ホタルの腹端にある発光器は、表皮、発光細胞、気管、神経、反射層から構成されている。
発光のしくみは、発光細胞で発光物質のルシフェリンが酵素ルシフェラーゼの働きにより酸素と化合する酸化反応による。
このとき、アデノシン3リン酸と微量のマグネシュームイオンも発光作用に加わる。
できた光は反射層で反射され、透明な表皮を透かして外へ放たれる。
ホタルの光はほとんど熱を伴わない560ナノメートルの波長で、冷光(れいこう)とよばれている。
風で消えず、水にも滅しない理想的な光である。
ホタルの光り方は、種類や♂・♀により、また幼虫と成虫とで違う。
閃光を放つようにいそがしく光る種類、連続光を放ち続ける種類など多彩であるし、幼虫期は発光するが成虫になると発光しないホタルまでいる。大場信義博士によれば、最近、遺伝子工学が進歩し、ホタルの発光にかかわる遺伝子を植物に取り込んで発光させることに成功(1993年)した。
さらに遺伝子工学の技術により、発光物質を量産できるようになったそうである。
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ホタルの発光器官


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