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Tripper's High 〜一之瀬高原 空編〜



素晴らしい。

東北東に遠く低い山があり、太陽は見えなかったが、それがまたいい。
薄い赤紫から水色のグラデーション。
東の空にかかる幾筋かの雲に、その色が移る。

遠くへ行くにつれ、だんだんとシルエットとなっていく山々。
右手に見える南の山の斜面は、日の光を受けてあかがね色に輝き、
その起伏と木々の凹凸を、陰影としてくっきりと映し出している。
朝霧がようやく晴れだした、早朝の高原。気持ちの良い空気。

あぁ・・・写真・・・!(T-T)こ、心のシャッターを押せってことですか?


しばし浸る。そうして心のシャッターの開放時間を充分にとった後、移動。
途中にこもれびの差す道があったので、ここで朝食。

バイクをくつろぎの場所にかえる術には、かなり長けてきた。
もはやヘタなソファーとテーブルよりも居心地よく過ごせる。

しかも弁当は、柚子的なものや、ワカメ的なものや、お茶におにぎり。日本の和。
かえでの葉の間から差す優しい木漏れ日に、冷えた体が暖まる。う〜ん・・・死ねる。


心も体も暖まったところで、今後の予定を決め、移動。
八王子に引き返さずに、甲府を経て、富士山周辺の道を回ってみることにした。

と、すぐに道は管理用の林道になった。
乗用車がやっと一台通れるくらいの道幅。
とは言っても舗装はされていて走りやすい。
山側は苔のむす石垣。
朝日を受けた、明るい林道。
となりのトトロにでも出てきそうな、懐かしさのある道だった。


突如、左の空が開ける。当然、停車。
空を仰ぐと、遠くに、埼玉県と山梨県の境となる尾根が一望できた。
しかも絶妙な感じで一斉に雲がかかっている。
山の形と上空の大気の流れを忠実に反映して、実にダイナミック。
雲に近い高さから見ているため、雲の上の部分と下の部分が同時に見えて、とても不思議な感じがする。


ここから、道は下り坂となる。
朝のうちだと山の陰になって、若干寂しい感じ。
しばらく行くと、あからさまに不自然な鳥居が。当然、停車。

鳥居周辺は下草が生えまくっていたが、山の中に続く道はケモノ的なもののちゃんとあり、
奥には半ば朽ちかけた神殿も見える。当然、Goサイン。


なんと言うか、もはやトトロを通り越してクロノクロスに出てきそうな雰囲気。
雰囲気出まくりで、何と表現していいか、もはや分からない。
あー、もう、写真!(T-T)

二礼二拍手一礼。


→ Tripper's High 〜富士編〜 に続く






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