日本経済新聞の春秋にこんな記事が掲載されていました。
メーカーが「最低販売価格」を指定できる案を、政府内で検討しているという。デフレ脱却のためには、なりふり構っていられない。そんな安倍政権の焦りの表れだろうか。消費者が忘れ去った「定価」が復活して、実力のない企業まで価格の支配力を強めるのでは困る。
日本経済新聞より
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家電量販店は、店により、販売員により、或いはお客さんにより販売価格が異なるという、よくよく考えるとちょっと変わった価格設定。これが「最低販売価格」をメーカー側が指定できるようになるとなると、恐らく量販店は一斉に最低販売価格で同一価格となるでしょう。そうなれば、ネットで購入するメリットも少なくなり、また量販店では、価格以外のサービスにて競い合うようになると家電業界は一変する可能性がありますね。
困るのは、ネット販売中心の販売店のみではありません。実店舗を持つ量販店でも、販売員は時間の多くを価格交渉、価格調査などに裂いているのが現状。それらが不要となれば、大幅な人員削減の可能性も出てくるでしょう。
メーカー側としては、性能やブランド力により商品価値に見合った価格設定を今までは、店舗側が行い価格の変動をしていた訳ですが、これがメーカー側が受け持ち「最低販売価格」を変動させていくとなれば、それはそれで大変でしょう。価格を下げすぎれば、ブランドイメージに傷がつきますし、とはいえ高ければ売れない。ブランド力を強める為に宣伝広告費に力を入れる必要がでてきそうです。
しかしながら、家電専門のメーカーが軒並み、大幅な赤字経営から抜け出せずにいるのも事実。デフレ脱却の為には、家電業界にも大きな変化が必要な時期なのかもしれませんね。
最低販売価格が実現するか否か。今のところ定かではないですし、時間はかかるのでしょうが、株などをやっている方は腕まくりをして動向に目を光らせているのではないでしょうか?
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