中頚城郡清里村
中頚城郡「清里村」
私の住んでいる牧村とは隣り合った村である。
この村に滝があるという情報は全くノーマークであった。
しかしある時、ふと地図を見ていたら「清滝」という滝が県境の近い位置に存在する事を発見。
気になって行ってみる事にした。
事前にインターネットでこの滝について調べてみたが、情報はまるでなし。
写真とかも見つからない、謎の滝である。
↑ 清里村の山奥に向かって走る。
今回の目的地へは「梨平」地区で左折し、農道に入ったが、
左折せず、直進し
「赤池」地区経由で行っても同じ場所に辿り着く。
↑ 梨平地区を左折し、しばらく田んぼの中を走る。
すると、なんだか整備された公園が見えてきた。
この公園の脇には「清滝ダム」というダムがあり、
ここは記念公園らしい。
↑ 雨の後だったので、なんだか茶色い「清滝ダム」
公園内には石碑がたっており、平成2年にこの公園は整備されたらしい。
石碑を見ると”金子清”という懐かしい県知事の名前があった。
↑ 公園内に清里村の観光案内板があった。
これを見ると、上流に「清滝」がちゃんと載っているではないか・・・
期待は膨らむ。
↑ 刈入れ間近の田んぼ。
右側の写真は、そば畑になっていた。
↑ しばらく走ると、見晴らしの良い場所に出会った。
高田平野と、田んぼ、すすきの絶妙の組みあわせである。
↑ さて、カーナビの地図に載っていた
車でいける限界の道であろうと思われる、とりあえずの目的地まで到着。
上流にはふたつの川の流れがあるが、この付近で合流する。
ちなみにこの場所には2つの橋が掛かっている。
↑ この上流に滝はある。
ここまで来て、案内板やら何か情報があるかと思ったが、残念ながら何もない。
この橋から滝までおよそ1キロ程度か・・・
と、改めて持参した地図を見る。
あれっ!
そこにはカーナビにでていない滝に通じる細い道が載っていた。
車でいけるかどうかは判らないが、清滝の横を通り、
県境の「梨平峠」へ通じる道であるらしい。
↑ 先ほど通ってきた道を引き返す。
梨平方面から登ってくると、そば畑を通り過ぎ、田んぼが無くなったあたりで、
交差点になっている。ここをまっすぐ行くのだ。
ちなみに右は、先ほどの橋へ。左は牧村の上牧集落へ行く。
↑ すぐに道は、砂利道になる。普通車でも何とか走れるがすれ違いは困難である。
まあ、対向車はまず来ないだろう(笑)
↑ 走るとじきに砂防ダムが右手に見えてくる。
その位置から県境付近に目をやる。
すると遠くに水の流れを発見!
ちょっと遠すぎてよく確認できないが、見た感じ人工的な流れではなさそうだ。
これが清滝か?
地図を見ると道は続いているし、これは滝を間近で見られる!
と期待に胸を膨らませながら車を更に走らせる。
↑ しかぁ〜し、何と「えん堤」が道路をさえぎっていた。
ここで行き止まりである。
これ以上は車では行けない。
残念極まりない。
手持ちの地図には細いながらも道は載っている。
歩いてなら滝まで行けると思われる。
今回は、時間もなかったのでココで断念した。
ここまでは、2004.09.25
さて、リベンジである。
ここからは、2004.10.02
渓流釣り&沢歩きの達人「T氏」とえん堤から先を沢登りする事にした。
地図を見ると、えん堤から滝まで300〜500M程度。
30分も沢歩きすれば、滝は見えてくるだろう。
この日は午前中は快晴だったが、出発したのは午後。
だんだんと雲行きが怪しくなり、小雨の中での出発となった。
↑ えん堤から先を進む。足どりは軽い。
↑ 歩くこと15分。右手に小さな滝が見えてきた。
高さは5メートル程度。水量は少ない。
↑ この沢をどんどん登っていく。
思ったより急流ではなかったので、上流へどんどん進む。
↑ ぶなの木。霧が掛かっていて幻想的である。
標高が高いためか、雲の中に入ったようであり、小雨はやんだ。
↑ 渓流をスローシャッターで撮影。
実に美しい。 上流へ行くほど美しい世界が待っている。
↑ かなり上流まで登ってきた。
しかし、T氏も自分も時計を持っていなかった。
何分登ったのかさっぱり判らない。
それでも「清滝」を目指し、登る。登る。
が、ここまで登っても滝が無いのはおかしい。
と、思いつつも、もう少し もう少しと登ってしまい、
どんどん深みに はまっていく。 今さらここで引き返せない。
↑ 途中で見つけた2つめの小さな滝。
小さいといっても10メートルはありそうな立派な滝だった。
↑ 登ることおよそ2時間30分(時計が無いので腹時計)
水量はかなり少なくなってきた。川の源流付近まで来てしまったらしい(笑)
これ以上進んでも滝は絶対無いだろう。
今回の目的の「清滝」はこの川ではなかった(悲)
↑ 引き返した地点で休憩。
持参したビールを冷やし、乾杯!
ビールを軽く飲んで今度は下流へ引き返す。
↑ 岩陰に隠れるT氏。手に持っているのは「熊撃退スプレー」
今回のルートは所々に熊の足跡と思われるものがあった・・・まさに命がけである。
↑ これが、T氏が持参した「熊撃退スプレー」
購入する際に、住所・氏名を書かされる程の超強力タイプである。
誤って、人間に掛かったら重大事故になるであろう。
でも、急に熊が襲ってきたらスプレーするヒマもないような・・・
↑ 水とたわむれる無邪気な T氏。 なめ滝を下っている。
ずぶ濡れである(笑)
出発した、えん堤まで引き返すまで約1時間30分(腹時計)
1時ちょい前に出発したので、往復3時間30分で、到着時間は
たぶん4時30くらいかと思ったが、時計を確認すると何と 5時20分。
往復4時間30分も沢登りをしていた事になる(笑)
こりや、ちょっとした登山だったな。
車に引き返してから改めて地図を見る。
すると、カーナビには載っていない川があることに気づいた(悲)
えん堤の下で合流するもう一つの川があったのだ。
「清滝」はそちら側の川の上流にあるらしい。
どうりで、延々と登っても滝に辿り着かないはずである。
地図で見ると、出発地点から折り返し点まで、直線距離で約2キロ。
実際、川は蛇行しているから片道3キロくらいは歩いたと思われる。
しかし、よく歩いたなぁ〜。
さぁ〜て、 次回は、もう一つの川の上流を目指す。
絶対に「清滝」を見るぞ!
そして、いよいよ完結編!!
ここからは、2004.10.15
前回からおよそ2週間。またまた清里村にやってきました。
これで下見を含めると何と4回目。
今度こそ、「清滝」を見たい。
稲刈りも終わり、季節はもうすっかり秋である。
↑この林道、前に説明したように「えん堤」があって、道路は行き止まりになる。
200メートルくらい引き返したところに右側に違う「えん堤」が見える。
この道路脇に車を停めた。
↑ まず、えん堤を目指して崖を下る。
下りきったところで、川を渡る(丸木を2本くっつけた小さな橋が架かっている)
この川は前回 間違えて沢登りをした川である。
今度は間違えてはいけない(笑)
↑ えん堤を右手に見ながら歩く。
するともう一つの川が見えてきた。
今回沢登りをする川である。
↑ ちなみにこちらの川にも小さな橋が架かっており、山道へ続いていた。
登山道のような感じの道である。
恐らく「梨平峠」へ続く道なんだろうがこの峠道から滝が見えるか
判らないので、あえて今回も沢登りをする。
↑ 前回は比較的登りやすい沢だったが、今回は、
草木が川のギリギリまで生えており、木々がじゃまでとても歩きにくい。
意外と急流でもあった。
先行きが思いやられる・・・
↑ この蚊帳の生い茂った川の中を一歩一歩踏みしめて歩いていく。
川幅も狭い。
本当に歩きにくい。なかなか距離が進まない。
↑ 歩き始めて20分。
なんだか綺麗な川の流れである。
ここで休憩をとった。 10月も中旬となると水はかなり冷たいが、
歩いていると体は暑い。
↑ 歩き始めて30分。
突然と目の前は開けた!
なんだか滝がありそうなV字型の谷間を目の前にする。
滝の匂いがプンプンしてきた(野生の勘)
滝はこの前方にあるのか?
↑
ついに発見した。
前回とは比べものにならない。 あっけなく到着した。
これが「清滝」である。
↑ 「清滝」の全景。
スローシャッターで撮影。
谷の間をぬうように清滝があった。
全長は10〜15メートル程度と、決して大きくは無いが、水の流れは激しいので
迫力は十分ある。
↑ 「清滝」を無我夢中で撮影する T氏。
真剣である。
↑ さらに滝に近づく。
上流の滝つぼを見ようと滝の壁をはい上がるT氏。
滝つぼは浅いようだった。
↑ 上流の激しい川の流れ。
中央付近が凹んでおり、水が大きく跳ねている。
↑ 今度こそ本当の”祝福ビール”である。
T氏はさっさと飲んでしまったので缶がつぶれている。
↑ もう一度、滝の壁を必死に登ろうとするT氏。
↑ しかし、バランスを崩し こけそうになる(笑)
↑ 滝の前でポーズをとるM氏(わたくしです)
もう何がなんだかわからない。
↑ 滝から下流を望む。
滝前でじゅうぶんに滝を堪能して引き返すことにした。
歩いていると、汗が出て暑いのだけど、やはりじっとしていると寒くなる。
川を下ること、およそ30分、えん堤に戻る。
↑ えん堤の水の中に入り、ドロを流すT氏。
無邪気である、 ってゆーか危険。
↑ 冒険を終え、車で帰宅途中に「梨平」集落の、とある沼を訪れた。
夕方の柔らかい日差しの中、湖面に映る紅葉とブルーの水面が美しい。
やっと辿り着いた「清滝」
長い、長いレポートとなってしまった(笑)
今回は、沢登りをして何とか滝に辿り着くことが出来たが、
やはり初心者にはお勧めできない。
怪我をする可能性も高いし、熊に襲われる危険性も十分にある。
あの滝のアクセスでは、観光には使えない。
どうりで、清里村のホームページを見ても
何も紹介されていないはずである。
観光化されていない、誰も知らない滝もたまにはいいかぁ。
完