秋田県生活環境部自然保護課発表 | 秋田県版レッドデータリスト〜昆虫編 | 2002,5,6 更新 |
T.秋田県版レッドリスト掲載種数
カ テ ゴ リ ー 区 分 |
昆 虫 類
|
合 計
|
||||||||||||
水生昆虫類 | ||||||||||||||
絶 滅 種 (EX) | − | 3 | 0 | 3 | ||||||||||
絶 滅 危 惧 種 |
T 類 |
T A 類(CR) | 13 |
8 |
4 | 57 |
40 |
17 | 15 | 10 | 8 | 86 |
59 |
30 |
T B 類(EN) | 4 | 23 | 2 | 29 | ||||||||||
U 類(VU) | 5 | 17 | 5 | 27 | ||||||||||
準絶滅危惧種 (NT) | 10 | 18 | 18 | 46 | ||||||||||
情報不足種 (DD) | 9 | 34 | 1 | 45 | ||||||||||
地域個体群 (LP) | 1 | − | 0 | 1 | ||||||||||
留 意 種 (N) | − | 6 | 2 | 8 | ||||||||||
県 内 分 布 確 認 種 数 | 約1900 | 約2600 | 約280 | 約4780 |
U.秋田県版レッドリストカテゴリーの定義…基本的には国の改訂カテゴリー(1997年)を準用
▽絶 滅 種 ;本県ではすでに絶滅したと考えられる種
▽野生絶滅種 ;飼育・栽培下でのみ存続している種
▽絶滅危惧種 ;絶滅の危機に瀕している種
TA;ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの
TB;絶滅危惧種TAほどでないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
U ;絶滅の危険が増大している種
▽準絶滅危惧種;現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧種」に
移行する可能性のある種
▽情報不足種 ;評価するだけの情報が不足している種
▽地域個体群 ;地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高い個体群
▽留 意
種 ;本県では絶滅の恐れはないが、国際的、国内的に保護を要すると評価されてい
る種又は亜種、過去に個体数・分布が著しく減少した種(亜種)など
V.選定方法
レッドリストは、委託先において、県内の専門家からなる「選定委員会」を設置し、各委員から提示された
データや既存文献等を基に選定。
なお、チョウ目の選定にあたっては、県外の研究者からの貴重な意見も採用した。
W.今後の保護対策
秋田県版レッドリストについては、広く県民にその普及を図り、絶滅のおそれのある野生動植物種の保護・
保全への理解を深める。また、各関係機関や市町村等に配布し、各種事業の計画作成時及び事業実施時等
において、これらの種の保護・保全への配慮を求めるとともに、環境アセスメント等の資料としての活用を
働きかける。
X.絶滅種及び絶滅危惧種等とその特徴
(1)水生昆虫類
・TA;▽トンボ目7種
ホンサナエ、アオサナエ、ヒメサナエ、オジロサナエ、コシボソヤンマ、カトリヤンマ、
ヤブヤンマ(河川改修、水田・用水整備等)
▽テラニシセスジゲンゴロウ、クロモンエグリトビゲラ (生育地1箇所)
・TB;オツネントンボ、マダラナニワトンボ (苗代耕作法の変化、湿原乾燥化)
・U類;オオキトンボ、タガメ、チンメルマンセスジゲンゴロウ、ババホタルトビケラ、
ハンエンカクツツトビケラ、(過度採取圧、農薬使用による減少等)
・準絶滅危惧種;▽オオセスジイトトンボ、モートンイトトンボ、ホソミオツネントンボ、アオハダトンボ、
ムカシトンボ、ミヤマサナエ、ヤマサナエ、マダラヤンマ、オオトラフトンボ、エゾトンボ、
ハッチョウトンボ、コノシメトンボ、ヒメアカネ、
▽トウホクナガケシゲンゴロウ、カノシマチビゲンゴロウ、ニセルイスツブゲンゴロウ、
マルコガタノゲンゴロウ、ホンシュウオオイチモンジシマゲンゴロウ、
・情報不足種;シノビアミメカワゲラ、ツマグロトビケラ、
・留意種;コバネアオイトトンボ、エゾゲンゴロウモドキ(キタゲンゴロウモドキ)、
(2)コウチュウ目
絶滅危惧種
TA類;マークオサムシ、クマガイクロアオゴミムシ、アオバネホソクビゴミムシ、
ミチノクケマダラカミキリ、
TB類;カワラゴミムシ、ホソハンミョウ、クロナガオサムシ、キアシネクイハムシ
U 類;アイヌハンミョウ、カワラハンミョウ、アカガネオサムシ、ハヤチネヌレチゴミムシ、
オオクワガタ、
準絶滅危惧種;ホソヒメクロオサムシ、フトクチヒゲヒラタゴミムシ、オオチャイロハナムグリ、
クロツヤシモフリコメツキ、イガブチヒゲハナカミキリ、コボトケヒゲナガコバネカミキリ、
ヨコヤマヒゲナガカミキリ、オオヨモギハムシ、ベニカメノコハムシ、
情報不足種 ;アオカタビロオサムシ、シラカミナガチビゴミムシ、ダイコクコガネ、カラフトマルトゲムシ、
トウホクミヤマヒサゴコメツキ、クロキカワムシ、コウヤホソハナカミキリ、
ムモンベニカミキリ、サメハダチョッキリ、
地域個体群 ;ヤマトアザミテントウ(玉川個体群)
(3)チョウ目(平成12年度選定…第三次公表分)
絶 滅 種;チャマダラセセリ、オオウラギンヒョウモン、カバシタムクゲエダシャク、
絶滅危惧種
TA類;チビウスキオオメイガ、ギンスジマダラメイガ、クロシジミ、フタスジチョウ、キマダラモドキ、
キタルリモンエダシャク、クワヤマエグリシャチホコ、マエアカヒトリ、チョウカイシロコブガ、
アオモンギンセダカモクメ、シロミミチビヨトウ、クシロモクメヨトウ、キタヨトウ、
テンモントガリヨトウ、セブトモクメヨトウ、ナナメヒメヨトウ、ホクトギンウワバ、
TB類;ソトシロスジミズメイガ、ウスキミズメイガ、フタクロテンマダラメイガ、ヒメナミガタアオシャク、
シタベニヒメシャク、ヒメシタコバネナミシャク、シロマダラカバナミシャク、キブサヒメヒダシャク、
フタオレウスグロエダシャク、ウスジロドクガ、ニセタバコガ、クロヤガ、ハマヤガ、
シロオビヨトウ、コハイイロヨトウ、ダイセンセダカモクメ、ミヤマショウブヨトウ、
ギンモンアカヨトウ、マガリスジコヤガ、シラユキコヤガ、シロスジキンウワバ、ウンモンキシタバ、
ヨスジカバイロアツバ、
U 類;モリオカツトガ、ウスマダラミズメイガ、ギフチョウ、ヒメシロチョウ、キタアカシジミ、
ホシミスジ(北上高地亜種)、フタテンエダシャク、ギンツバメ、ギンボシシャチホコ、
クロスジシロコブガ、ミカボコブガ、ムラサキヨトウ、アトジロキリガ、ミスジキリガ、
ウスチャマエモンコヤガ、スミレクビグロクチバ、ネグロアツバ、
準絶滅危惧種;クドウツトガ、ヘリグロチャバネセセリ、ハヤシミドリシジミ、ヒョウモンチョウ、ベニヒカゲ、
ミチノクヒメシャク、トビギンボシシャチホコ、スゲドクガ、ウスジロケンモン、
クモマウスグロヤガ、シロテンキヨトウ、ウスキトガリキリガ、クロビロードヨトウ、ヨコスジヨトウ、
オオチャバネヨトウ、キスジウスキヨトウ、ガマヨトウ、ヌマベウスキヨトウ、
情報不足種 ;ルリハダホソクロバ、ヤホシホソマダラ、ヒカゲチョウ、マンレイカギバ、クラマトガリバ、
イチゴナミシャク、フタモンコナミシャク、ヤハズナミシャク、キバネトビスジエダシャク、
スモモエダシャク、ヨスジキエダシャク、ハガタフタオ、イブキスズメ、
ゲンカイハガタシャチホコ、ジョウザンケンモン、オオカブラヤガ、マエグロヤガ、ナカグロヤガ、
タイリクウスイロヨトウ、クロチャマダラキリガ、チャイロカドモンヨトウ、カバマダラヨトウ、
クマソオオヨトウ、ヒメシロテンアオヨトウ、ナンキンキノカワガ、ベニエグリコヤガ、
ヒメクルマコヤガ、モトグロコヤガ、コシロシタバ、プライヤキリバ、ナミグルマアツバ、
サザナミアツバ、マガリウスジマアツバ、アカマエアツバ、
留 意 種 ;ギンイチモンジセセリ、スジグロチャバネセセリ、ヒメギフチョウ、オオゴマシジミ、
ヒメシジミ、オオムラサキ
(4)特徴
コウチュウ目の絶滅危惧種は、湿地・草原・海岸砂丘を生息環境とする種がほとんどを占めている。
同様に、チョウ目の絶滅種及び絶滅危惧種には湿地・草原性の種が多く含まれている。
この傾向は、既に公表されている植物や水生昆虫類、鳥類などと共通した特徴で、主として低地部で
これらの環境が人為的に改変されたり、草地の利用形態が変化し二次草原が減少・消失した結果と
考えられる。
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