木について






木の持つ調湿機能について
 木材は乾燥状態において、その質量の12〜15%程度の水分を含んでいます。
木造住宅に使用される柱は12.0cm×12.0cm×3mの角材が良く使われますが、
これに含まれる水分を計算すると、ビール瓶3本分もの水分を含んでいることなります。
木材は湿気が多くなると湿気を吸収し、乾燥すると湿気を放出します。つまり
エアコンのような役目をしているので快適な住宅造りに最適な材料といえます。
 桐板を張った押入などは乾燥すると木が割れ、湿気を吸うと元に戻るといったことを
くりかえします。

実は地震に強い木の家
 鉄筋コンクリート等の頑丈そうな建物はみるからに地震に強そうというイメージがあります。
しかし、これが一概にはいえないことは、阪神淡路大震災でも証明されています。
大きなビルや、高速道路が倒壊したりする反面、全然平気な鉄筋の建物があったり、
木造でも全半壊した住宅もあれば、無傷だった住宅もあったということです。
倒壊した木造住宅のほとんどは筋違(すじかい)など地震に耐えるきちんとした
施工が出来ていないもので、なおかつ築30年以上で建物がほとんどで老朽化
していたことも原因の一つと考えられています。

地震や台風の多い国日本で培われてきた木造軸組工法は、土台と柱、桁と梁
筋違などで組まれた頑丈な骨組みを持っています。
しっかりとした施工と設計であれば強い木の家になります。

 また地震層せん断力は建物の重量に比例して大きくなるので、軽くて丈夫な木で造った家は
受ける地震力は小さくなります。



実は火事に強い木造建築
 木造建築は火事に弱いというイメージがあります。木は燃えやすい材料ですが、
だからといって鉄筋コンクリートなど木造以外の建築物が、火事に強いとはいえません。
 鉄骨は温度の上昇とともに急激に強度が低下して、いつ崩れ落ちてくるかわからない状態になります。
(鉄骨も耐火被覆等で急激な強度低下はありません)
 しかし、一定以上の太さを持った柱で建てられた木造の家は、表面が燃えて炭化した層ができると燃え方が
遅くなり、ある程度の時間、柱は立ち続けることができます。

 これは、はじめから木が燃えることを想定した「燃えしろ」という考え方がもとになっています。
たとえ万一、家が火事になっても、人が逃げ出せるだけの間、家が崩れさえしなければ命は助かる
ということです。


心地良い木の家
 木には様々な魅力があります。
 木は紫外線の反射が少なく、赤外線の反射が大きいという特徴があります。
つまり目や肌に有害な刺激が少なく、暖かく感じるということです。
 木は空気の湿度に対応して湿気を吸ったり放出したりしますから、室内の湿度調節の役割をはたします。
湿度変化の多い日本では、湿度変化を和らげると住まいが住みよくなります。
 他に、美しい木肌や木目、そして香りは心地やすさと、やすらぎを与えてくれます。