JR完乗の旅2 2003



 指宿枕崎線の終点枕崎駅に降り立ち、JR全線を完乗したのが平成11年9月。 以来、守り続けたタイトル?だったが、 昨年(平成14年)12月の東北新幹線の八戸開業で途絶えてしまった。 「住んでいるのが仙台なのだからその気になればいつでも乗れる」 などと思うと、その気になってちっとも乗らない。
 とは言いながら、いつまでも放って置くわけにもいかないしなぁ〜、 などと思っていたら、JRからちょうどいい切符が発売された。 JR東日本の完全民営化を謳って発売されたJR東日本パスは、 1日用と2日用の2種類。JR東日本全線が乗車可能で、 1日用は2回、2日用は4回指定席が利用できて、 おまけに飲み物等(ペットボトルのお茶とかだけど)の引換券もついてくる。
 指定席については、「はやて」と「こまち」を全席指定にしちゃった手前、 しょうがなくて付けたのだろうとは思うが、便利ではあることは間違いない。
 さて、早速1日用のパスを買って出掛けることにしよう!  って、「はやて」の指定が取れない・・・ 
 間違いなくこの切符の影響である。土日午前中の下り「はやて」はほぼ全滅。 まぁ、乗る2・3日前に指定を取ろうというほうが間違ってはいるんだけど、 困ったね、こりゃ。
 厳密に言えば、完璧に満席というわけではないが、今回に限っては、 進行方向左側の窓側に座りたい。 延期しようかとも思うが、またずるずる延びても困る(何が?)。 となれば、最後の手段、仙台始発の「はやて」に乗ろう。 全席指定の「はやて」のなかで、仙台発着の1往復だけは 全席自由席の通勤対策列車である。朝早く起きなきゃないし、 各駅停車でちっとも「はやて」っぽくもないが、この際やむを得ないだろうな・・・ とあきらめる。

 と言うわけで、3月のとある土曜日。
 天気はよくない。 前日に積もった雪が朝からの小雨でグチャグチャ状態。 これを踏みしめ真っ暗な道を近所の仙山線の駅へ急ぐ。 仙台始発の「はやて71号」は6:37の発車。 これに間に合うには、仙台着6:25の電車に乗ればよいが、 きっと同じようなことを考えているヤツが他にもたくさんいるに違いないと、 1本前の始発電車に乗り、5:54に仙台駅に着く。
 と、予想通りたくさんの人が新幹線コンコースへの階段を急ぐ。
「ほうらね。早起きして正解だった」
と思ったのもつかの間。そのたくさんの人たちはそのまま新幹線上りホームへ・・・。 アレ? 人が行きかう上りホームを横目に閑散とした下りホーム。 結局、「はやて」&「こまち」が入線しても人はまばら・・・  難なく希望の左側の窓側の席を確保。 始発じゃなくても良かったじゃん。あと30分寝れたのに。。。

 白んできた空を見ながら「はやて71号」は快走。 仙台から10分も走ると、周囲は米どころの大崎平野。 刈り取られた田んぼを薄く覆う雪が風に舞い、なんとも寒々とした光景である。
 くりこま高原駅で上り列車とすれ違う。 あちらは16両編成にも関わらず立ち客多数の大盛況。 やっぱ、みんな南の方に行きたがるのかなぁ〜(ってそういう問題か?)。 北へ向かう列車は、車内も寒々。。。とまでいかないが空席が目立つ。 車外はますます白さ加減が増してきたようだ。 一関の先の北上川橋梁で、新幹線と同じ高さを飛ぶ白鳥の群れとすれ違う。 雪の量はさほどでもないが、時々吹雪のような降り方となる。
 そういえば、一関到着前に大船渡線で雪の為に遅れが出ているとの放送があった。 さらに、車内の情報表示装置には、 大船渡線に続いて、釜石線でも遠野〜釜石の運転見合わせ、 山田線の上米内〜宮古運休と次々と不穏な情報が流れるが、 「はやて71号」は、一駅一駅停まりながらも定刻で運転を続ける。 盛岡へも定時に到着。その間にも雪はますます勢いを増し、 岩手山はもちろんのこと駅のすぐ脇にある マリオスという高層ビルさえ霞んでいる。 それでも、山田線以外は概ね正常ダイヤで走っているらしく、 IGRいわて銀河鉄道についても普通に乗り換えの案内が流れている。
 ここで秋田行きの「こまち」を切り離すために5分停車。 その間に意外にもまとまった数の客が乗車し、 空席がほぼ埋まった状態で発車。

 いよいよ初乗り区間である。 盛岡は、かつて2年半程暮らしたことがあり、思い出深い土地である。 雪もやや勢いが治まり、懐かしい街並みが高い高架橋から見渡せる。 盛岡を出てから数分で左手にちょっとした杉林が見え、 それが切れると古い住宅地が広がる。その中にやや大振りの木造住宅が見える。 盛岡時代の2年間をすごした寮の建物である。
 あそこに住んでいた頃のことだが、休日にボ〜っと寝っ転がっていると、 窓の向こうの高架橋上を車両基地への回送列車が通り過ぎるのを見ることが出来た。 あの頃は、あの高架橋を営業列車が通るなんて全くリアリティの無い話だと思っていたが、 今、こうして「はやて」に乗ってあの寮を見下ろしてみると、 それなりに感慨深いものがある。 ・・・それにしてもあの「ボロ寮」、取り壊しもされずよく残っていたものである。 今でもあの部屋に誰か住んでいるのだろうか? なにはともあれチョットうれしい。

 新幹線は、車両基地を過ぎ新線区間へと入る。 林業試験場を過ぎるとトンネルに入り、たちまちどの辺を走っているのかわからなくなる。 ほとんど地下鉄状態でいくつトンネルを通ったのかもわからないが、 わずか14分で沼宮内駅改め‘いわて沼宮内駅’へ到着。
 で、この駅。当然といえば当然だが、以前の面影が全く感じられない。 やはり盛岡時代に、仕事でこの付近のお客様宅へ伺った際に、 広報担当から車を借りて出かけたのだが、 沼宮内の町に入ったところで、トラブルが発生したのですぐに車を返せといわれ、 同乗していた先輩が取って返し、その場は一人で仕事を済ませたものの会社へ帰るアシがない。 結局、親切なお客様にクルマでこの沼宮内駅まで送っていただく羽目となってしまった。
 初めて見た沼宮内駅は朱色のスレート葺きが良く似合う小さな木造の駅舎で、 鉄道模型にでも有りそうないい雰囲気の駅だった。 しかもありがたいことに、立ち食いそばが営業しており、 ちょっと肌寒い時期だったこともあって、う〜ん、うまかったなぁ、あのソバ。
 などという、ささやかな思い出も吹っ飛びそうな、 鉄骨とガラスで組まれた近代的な駅に生まれ変わっている。 う〜ん、回りの風景と全く合っていない、と思うのはオレだけか?  しかも、ホームにはどこから舞い込んだのか雪が1cmぐらい積もっている。 何かが違うんじゃないかという気がする。

 陸上トンネルとしては世界一の岩手一戸トンネルを抜けて、 ここも近代的な二戸駅に停車。発車したらまたトンネルの中。 その間に八戸線も雪で運休との情報が入る。 東北本線や青い森鉄道の情報は入らないから大丈夫だろうと思っていたら、 ちらっと見えた青い森鉄道の線路上に停車中の貨物列車を発見。 すご〜く、嫌な予感がする。既に周囲は猛吹雪である。
 この後は、JR北海道の新車789系を使った「スーパー白鳥」と 「はつかり」から衣替えしたJR東日本のE751の「つがる」、 いずれも乗ったことがないので、 まとめて試し乗りをしてみようと考えていたのだが、 何だか怪しくなってきた。
 八戸到着前に、東北本線にも遅れが出ているとの情報。 やっぱり・・・ 

 ともかく小雪舞う八戸駅に定時到着。
「祝!JR線全線完乗 タイトル奪回!!」
っていうのはちょっと置いていて、 そう、なぜか小雪が舞っているのである。もちろん外は大雪であるが、 屋根のあるコンコースになぜか小雪が舞っている。 床もベンチもしっとり濡れている。 改札口に近づくほど濡れ方がひどい。 どうやら青森方の屋根と側壁の間に開いているところがあるらしく、 そこから外の吹雪が吹き込んでいるらしい。 改札を抜けた先では、とうとう駅員が雪かきをしている。 先程のいわて沼宮内駅のホームもそうだったが、 設計ミスなのではないかと思う。 それほど雪の多い地帯ではないとはいえ、 やはり北国に合った設計ではないのだろう。

 さて、である。これからどうしよう。 在来線改札口には張り紙がしてあり、駅員の周囲は人だかりが出来ている。 どうやら八戸線と青い森鉄道は、運転再開の目処が立っていないらしい。 まぁ、この2線は動かないということで了解したが、 東北本線の方がわからない。 動いてはいるらしいのだが、いつ動くかはわからない、という。
 しょうがないので、いったん駅の外に出て新装成った八戸駅を見る。 斬新なデザインにホテルも併設されて、 まぁ八戸市の玄関としては面目を一新した、というところだろうが、 先ほどの室内の雪を見ているので点数はやや辛い。  などと言いながら、吹雪に追い立てられてとっとと撤収。 9時前だというのに駅の本屋さんは既に店を開けている。 文庫本なぞ選びながら状況の変化を待つ。 待つのだが、待てど暮らせど状況が変化しない。 新幹線だけは順調にお客を運んでくるが、 ここから先の足がないので人は溜まっていく一方である。
 既にフリー状態となった改札口を抜けてホームへ降りてみると、 数人の駅員がホームの雪かきをしている。 先程のコンコースの雪かきとはスケールの違う本格的な雪かきである。 作業している1人がこちらをみて声をかけてくれる。
「いや〜、こんな日に旅行させてしまって申し訳ないですなぁ」
ん? 文脈がちょっと変な気もするが、まぁ気持ちとしてはありがたい言葉である。
「東京の方の天気はどうですか?」
「いや〜、東京じゃなくて仙台からなんですが、 こんなんなってるとは思わなかったですね〜」
「あぁ、そうでしょう」
二言三言会話を交わすとそれなりになごむが、 事態は相変わらず進展しない。

 線路の除雪が済み次第「特急つがる」が出るというが、 「あと30分」と言われ、30分過ぎるとまた「あと30分」と言われる。 10:00を過ぎると、改札口の上の列車の発車時刻の表示も消えた。
 11:00を廻ったあたりで、さすがにアホらしくなってきた。 旅行を取り止められないかと思う。 ここで言う取り止めとは、単純に帰るということではなく、 JRの営業規則で、事故などで列車の運転が出来ず旅行を継続できなくなったときは、 無償で発駅まで戻り、運賃・料金を払い戻すことになっている。
 通常の乗車券であれば、間違いなく適用される状況だと思うし、 確か割引切符も適用の対象だったはずである。 が、今回はフリー切符という性格上、どうも該当しないような気もする。 目的地まで行けなかったのは確かだが、 当然のことながらフリー切符には明確な目的地が記されてはいない。 う〜ん、ダメ元で駅員に聞いてみるか。
「この雪で先に進めないんで、旅行の取り止めをしたいんだけど、 払い戻しってしてくれるのかな?」
「え〜っと、東日本パスですか?  すみません、これは払い戻しは出来ないんですよ」
やっぱり・・・ 
「だけど、日付の変更なら出来ますよ」
「えっ? 明日に変更できるって事?」
「はい、ただしここではできませんので、発行駅で手続きしてください」
これは、うれしい。上りの新幹線は動いているし、 明日に仕切り直しできれば、いくらなんでももう動いているだろう。 ・・・と言いつつ、本当に大丈夫かな?  これで仙台まで戻ってそんなことは出来ません、と言われても悔しい。
 念のため、携帯で地元の駅に電話してみる。
「東日本パスで旅行の取り止めですか?  払い戻しも日付の変更も出来ませんよ」
「だって八戸駅でそう言ってるよ」
「えっ、そうなの? じゃあ確認しますからちょっと待ってください」
何か雲いきが怪しいなぁ。 で、ちょっと待ってくださいから、保留音が流れっぱなしで音沙汰なし。 お〜い、一応電話代かかってんだぞ、イライラしながら5分過ぎたところまでは待ったが、 もう限界である。保留音聞くために電話代払うほど酔狂ではない。 ここで電話を切って、さらに5分ほどして電話をかけなおす。
「あぁ、さっきのお客さん? やっぱりダメ。 払い戻しも日付の変更も出来ません」
内心、そうじゃないかなぁとは思っていたが、 言い方が気に入らない。
「じゃあ、八戸駅が間違えてるって事?」
「そういう事ですね」
結局、電話代だけ損した感じだが、 八戸駅の駅員と仙台の駅員との対応(態度)の差が気になる。 仙台と八戸の状況に対する温度差がそのまま出たようだが (と言うか、気温の差が反比例?)、 う〜ん、何だかなぁ〜。

 さて、である。これからどうしよう。 「金は返さん! 日付も変えん!」と言っているヤツのところに戻ってもしょうがない。 とりあえず旅行の取り止めは却下である。 出来れば、帰りは新幹線の延伸で第三セクター化されてしまった 旧東北本線の青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道 (最近の三セクのネーミング、何とかならんものかと密かに思う・・・)にも乗っておきたい と思っていたのだが、 青い森鉄道は今のところ全く復旧の見通し立たず。 と、その時、構内アナウンスが流れる。
「まもなく4番線から、青森行きの特急つがるが発車いたします。 ご乗車の方はお急ぎください」
おっ、ようやく動くらしい。これでとりあえず北上しよう。 と再びホームへ降りると・・・初めて見るE751系電車に人が群がっている。 車内の通路はもちろんデッキまで人があふれ、乗り込むことすらままならない。
 下り列車が一本も発車できない間に、 新幹線が定期的にどんどん運んできた乗客が、 6両編成の「つがる」に一気に集中したのだからたまらない。こりゃアカンわ。 試乗という意味ではこの状態で乗っても仕方がないし、そもそもとても乗れない。 どうしようと思ったら、
「つがる号発車に続いて、3番線から普通列車の青森行きが発車いたします」
というアナウンスが流れる。 それなりに列車も流れてきたのかな?  どちらにしても「つがる」はあきらめるほかない。 3番線へ移動。こちらも既に座席に空きはないが、空間にはまだ余裕がある。 これで、三沢まで行こうと思う。 戻ってきた頃には青い森鉄道も復旧しているかもしれないし・・・。

 12:15ごろE751系「つがる」が、吹雪のなか青森へむけて消えていく。 続いて発車するはずの701系青森行きの普通列車は、依然としてホームで待機中。
「走る、走るって20分以上走んね〜よ」
乗客の1人がつぶやく。 その間に余裕のあったはずの空間も埋まり、概ね夕方の山手線ぐらい。 最初はドア付近にいたのだが、あとから乗り込んでくる乗客に押され、 (予定通り)運転席の右後方に陣取ったころようやく発車。
 走り始めれば、快調そのもの。一部徐行する区間もあるが、 それ以外は、これまでのうっぷんを晴らすかのように、 レールも見えない雪原を時速100kmでかっ飛ばす。 何かと評価の分かれる701系だが、 この加速感はすばらしいと思う。 少なくともこれ以前の東北地方の普通列車では味わえなかったものである。 もっとも、 この軽そうな車体で雪道をこんなに飛ばしていいものかと、多少不安にもなるが・・・ 
 雪は依然として振り続け、 電車のフロントウィンドウは、ワイパーが通った場所以外は、 スリガラス状態である。 そのスリガラスの向こう側を緑色の物体が走り抜ける。 JR北海道が、東北新幹線の八戸開業に併せて投入した新車、789系である。 もう少し待って、アレに乗ればよかったかとチラッと思う。 さらにどこぞの駅では、100系気動車が停車中。 しかもスヌーピーのイラスト入り。なんだコレ? 写真を撮ろうかと思うが間に合わない。

 結局、20分ちょっとで三沢に到着。 JRの橋上駅から昔ながらの十和田観光電鉄の三沢駅へ行ってみる。 木造二階建てのこの駅のたたずまいはちっとも変わっていないが、 電車の方はすっかり面目を一新している。 ベージュに赤をまとった旧型車両群は姿を消し、 東急からやってきたステンレスカーがその主役となっている。 風情に欠けることはなはだしいが、 十鉄初の冷房車でもあり、 この鉄道を使う地元の人には歓迎されていることだろう。
 木製の古風な改札口の向こうにはそのステンレスカー7700系電車が停まっている。 とその屋根に上ろうとしてる人影が・・・  何してんだ?と見ているとどうも運転手らしい。 なんか苦労しながら屋根に上がると、ホームにいた同僚に向かって一言、
「あっ、いけねぇ! パンタ下ろすの忘れてた。 ゴメン、パンタ下ろして!」
どうやらパンタグラフに凍りついた雪を落とそうとしているらしい。 この電車としても東急時代には味わったことのない冬だろう。 そんな様子を写真に撮っていたら、 駅員の1人に声をかけられる。
「お客さん、もしかしてさっき電話をくれた人?」
「えっ?」
さっき駅に電話はしたが仙台の駅でここではない。
「いえ、してませんけど」
「いゃ〜、さっき除雪車の時間聞かれて、 今日はもうないって答えたんだけど、午後も運転することになって・・・」
「えっ、除雪車でるんですか?」
「うん、この雪で出さなきゃなくなって・・・」
「それって何時にどこを走るんですか?」
「14:30にここに来るから」
あぁ、これだから「マニアは・・・」とか言われるんだよなぁ、とは思いつつ、 貴重な情報である。

 除雪車って具体的に何が来るのか知らないけれど、 まだ時間まで1時間以上ある。 新車?の試乗を兼ねて車庫のある七百まで行こうと思う。 改札が開き車内に入ると、 昭和40年頃に製造された中古車とは思えないほど、 内装がキレイになっている。 シートは3・4・3人掛けに仕切られ、運転席の後ろには 料金表を兼ねた旅客情報案内装置 (ってほどのものではないかな? とりあえず次の停車駅名を表示)が取り付けられ、 壁面も新しい化粧板が貼られ明るい印象に仕上がっている。 ワンマン仕様ではあるが、このまま東京で走っても それほど遜色ないのではないかとさえ思う。
 2両編成に10名程度の乗客というのはチト寂しいが、 13:17定刻に発車。 何といっても「こんな雪なんて何でもないサ」と定刻に出てくれるのがうれしい。 ほどなく七百に到着。ここで下車する。 反対側のホームで待っていた上りの7700系が発車。 ここまで乗ってきた下り列車も発車してしまえば、風の音だけの静かな世界が広がる。 車庫の側線には、7700系と一緒に東急から来た7200系が 火を落とし静かにたたずんでいる。
 っと、車庫の向こうからわずかにモータの音が・・・  おっと、十鉄カラーをまとったED301が見える。 どうやらこれが除雪車の正体のようだ。 もう少し近くで見たいが、除雪されていないホームは全面雪に覆われている。 わずかな乗客が残していったのであろう足跡だけが、ささやかな通路となって 駅本屋に伸びているだけである。
 ともかくその足跡をたどり駅の外へ出る。 今度は車のタイヤの跡をたどって車庫の方へ行こうと思うが、 違う方向に行ったりして思うようには進めない。 やっと見えるところまできたが写真にはならない。 再び、ホームに戻り積もった雪を無視してホームの端へ。
 機関車の前後につけたスノウプラウがいかめしい。 機関士が窓から身を乗り出し前方を睨む。 その先では数人の作業員がポイント付近の除雪作業を行なっている。 作業員の1人が合図をすると、ED301が動き出す。 ポイントの向こうで方向を変え、こちらに向かって走ってくる。 こんなところで除雪作業が見れるとは思わなかった。 電車が通ったばかりだからそれほど雪はないが、 目の前を通り過ぎるとなかなか迫力がある。
 そのまま西へ走り去ったので、 一度、十和田市まで行って折り返し14:30に三沢に着くのかな、と思ったら、 その先でまた停車。まもなくこちらへ折り返してくる。 で、さっきのポイントの向こうで停車し、また折り返してくる。 そんなことを三回ほど繰り返し、また最初の位置に戻ってしまった。 これって、オレへのサービス??? んな訳はないし、何なんでしょう? まぁ、写真はたくさん撮れたけど・・・ 

 14:08 先程の電車が折り返してきて、それで三沢に戻る。 JR三沢駅の上りホームには、485系3000番台が一本停車中。 ただし、乗客は乗っていない。 駅員にあれは乗れるのかと聞くが、
「あれは違います」
とのこと。 じゃあ、いつ上りが来るのかと聞けば、よくわからないとのことで、 ダイヤは未だにグチャグチャらしい。
 ふと、空腹感を覚え、考えてみればまだ昼食をとっていない。 でも状況がわからないので、ゆっくり食事もしていられない。 十鉄の駅に戻り、駅の麺コーナーで軽く済ますことにするが、 ・・・何か変ったうどんだなぁ。この辺のうどんってこんな感じなのだろうか?  細めの麺で何かフニャとした食感である。別に延びている訳でもなさそうだが・・・ 

 再びJR三沢駅に戻ると、やはり上りホームに485系3000番台が一本停車中。 まだ動いてないのか、と思ったがよく見ると乗客が乗っている。 えっ、と思い、ホームに駆け下り、とっとと座席を確保。
 もちろん、さっきとは別の編成で、 他の乗客に聞いてみたら数分前に三沢に着いたところで、 前方の線路が空くまで停車中との事。 一応、函館からの「白鳥」らしいが何号なのかは全くわからない。 ともかく10分ちょっと停まって発車。その後も小まめに長時間停車を繰り返し、 16時ごろようやく八戸へ帰還する。 で、青い森鉄道の状況は、と言えば、相変わらずの運転の見込みなし。
 これはやむなし、今日はここで撤収としよう。 と言いつつ、指定券はあと二枚使える。 どうせだから、次の「はやて」で盛岡まで行き、 盛岡駅を眺めてその次の「はやて」で仙台に戻ろう。
 目当ての列車の指定をとって、発車までの時間をブラブラとすごす。 八戸駅前で売っているホタテの焼いたやつがうまそうである。 早速、300円の大きいヤツを注文。・・・これが全然焼けない。 やばい、発車時刻が迫ってくる。こんなのは屋外でハフハフいって食べるのがうまいのだが、 それはあきらめ、ようやく焼きあがったホタテを 発泡スチロールの容器に入れてもらって、車内持込。
 これって新幹線の中で食うものではないなぁ。 周囲ににおいが立ち込めちょっとひんしゅくもの。。。である。  盛岡駅で途中下車し、新設されたIGRいわて銀河鉄道の改札口を確認してしまえば、 あとは手土産買って帰るだけである。新幹線の強さを再認識しつつ、仙台に定時到着。

 結局、青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道については、仕切り直しということになったが、 当初の目的の東北新幹線の未乗区間の乗車は果たしたし、 予定外の十和田観光電鉄の除雪風景も見れたのでまずはヨシとしよう。
 で、最後の仙山線に乗ってから気づいた。
「あっ! お茶の引換券、使うの忘れた」

じゃ、そういうことで。。。 次は九州 鹿児島中央駅が待っている(^_^;)
 

 
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