ワインラベルの謎   〜「ウサギと月」の秘密〜

現在、タプ・コプシリーズの内、ブランとピノ・ノワールのラベルには、「ウサギと月」がモチーフとして描かれています。ここでは、その誕生エピソードを紹介します。
(ブタさんラベルの謎を知りたい方は、こちらへどうぞ。)

ブタさんシリーズと異なり、KONDOヴィンヤードの畑で造られたワインのラベルには、ある程度の意味付けをしたいと考えてはいました。デザインは弟の拓身が担当しており、本人自らも同じ畑を管理しているので、兄弟間の共通認識や感情移入ができ易いため、イメージにとても近い絵柄になっています。

@ウサギについて
まずは、ウサギ。
このモチーフは、畑をはじめた当初から、いや、畑で年月を重ねるにつれて、いつしかラベルの顔にしてやろうと、密かに心に決めてきた対象でした。

おそらく、私たちの畑で最も苦労を強いられている存在。いわば、永遠のライバル。
彼らさえいなければ、もっと楽にワイン造りができただろうにと思うこともしばしばながら、でもだからこそ、私たちがタプ・コプの地で、何かを一つ一つ乗り越えてきた象徴のような存在でもあり、彼らのおかげで私たちもすこしずつ成長できてきたのだろうと、半ば真剣に思っています。(彼らとの苦闘の歴史は、2011年12月のブログで少し取り上げています。)

自然の厳しさ、永遠性、そしてそれを対称軸として、農業を営む自らの「人間」を自覚する関係。
それがこのウサギ君です。

A月について
別にウサギだから「月」と、そう単純な関係でもありません。
基本的にウサギは夜行性なので、ある意味背景上の効果の一つと、そんな見方ができるのは1つの理由ではあります。ただ、月とウサギの組み合わせはあまりにも古典的すぎて、多少のためらいを心に覚えたのも事実です。

ぶどう畑で月の存在を意識する瞬間は、意外なほどに多くあるものです。
このことを深く書き始めるとキリがないのでさらりと流しますが、例えば日本人は古来より「旧暦」やその旧暦と深い関係にある「二十四節季」などのサイクルにならって農作業をすすめる風習があり、実は私自身もまず朝起きてすることは、今日の月例、暦を確認すること、そこから毎日がスタートしています。

月を見ることで、今の地球と太陽の位置関係、その全体を俯瞰しておくことは、生きたリズムの中で仕事をする私たちにとって大きな意味のあることではないかと感じています。

ワインの世界でよく聞く「ビオディナミ」の世界も、月と地球との関係性がとても重要になっています。
西洋と東洋の違いこそあれ、根本的な考え方は、普遍的でとても似通っているようにも思います。

思想的なあれこれはともかく、私たちがこの地球に生きて、たまたまワイン造りをしているのは事実ですから、これもウサギと同様に、月を通して地球を意識するという意味において、とても重要なモチーフになっています。

ちなみに、2012年のソーヴィニョン・ブランの収穫は10月21日で、その日上弦の1日前。タプ・コプ ブランの月のデザインはそれに近いものとなっています。

B畑の形状について
ラベルに描かれているウサギは、何気なく斜面に立っているようにも見えますが、実はその傾斜角は、タプ・コプの畑の平均傾斜角とほぼ同じ状態にデザインされています。

なだらかな土地が多い北海道においては、珍しく重力を感じるほどの急傾斜で苦労はありますが、その分畑への愛着が強いのも、また事実なのです。


というわけで、ラベルへの考察あれこれでした。
まあ難しいことはともかく、ワインを飲むときにラベルを通して楽しい会話のきっかけになってくれれば、それが私たちの本当の狙いです。

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