北海道フォトライブラリー in 2005

 VOL2 2日目 
 絶景!
絶景!絶景!<岬めぐりの旅>

2日目の朝も雨だった。
台風が過ぎ去って全国的には天気が良いとの事。 しかし、北海道にはまだ雨雲が停滞しているらしい。
天気ばかりは、いくらなげいてもしょうがない。
祈るしかない。


AM8:50 旅館を出発!
根室市でガソリンを満タンにして早速出発。
2日目はゆっくりと岬巡りをして釧路市までいく予定だ。
旅館を出てまず最初に向かうのは、日本最東端の「納沙布岬」
である。

ある雑誌に根室半島についてこう表現していた。

”根室半島は台状に隆起した平らな半島で、どこか広漠した広がりのある風景を見せてくれる”

(ワンダードライブ北海道まっぷるより引用)
まさにその通りである。 日本の果てを感じるドライブコースだ。

↑根室半島には、広大な草原&湿原が広がる。緑が美しい。  家もまばらしかない。


走ること30分。  AM9:30 日本最東端の「納沙布岬」へ到着。


天候は曇りだ。車を停め、岬へ走る。ここからは北方領土が一望のはず・・・
しかし、霧で視界はほとんど無し。
「北方館」という資料館が隣接するので、ここでしばし北方領土について勉強する。
全く返還の進展が無い北方四島。頭にきます!!

↑ 日本最東端の岬は、視界がよくなかったせいもあり、景観美としてはイマイチ。


↑ なんだかよくわかならいと思うが、この写真が北方領土(歯舞諸島)の「貝殻島」の灯台。
霧の中、ただひとつかすかに見えた島(というか灯台)
ちなみに納沙布岬からこの貝殻島までわずか3.7キロしかない。
こんなに近くなのに行けない、我が国の領土なのだ。
ココへ来たら北方領土についてマジメに考えるべし。



↓  AM11:30 「花咲岬」

さて、納沙布岬を南下し、次に向かったのが「花咲岬」
霧が出ていい感じでした。


近くに花咲港があるんだけど、ロシア人がたくさんいて、異国情緒が漂っていました。


↑この岬、海の目の前まで遊歩道が伸びています。
波しぶきをあびてしまったけれど、その分、海を間近で感じることができます。



↑ 「花咲灯台 車石」
直径が6メートルもある車輪を思わせるような奇岩。
マグマがつくった貴重な球状岩石との事。

国の天然記念物で世界的にも珍しいらしい。




↓ PM12:40 「落石岬」

次に訪れたのが、岬までは 約1.3キロ、およそ20分程度歩く「落石岬」である。
車を止め、ゆっくりと歩き始める。


↑草原の中の道は、やがて丸太の木道となり、林の中を抜ける。
てくてく歩いていく。自分の歩く音だけが響く。

↑ 道はまっすぐに続く。 木道脇に湿原がありこちらも見ごたえがある。
どんな岬なのだろうかと思いながら歩いていくと、期待はどんどん膨らんでいくのだ。


↑ 20分ほど歩き、森をぬけると  そこには広い広い草原が広がっていた。
岬には誰もいない。 自分ひとりだ!岬を独り占め!



↑ 何にも無い岬である。ただ草原が拡がっているだけ。
しかし、そこがいいのだ。なんだが、おとぎ話の世界に入り込んだ気分だ。

なんとも不思議な世界である。  本当にだれもいなかったし(笑)


実は当初、この岬は行く予定ではなかった。
しかし、持参した北海道マップの本を見るとこの岬をかなり絶賛していたのである。
 参考までに下記に紹介したい。
<くちコミデータ> ・ 日本にこんなところがあるのか!非日常性と意外性、そして穏やかな景観が現実感を忘れさせてくれる。
多くの人にデジャブを感じさせる不思議な雰囲気の岬
・森を歩くこと20分。草原が開ける。その先に灯台が見え緩やかな芝生の草原を歩いていくと吸い込まれそうな岬に辿り着く。
・素晴らしいロケーションに感動。バイクを停めてから岬までの行程が気分を盛り上げてくれる。
・期待せずに行ったら、低木の群生した小道を延々と歩いた先に何もない岬があった。何もないのが良かった。
(「ツーリング北海道0円マップ」より引用)
まさに口コミ通り、行ってみても何にも無い。景色も絶景だけど、抜きでているわけでもない。。
ただ、行ってみて誰もが不思議な世界を感じる事は間違いない岬だろう。
本当に素晴らしい岬だ。行ってよかった。
私も絶賛したい岬である。

↑ 灯台の下はやはり断崖絶壁。
見えるのは海だけ。海しか見えない。

↑ 来た道を20分また歩いて引き返した。
途中で一人の男性と、次にカップルとすれ違った。
やはり訪れる人の少ない岬である。

↑ 「落石岬」を離れ、目指すは「霧沙布岬」である。
道中は雄大な景色が拡がる。道路も一直線!!




PM2:50 「霧多布岬」

遠くに霧がかかっている。霧の岬と言われるほど、
名前通り霧の多い岬らしい。 幻想的であった。


↑たくさんのカモメを発見。
観光客に馴れているのか かなり近くに行かないと逃げない。



↑岬の先まで歩いていける。道は綺麗に整備されている。
10分程度歩けば、岬の先端にほど近い場所までいける。


↑ 「霧多布岬」の端っこ。
右の写真はズームした写真。岩肌にカモメがたくさんいた。


 PM3:45 アゼチ岬

次に向かったのが、霧沙布岬と同じ半島にある「アゼチ岬」
行く予定ではなかったんだけどもあまりにも近くだったので寄ってみた。
マイナーなのか駐車場には誰もいない。

↑ これが「アゼチ岬」からの展望である。
北海道に こんな風景があったのか!?
目の前には不気味に 大小2つの島が見える。
何か”近未来”を感じさせる眺めだ。小さい頃に見たアニメ「未来少年コナン」を思い出した(?)

↑ アゼチ岬から見える 近くの小さい島は「小島」
遠くの大きな島は
「嶮暮帰(けんぼっき)島」である。

この嶮暮帰(けんぼっき)島は、1971年に
ムツゴロウさん一家がこの無人島に移住。
クマ、イヌ、ネコ、ウマたちと一緒に暮らし、翌年、対岸に動物王国を開国。
79年には中標津町にムツ牧場を開設し、これらを総称して
「ムツゴロウ動物王国」と呼ばれていたらしい。
現在、この島には動物王国の施設はないし誰も住んでいないとの事。
果たしてこの島の今の状況はどうなっているんだろうか?
とても気になる島である。



 PM4:30  霧沙布湿原を一望できる「ビワセ展望台」に到着。

展望台は高台になっていて、霧沙布湿原を間近に見ることができる。
湿原の中を琵琶瀬川が蛇行して流れる景観は見事である。

↑ ビワセ展望台の反対側には綺麗な海が広がっていた。空も綺麗だった。




PM4:50 「涙岬」

アイヌの悲恋伝説が残る小さな岬である。
伝説の内容は、この岬の駐車場の観光案内に記されている。
どんな伝説かはここには記載しない。
自分の目で確かめてから この岬を”生(なま)”で体験してほしいと思う。


↑ 岬まで歩く。  大草原が広がっている。大パノラマだ。
スーツを着たサラリーマン一人がさぼって写真を取りに来ていた。
あとは誰もいない。 風と波の音しか聞こえない。



↑ 雰囲気的には「落石岬」と おんなじ感じ。 何もないが、静かでいい場所だ。
天気も良かったし、ゆっくりと何も考えずにボォーとしていられる空間がココにある。

↑ 人面魚ならぬ”人面岩”
泣いた乙女の横顔に見える。「涙岬」の名前はここからきているらしい。
悲恋伝説を知ればもっと納得できる。

↑ 反対側の岸には、海にそびえ立つ「「立岩」。

↑ 早くも夕方になってきた。「涙岬」を駆け足で見て次に向かう。


PM5:45 愛冠岬
今日の岬巡りの最後を飾る岬である。
アイカップ岬である。なんだか”愛”を感じるではないか。

アイカップ岬の語源は、アイ・カ・ブ(矢の上のもの)の意で
矢が届かないから できない、届かないという意味。
これでは、失恋の岬となっていますうので、
「できそうもない困難を乗り越え愛の栄冠を得る」という意味を無理やり付けた!?


↑ 駐車場から10分程度歩く。 水溜りのある砂利道だ。


↑ 岬まで歩いていく途中で撮影。
夕暮れは迫っている。最後の撮影だ。

↑ 夕暮れの愛冠岬。
ここからの展望も絶景であった。
岬付近で、カモシカが 5頭ぐらい群れをなしていた。近づいたら逃げた。

↑ 名前の通り、カップルだらけの岬である。
2〜3組のカップルが訪れていた。 何で俺だけ一人なんだろう?

↑ 撮影していたらいつの間にか日は落ちた。
今日の岬巡りは終わった。

本日の宿は 釧路市である。
それから車を飛ばし、「釧路全日空ホテル」へ向かった。
着いたのはPM8時過ぎ。
夕飯を外で食べるのも面倒だったので、ローソン弁当で軽くすました。
北の大地へ来て”弁当”・・・まあ、いいかぁ。




<2日目の感想>

今日は一体いくつの岬を見て廻ったのだろう?
振り返ってみると
・ 
納沙布岬
・花咲岬
・落石岬
・霧多布岬
・アゼチ岬
・涙岬
・愛冠岬

なんと7つも廻っていた。
どこも大自然、絶景でこれだけ見て廻っても全く飽きなかった。
やはり北の大地は素晴らしい。
本州では味わえないだろう。

「納沙布岬」や「霧多布岬」などの知名度の高い岬もお勧めだけど、
この中であえてひとつ選ぶとすれば「落石岬」だろう。
なんとなく不思議な感じのする岬である。
日本とは思えない”非日常”の おとぎ話の世界があなたを待っているのだ。
同じ雰囲気の「涙岬」も次回はゆっくりと見て回りたいと思った。

本日の走行距離は257キロだった。
愛冠岬から釧路市までが意外と長く感じた。


こうして「岬巡り」の旅は幕を閉じた。
楽しかったなぁ。



2005.08.27