1053号（元仙台市電119号） 仙台市太白区秋保温泉 　平成14年に里帰りを果たし仙台に帰ってきました。設置場所は、かつて仙台市 電とも接続していた秋保電鉄の終点「秋保温泉駅」だった場所で、国道のすぐ脇 ですので普通に見ることができます。 　設置されたときは長崎色での保存でしたが、平成27年にかつての仙台市電色に 塗りなおされました。長崎に行った際に角ばった２段窓改造された正面の大窓は そのままで、長崎と仙台の折衷状態というところでしょうか。行先表示の幕も長 崎時代のものです。 　▲平成27年ごろ仙台市電色に戻りました。この写真では車体番号等が省略されて いますが、平成30年ごろに車体番号も復活しました。ただし、仙台市章は使用許 可等の問題で難しいようです。 　▲こちらの団体によって保存されたようです。 　▲台車は、長崎へ行った際に西鉄北九州線で廃車になった車両から受け継いだ ものです。仙台市電オリジナルのものより一回り大きく、それにあわせて車体の 切り欠きも大きくなっており、それが塗装のラインに少し影響を与えているよう です。 　▲国道から見るとこんな感じです。 （平成27年10月撮影） 長崎色時代の姿は こちら から。

1054号（元仙台市電121号） オーストラリア　シドニー 　仙台に帰って来た1053号に対して、1054号はなんと南半球へと行ってしまいました。保存されたのは、オーストラリアのシドニー路面電車博物館（Sydney Tramway Museum）。集電装置をＺパンタグラフからポールと変更され動態保存されました。 シドニー路面電車博物館の公式HPは こちらです。 　メニューから「Enthusiasts' Corner」→「Fleet」→「Oprational Fleet」の順に たどると、保管車両の一覧が現れ、「Overseas」の項に「Nagasaki 1054」があ りました。1952年に新潟鉄工で製造され、仙台と長崎の路面電車で使われた… ぽいことが書いてあります。また、「Nagasaki 1054」の部分をクリックすると 写真も表示されます。 　▲長崎時代の1054号（昭和55年3月撮影）

1055号（元仙台市電124号） 佐賀県 　1055号は解体されたとばかり思っていたのですが、嬉しいことに佐賀県内の保育園で保存されていました。 　 　残念ながら、保存場所が保育園の敷地内のため公道からは見ることができず、一般向けに公開もされていないとのことですが、今回、borochukoさんという方が写真を送って下さいましたのでご紹介させていただきます。 　▲チンチン電車。脇には「ちびっこホール」「ランチルーム」の文字が見えます。車両経歴も掲示されていますが、正面の左側上段の窓にも何か書かれています。イラストらしきものも見えて、ちょっと気になるところです。 　▲反対側から 　▲車内 　平成22年頃に再塗装もされ大事にしていただいているようです。思い出のチンチン電車として園児たちの記憶に残っていくのでしょうね。

1051号（元仙台市電117号） 長崎県長崎市 　長崎に渡った５両の仙台市電のうち、最後まで残った1051号ですが、平成最後の年、平成31年3月23日のさよなら運転、3月31日のさよならパレードで、ついにその現役生活に終止符を打ちました。 仙台では24年、そして長崎では43年の現役生活でした。長崎の方がはるかに長かったんですね。ここまで大事にしてくださった長崎電気軌道様には 心から感謝です。 引退した1051号のその後ですが、長崎電気軌道のHPによると、アスベストの関係で解体される可能性が高いとのことです。残念ですが… と思ってたら、令和2年10月28日に長崎電気軌道から発表がありました。なんと東京の「西武ゆうえんち」に譲渡されることが決まったそうです。西武ゆうえんちが公開したイメージイラストの左隅に路面電車が見えます。塗装は黄色に赤帯の都電カラーですが、まずはありがたいことです。 　▲仙台市電保存館に展示中の123号に掛けられた「がんばれ東北号（1051号）」の写真。 　東日本大震災の後には、仙台を走っていた電車ということで「がんばれ東北号」として運転され、募金活動をしていただきました。 『長崎の「仙台車」は元気です！東北の皆様、がんばってください！』という長崎電気軌道からのメッセージ付き。「がんばれ東北号」は若手運転士の発案で実現したそうです。 　▲▲　▲蛍茶屋の車庫で休む仙台市電色の1051号（平成10年7月撮影） ●1051号さよなら運行の様子はこちらから 　 元仙台市電☆長崎電軌1051号さよなら運行の前日［浦上車庫］ 　 元仙台市電☆長崎電軌1051号さよなら運行［乗車編］ 　 元仙台市電☆長崎電軌1051号さよなら運行［撮影編］