第11章 天竜川ダウンリバー
水量に圧倒される |
10日目(H12.5.20) 天候:曇り時々雨 場所:天竜川(長野県飯田市) 6名(Wave Walkers+やまさん) 水位:通常 5月20日。Wave Walkersのメンバーと一緒に天竜川を下ることになった。今回は、G氏、Y氏、S氏、S氏、K氏と私の6名である。
いままで、小さな川ばかりだったので、スタート地点の弁天橋の川幅にまず驚かされた。次に水質の悪さ。水質が悪いため、川床に何があるのか分からない。皆に続いて漕ぎ出すが、水量と流れに圧倒されて思うようにリーンが掛けれない。自然とパドリングが小さくなるのが分かる。 1度、沈してロールが出来るか確かめたい。川幅が広いだけに川の真中での沈脱は一気に下流まで流されそうな気がする。
しかし、この水質の悪さが邪魔をして、浅いのか深いのかサッパリわからない。 「ここで沈して浅かったらどうしよう。下に岩があったりテトラが入っていたら・・・」 と思うと、どうしても沈できない。暫く行くとだんだん川の幅が狭まり、流速が増していくのが分かる。すると遠くに瀬が見えてきた。水量が多い川だけにウエーブも大きい。G氏を先頭に瀬を進む。 瀬に入ると同時に艇が前後左右に大きく揺さぶられる。 「おおっ〜〜〜!」今までの経験にはないくらいの水のパワーを感じる。川床に何があるか分からない恐怖とブローチングの後遺症と戦いながら、ひたすらパドリングをする。 何かがおかしい。やはり前回のブローチングの後遺症なのか、思いきってリーンを掛ける事もままならない。 次にあられたのが右に曲がっているカーブだ。ココも川幅が広いのでパワーを感じる。この時点で、だいぶ萎縮していた。なるべく安全そうなルートを選びつつ、おっかなびっくりでエディーキャッチを繰り返しながらなんとか下る。他のメンバーは、長良川、木曽川を経験しているだけに、なんともないようだ。所々にあるポイントでサーフィンやエンダーを楽しんでいる。
ココまでは、瀬で遊ぶ事すら出来ない状態であった。 駕竜渓の真中付近で昼食をとることになった。その時ちょうど反対側にいた私はフェリーグライドで恐る恐る川を渡る。昼食はこの頃定番になっているラーメンだ。ここで、みんなに話しを聞いてみた。 「長良川と比べてどう?」 「長良や木曽に比べたら、タラタラだよ。水のパワー自体は木曽川のがあるけど、長良川の方が難しいかな?」 なんて答えが返ってくる。 (こんなに大きいのにタラタラ?) こりゃ、当分長良川や木曽川はお預けだな。と一人思うやまさんであった。 昼食をとっていると天竜下りの遊覧船が通過していく。あちらも手を振るのでこちらも手を振り返す。品のよさそうな、おじさんやおばさんがニコっと笑って通り過ぎる姿は印象的であった。(さすがに若い女性はいなかったような・・・・・・・・)
「やまさんもあってみたらどうですか?ココなら怖くないですよ。」 意を決した私は、ウエーブに入って行く。バウがウエーブのフェース部分に入ったと同時に水に食われて艇が横を向いてしまった。リーンを掛ける間もなく水圧に翻弄され、あえなく沈! パドルをセットし、ロールをする。以外に簡単におきる事が出来た。 なにかこのロールで、落ちつきを取り戻し、ウエーブに入って行くことが怖くなくなってきた。ここから少しずつではあるが楽しめるようになってきたのである。 この後のポイントでは、サーフィンができたのである。やはり、波に乗っている時は本当に楽しい。いつでもロールが出来るようにすることが、楽しむ条件の1つだと言う事を感じた。水流も体感しなければ、うまくなる事はできない。そう思うと今回の天竜川は非常によい体験をしたものだ。 最後のS字の瀬に差し掛かった。上流から見ても大きなウエーブ(三角波)が立ち、ゴーゴーと音を立てている。瀬の長さは約50m。幅約30m。 G氏「最初の右カーブは流れの中心を行って、徐々に左岸よりにルートを変更してください。間違っても右岸側に行かないように。途中、落ちこみがありますが、しっかりと漕ぎきるように。しっかりパドリングすれば大丈夫。」 との指示を受ける。 G氏が瀬に入って行く。G氏のOC1は前後に大きく揺れながら、下っていく。 OC1の動きを見ると、大きなウエーブだと分かる。 続いて、S氏とS氏が下っていく。カヤックの方が揺れは少ないようだ。 意を決して私も、流れの中心部をパドリングする。流れが速くなり、波も徐々に大きくなる。艇は前後左右に大きく揺さぶられ、顔に水飛沫がかかる。艇のデッキにも波は容赦なく叩きつけ、艇をひっくり返そうとする。負けてなるものか!!波の向こう側をつかむようにパドリングを繰り返す。緊張の一瞬だ。こうなるとなりふりかまっていられない。必死の思いで、艇のバランスを取りながらパドリング・パドリング・・・・・・。 すると、前の方に落ちこみが見えた。ここで、急に艇の向きを変えることは危険だ。(前回ブローチングの経験より)少しずつ艇を移動させて、落ちこみを避けるルートを進む。岩はなさそうだ。そこの脇をとおりすぎるようにして通過。ホッとする。先に行った3名がエディーで待っていた。そこの後ろ側を狙ってエディーキャッチ!! 多少、下流に流されるもなんとか、とどまる事ができた。 ここの、瀬の最後の所で、Y氏・K氏はカートホイール(カヤックを縦方向に回転させる技)を 楽しんでいた。私はというとピールアウトの練習でした。(^^) このS字の瀬を超えると、すぐにゴール地点(天竜下り時又港)である。 天気もなんとか持ち、雷も鳴らず、暑くもなく寒くもなく日焼けもせずに最後のほうは楽しめたツーリングであった。 ゴール地点でコーヒーを沸かし、ダウンリバーの終了となったのである。
★おまけ★
「今回はやめよう」と心に誓うやまさんであった。 第12章 宇連川ダウンリバー(滝落ちツアー)・・・・・・・・・・・→ |