GHYの会報に載せていただいた文章の抜粋
「まち」とともに「ふつう」に暮らす

初めてお会いした時、このグループホームに関して、1つは高齢者(施設も含めて)
に対する思い、
2つ目は中心市街地に対する思いをお聞きしました。私もこれらの
ことには以前より関わっており、高齢者施設の一つの形として是非やりたいと思い
現在に至っております。

 さて、私はこの仕事を始めて約
15年、様々な高齢者施設をさせて頂く機会に恵ま
れました。
そこで私が得た高齢者施設に対する考え方や教わった言葉は 
 ・人が生きる場、暮らす場であること

 (決して介護をするためだけの場ではないということ)
 ・生命力をしぼませない場をつくること

 
・安心・安全な場
 
・地域とかかわる場、地域と共に生きる場
 
・社会のストックとしての建築
ということです。このことは当たり前のことかもしれません。しかし、私が関わり始
めた頃は、まだまだ生活の場としての環境が整っていない施設が多く、今まで関わった
施設はこの思いで設計してきました。基本は今後も変わることはないと思っています。

 
今回このグループホームでも、このような考え方を基本に設計させて頂きました。
特にグループホームは、少人数における認知性高齢者にとって住宅であるので、介護
という面は当然ありますが、介護施設ではなくあくまで“住宅”という視点で計画し
ました。ですから、その場所(地域)、その地形に馴染み、個を大事に、なにか「特別」
である必要はなく、優しく温もりのある普通を意識しました。
 最後に、地域や人とかかわることは、高齢者にとって生命力をしぼませないためにも
とても重要なことです。入居者が積極的に街へ出かけ、施設には街の人が迎えられ、
その交流が広がっていくことを期待しております。またそのことが将来的には中心市街
地の活性化に繋がっていければと夢をみているところです。