ふたりのキョリ。*-+-side A-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+*-+-2009.3.10 up-+-*-+-by ぷらいべえぃと♪+-+-*






























遠恋。


なんて、


そんなもの、一生無縁なものやと思ってた。


いつも一緒。それで当たり前。


離れるなんて、考えたこともなくて。





近くにいる、2人のこの距離こそが、恋の証やって。


































隆平と付き合い始めて以来、

一ヶ月以上逢わんかった事なんてなかったから、


想像すら出来んかった。


離れ離れがフツーの生活なんて。








いつか隆平と交わした会話が蘇る。


そん時、アタシは、たまたま遠恋を歌った曲聴いとって。


遠恋について深く考えてたわけやなかったけど、




『なぁ、遠距離恋愛てどう思う?』


隆平『ん?』


『どう思う?』


隆平『んー、難しいんちゃうかな。

   やっぱなんかあった時、すぐ会いに行けへんのは、お互い辛いやん。』


『そう、やんな。』





隆平の、子供みたいやけど、妙に大人びて、

やけど、めっちゃ納得出来る意見聞いて、

隆平との遠恋は無理やねんなぁって。


なんや少し、寂しかった事だけ覚えてる。


それでも、遠恋とは無縁なものやと思ってたから気にとめる事なかったけど。

















両親の海外での新しい起業話と同時に

海外移住の話が舞い込んできたのは、数ヶ月前の事。


いうてもアタシかて子供やないし、


残って一人暮らししたらええだけの話。


はたからみたらそうなんやろうけど。


やけど、そうはいかへんのが、事の発端。


起業家の両親の元に生まれた一人っ子のアタシは、


有無を言わさず両親が築き上げた会社の跡継ぎとして育てられたわけで。


簡単に、日本に残る なんてそんな事、言えたもんやない。


それはつまり、家族をはじめとした色んなモノと縁を切る事に繋がるから。


それでも、ホンマは、直前まで迷った。


一時は、ぜんぶ捨ててでも、隆平の傍に居ろうって。


本気で。


結局、そんな勇気なくて、今に至る。


いうても、隆平に本気で止められへんかったんが、一番の理由かもしらん。


きっと、本気で止められたら


あたしが何もかも捨ててまうコト、分かってたんやろな。


隆平はそういう人。


自分の感情だけ押し付ける事は絶対せぇへん。


無意識で自分のコトより相手のコト、優先させてまうんよね。


つまりは、隆平がアタシを送り出してくれたって事は。


アタシにとって、何が一番ええ事か、

それを一番考えてくれた結果やと思うから。


アタシもそれに応えなアカンなって。


心からそう思ったから。


辛くても、辛くても、隆平の傍、離れる事にしたんや。




たとえそれが、どんな結果に繋がっとっても、、、








最初の一ヶ月は、多少の寂しさはあってもそれはもう普通に過ごせてたと思う。


やけど、その後は、


隆平の優しい声、隆平の優しい顔、隆平の温もりに、


逢いたくて、逢いたくて、、、











それから何度か日本に帰る機会はあったけど、


その半分は、予定が合わんくて、逢う事すら出来んかった。


逢える距離に居てんのに、逢えへん。


それは、どう頑張ったって逢えへん距離に居るよりも、


もっともっと、もどかしくて辛いものやった。




逢えたら逢えたで離れる事、考えたら辛くて。


離れた後、やっぱりこのまんまやアカンよなぁって。











離れてる距離が二人の絆、深める。


とか、そんな言葉、聞いた事あった気するけど、


いくら絆が深まったって、近くに居らな埋められんモノは確かにあって。


隆平が無理や言うてた関係、続ける事は、きっと間違ってる。


近くの存在に勝てるわけないって、どっかで諦めてる自分も居て。











次、逢ったら、話そ。


次逢ったら、って先延ばし。


頭では分かってても、


別れよう。


その一言がどうしても言えへんくて。





ワカレヨウ。


なんて、口で言うても、メールで打っても


たったの5文字、、、やのに。














代わり映えのない毎日を送る中、

また帰国する機会が訪れた。


親戚の結婚式。


ホンマは、両親2人で出席の予定やったけど、

休みの都合が合わんようになった父親の代わりに。





今しかない って思った。


隆平に別れ、告げるんは。


滞在時間は、最短やけど。


もし、逢えへんかったら、それはそれでそういう運命やったんや。


そう言い聞かせて。




あたしは、隆平に連絡もせんまま、帰国した。














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帰国してすぐ予定されてた結婚式に出席した後、

母親とは別行動で懐かしい場所に向かった。







古びた建物の屋上。


誰も立ち入らないその場所は、

ふたりのお気に入りの場所やって。


朝焼けとか、夕焼けとか、

快晴の空にふんわり浮かんだ飛行機雲とか、

夜なったら、

一面真っ暗な中に輝いてる星とか、

そんなんがはっきり見えて、


それを何度も何度も数えられへんくらい、


この場所で隆平と眺めた。




大好きな場所やけど、


これからしようとしてるコト考えたら、泣けてきた。



風がゆっくり吹いてくる度、流れた涙の痕にひんやり当たって、


ただ、心が、苦しかった。





いつの間にか、夕陽は消えて、

街頭がはっきり見え始めた景色の中に居るうち、

どうしても逢いたなって、

考えてたよりも早い時間やったけど、ケータイ開いた。





『隆平?あんな、今、日本居てんねんけど。』



隆平『え、ホンマ?どこ?今から行く』



電話の後、隆平は、ホンマにすぐに来てくれた。







隆平『なんでもっと早よ連絡してくれへんかったん。

   前もって連絡くれてたら、空港迎えに行ったんに。』



『隆平やって仕事、あるやろ。』



隆平『そうやけど。。。』



言葉に詰まった隆平に対して、は、すぐに謝った。


『ゴメン。こういう時間あるかも分からへんかったから。』



隆平『良かったわ。今日のうちにこっち戻ってきてて。

   明日休みやから明日戻って来ようかなとも思っててんけど。』



『そうなん?』



隆平『タイミングばっちりやな!』



突然、テンション高く叫んだ隆平の言葉に


『何それ 笑』


が笑っていると、突然隆平に顔を覗き込まれた。


隆平『あれ、なぁ、、目、赤ない?』



『え。あ、今日な親戚の結婚式やって、めっちゃ感動してん。それで』



隆平『ホンマ?なんかあるんやったら、ちゃんと言うてや?』



『何もないって。隆平はホンッマ心配しぃなんやから。』



鋭い指摘、ごまかすつもりでそう言うたのに、


隆平『心配かてしたなる。』


急に真面目な声になったと思ったら、強い力で抱きしめられた。






『隆平?』



隆平『いつ、戻るん。』



『明日の10時の飛行機。』



隆平『。。。』



『。。。』









ずっとこうしてられたらええのに。



何も、要らんのに。


ただ、隆平の傍に居れたら、めっちゃ幸せやのに。


想っても想っても、








隆平「時間、ずらせへんの?」


隆平に言われたら胸が、苦しい。


『、、、』


すぐに応えられへん自分が嫌んなる。


隆平『ゴメン。』


『なんで隆平が謝るん。』


悪いんはアタシや。


隆平『ホンマ、ゴメンな。』


隆平の事、こやって苦しめてる。


『謝りすぎやって。笑 ゴメンはアタシやのに。』


ちゃんと解放せんと。アカンよね。


隆平『なんで、は悪ない。』


優しい、優しい、隆平の事。


『隆平。』


隆平『ん?』


『あんな、』




きっと、アタシが今何言おうとしてるかなんて、

少しも、気付いてへんから。







隆平『何? あ!なぁ、今度は俺が逢いに行くわ。』




『え。』




隆平『いっつもが来てくれた時だけやんか?

   俺もが住んでるトコ、直で見てみたいし。

   向こう着いたらすぐ連絡してな。予定決めよ。な?』




『。。。』




隆平『?』




『あ、そろそろホテル戻らな。』




隆平『どこなん?送ってく。』




『大丈夫。下ですぐタクシーつかまえられるし。』




隆平『せやけど。』




緩んだ隆平の腕の中をすり抜けるように階段を降り、

タイミングよく走ってきたタクシーを止めた。


扉の開いたタクシーに逃げるように乗り込むと、


『隆平。元気で、な。』


心の中で一呼吸置き、思いっきり笑顔で隆平に手振った。


隆平『え、ぉ、ぉん。も。』


最後に見る隆平の顔、頭に焼き付けながら。

















その日の夜は、結局一睡も出来ひんかった。



頭ん中は、


"なんで言えへんねやろ"


って後悔ばっかやけど、


"言えるわけない。"


簡単そうな別れの言葉は、


実は好きって言うより難しいねんなって。


どうでもええコト、発見して。




けど、それってつまりは、


好きな相手に伝えるからこそなんよなって


嫌でも分かって余計に、イタイ。。。













翌日、、、


搭乗手続きの時間が近づくと、昨日から打ち直しを繰り返していた

隆平宛てのメールを送信してすぐ、電源を切った。




、そろそろ行くで』


が、母親と共に、搭乗ゲートへ向かうと、


整備の遅れを聞かされ、整備が完了するまで、

搭乗ゲート付近の待合場で待機する事になった。


開いている席に座ったものの、は、落ち着かない気持ちで居た。


早く飛行機に乗り込まなければ、


決意している心が揺らいでしまいそうやったから。




待っている間、座っていても落ち着かず、立ち上がって


なにげなく、見渡すと、遠くに、隆平の姿が見えた。


『りゅうへ、、、』


"なんで……"


思わず、固まり、少しの間動けずに居たが、


"アカンて。"


すぐに、向きを直して座り込んだ。





それでも、たった今、目に入った隆平の姿を頭から消し去ることが出来ず、


『ゴメン、あたし、やっぱり帰られへん。』


『帰られへんて。あんた何言うて』


『ゴメン、、、あたし、もう日本から離れたないねん。』


隣に居る母親にそれだけ言い残して、見失った隆平の姿を探した。















大勢の人が行き交うロビーをひたすら目で追い続けながら、


探して探して、


"もう居らへん?"


あきらめかけて、大きな柱の陰に寄りかかり、しゃがみこんだ。


その時。


隆平『?』


見上げると、息を切らせた隆平が立っていた。


『隆平。』





隆平『良かった。』


『。。。』


隆平『ゴメン。』


抱きしめられて、力抜けそうになる。


隆平『苦しかったやろ。ずっと。』


ホンマは気づいとった。


ふたりのキョリが、近くても遠くても結局。


あたしの中にある隆平の存在に代わるもんなんてないって事。


やから、きっと、待っててん。


心んどっかでずっと、、、



隆平からの言葉、、、、

















隆平『ずっと俺の傍に居って。。。』






















+++Comment+++


途中までで申し訳ありませんが、とりあえずupします!

しかも色んな意味で未完成。

(ぶっちゃけ去年の10月描いたものです(゜∇゜ ;))


去年、突然遠恋が描きたくなり、描いたんですが、そのまま放置が続き。早や5ヶ月。。。


催促が来たらヤル気になるかも、なんて安易な考えで中途半端なままの身勝手upデス。

10.2.14 追記

続きを待って下さってた方、ホンマに申し訳ありません。

[もう待ってないと思いますが (゜ー゜;A汗]

丸ちゃんSideと合わせてお読みいただくコトをオススメします★







気が向いたら感想&ランクリお願いします(*゜ー゜*)




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