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* NICU *


(生後3日目 はじめてのだっこ)

NICUの存在を知ってますか?
<新生児集中治療室>です。

ほとんどの方が知らないんじゃないかな。
知っていてもまさか自分がお世話になると思わないですよね?

ユウは誕生直後に小児科(新生児科)の先生の手によって
NICUに運ばれ入院しました。

出産翌日にNICUに面会に行きました。
NICUのある病棟に入れるのは両親と祖父母のみ。
さらにNICUに入れるのは両親のみです。

まず前室で手を消毒し、予護服を着用し、
うがいをしてから肘まで専用の石けんで洗います。
そしていよいよNICUに入りますが、
入室後 再度 専用の石けんで手を洗います。
これはNICUにいる赤ちゃんを徹底して菌から護るためなのです。
(対応は各病院によって異なります)

誕生直後は感動と安心とで涙でにじんでユウの顔がよく見えませんでした。
だから、これが初対面のような心境でした。

保育器の中の我が子は胸や足にたくさんのモニタがつけられていました。
保育器の外の酸素はまだユウには薄いということで
保育器の中に酸素が送り込まれ 
足の裏につけられたモニタはユウが無酸素状態になったときに
警報音がなるようになっていました。
(よく ピーピー鳴っていました)
そして左腕には点滴がつけられ、
はずれないように添え木と包帯でグルグル巻きでした。

もし 小さくなければ こんな風にならなかったのにね。
お腹の中でうまく育ててあげられなくてごめんね。
胸がしめつけられる思いでした。
ごめんね。

NICUは殺伐とした雰囲気だと思っていました。
でも、全然違うんですよ。
私は保育器の中の子に触ってはいけないのだと思っていました。
保育器の外からじっと見ていた私に看護士さんは
「たくさん触れてあげてくださいね」と言ってくれました。
赤ちゃんは触れられるのが大好きなんですって!
親子がふれあっている時間に制限はなく
また、その間は看護士や先生が話しかけてくることもありませんでした。

保育器から出られるようになったら
ほ乳瓶からですがミルクを飲ませてあげることができました。

初めは5ccからのスタート。
たったの5cc?と思ったけれど
低出生体重児には精一杯の量なんですって。
母乳が出るようになればミルクではなく搾乳した初乳を飲ませました。
低出生体重児を産んだママからは
低出生体重児のための母乳が出るそうです。
だからどんなミルクも母乳には勝てないんだそうです。
ユウより先に私が退院しました。
退院後は搾乳した母乳を冷凍し 毎日 NICUへ届けました。

退院が近くなると保育器からコットに移ります。

退院の準備として直に母乳を飲ませる練習がありました。
低出生体重児はほ乳力が弱いのと
ほ乳瓶から母乳またミルクを飲んでいたため
おっぱいから吸うということがとても難しいそうです。
一生懸命吸いすぎて酸素が足りない状態になってしまうこともあります。
うまくいかなくても焦らずに気長にがんばりました。

体重がまだ2200gしかなかったけれど元気いっぱいだったので
入院して10日後に退院することになりました。
退院することが決まったとき、胸がドキドキしました!!

退院の日。
沐浴や直母の練習をしたあと、
育て方のアドバイスなどのお話しがありました。
でも、そこで言われたのは「細かいことは気にしない!」でした。
おおらかにのびのびと育てましょう!と。
小さく産まれたから 他の子より小さくて当たり前だよと。
でもいつかは追いつける時がくるから
焦らずのんびり行こうよと言ってくださいました。

NICUを後にするときスタッフの皆さんが見送ってくださいました。
本当に明るく優しい方ばかりでした。
真剣に新生児に向き合っている姿に
ここに預けていれば安心だという思いを持ちました。
退院する喜びと感謝の思い。
涙がこぼれました。
今でも思い出すと涙が出てきます。

お世話になりました。
ありがとうございました。