2001,8,12掲載 今週の話題バックNo.37 2001,7,1〜7,31

7月31日 ニチイ鷹巣店8月6日で閉店

 マイカルグループのマイカル東北(本社仙台市)は、鷹巣町のニチイ鷹巣店を来月6日で閉店する。店舗の老朽化が理由。
 同店は昭和41年にJR鷹巣駅前でイシヤマとして営業を開始、その後アイケー、サンホーユー、サテイ、ニチイと名を変えて35年間営業を続けて来た。衣料品や寝具、日用品などを取り扱い、売り場面積は約1440u(テナント1店舗は除く)
 売上高は、13年2月期に前期比11%減の3億1300万円になるなど、競合店の出店などで低下傾向が続いていた。同社人事総務部は「現状では黒字ながら、将来的に赤字への転換が予想される。改修などの投資をしても、採算が取れないと判断した」としている。
 土地、建物とも賃貸物件のため、閉店後は所有するJA鷹巣町に返却。17人の従業員のうち、社員5人についてはグループ内の能代サティへの配置転換が決まっている。

7月30日 違法認定、当落動く恐れ 阿仁町長選 町選管が無効決定を告示

 阿仁町選挙管理委員会(柴田光顕委員長)は28日、先月24日投開票の同町長選を無効とする決定書を告示した。町特別養護老人ホームで違法な不在者投票手続きがあったと認定。これが不正行為を誘発した可能性があり、その結果、1票差の選挙結果が異動する恐れがあったと結論付けた。県選管によると、選挙無効は、確定すると県内首長選では戦後初となる。

 決定理由によると、先月20日に町特別養護老人ホーム山水荘(山田尚施設長、入所・入居者58人=同町水無)で行われた不在者投票の際、山水荘施設長が入居者の意思を確認しないまま、54人分の投票用紙を請求したことが、公職選挙法施行令に違反すると認定。
 さらに、この不在者投票で、投票の意思を確認できない入居者5人分の代理投票を行った際、公職選挙法が定める2人の代理投票記載者(山水荘職員)を立ち会わせないまま、投票管理者(同施設長)、立会人(同職員)、事務従事者(同)の3人だけで白票として投票したことも違法と認定した。
 その上で(1)不在者投票用紙の請求に際し、個々の入居者の意思を確認していれば、54人中5人は不在者投票をしなかった可能性が高い(2)白票とされる5票の代理投票について、立ち会った施設長ら3人のうち、1人は「白票かどうか確認していない」と同選管の証人尋問に対し証言したため、実際に白票だったか不明、代理投票記載者の手を離れて投票行為をしたことになり、公選法(第48条2項)に規定している代理投票の方法に違反―と指摘。

 これを踏まえ、同選管は投票事務の違法行為によって、(2)の不正行為が誘発される状況であり、1票差という選挙結果に異動を及ぼす恐れがあったと断定。「申し出人の主張する不正疑惑の可能性を否定できない」選挙は無効と結論付けた。
 一方、小林氏が異議申し出書の中で指摘した▽山水荘入居者に対する施設職員の違法な選挙運動があった▽同職員による浜田氏投票への誘導的な発言があったほか、投票用紙に記載された小林名を消し浜田名に書き換えて投票するなど、違法な代理投票も行われた―との主張については「(目撃者と関係職員の証言に食い違いがあり)違法の事実を認めることができなかった」と退けた。
 これに対し、浜田町長は「自身にかかわる選挙運動でなく、特養ホーム職員の事務が公正さを欠いたということがなぜ選挙無効に結びつくのか、よく分からない。こうした点を確認しながら、できるだけ早い機会に県選管に審査の申し立てを行い、適切な判断を求めたい」と話した。

 町を二分した激しい選挙と、1票差と言う劇的な当選。異議申し立てによる選挙無効決定によって、当落が逆転する可能性もあり、消しがたいしこりと不信感が残ってしまった様だ!
 選挙管理委員会の決定は全会一致ではなく、3対1の多数決であり、この決定に対する町民の受け止め方にも賛否両論ある。

7月29日 米軍機の“落とし物”? 森吉山に2つの金属体

 県立自然公園森吉山(1,454b)東方の外輪山・小池ケ原(1,280b)付近の中間地点(標高約1200b)の山腹で、米軍の戦闘機に付属していたとみられるタンク状の金属体とその中に詰まっていた空軍ジャケットなどが見つかった。植生調査で入山した森吉山の自然を守る会(藤本英夫会長)などの調査で判明したもので、同会は27日までに森吉署に届け出た。同署は30日、自衛隊などとともに現場検証する。
 金属体などが発見されたのは小池ケ原から約200b北側の割沢登山道から約50b離れた急斜面。3年ほど前、会員の1人がこの周辺で飛行機のものとみられる金属板を見つけていたため、今月21日に同会のメンバーら4人が立川源流域の調査も兼ねて目撃情報地点を踏査、金属体2個を確認した。
 金属体はいずれも直径55―60a、長さ195―200aで、タンク状のアルミ製。金属の腐食状況などから、同会は「少なくとも2〜3年以上前のものではないか」とみている。
 金属体の1つにはバッグなどが入っており、「マクダネル・ダグラス ファントム2」と英語で記されたワッペン付きのジャケットや、運動靴、整髪料などの洗面道具、英語の本などが詰められていた。もう一つの金属体には何も入っていなかった。
 森吉署からの連絡を受け、27日は仙台防衛施設局青森防衛施設事務所からも担当者が鷹巣町の発見者宅などを訪れ、事情を聴いた。軍事専門家の話では、この金属体は米軍の「プラベルポット」と呼ばれるもので、パイロットが基地の間を移動する際に私物を入れておくもの。コックピットは狭くて私物を持ち込めないため、通常は戦闘機の真下に付けているという。
 同会の藤本会長は「金属体の接続部分とみられる金具がひん曲がっており、故意に捨てたとは思えない。周辺は高さ約10bのアオモリトドマツの林。演習などで超低空飛行した際に、木にぶつかって落下したのではないか」と指摘。
 発見場所の200b上部の尾根筋には登山道がある上、現場周辺は天然記念物で環境省が指定する絶滅危ぐ種、イヌワシが飛行する地域。9年に、イヌワシが飛んでいる尾根上空をすれすれに飛び去る米軍戦闘機を発見。同会が米軍機の飛行を控えるよう県を通じて米軍に申し入れようとしたが「県は取り合ってくれなかった」。「イヌワシ、クマゲラなど貴重な野生鳥獣の保護、登山者の安全のため、自然公園空域での危険飛行は行わないように」と再度、県を通じて米軍に申し入れる考えだ。

7月28日 「阿仁町長選は無効」町選管本日告示

 先月24日に投開票された阿仁町長選について同町選挙管理委員会(柴田光顕委員長)は26日、選挙無効を決定する方針を固めた。不在者投票の手続きに違法行為があったと判断したとみられる。新人3人が立候補した同町長選は浜田章氏(75=同町銀山)が当選し、今月9日に町長に就任したが、1票差で次点となった小林精一氏(66=同)が「町特別養護老人ホームで違法な投票が行われた」として今月4日に町選管に選挙無効を求めて異議を申し出、町選管が審理していた。県内で実施された選挙で無効の判断が確定すれば、昭和34年4月実施の天王町議選以来。町長選では戦後初となる。
 決定内容は町選管が28日に告示するとともに、小林氏に通知する。
 関係者によると、違法と判断されたのは、町特別養護老人ホームで先月20日に行われた不在者投票に先立つ投票用紙の交付手続き。
 福祉施設などでの不在者投票に際しては選挙人の投票の意思を確認した上で、施設管理者が町選管に投票用紙の交付を申請することになっているが、同ホームは入居する有権者の意思を十分確認しないまま町選管に対して54人分の投票用紙を請求したという。また寝たきり等で本人の意思確認ができない5人の入所者の投票が、施設職員によって代理投票されたと言う。
 不在者投票用紙の交付手続きの違法について、昭和31年の仙台高裁判決は「選挙の管理執行に関する規定に違反するもので、それが選挙の結果に異動を及ぼす恐れのあるときは、選挙を無効とする」とした。
 同町長選の場合、当選した浜田氏と次点となった小林氏との票差が1票の小差だったことから、町選管は手続きの違法性が選挙結果にも影響を及ぼした可能性がある、と判断したもようだ。
 今回の決定について、浜田章町長は「決定通知書の内容を見ていないためコメントできない。選挙無効となったとの風評もあるようだが、そうなった場合はしかるべき措置を取りたい。町民は動揺しないでほしい」と話した。
 小林氏は「(選挙無効の)決定が出たとすれば、町選管が良識ある判断をしたと受け止めている。県内の首長選挙で戦後初の選挙無効だとすれば、町史に消すことのできない汚点を残したことになり、残念だ」と述べた。
 町選管の決定に不服がある場合は、告示翌日から21日以内に県選管に審査を申し立てることができる。これに対し県選管は60日以内に裁決するよう努めなければならない。裁決に不服があれば仙台高裁への提訴、さらに最高裁に上訴することができる。

7月27日 森吉山麓たなばた火まつり

 今年も8月7日に、“第15回森吉山麓たなばた火まつり”が「燃えよ、魅せよ、伝えよ」のテーマで開催される。今年は前段として森吉山ダム工事現場を巡る「探検隊(定員70人)」が午前9時半に「四季美館」を出発。正午からは河川公園で多彩なイベントが開催される。雨天順延
 @正午…チビッコを対象とした魚の掴み取り大会
 A午後3時…五味堀餅つき踊り
 B午後5時…七夕踊り・七夕太鼓
 C午後6時…阿仁前田獅子踊り
 D午後7時…七夕絵灯籠行列
 E午後8時…たなばた火まつり
会場周辺は駐車場が不足しており、秋田内陸線(臨時列車午後10時半発鷹巣行き・比立内行き)の利用を!

7月26日 「初心にかえり、利用増進を」 内陸線町村振興対協

 秋田内陸線沿線町村振興対策協議会(会長・太田芳文角館町長)は24日、上小阿仁村生涯学習センターで13年度定例総会を開き、県の観光振興プラン地域支援事業を活用した観光客誘致キャンペーンなどを盛り込んだ、本年度事業計画を決めた。
 協議会は、内陸線沿線の8町村(鷹巣町、合川町、森吉町、上小阿仁村、阿仁町、西木村、田沢湖町、角館町)の町村長及び議会議長、商工会長、観光協会長、秋田内陸縦貫鉄道社長で組織。将来にわたり維持・存続させ、経営の安定化策を推進することを目的に、沿線町村の振興対策や乗車運動などの事業を行っている。
 総会では、太田会長が「協議会を通じ、内陸線の重要性を訴えていきたい」などとあいさつ。来賓を代表して県建設交通部建設交通政策課の小沢田勝之助課長が「昨年度の利用者は80万人を切り、単年度赤字も3億4千万円を超える状況となった。赤字覚悟の運営ではあるが、青天井でいいのかという議論もある。沿線住民にマイレール意識を強めてもらい、再度初心に帰って利用増進に努めてほしい」などと述べた。
 この後、内陸鉄道の三村鐐専務が会社経営概況を報告。「12年度の決算は、赤字額が資本金を上回るというゆゆしき状態。経営改善に向け一層の努力をしたい」と述べ、13年度は輸送人員78万人、鉄道収入2億3500万円を確保したい-などと努力目標を示した。
 引き続き、12年度事業報告や同決算、13年度事業計画案、同収支予算案などを原案通り承認した。
 事業計画によると、本年度も例年同様、沿線町村乗車促進事業として、イベント列車や北空港利用促進ツアー、各町村民号への支援を行うほか、県の観光振興プラン地域支援事業を活用した観光客誘致キャンペーンを計画。具体的には、内陸線のホームページやガイドブックの作成、さらにPR番組の制作などを予定している。
 このほか、北緯40度秋田内陸リゾートカップ100キロチャレンジマラソン(9月23日)も行う。
 また、助成事業として、第12回沿線町村ゲートボール大会、第13回沿線町村俳句大会、協賛事業として第15回沿線町村中学校野球大会(阿仁町主催)を決めた。

7月25日 農村女性の思い綴り40年、合川町「母の実」記念号発行

 農村女性の思いを書き継いできた合川町の作文グループ・母の実会(庄司昌子会長、会員約300人)が結成から40周年を迎え、このほど記念文集「母の実」第70号を発行した。23日に町農村環境改善センターで記念合評会を開いた。
 母の実会は、「暮らしの中の自分たちの本当の思いを書き連ね、話し合う場をつくろう」と、同町内の農村女性ら約30人によって昭和36年に発足。以後、年1回から4回のペースで文集を発行し続けてきた。
 これまで書きつづられたテーマは、使いやすい台所の在り方など女性の暮らしに直結したものや、嫁としゅうとめの確執、出稼ぎによる夫の不在など、女性の悲しみやつらさを正面から訴えたものが多かった。そうした思いを共有し、助け合おうと、文集発行後は会員らで合評会を開き、励まし合ってきたという。
 創刊当時から編集委員を務める伊東和子さん(64)=同町杉山田=は、「昭和30年代は、女性が自分を主張することはまだ考えられない時代だった。書くことで自分の生活に明るさを見つけ、話し合うことでこの上ない励みを得た。『母の実』は、たくさんの女性たちの支えになってくれたと思う」と振り返る。
 発足時の会員のほとんどが今でも作文を寄せている。現在の会員は50〜60代が中心。若い世代の投稿が少ないものの、庄司会長(67)=同町増沢=は「昔の農村文化を語り継ぐという大事な役割も担っている。『母の実』は、なくしてはならない文集だと思う」と話している。
 記念文集には、会員ら51人が創刊からの思い出などを寄せている。

7月24日 発行から1年、2000円札はどこへ

 二千円札は7月19日で発行から一周年を迎えた。そろそろ手にする機会が増えてもよさそうだが、聞こえてくるのは「めったにお目にかからない」との声ばかり。日銀秋田支店によると県内には一人一枚の計算で配布されたが、とてもそんな実感はない。いまだ二千円札の多くが日の目を見ないまま、静かに日銀の金庫に眠っている。
 ある飲食店では「できれば受け取りたくないのが本音」と厄介者扱いする商店もある。
 自販機は商品単価が安いため消費者の要望もなく、二千円札対応に変更する計画は当面ないと言う所が多い。
 銀行のATM(現金自動預払機)は、ほとんどの機械で対応を済ませているが、取り扱いは入金のみ。両替を希望しない限り、銀行から二千円札を受け取ることはない。当初こそ目立った両替の希望者も、今では「ほとんどいない」「たまに来る程度」という。
 日銀各支店は昨年12月から個人を対象に両替業務をスタート。当初は交換する人もいたが、4月からはほとんど利用する人がいないと言う。

7月23日 県内梅雨明け、学校は夏休み

 仙台管区気象台は21日午前、本県を含む東北北部が梅雨明けしたとみられると発表した。平年より6日早い。これで全国の梅雨が明けた。
 仙台管区、秋田地方両気象台によると、6月14日の梅雨入りから7月20日までの秋田市の降水量は、平年の約1.5倍の326oで、やや雨の多い梅雨となった。
 21日の県内は高気圧に覆われ、最高気温は鷹巣が29.9℃、秋田と横手が30.5℃で、いずれも平年を3℃前後上回った。今後1週間はおおむね晴れる見込み。
 また北鹿地方のほとんどの小・中学校で21日、一学期の終業式が行われた。梅雨明けした青空の下、児童生徒は旅行や勉強などそれぞれの計画を思い浮かべ、満面の笑顔で下校。楽しい思い出をたくさんつくることを約束し、待望の夏休みに入った。夏休みは8月26日まで。始業式は同27日。

7月22日 商店街活性化にと、鷹農生が綱引き

 鷹巣農林高校の生徒会が「若者の力で町を活性化させたい」と20日、駅前の商店街で大綱引き大会を開いた。県の高校生自主企画事業で行った大会には、部活動の模擬店、農産物販売、早食い競争などのイベントも加わって大変な盛り上がり。生徒達は、明るい未来を共に引き寄せようと、地域住民や保護者たちと一緒にアイデアいっぱいの綱引き大会を楽しんだ。
 自主企画事業は県内の各高校が50万円の予算で実施している。同校は昨年、ビデオ製作に取り組んだが、「どうせなら学校の中でできない大きなことをやろう。自分たちだけで楽しまないで、地域を巻き込み、活性化できたら」と、綱引き大会を思いついた。
 会場に選んだのは、鷹巣で一番の繁華街を形成する駅前通りと銀座通り商店街の路上。生徒たちの4チームに保護者や職員、地域のチームが加わって計9チームで予選リーグ後の決勝トーナメントで優勝を競った。競技に先立ち、生徒がお面をつけた読売巨人軍の長島茂雄監督やアニメ映画「紅の豚」がゲストで登場し、会場を盛り上げた。また綴子の大太鼓も駆けつけ、花を添えた。
 早食い&職場PRイベントは、上位の成績ほど職場をPRする時間を長く確保できるという趣向で、地元商店や県職、製材組合などが若い人材確保に勇んで早食い競争に挑んでいた。また、会場に設置した農業科の▽花き▽野菜、林業科の▽干しシイタケ▽山菜ミズの農産物販売所からは、生徒たちの威勢のよい呼び込みの声が飛んだ。

7月21日 学校給食に地場野菜を、農業農村ビジョン推進本部

 県がふるさと秋田づくりの指針として12年度策定した「新世紀あきたの農業・農村ビジョン」を推進する北秋田地方推進本部(本部長・福田正實北秋田総合農林事務所長)の委員会議が19日、北秋田総合庁舎で開かれ、同ビジョンの推進状況などを話し合った。同本部では本年度の重点的な取り組みの一つに学校給食の地場農産物産の供給を掲げ、具体的な方策について意見交換した。
 農業・農村ビジョンの地方推進本部は、農業者、消費者、農業・商工関係団体、市町村、教育関係者が委員となって構成。開会あいさつで福田本部長は、北秋田のビジョン推進状況を「生産額、担い手の確保については全般に低迷しているが、消費者の視点に立った商品開発や新鮮・安全・安心を売りにした女性の直売などは順調に伸びている」と総括。その上で本年度の重点的な取り組みとして(1)産地担い手支援チームのアクションプログラム(2)学校給食への地場産物供給-の2つを提案した。
 (2)については事前のアンケートで大館市、比内町、田代町、上小阿仁村が「取り組む機運がある」と回答。実際に取り組むにあたっては、「年間使用量を定めれば、農家に作付け依頼ができる」「必要量を確保できるか懸念される」「生産者側にも努力が必要」などの意見が出た。また、「取り組む機運がない」とする理由に「町内の商店に発注、購入しているため難しい」(阿仁町)「2農家の地場野菜を給食センターで購入(野菜の30%)している現状を維持したい」(森吉町)-などを挙げた。 
 もう一つの重点事項である担い手支援のアクションプログラムは、支援する産地や担い手を絞って目標値を設定し、アプローチ手法を組み入れたプログラム。担い手は特定農業法人の立花ファーム(大館市)、白津ファーム(合川町)、管内の女性農業者起業グループ、高齢者生産グループなどを見込んでいる。例えばネギと稲作の複合経営に取り組んでいる立花ファームについては、農協や地域農業改良普及センターが経営状況の診断分析・検討、経営改善シミュレーションを実施するなどして支援する。

7月20日 「ドリームワールド」鷹巣町遊園地8月着工

 鷹巣町の遊園地建設に向けて小学生の提言組織「りかワールド」ワーキンググループ(WG)の全体会が17日、町役場で開かれ、設計業者が子どもたちに遊園地のイメージ図を提示した。子どもたちに反対意見はなく、これを基本に設計、8月上旬にも工事発注する運びとなった。これまで「りかワールド」と仮称を使ってきたが、話し合いの結果、遊園地の正式名称は「ドリームワールド」に決定した。
 イメージ図は、今月8日に開かれた全体会での最終的な提言を受けて、町が設計委託しているウヌマ地域総研(秋田市)が作成したもの。
 敷地の中央には、高さ7bの展望台、アスレチック、高さ4bからのすべり台などが一体となった「アドベンチャーマウンテン」を設置。このほか▽出入り口となる「トリップゲート」▽サイクリングや散歩ができる「デンジャーコース」と「セイフティーサークル」▽遊具付きの砂場「わいわいサンドサークル」▽ゴーカート▽休憩施設のあずまや「コミュニティーテラス」を配置している。
 各遊具の色やデザインを統一し、敷地内に多くの木を植える予定。
 子どもたちからは「一ヵ所でいろんな遊びができて楽しそう」などの感想が聞かれた。
 この日は、料金についても話し合い、一部の乗り物に関しては有料(100円)とすることでまとまった。
 岩川徹町長は、来年度以降も遊園地の場所を拡大し、提案があった「動植物と触れあえる場所」などを設置して行く考えを示し、「遊園地が出来て、みんなの仕事が終わりではなく、関心を持ってかかわってもらうことが約束。鷹巣にしかない手作りの遊園地。協力をお願いする」と述べた。
 遊園地の建設場所は、国道7号沿いの大太鼓の館西側、山村広場に隣接する4000uの敷地。国が11年度に交付した少子化対策交付金に自己資金を加え、1億千百万円で建設。11月中旬完成、同月中のオープンを目指す。

7月19日 大館能代空港、開港3周年を迎える

 大館能代(あきた北)空港が、18日で開港3周年を迎えた。東京、大阪、札幌の3路線各1日1往復でスタート。その後、路線ごとの利用増減などによって、現在は東京が1日2往復に増便。大阪便は季節運航となり、札幌便は運休となっている。当初の需要予測と実際の利用状況とのギャップや赤字問題など課題を抱える中、圏域の官民で組織する空港利用促進協議会は、3周年を機に東京便の3往復化、大阪便の通年運航再開などを目指している。
 同空港は、高速交通体系空白地域の解消、地域活性化などを目指した圏域の運動が実り、10年7月18日に開港した。県設置の第3種空港。全日空グループのエアーニッポン(ANK)が就航し、当初は3路線が運航された。
 東京便は、開港当初から高い利用率を維持。このため、ANKの自社枠による暫定2往復の期間を経て、羽田空港の発着枠が拡大された昨年七月からは正式に2往復に増便となった。
 その一方で、札幌便は低迷し運休。大阪便も季節運航に移行している。
 年間の利用者数は11年度が151,138人。12年度は1,388,332人に落ち込んだ。
 当初の需要予測は東京3往復、大阪1往復の設定で年間47万人。公共事業の見直し論とも絡んで、「需要予測が甘かった」との味方や、赤字の問題の指摘もある。
 利用状況に関しては、12年度が前年比で落ち込んだものの、東京2往復は安定しており、大阪便も新年度に入って、期待のもてる状況。6月は東京が63.2%、大阪54.0%となっている。
 地元にとって、利便性が増したことは確か。空港を経済、産業に結びつける直接的な動きが顕在化していないという課題もあるが、大阪本社の企業が大館市に進出するなど、今後のビジネス交流などが期待される動きもある。
 促進協としては、需要の掘り起こしに力を入れ、最近の利用状況などを踏まえ増便などを目指していく考え。会長の小畑大館市長は「東京便は3往復、大阪便は通年運航。3周年を機に目標を達成するようがんばりたい」と話している。
 促進協では、3周年を迎え、ターミナルビル内に「おかげさまで3周年」の懸垂幕を設置したが、特に目立った行事は行わない予定。
 3周年に合わせて、開港時から18日までの総搭乗者数当てクイズを実施し、すでに締め切った。利用者は6月末で約44万人となっている。

7月18日 カメムシ発生、昨年の2倍超

 県病害虫防除所は16日、斑(はん)点米の原因となるカメムシ類の発生量が昨年同期の2倍以上になっているとして、病害虫発生注意報(第6号)を発表した。県農産園芸課は「昨年被害が少なかったため、防除がおろそかになっている傾向が見られる。一昨年の大被害を教訓に、今後の対策を徹底してほしい」と呼び掛けている。
 注意報によると、本県で斑点米を発生させる主要なカメムシのアカヒゲホソミドリカスミカメは、予察灯による誘殺調査データで、越冬世代成虫の発生盛期は平年より早く、量も多くなった。第一世代成虫の発生盛期は7月上旬の低温や連続した降雨によって、誘殺数は前年並みからやや少ない状況。
 また今月11、12日に県内57圃場の周辺で実施したすくい取り調査では、1ヵ所の平均で昨年の2倍以上となる約300匹のカメムシ類が捕獲された。今後8月中旬ごろまでの天候は、気温が平年並みかそれより高く、降水量は平年並みと予想されており、カメムシ類の発生は平年より多くなる見込み。
 防除対策として▽薬剤散布は出穂期と乳熟期の2回、地域一斉で必ず行う▽周辺より出穂の早い圃場にはカメムシが集まりやすいので、防除を早めるなどの対策を講じる▽除草は出穂の10〜15日前までに地域全体で行い、その後、収穫2週間前までは除草しない。やむを得ず行う場合は、除草直後に殺虫剤による本田の防除を行う−などを呼び掛けている。

7月17日 小型軽量のブラックバス捕獲機完成 比内町佐藤さん

 ブラックバス捕獲機の開発に取り組んでいる佐藤幸司さん(44=比内町扇田、溶接業)が、従来型を小型に改良した新型機を完成させた。「ボートで引っ張ってどんなポイントにも設置でき、捕獲効果は高いはず」としている。近く鹿角市内の農業用ため池で実証試験に取り掛かる。
 V型と命名された新型機は、直径1.2b、重さ40`。基本構造は佐藤さんらが開発した従来型と同じで、正八角柱の二重構造。各面にメガホン状の入り口があり、おとりの小魚を狙ってバスがいったん入り込むと、外には出られない仕組み。新たに上部に浮輪を取り付け、水面に浮かべて移動できるよう工夫した。
 佐藤さんは、近所に住む幼なじみの兎沢明さん(44=木工業)と共同で、一昨年から捕獲機を開発中。これまでに直径3bの「T型」、同2bの「U型」を完成させ、鷹巣町の池や八郎湖などで実験を重ねてきた。
 しかし重量が2型でも300`あるため、設置の際はクレーンが必要で、設置ポイントも限られていた。底のヘドロに埋まってしまうこともあり、思ったような結果は得られなかった。
 一方で、バスによる在来魚の食害を懸念する全国の内水面漁協や自然保護団体などから問い合わせが相次ぎ、改良を重ねてきた。
 佐藤さん自身、かつてはバス釣り愛好者だったが、生態系への影響を知るうちに駆除の必要性を認識するようになったという。「全国各地から激励のメッセージが届く。実験結果を参考に改良を続け、いつか完成品を世に出したい」と張り切っている。

7月16日 鷹巣町綴子の大太鼓

 鷹巣町綴子の八幡神社(武内朋子宮司)の例大祭が15日行われた。豊年満作を祈願し、作占いをする御湯立ての神事行い、正午ごろから、世界一の大太鼓と獅子(しし)踊り、奴踊りなどを従えた大名行列が出陣、集落内を練り歩いた。
 八幡神宮綴子神社は約1300年前の創建といわれ、旧比内郡の総鎮守で北秋田郡内では最も古い。1100年前の平安時代からの古書文献を所蔵し、東北地方最古の八幡宮。
 大太鼓祭、獅子踊りの行事も歴史が古く、700年前、鎌倉時代の弘長2(1262)年からの伝統郷土芸能と伝えられ、昭和54年に文化庁の無形民俗文化財の指定を受けた。
 綴子神社の祭典は本来、踊りの奉納を中心とする祭り。昭和の初期までは上町と下町が同じ日に奉納していたが、先を争う「けんか祭り」でトラブルも多かった。
 このため、双方が一年おきに奉納することになったが、上町と下町が太鼓の大きさを競い合うようになり、双方の太鼓が更新のたびに大きくなった。その結果いつの間にか世界一の大太鼓が出現。本来の祭りの主役、踊りより有名になった。
 大太鼓や踊りの奉納は「徳川方」の上町と「豊臣方」の下町が毎年交互に行っており、今年は豊臣方の下町が当番。大名行列では下町地区が保有する直径3.71bの太鼓のほか3筒が出陣。世界一の音をとどろかせながら練り歩いた。
大太鼓

7月15日 あじさい祭り開幕

 合川町の「あじさい祭り」が本日、三木田の翠雲公園で開催される。同公園には9種類、約2500本のアジサイが植えられており、今年は春先の霜害で開催が危ぶまれたが、例年より花の数が少ないものの、徐々に可憐な花を開いてきた。
 公園内には特設会場が設けられ、午前10時半から開会行事。民謡ショーや大道芸能、流し素麺大会、ムカデ競争、さいころゲームなど多彩なイベントが行われる。
問い合わせは町商工観光課(78−2115)まで。

7月14日 秋田検察審査会、合川町長告発「不起訴不当」と議決

 秋田検察審査会は12日までに、合川町の公共下水道事業発注に絡み、町議らが金田陽太郎町長を背任容疑で告発した件で、秋田地検が不起訴処分としたのは「不当」として、同地検に再捜査を要請する議決を行った。
 議決理由によると、町長の行った随意契約自体は「地方自治法、同法施行令の規則で認められると思量する」としたが、▽管きょ等実施設計の業務委託契約が、適正を欠いて締結されている▽契約書類作成に違法とも言える杜撰(ずさん)な事務処理が多く見受けられ、契約事務が適正に処理されていれば支出削減が図られた▽将来、維持管理上のトラブルも懸念される―などと指摘。「秋田地検の不起訴の裁定は納得できない」と結論付けた。
 問題となったのは、金田町長が平成10年12月、工事の実施設計で東京の業者と約3700万円の随意契約を結んだケース。町財務規則では、130万円を超える契約は競争入札を原則としており、町議たちは「町長の目的は業者の利益を図ることで、町に損害を与えた」として昨年1月に告発した。
 しかし、同地検は今年3月、「町に損害を与えたとは言えない」として嫌疑不十分で不起訴処分とした。町議ら9人は同月、同地検の決定を不服として、秋田検察審査会に審査を申し立てていた。
 申立人の1人である松橋三郎町議は「審査会の議決は当然だと思う。地検には再度、厳正に捜査することを望みたい」と語った。
 金田町長は「検察側で細かい調査をして不起訴という決定が出たはず。随意契約は町のために締結したものであり、『背任』というのは納得がいかない」と話している。
 秋田地検の鈴木敏彦次席検事は13日、「秋田検察審査会の決定を検討した上で、もう一度捜査し適正に処分したい」と、再捜査する方針を明らかにした。
 昨年の不起訴処分で一件落着と見られていたが、また再燃か〜!

7月13日 土砂崩れで白神山地に“湖”誕生

 世界遺産・白神山地に新たな“湖”が出現した。岩木川の源流の一つ「大川」付近の土砂崩れで、川の流れがせき止められたためだ。澄み切った水面は周囲の深緑を映し出し、白神の神秘をたたえている。
 白神山地の土地を管理している津軽森林管理署によると5月下旬、西目屋村の大川林道(約3.9`)の終点から、大川沿いに約2.7`キロ入ったフキアゲの沢付近に湖ができた。一帯は世界遺産登録地域の緩衝地域に当たる。
 土砂崩れは、約1万5千立方メートルと大規模なもの。大川の水をせき止め、縦約50b、横約20b、深さ3〜5bの小さな湖をつくった。湖には高さ約60bのフキアゲの滝の水が注ぐ。水面は周囲の緑が映り、鮮やかなエメラルドグリーンに輝いている。せき止められた水は、土砂、岩石の間を浸透し、少しずつ下流へ流れ出ているという。
 土砂崩れは5月31日、東北森林管理局青森分局が発見し、津軽森林管理署に通報した。同月26日までは、土砂崩れは確認されておらず、27日から31日の間に発生したとみられている。
 同管理署は、崩れた土砂に手を加えない意向。草g與雄署長は「川をせき止めている岩石は次第に削られ、将来的に水たまりはなくなるのではないか。自然の作用にゆだねたい」と話している。

7月12日 県が中小企業支援新事業

 県は本年度、県内中小企業の生き残りをかけた経営体質改善、事業転換を支援する「フェニックスプラン21」事業をスタートさせる。従業員の派遣研修費、IT導入経費の補助など5つのメニューで、競争時代に負けない力強いモデル企業の育成を目指す。
 支援対象として本年度募集するのは、事業転換型の2社と体質改善型の5社。支援メニューは▽新事業や新分野進出に伴うノウハウ取得のための先進企業への従業員派遣費用▽コスト削減、販路拡大に向けたPRなどのためのIT導入費用▽新技術開発などに携わる専門技術者の雇用経費▽コンサルタント、専門家などアドバイザー委託費▽新商品、新技術の開発研究費−の5つで、それぞれ2分の1から3分の2の範囲内で3年間補助する。
 採択された企業はこれらのメニューに加え、拡充された県の新事業展開資金融資制度も利用可能となる。
 県内景気をみると、県経済のけん引役である電気・機械業界での落ち込みが大きく、製造業の後退が顕著になっている。県企業支援センターは「経営環境の厳しさは、黙っていても改善されない。実現性のある明確なプランを立てて難局に挑む『本気の企業』を総合的にバックアップしたい」と話している。
 応募方法は所定の事業計画書に、過去3年間の財務諸表などを添えて、同センター・新事業支援班
(〒010−8572、秋田市山王3−1−1)に提出する
。締め切りは8月6日。問い合わせは、TEL:018(860)5513

7月11日 浜田阿仁町長が初登庁、「過疎対策」優先課題に

 先月24日の町長選で初当選を果たした阿仁町の浜田章新町長(75)が9日、役場庁舎に初登庁した。就任あいさつで町長は「人口減少率県内1位の返上が当面の目標」と掲げた上で、「町民を株主とした阿仁町という大きな企業の社員として頑張ってほしい。情報、計画、実践、評価のサイクルを大事に、みなさんの町づくりに対する考え、提案を歓迎していきたい」などと職員に呼びかけた。
 前大館市教育長の浜田氏は、「新たな視点での町づくり」を訴え、町長選に出馬。新人3氏の争いとなった選挙では、次点に1票差という大激戦の末、初当選を果たした。8日に前町長の任期が満了、この日初登庁した。
 夫人らに見送られ、庁舎から約100mの自宅から徒歩で初登庁した浜田氏は、玄関口で女性職員から花束を受け取ると、約80人の職員から拍手で出迎えを受けた。これで沢井氏・近藤氏・今井氏・浜田氏と4代に亘って、役場から徒歩5分以内に自宅が在る町長が実現した。
 この後、会議室に場所を移し、職員を前に就任あいさつ。町長はまず、「今井前町長のもと、12年間にわたってハード、ソフト両面で町づくりに頑張ってきたことに敬意を表したい」と述べた後、大館市の老舗百貨店・正札竹村の破産を引き合いに出し、「町の運営についても都市間の厳しい競争がある。町民を株主と考えた、阿仁町という大きな企業の社員として頑張ってほしい。町の特色を発揮しながら、厳しい競争社会に立ち向かっていこう」などと激励した。
 さらに、当面の課題を「人口減少率県内一位の返上」と、過疎対策に重点を置くことを表し、「情報の収集、分析、組み立てを経て、計画、実践、評価というサイクルを大事にしたい。みなさんの町づくりに対する考え、提案を歓迎していく」と「浜田色」を打ち出しながら、協力を求めた。
 浜田町長は就任あいさつ後、初登庁の感想を「責任感、期待感を肌で感じた。身の引き締まる思い」と述べ、「まずは各課が抱えている課題の現状を把握し、早い機会に(計画の)たたき台を作りたい」と意欲をみせた。
 また、次点の小林精一氏が選挙や当選の無効を求めて、町選管に異議を申し出ていることについては「動向を見守るだけ」と話した。

7月10日 農業集落排水施設起工式

 森吉町前田地区の農業集落排水処理施設工事の安全祈願祭が、9日阿仁前田字下前田の現地で行われた。
 同農業集落排水施設工事は阿仁前田地区と小又駅前地区の農業集落排水事業の処理施設を建設するもので、それぞれの地区毎に処理施設を建設するより数億円の経費節減となる。
 9日は30℃を超す猛暑となったが、旧下前田畜舎跡の建設予定地に町・工事関係者等が参集、工事の安全と早期完成を祈願した。

7月9日 今年上半期の交通事故死者過去最少

 県内の今年上半期(1―6月)の交通事故死者は29人で、過去30年間では昭和58年と並び最少となった。県警交通企画課は「警察だけでなく、関係機関の継続活動の成果。下半期も全県対象の無事故無違反競争など、時宜を得た活動で、死者を1人でも減らしたい」としている。
 同課によると、県内では今年上半期、2362件(前年同期比42件増)の交通事故が発生した。負傷者は2970人(同204人増)と増えたが、死者は9人減少。月別では4月が7人(同5人増)と多発したが、降雪期の1、2月は計6人(同計13人減)だった。
 原因別の死者数は、前方不注視7人(同3人減)、速度超過と安全速度違反計5人(同計7人増)。酒酔い運転は4人(同3人減)だった。
 若者が起こした事故による死者は、運転者自身を含め9人(同5人増)。運転中や歩行中の高齢者の死者数は10人(同7人減)となった。
 過去30年間の上半期で、最も死者が多かったのは昭和48年の67人。年間の最多は46年の175人、最少は55、56、59年の各78人。

7月8日 今井阿仁町長任期満了で退任

 8日で任期満了となる今井乙麿(いまいいちまろ)阿仁町長(76)の退任式が6日、町役場会議室で行われた。今井町長は昭和18年3月大谷専修学院を卒業、27年10月役場入りし、母子寮長、福祉課長などを歴任して55年3月退職。58年11月の町議選で初当選、2期目途中の平成元年7月の町長選に立候補して当選、3期務めた。
 退任式では職員を代表して松橋総務課長がお礼の言葉を述べ、それに応えて「次の町長に協力、一致団結して永遠に輝く阿仁町になるよう期待する」と挨拶した。女子職員から花束を贈られた今井氏は、職員一人一人と握手して役場を後にした。

7月7日 国有林野組織再編 米代東部は5カ所が廃止 8月1日実施

 国有林野事業の組織再編が8月1日、実施される。米代東部森林管理署(大館市)管内では扇田森林管理センターと鷹巣、米内沢、阿仁、白沢の四事務所が廃止される。11年3月、北鹿地域の6営林署が統合し米代東部森林管理署としてスタート。それまでの営林署は暫定組織の森林管理事務所となったが、16年3月までに姿を消すことになっている。
 累積赤字を抱える林野事業の改善計画は昭和53年度からスタート。北鹿地域の営林署では統廃合が相次いだ。同年に白沢営林署が廃止されたのをはじめ平成3年度には十和田、花輪営林署が鹿角営林署へ統廃合。
 6年度には早口営林署が鷹巣営林署に統合され、そのあとに森林技術センターを設置。上小阿仁、合川営林署が小阿仁営林署に再編された。10年3月には扇田営林署が大館営林署に統合され、明治19年に開設されてから120年の歴史に幕を閉じた。
 11年3月に実施された森林管理署への再編整理は、改善計画とは別の抜本的改革。業務内容を従来の事業実施から森林管理など行政的な業務に移行、簡素で効率的な組織への改編が大きな目的。全国229の営林署を流域単位の98の森林管理署に再編したほか全国14カ所にある営林局・支局をブロック単位に7つの森林管理局に改めた。
 北鹿関係では大館、鹿角、鷹巣、米内沢、阿仁、小阿仁の6署を、大館に設置する森林管理署に再編。小阿仁営林署には支署が設置され、米内沢、阿仁、小阿仁を管轄。統合された営林署は暫定的に事務所を設置し業務を続け、段階的に縮小し、人員再配置が終了する16年3月までに廃止することになっている。
 今回の再編では暫定組織の7割以上に当たる全国で150カ所を廃止する。東北森林管理局(秋田、山形)では17カ所が対象となり、このうち県北地区は米代東部が5カ所、米代西部は二ツ井、五城目の2事務所が廃止される。
 事務所の廃止後について、同管理局は「森林官を配置するなど地元サービスに配慮しつつ、業務を集中化して効率的に行う」としている。

7月6日 最後の同窓会に集まれ! 森吉町湯ノ岱小・中学校

 昭和46年に廃校となった森吉町の湯ノ岱小・中学校の同窓生が、今年10月に地元湯ノ岱地区に集まり最後の「ふるさと同窓会」を開く。同窓生は廃校後全国に分散。高齢化も進んでいるため年々集まるのが難しくなっており、地元で一堂に会する同窓会としては、3回目の今回(6年ぶり)が最後となる。
 湯ノ岱小・中学校は昭和11年の創立。現在の国民宿舎・森吉山荘の隣に校舎があり、平成10年までは当時の体育館が残っていたが、県道比内森吉線の改良工事と森吉山荘の改築工事に伴って解体され、今では石碑でしか当時を偲ぶことができない。
 学校の創立当時、一帯には全国屈指の炭鉱があり、東北無煙炭鉱と電気化学工業秋田鉱業所の2社が隣り合わせで操業。最盛期の地域住民は1250人を数え、同校は児童255人、生徒70人に達したという。
 しかし、35年ごろから脱石炭を掲げた「エネルギー革命」が進展。全国の炭鉱が次々と閉山に追い込まれる中、37年に東北無煙炭鉱、41年に電気化学工業秋田鉱業所が相次ぎ閉山。これに伴い湯ノ岱小・中学校の児童生徒も激減し、中学校が43年、小学校は46年にそれぞれ廃校になった。
 同窓生は北海道から九州まで全国に散らばっているため、同窓会はこれまで2年ごとに東京で開催。古里・湯ノ岱でも昭和51年と平成7年の2回開いた。しかし、卒業生の高齢化が進んでいることから、同窓会事務局は、故郷での開催は今回を最後とすることにした。
 事務局によると、同窓生は450人以上いるとみられるが、このうち20〜30人の所在が不明と言う。
 同窓会秋田支部事務局の工藤孝さん(秋田市)は「30年以上前の湯ノ岱を探しに、旧友が全国から集まってくる。会計報告などは省略し、夜を徹して語り明かしたい。これまで参加できなかった人も、ぜひ駆け付けてほしい」と話す。
 県内には約100人の同窓生がいるが、いつでも参加できるという意識があるせいか、これまでは参加者が少なかったという。
 同窓会は10月20日午後5時から旧校舎跡地近くの杣(そま)温泉で。参加申し込みは今月30日まで。問い合わせは工藤氏TEL:018・833・2178

7月5日 県人口前月より28人減少(6/1現在、県情報統計課)

県人口1,184,009人(前月比 28人減、♂561,669、♀622,340)  

 自然動態…△225人(出生829人、死亡1,054人)
 社会動態…197人増(転入1,484人、転出1,287人)
 世帯数…391,660世帯(前月比 452世帯増)
この一年間の累計…△5,623人(12,6,1〜13,5,31)
 自然動態…△3,037人(出生8,856人、死亡11,893人)
 社会動態…△2,586人(転入19,021人、転出21,607人)
森吉町の人口…7,939人(♂3,776、♀4,163)前月比△13人
  世帯数…2,651世帯(前月比 △2)

7月4日 一票差で落選、異議申し立て 阿仁町長選

 6月24日の阿仁町の町長選で1票差で落選した前町助役の小林精一氏が3日、町選管に選挙の無効と票の再点検を求める異議申し立てをした。
 小林精一陣営の佐藤昭春後援会長によると、支持者から「再点検してもらうべき」との声が多く寄せられ、陣営の幹部と協議の上、24日夜異議申し出の方針を決定、翌25日町選管を訪れ、「今週中にも正式に書類を提出したい」と申し出していた。

 佐藤会長は、選挙の無効を求める理由について、「町特別養護老人ホーム内で規定に反した選挙運動が行われたほか、(同施設で)先月20日に実施された不在者投票での代理投票が、違法な方法で行われたとの情報が入った」と説明。
 具体的には、目撃者証言として▽不在者投票の当日、施設の代理投票記載者が立会人と共謀し、(当選した)浜田章候補に誘導的に投票させた▽代理投票記載者が小林候補名を消して、浜田候補名に書き換え投票した▽投票日当日に施設内で名刺を入所者に渡し、投票依頼の選挙運動を行った-とするもので、「同施設内で行われた投票が選挙規定に違反して行われたことは明らかで、選挙の無効とやり直し」を求めている。
 また、これとは別に当選の無効も訴え、「有効投票3501票の中で、小林票の混同と、特に浜田票、山田博康候補票の名字の一字違いの票が混同している可能性がある」、「無効票69票の中に小林候補に対する票が混同されている可能性がある」として、票の再点検を求めている。
 佐藤会長は提出後、「当初は票の再点検の申し出だけを行う予定だったが、さまざまな情報が入り、苦渋の選択の末、選挙そのものの無効も求めた。当落とは全く別の考えで、公明正大が要求される選挙で不透明な、法に背く行為は許すことができない」などと述べ、今後の選管の対応によっては「司法の手を借りる」と、告発も視野に入れた訴えであることを強調した。
 町選管によると、指摘された特別養護老人ホームでの不在者投票は県選管の指定によるもので、短期入所者を含め、有権者は54人。有権者一人に対し施設職員二人が代理投票記載者となり、一人が有権者の意思を確認して候補者名を記載、もう一人が立ち会って確認する。
 町選管では、申し出書が要件を満たしているか確認後、一両日中にも受理する見通し。この後は異議に対する審議を行い、30日以内(8月1日まで)に異議申し出を認めるか、棄却するかの決定を伝える。
 決定に不服の場合、21日以内に県選管に審査の申し立てを行い、同選管の決定、採決に対しても不服の場合は、同選管を相手取り、訴訟を提起することができる。
 柴田委員長は「県選管など関係機関の指導を受け、適切に対処していきたい」としている。

7月3日 大館市のしにせ正札竹村、自己破産申請

 大館市大町のしにせ百貨店・正札竹村(岩谷隆史社長、従業員約90人、資本金9500万円)が2日午前、弁護士を通じて地裁大館支部に自己破産を申し立て、臨時休業した。民間の信用調査会社・帝国データバンクと東京商工リサーチによると、負債総額は約30億3千万円。
 同社は嘉永5(1852)年に呉服店として創業。昭和43年に百貨店に改組し、現在の店舗は地下1階、地上9階建て。市中心部・大町商店街の中心的存在として市内随一の集客力を誇り、ピーク時の昭和59年5月期には53億円の売上高を記録した。しかし、JR大館駅寄りの御成町地区や郊外に大型スーパーが相次ぎ出店、大町商店街の空洞化が進むに従って客足が遠のいた。
 これまで従業員の半分を削減、売場面積の縮小など大規模な合理化を行ったが業績は好転せず、12年5月期には売り上げが約22億円にまで落ち込んだ。
 同社が全額出資する子会社・正札竹村友の会(竹村博義社長、会員約5000人)は、約2300万円の債務超過に陥っているとして先月27日、東北経済産業局が新規会員の契約禁止に向けた手続きに入っていた。
 大町商店街にとっては、一企業の倒産にとどまらず、商業基盤の存亡が問われる深刻な情勢となった。これで県北の百貨店は皆無となった。

7月2日 アユ釣り解禁

 県内の各河川で1日からアユ釣りが解禁となったが、昨晩からの雨が午前中まで続き、川の水位が前日比20aほどに上昇、濁りも少しずつ増した。水温も朝方15℃前後と冷たいため、全く釣りにならない。
 解禁目指してはるばる来た太公望達は諦めきれない様子で、腕組みしながら川を見つめてしばし長考。中にはポイントを求めて車で右往左往。阿仁川支流の小又川に入った人で3〜5尾と全く釣果が上がらない様子だった。
 昼には雨も上がり時折日差しものぞき、水位も徐々に下がって前日の状態まで戻ったため、入り出す人もいたが、釣果はさっぱり上がらない様子。結局、惨憺たる解禁日となった。

7月1日 阿仁町花しょうぶ祭り開幕

 200種、300万本の花ショウブが咲き誇る阿仁町荒瀬の「花しょうぶ園」で29日から、恒例の「花しょうぶ祭り」が始まった。日本一の規模を誇る園内では、雨にぬれ、ひときわ美しさを増した花が観光客らを出迎えた。7月9日までの期間中は、カラオケ大会や漫才、歌謡ショーなどのイベントも予定されている。
 花しょうぶ園は、阿仁鉱山の埋め立て地を「日本一のショウブ園にしよう」と造成し、昭和54年にオープン。27,000uの敷地内には、200種、300万本の花ショウブが植栽されており、国内でも有数の規模を誇る。毎年この時期には、白や紫など色とりどりの花が一斉に咲きそろい、県内外から訪れた人たちの目を楽しませている。町商工観光課によると、昨年も1万人以上の人で賑わったという。
 現在は、早生種の一部が開花を始めており、中・晩生種のつぼみも大きく膨らみをみせている。
 初日は午前中、あいにくの雨模様となったものの、開幕を待ちわびていた地元町民や観光客らが開園直後から次々と来場。まだ一割程度の開花だが、美しさを競い合うようにして咲くショウブをバックに記念撮影する人の姿もみられた。
 関係者によると、見ごろは祭り後半頃になる見込みという。期間中は土・日曜を中心に、各種イベントも予定されている。


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