1999,2,27創刊

生き物ニュース

 2009,12,8 更新

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2009.12/8 宇宙ステーションではチョウは飛べず

 朝日新聞によると、米国カンザス大などのチームが、無重力状態の国際宇宙ステーション(ISS)でオオカバマダラを飛ばす実験をしたら、うまく飛べないことがわかったと言う。

 実験は、無重力でもチョウの幼虫がちゃんと成虫に成長し、飛べるかどうかなどを確かめるのが目的で、11月16日打ち上げのスペースシャトル・アトランティスに幼虫3匹を載せてISSに送った。

 3匹の幼虫はさなぎを経て、成虫に成長したが、無重力のかごの中では浮いていることはできるものの、羽ばたいて飛ぼうとすると、壁にぶつかるばかりでうまく飛べないことがビデオで確認されたと言う。無重力状態では人間も自由に歩けないから想像に難くない。

2008 1/24 ゾウムシ根絶防除モデル事業

 沖縄県農林水産部は2009年度まで、甘藷などに被害をもたらすアリモドキゾウムシとイモゾウムシの根絶防除事業をうるま市津堅島で実施する。寄生植物の移動制限が容易で、除去による密度抑圧防除が行いやすい地域でのモデル事業として、面積が小さい離島で、寄生植物の分布が少ないことなどから「短期間での根絶が可能」としている。
 ゾウムシの根絶防除事業は、久米島で不妊虫放飼法を用いて行われており、アリモドキゾウムシは根絶目前の状況。イモゾウムシについては誘引剤が未開発で遅れているという。(沖縄タイムスより)

10/27 琥珀から1億年前のハチの化石発見 【米科学誌サイエンス】より

 約1億年前(白亜紀初期)のハチの化石が、ミャンマー北部で採取された琥珀に閉じ込められた状態で見つかったと米オレゴン州立大などの研究チームが27日付の米科学誌サイエンスで発表した。これまでに見つかったハチの化石より4500万〜3500万年も古い(最古)という。
 ハチは「ハナバチ」の仲間のオスで、体長は2.95_と小さいが、既に現代のハチに形が似ており、頭や脚などに細かい毛があり、当時から花粉を集めていたとみられる。琥珀からは花粉も見つかったと言う。
 ハナバチの仲間などの昆虫が花から花へと花粉を運ぶ役割を果たすことで、白亜紀初期から中期にかけ、花を咲かせる植物が急速に多様化したと考えられていると言う。

06,4/20 2004年「河川水辺の国勢調査」

 2004年度に実施した、水辺に生息する動植物に関する「河川水辺の国勢調査」によると、米代川や雄物川などで動植物の外来種が120種見つかり、環境省のレッドデータブックで絶滅のおそれがあるとされる動植物などの「特定種」は24種が確認されたという。
 県内での調査地点は米代川、雄物川、子吉川、玉川ダムで、魚介類や植物など毎年項目を変え継続して調べている。

 米代川では植物について調べた結果、735種の植物が確認され、このうち特定種は絶滅危惧1種のクロビイタヤやマルバノサワトウガラシなど、12種が見つかった。外来種は前回調査(99年度)より27種多い95種。外来生物法で特定外来生物と指定されたオオキンケイギクが初めて確認された。

 雄物川と子吉川では、陸上昆虫類と両生類・は虫類・ほ乳類について調査。特定種は雄物川では絶滅危惧1種のオオセスジイトトンボと同2種のヒナコウモリなど7種が、子吉川では準絶滅危惧種のゲンゴロウなど3種が見つかった。

 また、全国で急速に分布が広がっている外来種の昆虫、ブタクサハムシが両河川で初めて確認。ブタクサハムシは日本では96年に見つかった北米産種で、やはり外来種のブタクサなどを食べ、これらの植物の拡大とともに生息地域が広がっているという。以上、朝日紙より

 ※なお詳細は、http://www.mlit.go.jp/river/の水情報国土データ管理センター/河川環境データベース(河川水辺の国勢調査)
          /河川版、生物調査結果、生物調査結果、平成16年度資料(全国版)を参照のこと

12/9 セイヨウオオマルハナバチを特定外来生物に

 温室トマトなどの授粉に利用されているセイヨウオオマルハナバチ(欧州原産)について、環境省の専門家グループは7日、「生態系に重大な被害を及ぼす恐れが高い」として、外来生物法に基づく特定外来生物に指定する方針を固めた。指定されれば、環境相の許可がないと、輸入や飼育は禁止となる。19日の特定外来生物等専門家会合を経て、来春にも正式に指定すると言う。セイヨウオオマルハナバチは体長1〜2aほどで、授粉を仲介させ、省力化するため91年に初めて日本に導入された。報道より

2005.11/25 アリの採餌行動で見られる「進入禁止」シグナル

Nature 438, 442 (24 November 2005) | doi:10.1038/438442a

魅力的な道しるべフェロモンが徴発者アリでfood1 2にnestmatesを動かすために倒れますが、また、unrewarding routes3 4から徴発者を退けるのにフェロモンを使用することができるなら、飼料ネットワークの有効性は改良されるでしょうに。 ここに、私たちは、「非-報酬を与え」ることの食料を集めている経路を示すために'エントリーがありません'信号のようなファラオのアリ(Monomorium pharaonis)によって配備された否定的道しるべフェロモンに関する実証的証拠を提示します。 この調査結果は自己によって組織化されたアリの群生で使用される精巧な制御機構に関する別の例を構成します。

2005.11/13 チョウセンアカシジミ卵80個盗難

 山形県白鷹町高玉の農業男性(57)が12日、自宅敷地内にある県指定天然記念物のチョウ「チョウセンアカシジミ」の卵約80個を盗まれたと同町教育委員会を通じ長井署に届け出た。調べでは、敷地内のトネリコの木に産み付けられた卵が、計8カ所にわたり刃物のようなもので樹皮ごと削り取られていた。
 チョウセンアカシジミは、山形、岩手などの限られた地域に分布する希少種。同署は売買目的の可能性もあるとみて、県文化財保護条例違反(現状変更等の制限)容疑で捜査している。

05.5.13 ミツバチの飛行経路は尻振りダンスで募集される

ネイチャー 435、205-207(2005年5月12日)| doi: 10.1038/nature03526

honeybees1 2の'ダンスの言語'で、ダンサーは新しい食物源の群居から指示と距離について説明する特定の、そして、コード化されたメッセージを発生させます、そして、スペースと時間の両方でダンサーのそのソースの発見からこのメッセージに取って代わられます。 カールフォンFrischは、このダンスで'募集された'ハチが私たちがof3 4を知っているというそれらを直接リモート食物源、および非霊長類コミュニケーションのこのノーベル賞に勝利する発見明らかにされた大部分洗練された例に誘導するためにそれでコード化された情報を使用したと結論を下しました。 いくつかにもかかわらず、初期のscepticism5 6 7 8 9、ほとんどすべての生物学者が現在、フォンFrischによるcorrect3 4 10 11 12 13 14、これまで欠けている唯一のことが新人がどれくらい効果的にダンスにおけるコードを彼らの目的地へのフライトに翻訳するかに関する量的な記述であるということであったと確信しています。 倍音のradar15 を使用して、16 、実際の飛行経路を記録する17はハチを集めて、私たちは現在、その記述を提供します。

05.4.22 獲物を捕らえるために罠をしかける樹上性のアリ

ネイチャー 434、973(2005年4月21日)| 10.1038/434973a

彼らの窒素の需要を満たすために、制限された飼料環境に、escape1 2 はそれらの親木、飛行を捕らえるためにグループ待ち伏せ戦術を配備して、そうでなければそうするかもしれない犠牲を跳び越すいくつかの樹木のアリで提供していました。3 4。 ここに、私たちは、アリの Allomerus decemarticulatusが多くの大きめの昆虫を捕らえるためにスポンジ状の'galleriedされた'プラットホームを造るのに親木の軸から髪を使用するのを示します。(それは、目的で生い茂っているfungal菌糸と共に軸を切って、縛ります)。 プラットホームの下のアリは、穴を通して達して、犠牲を固定します。(それは、nestmatesの群れによって次に、伸ばされて、輸送されて、分割されます)。 私たちが知っている限り、捕食性の戦略としての罠の集合的な創造は以前、アリで説明されたことがありません。

9/9 秦野市で南方系のチョウ「ムラサキツバメ」採集

 秦野市内の住宅地で8月中旬、南方系のチョウとされるムラサキツバメが採集された。神奈川新聞より

長野でも「ムラサキツバメ」捕獲

 主に西日本に生息するチョウ「ムラサキツバメ」をこのほど、アマチュア研究家で信大教育学部助教授の岩田靖さん(44)が長野市内で捕獲した。ムラサキツバメは近年、関東・東海地方で捕獲されるなど分布の北上が指摘されていたが、長野県内での捕獲は初めてという。
 岩田さんは1日、長野市篠ノ井地区の山林で舞っているのを偶然発見、捕獲した。メス1匹で、羽を広げると4a弱。ムラサキツバメの名称の由来である、突起のある後羽を確認した。
 ムラサキツバメの幼虫の食物はマテバシイやシリブカガシの葉とされ、いずれも暖地のブナ科の常緑樹で、長野県内には自生していない。1匹だけの捕獲でもあり、周辺に生息する個体か、他県から迷い込んだものなのかは不明だという。信濃毎日新聞より

8/18 オーストラリアで巨大なアリの巣発見

 オーストラリアのメルボルンで、全長100qにも及ぶ巨大な「アルゼンチンアリ」の巣が見つかったと、豪モナシュ大のエリサ・スア博士らが発表した。
 原産地のアルゼンチンでは異なる巣のアリが攻撃し合うため、巣は数十bにしかならないが、オーストラリアに移入したものは遺伝的な変化によって性質が温和になり、隣同士が融和しながら巨大化したらしいという。
 アルゼンチンアリは、世界に広がりながら土着のアリを駆逐し、植物や他の小動物の多様性まで脅かすため、国際自然保護連合によって悪質な外来種100種にも指定されている。オーストラリアでは1939年に発見された。「日本産アリ類データベース」によると、日本では93年に広島県で初めて見つかっている。讀賣紙より

8/17 フェロモンでカメムシの発生予測

 富山県は本年度から、米の品質を守ろうと、アカヒゲホソミドリ カスミカメを効果 的に撃退するため、合成性フェロモンを活用した発生予測技術の開発を始めた。
 カメムシは、稲穂が出る時期に玄米の汁を吸い、米粒に黒いシミのある「斑点米」を作り、斑点米が千粒に一粒あれば、米の等級は1等から2等に下がる。昨年は、等級が下 がった理由のほとんどが斑点米だったため、高品質の富山米を維持するため、カメムシ対策は切実な問題となっている。
 アカヒゲホソミドリ カスミカメは平成8年頃ろから県内で急増し、「トゲシラホシカメムシ」に代わり、県内 で最も多い優先種の座を占め、飛翔性が高く、繁殖力がおう盛なのが特徴だ。
 県は本年度から3年間、国、新潟、長野、山形の各県、民間企業と共同研究に取り組 む。繁殖のため、メスがオスをおびき寄せるため放出する化学物質でつくる「合成性フェ ロモン」のトラップを仕掛け、オスの集まり具合から発生を予測、撃退に役立てる。
 県農業試験場(富山市)の圃場実験で、フェロモンを使ったトラップは、光でおびき寄 せる従来の予察灯よりも精度の高い予測が手軽にできることが分かり、今後は雑草地 などで交尾をかく乱させ、産卵率を低下させる技術の開発も目指すという。 北日本新聞より

7/21 カタマルヒラアシキバチ♂を発見 岡山市

 ハチの一種で、世界で数例しか採取されていないとされる雄のカタマルヒラアシキバチを、岡山大安寺高校1年の松田隆嗣君(16)が岡山市で見つけた。カタマルヒラアシキバチはキバチ科の仲間。幼虫が木の幹を食べて成長する。黒褐色で体長約2a。胸の辺りが丸みを帯び、後ろ脚が平たいのが特徴。他のキバチと違い春先に現れるが、詳しい生態は分かっていない。松田君は4月10日、西大寺公民館の自然探検講座に参加し、岡山市小串の茂みで発見。図鑑で調べたが分からず、キバチを研究している広島市森林公園昆虫館の坂本充学芸員(43)が確認した。山陽新聞より

6/25 企画展「あっ!ハチがいる! 世界のハチとハチの巣とハチの生活」 千葉県立中央博物館

 千葉県立中央博物館では、今年の夏休みイベントとして、世界のハチとハチの巣の展示をおこなう。世界中の大学や研究所と協力して、日本では初めての公開となる種が、多数。特に目玉は、マレーシア産の巨大なスズメバチの一種(ツマグロスズメバチ)の巣で、千葉県立中央博物館の学芸員自らが採集し、日本に持ち帰ったものという。

  期間:平成16年7月3日(土)〜8月31日(火)
  場所:千葉県立中央博物館企画展示室
  連絡先:TEL: 043-265-3111
  入館料:大人500円、高・大学生 250円、中学生以下および65才以上は無料、また講演会、参加型講座の参加は無料
  URL: http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/exhibitions/special_ex/hachi/hachi.html

 ◎本展示の見所は
  1.ガラス越しに巣の内部が見えるハチの巣を展示、
  2.世界のハチミツ約50種類を展示、
  3.日本初公開となる海外のハチとハチの巣を多数展示、
  4. サンパウロ大学のDr. Camargoによる極めて精緻なハチの巣の細密画の原画を展示、
  5.オオスズメバチを初め日本産を中心にスズメバチの巣30以上を展示、
  6.目を奪うような美麗種のハチの展示、
  7.日本が生んだ世界的なハチ研究者の業績などを紹介、
  8.ハバチ・寄生バチからオオスズメバチまで、代表的なハチとその興味深い神秘的な 生態をもれなく紹介

 ◎この展示にあわせて下記の関連イベントが開催される
  ・日本の第一線のハチ学者による講演会(各日 13:30〜14:30 定員200名 当日先着順)
   7月4日(日)「オオスズメバチとニホンミツバチ」:小野正人(玉川大学)
   7月11日(日)「ミツバチの飼育と利用」:吉田忠晴(玉川大学)
   7月18日(日)「セイヨウオオマルハナバチの利用と問題点」:米田昌浩(株アピ)
   7月25日(日)「タマバチ、植物、アリの三角関係」:阿部芳久(京都府立大学)
   8月1日(日)「社会性カリバチの進化」:山根爽一(茨城大学)
   8月8日(日)「オオスズメバチを飼う」:田迎真人(小松原高)
   8月22日(日)「クロスズメバチを採る、飼う、食べる」:西尾亮平(元高校教諭)
  
  ・参加型講座「ペーパークラフトでハチをつくろう」(要申し込み:親子(小学生以上)15組)
                                …8月15日(日)と8月29日(日) 各日 13:30〜14:30
  ・体験! 「スズメバチ防護服を着てみよう」
  ・展示解説員による解説「ミツバチ案内人による魅惑のハチガイドツアー」…会期中毎日 随時
  ・当館研究員によるミュージアムトーク…会期中毎土曜日14:30〜15:00
  ・○×クイズ大会「今日からきみもハチ博士、女王バチ争奪!」
                                …7月24日(土)と8月14日(土) 受付13:45〜  クイズ開始14:00

◇千葉県立中央博物館の案内◇
  所在地:〒260-8682 千葉市中央区青葉町955-2
  Tel: 043-265-3111      Fax: 043-266-2481
  http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL
  JR千葉駅から、京成バス「大学病院」行きで「中央博物館前」下車
  開館時間:午前9時から午後4時30分まで(入館は4:00まで)
  休館日:会期中は7/5, 7/12のみ

5/17 「17年ゼミ」の羽化始まる 米東部

 米国東部で周期的に大量発生する不思議な「17年ゼミ」が羽化を始めた。ニューヨークやバージニアなど15州とワシントンで、6月終わりにかけて数十億匹が羽化すると予想されている。
 米国の東半分には、幼虫のまま土の中で13年または17年をすごす「13年ゼミ」「17年ゼミ」が生息している。7種15群のうち、羽化を始めたのは87年に大発生したセミの子どもたちで、最大級の群だ。
 地上にはい出した幼虫は、羽化して体長3aくらいの成虫になる。多いところでは、フットボール場ほどの面積に100万匹もの密度で発生するという。地上での命は6週間ほど。オスは自動車のエンジン音にも匹敵する鳴き声でメスを呼び、メスは樹木の枝に卵を産みつける。これらが羽化するのは17年後の2021年。

5/14 小笠原で新種のカミキリムシ

 名古屋市の昆虫研究家・福富宏和さん(24)が、東京都・小笠原諸島でカミキリムシの新種を発見し、5月末の学会誌に「オガサワラオオシロカミキリ」という和名で発表される。専門家によると、カミキリムシの新種発見は2年ぶり。
 福富さんは2002年初め、小笠原諸島の兄島で、幼虫が入っているとみられた広葉樹の枯れ枝を採取。持ち帰って観察した結果、同6月に成虫が出てきた。
 成虫は体長20.5_、幅6.0_の雌。背中に白い模様があり、長谷川道明・愛知県豊橋市自然史博物館主任学芸員(41)による鑑定で、シロカミキリ属の新種と判明した。

5/11 モテる雄コオロギの息子はモテるが、娘はいまいち NATURE May 06, 2004

 雌にモテてしょうがない雄と交配すれば、やはりモテる息子を授かるが、娘のほうはどうもそうとはいかないらしい。
 K M FedorkaとT A Mousseauは、すでに交配を経験ずみの「モテる」雄コオロギ(Allonemobius socius)をまだ交配経験のない雌とつがいにし、そこでできた子がどの程度、交配に成功するかを調べた。また、まだ交配経験のない「モテない」雄についても同様に調べ、交配経験のある父親から「優良遺伝子」を受け継いだ子と比較して彼らの子はどうかを判定した。
 モテる雄の息子たちはモテない雄の息子たちよりも交配の成功率が高かった。ところが娘たちについては、このパターンは逆となり、「色男」の父親の娘たちはあまりモテないことがわかった。しかし総体的にみて、息子にもたらされる利益は娘にもたらされる不利益にまさっており、これからすると雌は結局のところ雄の選り好みを変えることはなさそうだ。(
NATURE May 06, 2004 進化より

5/10 いわき市の琥珀の中に白亜紀「アケボノアリ」

 福島県いわき市で開かれた琥珀展示会で、市民が持ち寄った琥珀の中に昆虫化石が含まれているものがあり、確認したところ世界でも3例目となるアケボノアリの仲間の化石であることが4日、分かった。
 化石が含まれていたのは同県須賀川市の伊藤浩三さん(県職員・48歳)が、1998年にいわき市と広野町にまたがる白亜紀後期(約8500万年前)の地層で採取した琥珀。今年3〜4月に開かれた展示会に出展した際に、会を主催したいわき自然史研究会の鈴木千里代表に、「虫が入っているようなので調べて欲しい」と相談。日本蟻(あり)類研究会の久保田政雄会長によって、貴重な化石であることが判明したもの。
 アケボノアリ亜科は「触角が、くの字形に曲がっている」などが特徴で、約6500万年前に絶滅したとされ、これまで北米とロシアで発見例があるが、国内では初めて。
 見つかったアリの化石の体長は約6_。いわき市で昨年10月に確認された「ハリアリ」「カタアリ」両亜科と並び国内最古とみられるという。

4/22 脅かされるギフチョウの生息環境

 山形県大石田町で、同町指定天然記念物のギフチョウとヒメギフチョウの生息環境が脅かされている。里山で、幼虫の食草や、成虫が蜜を吸うカタクリがある一帯で、山野草を求める入山者が後を絶たず、荒れてきているという。関係者は「山野草をごっそり持っていかれると、自然のバランスが崩れる。モラルある行動を」と訴えている。
 ギフチョウ、ヒメギフチョウが一緒に生息する川前地区で保護に取り組む、町保護監視員の陶芸家ブルーノ・ピーフルさん(47)によると、一帯には連日、山野草採取の人が来るという。ユキワリソウなどの山野草はギフチョウなどの生息に直接関係はないが、食草やカタクリと混生するため、大量に採取されると一帯の環境が荒れるという。
 川前地区では全戸でチョウを「保護する会」(井苅清治会長)を組織しているが、入山者の行動までは目が届かないのが現状。保護監視員でもある井苅会長は「山に入るなとは言えないが、節度を持って」と話す。同町も罰則付き条例でギフチョウなどの保護をうたっているが、周辺環境は対象外。保護する会は今後、入山者に啓発チラシを配り保護を呼び掛けるという。
 同町の調査では最近10年は生息数(卵数)が安定しているが、町も「何とかしなければ」(阿部孝義町長)と危機感を持っている。ピーフルさんと井苅会長は「2つのチョウは貴重な自然環境の象徴。山野草だけでなく、環境全体を見てほしい」と話している。

3/5 「和歌山ほたるネット」を設立

 ホタルが住める自然環境を後世に伝えていこうと、和歌山県内でホタルを増やす運動をしているグループの有志がこのほど、「和歌山ほたるネット」(会長・湯浅町青木の三ツ村貞範(63))を設立した。和歌山市から田辺市、串本町まで、10を超える市町村の団体が参加し、河川環境の保全やホタルの幼虫の放流、情報交換などに取り組む。
 2月28日に印南町古井の切目川防災センターで開いた初会合には、約20人が出席。当面の事業として(1)ホタルの住む河川のあり方の研究や提言(2)カワニナの増殖と放流(3)体験・研究成果の交流(4)ホタルの保護、増殖方法の研究と、幼虫の放流・技術の指導育成―に取り組む考えという。

2/21 平成14年度 米代川水系における底生動物調査

 米代川水系における底生動物調査は、米代川本川と、流入支川の5河川(藤琴川・小阿仁川・阿仁川・長木川・荒川)を対象として実施。調査地点は12地点(米代川本川に7地点、流入支川に各1地点)を設定し、夏季と秋季と早春季の3回実施。
 今回の調査により確認された種数は、30目121科321種。この内、前回調査(H9)において採集記録がなく、今回調査で新たに確認された種は、カゲロウ目、トンボ目、トビケラ目、コウチュウ目が多くを占め、17目42科78種(種名が確定されたもの)。新たな確認種の中には、マルタニシ、コシダカヒメモノアラガイ、トワダカワゲラ、クロモンエグリトビケラ、キボシツブゲンゴロウ、ケスジドロムシ6種の特定種が含まれているという。
詳細は、国土交通省東北地方整備局能代河川国道事務所を。

2/17 目と耳、もとは同じ ショウジョウハエで確認

 ショウジョウバエの目や耳は、同じ原始的な感覚器が分化してできたことを、国立遺伝学研究所(静岡県三島市)の岡部正隆助手らが実験で確かめ、16日発行の米科学誌Nature Geneticsに発表した。これまでは、目などの感覚器官はそれぞれ独自の進化過程を経てきたと考えられてきた。
 岡部助手らは、遺伝子を操作したショウジョウバエで実験。感覚器が形成されるのは、発生過程の特定の時期に、必要な2つのタンパク質が存在するとの条件を満たした場合と、突き止めたもの。
 条件を満たした時に、atonalという遺伝子が働き、この遺伝子がないと、目、耳、脚の角度を感知する伸展受容器が形成されなかった。atonalは、これらの感覚器に共通する細胞を発生させ、目の場合はその後、eyelessという遺伝子が目を作る指示をするらしいと分かったという。

2/14 百年前発見の化石は“最古の昆虫” 12日の英国科学誌「ネイチャー」より

New light shed on the oldest insect

Insects are the most diverse lineage of all life in numbers of species, and ecologically they dominate terrestrial ecosystems. However, how and when this immense radiation of animals originated is unclear. Only a few fossils provide insight into the earliest stages of insect evolution, and among them are specimens in chert from Rhynie, Scotland's Old Red Sandstone (Pragian; about 396?407 million years ago), which is only slightly younger than formations harbouring the earliest terrestrial faunas. The most well-known animal from Rhynie is the springtail Rhyniella praecursor (Entognatha; Collembola), long considered to be the oldest hexapod. For true insects (Ectognatha), the oldest records are two apparent wingless insects from later in the Devonian period of North America. Here we show, however, that a fragmentary fossil from Rhynie, Rhyniognatha hirsti, is not only the earliest true insect but may be relatively derived within basal Ectognatha. In fact, Rhyniognatha has derived characters shared with winged insects, suggesting that the origin of wings may have been earlier than previously believed. Regardless, Rhyniognatha indicates that insects originated in the Silurian period and were members of some of the earliest terrestrial faunas.

【要旨】February 12, 2004 進化 : 最初の陸上進出動物の中に昆虫もいた

 昆虫が進化史に登場したのは専門家がこれまで考えていたよりも早く、4億年以上前のことだったらしい。これで昆虫は最古の陸上進出動物の仲間入りをしたことになり、現在の昆虫の圧倒的な繁栄と多様性を説明する糸口が見えてくるかもしれない。
 M S EngelとD A Grimaldiは以前スコットランドで見つかったRhyniognatha hirstiと呼ばれる動物の化石を新たに分析した。この動物の大顎の構造は、はっきりと昆虫であることを示しており、したがって知られるうちで最古の昆虫となる。
 著者たちは、この昆虫が現れたのは4億3,800万〜4億800万年前のシルル紀であることはほぼ確実だとみている。これまでの最古の昆虫の記録は、ニューヨーク州で見つかった3億7,900万年前の2匹の昆虫だった。今回の昆虫Rhyniognathaは飛翔能力はないが、翅のある昆虫と共通したいくつかの特徴を持ち、このことからみて昆虫の翅も古生物学者たちが考えていたより古い時代に進化した可能性がある。

2/4 “新天敵農法” 土着のハチで害虫駆除

 天敵農法の共同研究に取り組んでいる宮崎大農学部と清武町の農家のグループが、ナスやトマトの葉を荒らし農薬にも強い外来種の害虫を土着の寄生バチで駆除することに成功した。

 研究に当たったのは、同大学の大野和朗助教授(48、応用昆虫学)と研究室の学生、大学院生25人、清武町の果樹・露地野菜生産農家でつくる同町新農法研究会(川越義正代表、40人)。
 2001年からナスやトマトの生育を弱めてしまう外来の害虫ハモグリバエ類の駆除に乗り出した。 グループが天敵に用いるのは、ハモグリミドリヒメコバチなどの土着の寄生バチ。 エンドウの葉の組織を食べる在来の害虫・ナモグリバエの幼虫に卵を産み付け、ふ化後にその害虫やハモグリバエ類を食べる生態を利用した。
 ビニールハウス周辺や休耕田であらかじめエンドウを栽培。トマトやナスにハモグリバエ類が発生した際に、エンドウの被害葉を袋に入れてハウス内に移すことで寄生バチを呼び込み、害虫を駆除できた。
 ナスやトマトの生産農家のほとんどは自家用にエンドウを栽培しており、防除のコストはほとんどかからない。平均的なハウスの広さなら、数株のエンドウで十分な量の寄生バチを確保できるという。
 また、これまでの研究で@天敵が採集できる葉を数多く確保するには、生育が良く葉が多い11月植えのエンドウが適しているA地面に近い葉に多く寄生が見られる、ことなどを突き止めた。
 グループの農家30戸を対象に行ったアンケートでは、約6割が成功したと考え、8割以上がこの農法を継続したいと回答した。 川越代表(52)は「輸入天敵は農薬の2倍の費用がかかっていたので、土着天敵は農家にとってコスト減の上に大幅な労力軽減になる」と歓迎。
 大野助教授は「農家向けの具体的なマニュアルを作っていく」と普及へ意欲を見せているという。
宮日紙より

2/3 雑種クワガタの繁殖力確認

 日本に大量輸入される外国産クワガタの影響を調べている国立環境研究所侵入生物研究チームは、在来種クワガタと外来種との雑種から2代目が生まれることを確認した。
 同チームは、体長約50_の在来種で対馬型遺伝子を持つヒラタクワガタのオスと、同サイズのスマトラ産のオオヒラタクワガタのメスを交雑させた雑種1代を使って4組のペアを作った。いずれも産卵し、7割が孵化(ふか)、次々と成虫になった。
 雑種2代は体長約70_と、1代目の約80〜90_より小ぶりであご(角)の形にばらつきがある。オス、メスとも正常で、在来型との生殖隔離がほとんどないことが確認された。
 外国産クワガタは99年から輸入規制が外され、これまでに約520種が「認可」されたが、雑種として繁殖能力を持つことが確認されたわけで、外国産クワガタ野生化の脅威が改めて浮き彫りになった。

1/31 奄美でチョウが集団越冬

 鹿児島県・奄美大島の北部でリュウキュウアサギマダラが集団越冬している。マダラチョウ科の1種で羽を広げると約10a。東南アジアに広く分布し、奄美大島が生息の北限とされる。
 気温が15℃以下になる12月から翌年2月末ごろまで、海岸付近の北風が入らない林の中で、つる性の植物や枯れ木にぶら下がって越冬する。
 羽を閉じているときは枯れ葉のようだが、日が差し込んだり気温が上がると、眠りから覚めたように、黒と薄い青色のまだら模様が美しい羽を広げ、辺りを優雅に舞うこともある。


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