告白しました。そうです、実はこの日までカミサンにはこの大それた計画を内緒・・いや言いそびれていたのであります。「ええっー、グ、グ、グアムー?!、ツリって、釣りー??」、続けて「あ、あなた!なに考えているのお?でっ、いつ??・・えー今週??」。長ーい20分間が過ぎると、怒りを通り越して呆れ果てたカミサンの顔がそこにはありました。

そして、1週間後。紫色のザックを背に、ロッドケースを片手に空港に向かう一人の釣りバカの姿がありました。


        グアム空港に無事到着、いざ!・・・入国手続きでハッピーバースデイ♪♪を歌ってもらう?

いよいよ成田空港で飛行機の搭乗手続きが始まりました。紫色のザックとロッドケースを係員に手渡すと、思いもかけずその係員の男性がわたくしの荷物に手をかけ、少し微笑みながら「釣りですか?いいですね!」と声をかけてくれたのです。「あっ、ええ!釣れるかどうかわからないんですけど・・(笑い)」・・なんかこのかけられた言葉がとても嬉しく、元気付けられたわたくしでありました。そして全日空のジャンボジェット機が離陸、わたくしの期待と不安をのせてグアムへと向かったのは夜の11時頃でありました。 グアムと日本は1時間の時差があるということで、時計を修正、いただいたビールを口に含みながら、グアムの税関へ出す書類などを書いたり、文庫本を広げたり、なんとか少しの仮眠をとらなきゃなどと眼をつむったりしてみたのですがどうも落ち着きません。ずいぶん緊張していたのだと思います。白状しますと、そのときのわたくしはグアムでの釣果 に胸をワクワクさせて・・なんてことは全然思ってもおらず、「ああーなんかオレ、とんでもないことしてんじゃないのかなあ・・」という後悔にも似た思いでいっぱいなのでありました。 そのとき、機内アナウンスです。「まもなく当機は着陸のため、高度を下げ・・」、わー着いっちゃったー!

グアム空港はけっこう古く、華やかでもなく、殺風景な感じでした。空気もなんか淀んだような温かい感じです。出国のため、パスポートと税関への届け出書類を恐る恐る黒人の太ったおじさんに差し出しました。すると突然その黒人のおじさんは「ハッピーバースデイツーユウ〜♪、ハッピーバースデイツーユウ〜♪」と歌いながらわたくしの書類をヒラヒラさせています。「ええ、なに?」、「ああー、生年月日を書き忘れてた!」。でも、なんか良い人だなー。

空港から外へ出るとわたくしの参加しているツアー名を連呼している青年がいました。(この青年こそジョニー・メノくんで、後にとてもお世話になった人なのであります。)そこでホテルの名前がフジタホテルであること、バスは10号バスであることを確認しました。指定されたバスには小太りの運転手のおじさんがいて、わたくしのザックとロッドケースを車体の横のトランクに入れてくれました。そのとき英語でぺらぺらと話しかけられたのですが、わたくしの語学力で聞き取れる範囲を超えていました。バスに乗り込み、2つぐらいのホテルを経由したとき、突然その小太りの運転手のおじさんが大声で「○×△マン!、fishermann!フィシュアマーン!!」と呼んでいます。ああ、オレだ!!と気づいたわたくしは、手を挙げて運転手のおじさんのところへ後部席の方から行ってみると、どうやらわたくしの釣り道具はちゃんとトランクの中にあるかどうかを確認してほしいーと言う意味のようでした。みるとちゃんと紫色のザックとロッドケースがあります。わたくしは笑顔で「オーケー!」と右手の親指と人差し指で丸を作って答えました。座席に戻ったわたくしはとても嬉しい気分になっていました。なんかその・・"fishermann"と呼ばれたことで、グアム島全体に歓迎してもらったような、そんな気がしたからなのでありました。


        ロッドケースに"GOOD LUCK!"・・・運転手のおじさんが釣運を祈ってくれた

(実はこのグアムでの釣りについて、ここまでは自分の記憶を頼りに書いていたのですが、実はついこの間、グアムで出会った人たちとのことや出来事、それを自分がどう感じたかなどを書いたメモ帳が見つかりました。このメモ帳があることは自分でも忘れてはいなかったのですが、10数年も前のものです。もう何かと一緒に捨ててしまったに違いないと諦めていたのでしたが・・なんとカミさんが大事に保管してくれていた(・・まあ、当のカミさんも保管していたこと忘れていたのでありますが)のでありました。そこで、ここからは、そのメモ帳に沿って書いていきたいと思います。)

ホテルへの輸送バスはNO.116、リーフホテルとフジタホテルに宿泊する観光客を運ぶバスでありました。わたくしが向かうのはフジタホテルです。現地の時間で午前2時過ぎ、フジタホテルに到着しました。思ったより小さなホテルです。そこでまた輸送バスNO.116の運転手のおじさんがわたくしに嬉しいことを言ってくれました。それは、わたくしに積んであったロッドケースを手渡してくれたときのことでした。運転手のおじさんはわたくしのロッドケースを手に取ると、それを片手で優しくポンポンとたたいて、ロッドケースに向かってささやくようにこう言ってくれたのでした。「GOOD LUCK!」。

嬉しくて、何か感動にも似た思いが込み上げてきたわたくしは、運転手のおじさんにこう言いました。「OK!BIG FISH!」・・と運転手のおじさんは一瞬変な顔をしましたが、すぐにわたくしの手をとって握手してくれたのでした。そして、この釣り旅行を終え、この記録をまとめ上げたときにはその題名をきっと"GOOD LUCK!"にしようと思ったのでありました。


        ジョニー・メノくんとの出会い・・・ボクの車でグアムを案内してあげるヨ

ホテルに着くと、今度は現地の係員のジョニー・メノくん(このジョニー君には次の日とてもとても悪いことをしてしまったような気がする。わたくしの今回の釣り旅行の中で最も悔いの残ることに・・)が日程の説明をしてくれた。説明が終わったとき、予定どおりわたくしは観光ツアーはキャンセルすることを彼に告げました。そしてトローリングの手配の頼んだのであります。そのときのジョニーくんの話しでは、一般のトローリングはでは4、5人で船を借り、約4時間ほどの釣行をオプショナルツアーで楽しむのが普通だということでした。しかし、わたくしは「自分ひとりで船をチャーターしたいんだ。お金は少しくらい高くついてもかまわないから!」と告げました。その返事は今日の午前10時頃までにくれるということでした。

返事はOKです。料金は600ドル、約9万円です。自宅からこのグアムまでの旅行経費が11万円、今から思うとずいぶん高かったとも思いますがそのときのわたくしには決して高いとは思えないのでありました。その思いはホントに今でも同じです。さて、ジョニーくんとトローリングの商談?を済ませると、彼が流暢な日本語で「釣りは明日だし、これからグアムのフィッシングストアや観光スポットを案内してあげるヨ」と言ってくれました。突然のことでもあり、それに出国前から日本以外の国の治安の悪さを聞かせれていたわたくしは疑心暗鬼となってしまい、その申し出を断ったのですが、ジョニーくんは「ボクは今日休みだし、ヒマだからぜひ案内するよ」と言ってききません。じゃあ少しだけ面倒になろうと思いホテルのロビーを出ると、なんと自分の車で案内してくれると言うのです。

彼の車で案内してもらっている最中、わたくしの頭の中は「案内してもらった後で多額のサービス料でも請求されたら困るよなあ・・」ということでいっぱいでした。そこでわたくしは助手席で「親切にしてくれてありがとう。でもあんまり心苦しいから、これはキミとボクとのビジネスということで50ドルで手を打たないかい?」と切り出してみました。すると、ジョニーくんは困ったように笑って「お金の話しはなしネ」と言ってくれたのであります。わたくしはもうそれ以上お金の話しをすることをやめました。結果的にホテルに帰った後、わたくしはどうにも耐えられずに30ドルを彼に手渡しました。でもよく考えると、最初に50ドルと言ったのに、手渡したお金が30ドルとは・・これってウソついたことになるのかな?

        いよいよ明日がグアムの海の本番だ!・・・幸運の女神は写真の中の娘

少し話しは戻って・・ホテルの部屋はG−2167でツイン。わたくしが部屋に入ると未だ前の客が使用したままだったのか、ちょうど2人のメイドさんが掃除をしているところでした。2人とも27歳か28歳くらいの女性で、とてもチャーミングでした。・・部屋の掃除も終え、出て行こうとする2人をつかまえてわたくしは「マイ、ドーター!」と娘のYUMの写真を無理やり?見せてみた。すると少し小太りのメイドさんが「OH!Very Nice!!」と言ってくれました。もう1人のメイドさんも「OH!」と笑顔。わたくしは、もう有頂天になって「Fine?」と尋ねると、2人とも「Yes Fine!!」と返してくれました。わたくしは彼女らに心からのチップ50セントずつをあげました。わたくしの生まれて初めてのチップでありました。・・でも、後で海外旅行のガイドブックを見ると、チップは最低1人に1ドルだということでした。アラッ!かえって失礼だったのかなあ?

さて、今回の釣り旅行でいろいろ難儀をかけたジョニー・メノくんと一杯やるつもりで約束していたのですが、なかなか連絡がとれず少し憂鬱な気持ちが広がりそうになる自分をなんとか奮い立たせるよう努めました。そうです!わたくしはこの南国の小さな島に"釣り"にやってきたのです。そして、いよいよ明日がその本番なのです。しかも初のトローリングに挑戦の日なのです。な〜んか幸運の女神の姿を確認できず?不安もありますが、一生のうちにそう何度もあるわけじゃあないチャンス(少々船酔いの心配もあるのですが・・)なのです。そう、幸運には頼らず、わたくし自身の力で精一杯頑張ってみよう!今、枕元にはYUMの写真がある。YUMがわたくしの女神、幸運の女神なんだ!Let's Begin!!


       Japanese Fisherman AGANA BAYに到着・・・黒人の大男に連れられて

いよいよ、当日を迎えた。グアムの大海原でたった一人でクルーザーを貸し切り、トローリングに挑戦・・嬉しさと不安が交錯し、興奮しているのがわかる。嬉しさと不安の割合を考えると、圧倒的に不安の方が大きい。それでも、ホテルの部屋の中で鏡の中の自分に向かって「ヨシッ、行く!!」と気合をかける。何かの役に立つかもしれないとライフジャケットやリールなどの釣り道具が入ったザックを背負い、2本の磯竿が入ったロッドケースを片手にホテルの部屋を出る。ジョニーくんの話しでは、朝の7時にKUNY's inc.(クニーズ インク)という会社?でわたくしを迎えに来てくれるという。日本での朝2時、3時という超早朝の釣りと違って、朝7時というのはありがたかった。それでも、待たせちゃいけないと約束の時間の10分ほど前にはロビーに到着、迎えの人を待った。すると、フロントの60歳くらいの日系人らしきおじさんが、「Fisherman!Good Luck!」と声をかけてくれ、続けて「Japanese Fisherman,News Paperに載るくらいのカジキを釣ってきてね!!」、少しオーバーに驚いて見せたわたくしは片手をあげて微笑みながら「Thank You!OK!」。日本にいるときと違って本当にこんなセリフや仕草が自然にできる。不思議だ。

気持ちも充実してきたところであたりを見回しても、わたくしに声をかけてくれる人がいない。約束の時間から10分が過ぎた。周りにいるのはゴルフバックを背負った日本人の人たちがほとんど・・。少し不安になってきた頃、さっきからロビーで口ひげをはやした黒人の大きな男の人と眼が合った。すると「IKEDさん?」。なんだい、この人だったのか!後で話しを聞くと、わたくしがロッドケースを持っているので、観光客のゴルファーと間違えたらしい。「How do you do!」とお互いに言い合い、握手をして早速ハーバーに向かった。ハーバーの名前は"AGANA BAY"。前日ジョニーくんに案内されて行ったので、だいたいの位置は確認できた。プロ野球の巨人軍が春季キャンプとかのときに練習する球場の傍らにあるハーバーである。興奮しているせいでハーバーに着くと胸がドキドキした。何艘ものクルーザーが停舶している。車を降りると1艘のクルーザーに2人のおじさんがいて「Yha!」と言うので、わたくしは「お願いします!!」と頭を下げた。と、案内してくれた黒人の大男が向うで「NO!IKEDさん!This Closer」と呼んでいる。どうやら早合点したらしい。


       クルーザーGATE WAYが荒れる海へ・・・クニさん、デニーさんとともに

黒人の大男の呼ぶ傍に、キャプテンのクニさんとクルーのデニーさんがいた。クニさんはよく日に焼けた小柄なオジさんで沖縄出身の日本人という。デニーさんは茶色いヒゲをはやした背の高い、いかにもアメリカ人といった感じの人だった。2人と挨拶を交わし、握手をし、クルーザーに乗り込んだ。白いクルーザーの名前は"GATE WAY"だ。・・と、クニさんが「IKEさん、契約では午後3時までの釣りだけど、あなたさえ良ければ少し延長してもいいからね!」と言ってくれた。「サンキュウ!」とわたくし。いよいよ、GATE WAYが動き出した。AGANA BAYから外海に出るとき、周りのクルーザーの人たちがみんなで何かわたくしたちのGATE WAYに向かって叫んでいる。よく聞いてみるとみんな口々に"Good Luck!"と言ってくれているのがわかった。Good Luck!!ありがとう、みんな!じゃあ行ってくるね。今から思うとこのときの自分は、すっかり10代後半の少年のような気持ちになっていたような気がする。

いよいよGATE WAYがグアムの青い大海原に出た。AGANA BAYを出るとクルーザーはうねる波に大きく揺れた。船からの釣りなど1度も経験が無いわたくしは、これが普通なんだろうな・・と思いそれ以上のことを考えずにいたのだが、クニさんが「IKEさん!今日は天気も最高だし、波もけっこうあるから絶対釣れるよ!」と声をかけてくれた。波もけっこうあるから・・?だ、大丈夫かな、オレ。GATE WAYが港を出てまもなく、そう、Two Lovers Point(恋人岬)を通り過ぎようとした頃、トローリングシートに座っていたクニさんに誘われて操縦席に座らせてもらった。−正直言って、このときのわたくしは大きく揺れるクルーザーの中にいて、船酔いするか、しないかの瀬戸際だったのだが、弱気になってどうする!と自分自身を鼓舞しながら2階の操縦席に行った。操縦席はトローリングシートに比べ揺れも少なく、また、眼前に広がるBlue、Blue、Blue SkyとBlue、Blue、Blue Seaに思わず心を奪われた。そして右手にはグアムの緑に包まれた島が・・。すべてBlueの中のところどころに浮かぶ真っ白な雲がとてもきれいだった。また、グアムの島にはじける波の白さも目にまぶしかった。そう、これが南洋なのだ。これがわたくしが夢にまで見た南の海なのだ!

操縦席ではデニーさんを間において、デニーさん越しにクニさんと話しをした。クニさんとの話しが途切れたとき、わたくしは思い切ってデニーさんに話しかけてみた。話しのきっかけは、もちろんYUMの写真からだ。ポケットからYUMの写真を取り出して(この旅行中、わたくしはいつもYUMの写真と一緒だった。いつもベストやウエストバックの中にYUMの写真を入れて歩いていた・・たった1度のそのときだけを除いて・・)デニーさんに見せた。するとデニーさんは「OH!Like a Dool!」と言ってくれた。そして、そのあとデニーさんはショートパンツのポケットからサイフを取り出し、同じように盛装をしておすましをしている2人の子ども(姉弟)の写真をわたくしに見せてくれた。「OH!Very nice!!」とわたくし。わたくしがYUMの写真を頭上にかかげて「YUM、This is Guam's Sea!!」と言うと、クニさんも、デニーさんもやさしく笑って見せてくれた。

・・しかし、ここまでがわたくしの限界、いよいよ悪夢の船酔いが始まった。


       最悪の船酔い・・自分との戦い?なにくそーっ!・・・吐いたパンをポケットに

「よしっ、釣りのタックルを準備しよう!IKEさん、手伝って!!」とクニさんに促され、クルーザーの操縦席から下へ移動。タックルはイカのような形をしたカジキ用の30cmほどのルアーです。クニさんからこれにワイヤーを通すように言われ、見よう見まねでタックルの準備をして10数分後…「(あれっ、おかしいな。なんかフラフラするような気がする。あ、あらら…)」、そんなわたくしの様子に気がついたのか、クニさんが「IKEさん、朝食はちゃんと食べてきた?」、わたくし「あっ、そういえば…」、クニさん「そこにお昼に食べようと思っていたパンと飲み物があるから、食べた方がいいよ。これから長いからね」、わたくし「ハ、ハイッ!」。

促されて船室に入りクーラーボックスの中から本場の?サンドウィッチとジュースを取り出し、ベッドに座りました。そうだ、なんか食欲がないけど食っておかなきゃ!と心でつぶやきガブリッ!うわっ、なんか気持ち悪い…パンが入っていかない…いや、ムリにでも胃の中に流し込んでやるんだ…と必死の思いで大きなサンドウィッチを半分ほど食べ、船室からタックルの準備をしているクニさんのもとへ帰ろうとステップに足をかけたところで、クルーザーが海のうねりに大きく上下しました。…と、胸がムカムカし、軽い吐き気を感じます。"船酔い"という言葉が頭をよぎりました。「(やばい!こんなところで船酔いなんて…まだ海に出て1時間も経っていないんだぞ。あと10時間以上もあるんだ…)」、続けて「(わざわざ日本からグアムまで来て、船酔いでリタイアなんて…そんなみっともないことできやしない。まずは、クニさんとこに戻らなきゃ!)」。クニさんはまだタックルの準備中でした。「ごちそうさまでした、クニさん!」と精一杯のつくり笑いでクニさんに話しかけると、クニさんは顔を上げ、じっとわたくしの顔を見て「IKEさん、もしかして船酔い?」、わたくし慌てて「あ、いや、…まあちょっと…」、クニさん「…未だ、ポイントまで時間があるからキャビンで休んできたらいいよ」、わたくし「そ、そうすか…そうですね…」と言い残して船室のベッドに横たわりました。目が回り、クルーザーがうねりの中を進み、その底に入るといよいよ胸のむかつきと吐き気が襲ってきます。だ、ダメだ〜ウ、ウエ〜!

…さっき押し込んだサンドウィッチが手の平に吐き出されてきました。それを見てまたウエ〜!…チ、チクショウ、オレこんなところでナニやってんだろう?せっかくグアムの海まで来たっていうのに…。これじゃあ、クニさんやデニーさんに笑われちまう!せっかく声をかけてくれたホテルのオジさんやバスのドライバーのオジさんにだってどんな顔して報告すればいいんだよ〜、クソッタレ!!…とにかく、この吐いたサンドウィッチを隠さなきゃ!…とりあえずティッシュに包んでポケットにでも入れておこう。…ううっ、気持ちワリイよ〜、YUM、YUM…父さんに力を貸してくれよお〜。…ん、ずいぶん天気が良くなってきた…どうせ苦しいんなら、こんな狭い船室にいるよりも外に出た方がいいかもしれない。「おおっ、IKEさん!体調はどう?」と操縦席からクニさん。「…まあまあです。ここのシートに座っていいですか?」というわたくしに、「いいよ!そこがフィッシングシートだ、大物が来るといいね!」。サカナがヒットするとわたくしが釣りに入るはずのフィッシングシートに身体を横たえ、目を閉じ、情けねえなあ・・・、オレとまた自分を責めながら必死に吐き気を抑えてみます。あ〜あ、YU〜M!…も、もう帰りたいよお!!

・・目を覚ますと、クルーザーは大きな陸の近くを進んでいた。クニさんに尋ねると「サイパン島だよ」、・・・そうか、1時間近くもフィッシングシートの上で眠ってしまったらしい。・・・あ、あれ、直ってる・・・、体調が戻ってる、船酔いが直ってる!ヨッシャーッ!!「クニさ〜ん!サンドウィッチとドリンクをもらうよお〜!」、クニさんが船首から身体をひねってわたくしの方を見た。そして、片目をつむってOKサインを出してくれた。


       ストライクの前・・・・・出港してから8時間、ついでた言葉は・・

(奇跡的に?体調が回復・・いよいよストライクのときが来た。しかし、メモ帳にはまだこんなことが記されていた)・・ストライクのことを書くにはまだもったいないような気がするが、もうこのメモ帳のページも残り少なくなってきた。まずはストライクとファイトのことではなく、ストライク直前のことを書こうと思う。・・Fishing Clowzer GATE WAYに乗ってわたくしたちがトローリングに出てからもう8時間が経とうとしていた。わたくしはもうすっかり航海にも慣れて、トローリングシートに座っていた。数時間前まで「絶対に釣れるよ!」と胸を張り、「今日の私には自信がある!」と言っていたクニさんもデニーも無口だった。

午後3時頃だった。そこはクニさんがBest Pointと言っていた場所で、Wahoo(沖サワラ)の絶好のポイントだということだった。しかもそのポイントはふだん風がやたらと強く、波も荒いため、めったに進入できないポイントだが今日は大丈夫ということだった。しかし、そのポイントに入っても7本のトローリング・ロッドに何の反応もない。極めてSighlentだ。クニさんの言うBest Pointも通り過ぎたのだろう、クルーザーはUターンし今度は島を左側に見て進行した。時間はもう午後3時30分に近い。わたくしのこれまでの釣りの経験から「今日はボウズだナ」と直感した。釣り師にとってインスピレーションの確率は高い。「・・釣れないのも釣りさ・・」と何度も何度も言い聞かせた。自分の心を納得させようと試みた。

すっかり無口になってしまったクニさんに尋ねてみた。「クニさん、タイムリミットは?」。こう尋ねたとき実はわたくしは心の中でクニさんに「No!Time LimitはBig Fishが釣れた時さ!」と言ってくれるのを期待していた。だが、クニさんの応えは「今、ハーバーに向かっている。Time Limitまではあと3時間半だ・・」だった。帰路についている・・心の中で大きなため息が出た。「釣れないのも釣りさ・・」もう一度わたくしは自分自身に言い聞かせた。そして「明日、もう4時間トライしたらいくらくらいするんだろう。$300くらいかな・・」などとぼんやり考えていた。しかし、そのときわたくしの心の中に思ってもいなかった言葉が浮かんだ。それが・・Never Giveup!・・そうわたくしは海に、Blue Seaに向って叫んだ。Never Giveup!そして「クニさん、デニー!Never Giveupだ!」と言った。クニさんが少し怖い顔で大きくうなずいた。

そこでふと考えたことがことがあった。それは・・それまでのわたくし(クルージングに出てからのわたくし)は、Big Fishが釣れることを願うたびに娘のYUMの写真を取り出し祈ったり、Blue SkyやBlue Seaに祈っていたのだったが、それを止めることを決意した。そしてこう思った。「これは、自分の、自分自身のための、自分自身に挑戦するための釣りなんだ」と・・。わたくしは娘の写真が入っているウエストバック、ベスト、キャップ、腕時計、ズック、ソックスといった全てを脱ぎ捨て、ショートパンツひとつになった。これでもう他に頼れるのはない・・自分ひとりだ。・・そのときだった。


       IKEサン、Fish!Fish!!・・・・・グアムのサカナを釣り上げる

クニさんの操縦するクルーザー、GATEWAYが何か急にガギッと後ろに引っかかるような気がした・・まさにそのときだった「IKEさん!!○×◇!!」、船室の中でショートパンツ1つでいたわたくしは、その尋常ではないクニさんの声に弾けるように甲板に出ると、操縦席から身体をひねってわたくしのいる方を見下ろし、沖を指差してクニさんが大声で叫んだ。「Fish!Fish!!」、「サカナだ!IKEさん!!Fishing!!!」。

呆気にとられ、オロオロしているわたくしにデニーさんが大急ぎで他の6本の太いロッドを片付けている。そして片付けながら1本の青っぽいロッドを指差しながら「OK!Fish!!、Fish!!」と叫び、笑っているような、しかし真剣なまなざしでわたくしに目配せしている。サ、サカナが来た?サカナが来たあああ〜。

他のロッドを手早く1ヵ所にまとめたデニーさんが弧を描くかのように曲がっているロッドの傍でわたくしを手招きした。わたくしは飛び込むようにそのロッドにしがみついた。するとデニーさんが「Hoo!!Fishing!!Fishing!!」と強い口調でわたくしに叫んだ。そしてわたくしと目が合うとリールを巻くかっこうをした。

わたくしはグイッとそのロッドをつかみ、ロッドをGATEWEYに差したままの姿勢でリールを巻いた。・・ううっ、お、お、重い・・うがああぁぁ・・なんだこりゃあ〜・・ほんとうにサカナかよお〜・・お、重いいい・・両手でロッドのしなりを利用することも忘れ、わたくしは大きく古いタイコリールを必死で、本当に必死で巻いた・・「頑張れ!IKEさん!!サカナは近づいてるよ!!Fishing!!」・・クニさんのその叫び声に励まされるようにわたくしはリールを巻き続けた。あらん限りの力を両腕に込めて、身体を後ろに反らし、歯を食いしばってリールを巻きながら薄目で見たラインの角度からサカナはおそらくまだ30mほども向こうにいるような気がした。・・うおお〜来い、来いサカナ!!

ロッドを持ってからどれくらいの時間が経ったのだろう・・後で時計を見つめながら考えるとおそらく10分ちょっとくらいだったかもしれない。しかし、その10分ちょっとの時間は、わたくしが30年間生きてきたなかでは経験したことのない時間だった。短かった?長かった?・・実はそのどちらでもなかった。長さに無関係な時間だったと思う。それはわたくしにとって"ただ大きな意味のある時間"であったと思う。

「Fight!IKEサン、Good Fishing!!Good Fishing!!」と耳元でデニーさんが叫んでくれた。O・・K・・O・・K・・デニーさん、Never・・Give・・U・・そのときだった。「OK!、IKEさん!!がんばったネ、よくがんばった!!後は任せて!!」といつの間にか操縦席から降りてきたクニさんがわたくしの両手首を握って叫んだ。わたくしは硬直した両手でロッドにしがみついたまま、その力を一気に解き放ち甲板にへたり込んだ。激しい息づかいの中に少し吐き気を感じた。首をひねって見るとクニさんとデニーさんが太いフックを振りおろし、一気に銀色の大きなサカナ、細身で口先の鋭く尖った魚体を引き上げた。ドタン、バタンと甲板で踊る見たこともない大きなサカナ。こ、これ、ホントにオレが釣ったの?わたくしはGATEWAYの縁に頼って立ち上がり、ふらふらとそのサカナの方に近づいていった。すると「危ない!!どいて、IKEさん!!」というクニさんの厳しい声が聞こえた。と、同時にわたくしの右手の手のひらにサカナの尖った口先が触れた。激痛。見ると右手の手のひらの中央がえぐられたようになって血が流れていた。サカナが甲板の保冷庫のような場所に入れられた。

大丈夫か?IKEさん」とクニさん、「大丈夫、平気です。ほらっ!」とわたくしが右手を見せると、覗き込んだクニさんが「痛いだろ?でも頑張ったね!とても大きい、立派なWAHOOだ!2mくらいはあるよ!!」と笑ってくれた。見るとデニーさんも満面の笑顔でウインクしてくれた。 WAHOO?・・わたくしがグアムの青空の下で釣ったサカナ・・サカナの名前はWAHOO・・。まだ息づかいが激しいわたくしに向ってクニさんが叫んだ。「IKEさん、まだまだ釣るよ!!釣れるときに釣る!これが腕のいいFishermanさ!!」・・ああ、わかった!クニさんOKだ!!さあ来い、グアムのサカナ!!!


       Good Luck and Good by・・・・・すべては自分の記憶の中に

ガッ!!「IKEさん、ヒットだ!!行こうよ、行こうよ!!」というKUNIさんの叫び声。最初の1匹目が釣れたポイントへ引き帰し、再び疑似餌を流すとすぐに2匹目がロッドを折れんばかりにしならせた。リールレバーに飛びつく。今度はさっきよりもずっと重い手応えが太いロッドを通じて伝わってくる。ぐわあ〜、お、重い〜!な、なんじゃこりゃあ〜!!ガギッ、ガガッ!ドンッ!という音とともにクルーザーGATEWAYに衝撃が伝わってくる。マジ、これホントにサカナ!?・・経験したことのない強さにそんなことが断片的に脳裏に浮かぶが、今はそんなことを問題にしている場合じゃない。と、デニーさんが「I think tuna!」、わたくしは歯を食いしばり、身体をのけぞらせて重いロッドをあらん限りの力で引っ張りながら「な、なに?ホワットおお〜?ウギ〜ッ」、デニーさん「Tuna!Ah〜、I think・・I think・・」、そのときは何がなんだか分からずに聞いていた。どうやらそのときの強い引きを見てデニーさんはマグロがかかったと思ったようだった。しかし、十数分後、引き上げられたのは2mもあろうかという大型のWAHOOだった。重量は30kgを裕に超えるくらいであったと思う。

・・結局、わたくしはこのグアムの海で6匹(本?)のWAHOO(沖サワラ)を釣り上げることができた。本当に幸運以外の何ものでもなかったような気がする。「IKEさん、もう港に帰るよ!」クニさんが優しくわたくしに声をかけてくれた。「でも、仕掛けは流しながら帰ろう!カジキが来るかもしれないからね」とニヤリ。でも、その目は真剣で「あっ、クニさんホントにカジキを狙ってる!」とすぐにわかった。結局、カジキはヒットしなかったが、その日クルージングに出た船の中でわたくしたちの釣果が一番らしいと無線で話していたクニさんが教えてくれた。思わずわたくしも右手の親指を立てて「OK!Thank you!!」。続けてクニさん「IKEさん、GATEWAYを操縦してみないか?!」、わたくしは驚いて「いいの?!」、クニさん「OK!来なよ!」、わたくしはすぐにクニさんのいる操縦席に。「いいかい、Harborはこの方向だ。あの岬にまっすぐ向うように操縦して!」、わたくし「は、はい!」。信じらんねえヨ、オレ、グアムの海でクルーザーを操縦してる・・しかも、大漁!!やったぞ、父さんはやったぞ、YUM!!

すると隣にいたクニさんがわたくしを見て笑いながらこう言った「ずいぶん焼けたねえ。まるでチョモロ族みたいだ!」。チョモロ族はグアムの原住民の名称。IKEさん、キミ、グアムが似合う男になったね。グアムの海がキミを受け入れてくれたからね・・わたくしはクニさんがそんなふうに言ってくれたような気がしてほんとうに嬉しくなった。そしてまもなくAGANA BAYが見えてきた・・。 残念ながらさまざまな事情で釣り上げたサカナは持って帰ることができず、結局80cmほどの一番小さいWAHOOをホテル近くの日本料理店「ワタベ」さんに届けてもらい刺身にしてもらって食した。ご主人は「貴方ひとり??これ20人前もあるよ!」と驚いていた。ハマチに似た感じで美味しかったのを憶えている・・。

・・さて、この後もう1日滞在し、あのジョニー・メノ君と食事をしたり、地元の人しか行かないバーに行ったり、自転車で釣具店に行ったり、フィリピンの若者に追いかけられたり・・いろんな出来事がありましたが、釣りとは直接関係ないので、わたくしのグアムでの釣りの話しはここで終わります。書き上げてホッとしました。なにせ、バカチョンカメラで撮った写真はすべて失敗!!だったのでこの記録だけが何よりの証しになるのかなあ〜などと思ったりしています。ホントにグアムに行って、そんなでかいサカナを釣ったのかあ?と問われてもその証拠を示すことは出来ません。でも、わたくしの記憶にははっきりと残っています。あのグアムの海の青さともの凄い南洋のサカナとファイトした感触が・・。クニさんとデニーさんと港で別れるとき、そしてジョニー・メノくんと握手をしたとき、わたくしは彼らにこう言いました。

Thank you GUAM! Good Luck GUAM!! ・・END


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