2004年 


過去のひとりごとはこちら

5/31

鍛えられる
日曜日、ワタシは米軍のミサに行ってます。
所属は「カトリック」なんですが、昨日は「プロテスタント」のヘルプに。
事前にChaplainとメールでやりとりをして当日はサクっとあわせて・・
曲数はカトリックより少ないです。

でもねぇ、ワタシ、得意なんですよ。
初めてのことって必ずちょろっとミスるの。
入りのタイミングがいまいちつかめない・・・。
あはは
今回もやってしまったよ。
小規模なサーヴィス(礼拝のことをプロテスタントはこういいます。カトリックではミサね)だったし、みなさん優しいし、大らかだし・・
またしてもワタシはじ〜〜んと。

ミスりながら初めてのミサで間違えた日のことを思い出してたワタシ

ミサの最中は当然のことながら止まることも弾きなおすこともできません。
何が何でもやり終えなくてはなりません。
落ち込んでもそれを振り切って次へ進まなければいけません。
終了後半分泣きそうになってたワタシをギュっとhugしてくれて
「Hiromi Good job ね♪」
なんでみんなそんなに優しいの?!
ごめんね。大事なミサなのに間違えて。次はきちんとするからね。

いろんな場面で鍛えられているワタシ。

「鍛えられる」ってことは「強くなる」以上に
「優しくなる」ってことかもしれない。



5/28

けっこうそんなもの
発表会と言えば集合写真を撮り、舞台にスタンド花を飾り
演奏したものをテープやビデオに録音録画して記念品にし
他にも小物をプレゼントし・・・
準備だけでもそりゃもう大騒ぎ。

でも、いつの間にかそんなものは何もせず
いたってシンプルなステージに。
近頃は各家庭で写真は撮るわ、ビデオはまわすわ・・。
だからわざわざ注文を取る必要もなくなったってわけ。
なので、時代が変わろうが、物価が変わろうが
ワタシの教室の発表会参加費は始めの頃から変わらない。
正確にはホールにより2000円前後の幅はあるけど
不要な分をドンドン省いていったらこれくらいに落ち着いたってこと。
さすがにスタンド花をやめるとき、舞台がとってもさびしく
貧相な感じがして勇気が必要だったけど
考えても見ればコンサートのステージにはそんなものはナイ。
ゴテゴテ飾ることなどない。
集合写真って実は進行上とっても厄介な存在で
時間を大幅に食うし生徒は飽きるし、場はだらけるし・・。
で、これも思い切ってカット。

業者も必要なもののみにしたら搬入搬出に余計な時間がかからない。
そうしたら進行もスムーズ、舞台もシンプル、いいことだらけ。

その分いろんなことができるし、お金を有効活用できる。
当たり前のことだけど、そうしていくのにけっこう時間がかかったのも事実。
なかなか習慣って変えられないですもん。
なんたって発表会ですもん。
生徒ちゃんたちの晴れ舞台ですもん。
可能な限りステキな舞台にしてあげたかったんですもん。
第一、ワタシの中に見栄やプライドがあったから
とにかく「頑張った」
なので毎回瀕死の白鳥状態で幕を下ろしてた。
今思えば「ご苦労さん」
やってみないとわからないってことね。


長年親しんできたスタイルを変えるのはけっこう勇気と決断がいるけど
大切なものは無駄なものを削ぎ落とした中にあったりする。



5/25

災い転じて・・・
昨日からチビの様子がおかしい。
走っていてもグォ〜〜ンって音がするしカタカタ言うし。
こりゃ何か引っかかってるな。と軽い気持ちで後ろをみたら
なんと!マフラーがちぎれそうになってるではないか!!
手で触ってみるとグラグラしてる。
まるで抜け替わる乳歯のよう。
一気に真っ青。
小心者の顔がここぞのばかりに頭を持ち上げ
「壊れるぞ。事故るぞ。困るぞ。どうする!?」
と容赦なくたたみかけてくる・・・。

ストッキングの伝染と同じで、知ってしまうと気になるわけで。
とってもとっても気になるわけで・・!
ものすごーーく気になり、プチパニック。

車屋さん、こんなときに限って定休日。
何度かけても音声案内のみ。
明日は朝イチで連絡だなぁ・・・
レッスンも電車だなぁ・・。
買い物はパスだなぁ・・。

なぜか天気予報をみて、空模様を確認。
晴れるから大丈夫!
自己暗示のシャワー♪
ハレテルカラダイジョウブ

「明日、駅まで送っていってね」

そうだった・・・。
老親がいたんだ。
よりによってこんなときに。

送っていってチビをみると、マフラーがないではないの!
どこに落としてきたのかしら・・。

車屋さんにいったら電話口で大笑いされちゃった。
「マフラー、落としちゃいましたかぁ〜!ハハハ!」

んわけで、今日は電車を乗り継いで出張レッスンにいったんです。
そう!
ボタンを押さないとドアが開かない相模線。
電化されて10年くらいたったでしょうか。
昔はほとんど無人駅。
今は自動改札。
昔は手動で開け閉めした電車。
今はボタン押せば自動ドア。
ちょっとだけ近代化
でも単線。

サザンでも、ユーミンでも有名な茅ヶ崎まで連れて行ってくれる電車。

きれいな新緑を見ながら汗かきながら、ちょっとドキドキしながら
相模線に乗ったわけです。

ちょっと楽しい出勤??
へぇ・・こんなトコにこんなモンあるんだぁ♪



5/21

薄らぐ記憶
ここんとこ、物がよくなくなる。
使おうと思ったらいつものところにナイ!
その時はじめてないことに気づく。
吸盤のついていた大根おろし器
とっても便利だったのに・・
なんでぇ??
どこにいったの??
お〜〜い!
大根おろしを作るために探す。
ひたすら探す。
とにかく探す。
今日は絶対大根おろしが食べたい!
意地になる。
食器棚はもとより、流しの下、冷蔵庫、洗面所・・・
自分がしまうでおあろうところは場違いでも探す。
そこがお風呂場だろうが、リビングだろうが関係ない。
が・・・
ない。
昔ながらのおろし器はある。
どうでもいいものは・・・しっかりある。
小学校のときの定規とか、まだある。
そんなものだ。

皮むき器
これもない・・。
なんでぇ???
包丁で皮むき、できるよ。上手だよ。
でも・・・
あれ、便利なのにぃぃー。
にんじんの皮をむくためにこれまた探す。
ひたすら探す。

探す時間と、包丁を使う時間
無駄に過ぎていく時間に少々滅入る。

すると、以前探していたものが出てくるのだ。
なんでぇ??
前、ココ探したときなかったのに。
どっからでてきたの??
なんで、ココにいるの??

最近、ずっとこれだ。
物に対する記憶がとことん薄れる。
とげぬき地蔵で頭きちんと(念入りに)拭いたのに・・・。

またどうでもいいところから忘れた頃に出てくるんだろうな・・。

それにしても、あの大根おろし器、どこにいっちゃったんだろう?
唯一考えられる恐ろしいこと。
「捨てた。」

とすれば、絶対に出てくるわけがナイ。


捨てたことすら忘れているってことか!?
なくなっているのは他でもない「記憶」なのに
それすら気づいていない



5/17

巣鴨散策
巣鴨、名前だけは存じておりました。
山手線で新宿から15分くらいです。
都電荒川線が走っている大塚のひとつ先の駅です。
文京区のはずれですが、豊島区です。
おばあちゃんの原宿としても有名な場所です。
とげぬき地蔵はとっても有名です。
風俗店もたくさんあります。
下町なのか、山の手なのか迷うところではあります。
ではなぜそんな巣鴨へ出向いたかというと
yukaが巣鴨店に配属されたからです。
授業参観気分で職場訪問するために行くにあたり
ならば周辺を散策しようということに。

とげぬき地蔵は北口にあります。
いきなりそこへいくのもなんなのでまずは南口から。
六義園が徒歩10分くらいのところにありました。
浜離宮などと並んで九庭園としても有名です。
「江戸の名園を今に残す和歌の庭」として名高い名勝。
が、その正門の前には愛くるしいアンパンマンがいるではありませんか!
フレーベル本社です。
階段を下っていくとそこはおもちゃ館。
やなせたかしの原画や木製のおもちゃ、アンパンマングッズに絵本。
たのしかったです。

そして六義園
気持ちのいい空間です。
都会の喧騒が嘘のよう。
こころ洗われます。
お菓子とお抹茶をいただきながら涼をとります。
でも一首浮かびません。
和歌の庭園なのに・・。
情けない。
ここの紅葉はすごいだろうね。
12月になったらまた行こう。

気分を変えていよいよとげぬき地蔵へ
洗い観音タオルを100円で買い、念入りに拭いたところは肩。
そして胃。
もちろん頭と顔も忘れません。

しかし観音様だったとはねぇ・・。
知らないってコトはこういうことだ。

その後地蔵商店街(おばあちゃんの原宿)をぶらぶら。
漬物やさん、おせんべい屋さん、お饅頭やさん、乾物屋さんの間に
所狭しと洋品店が並びます。
ブラウス、スラックスと並んでばばシャツも売っています。
しかも安いです。
種類も豊富です。
申年赤パンツもありました。
投売り状態のお店もありました。

でも買ったのは塩大福♪
やっぱ食べ物でしょう!
おいしかった〜〜☆
ウコン入り黒ゴマきな粉もあったけどそれは買わずに・・。

時間まであと少しあります。
さてどうしたものか・・・
風俗リサーチしてもねぇ・・。
地図を見ると文豪のお墓があるではありませんか。
これは行くしかありません。
墓参タイムの始まりです。
「染井霊園」って広いのね。
公園墓地ではないから風情があってこれまたいい。
春は本当に桜が見事なんだろうなぁ。
さすが金さん!


巣鴨
あなどれません。
楽しかったです。
おいしかったです。



5/15

胃カメラ その後
前日、おりこうさんのワタシは夜8時というのを15分ほどオーバーしたけど
注意事項を守ってそそくさと帰り、ひたすら今日に備えました。
夜中、おなかはぐぅ〜〜となり、脳が空腹を感知したにもかかわらず
ひたすら今日に備えたわけです。
久しぶりに見る胃カメラはワタシのことなどすっかり忘れていて
「さぁ、飲み込めるものなら飲んでみろ」
といわんばかりに威嚇しておりました。
負けるわけにはいきません。
平静を保ちます。

はじめに胃の中をキレイにする液体を飲みます。
正確にはこれが本日の「おめざ」です。
そして肩に胃の動きを鈍らせる注射をします。
痛いといわれるヤツですが、破傷風のほうが格段に痛いデス。
次にノドの感覚を鈍らせるゼリー状の液体を10分間口に含みます。
もちろん寝ている状態なので、飲み込みそうになりますが
そこがまず我慢のしどころ。
そしてまたノドの痛みを和らげる静脈注射をし、
ノドにスプレーをしてマウスピースを加えます。

涙目です。

久しぶりのせいか、力の抜き方がいまいちヘタクソです。

これだけのことをしたんです。
ポリープのひとつでも見つからないと納得がいきません。

結果は胃炎でした。
でも、組織検査のためチョッキンされちゃいました。
もちろんその様子はモニターに写るんでワタシも見ています。
「お・血が出た」
切ったんですもの当たり前です。
痛みはありません。
ワタシ、こういうの平気なんですよねぇ・・。

健康診断もついでにやってもらいました。
血圧が94/50で低めだったので100を越さねば・・とジタバタしたら
看護婦さん(今は看護士さん)に怒られちゃった♪

あぁ
生きてるって幸せね!
飲み食いできるってサイコーね!


てなわけで、
こころのトゲを抜くために「とげぬき地蔵」へいってきました。
くりんたらまちがって「アンパンマン」載せてるしぃぃぃー(笑)



5/14

胃カメラ
明け方かなりの胃痛で目が覚め不快なまま過ごした火曜日
市販の胃薬でだましきれず翌日病院へ行きました。

「久しぶりに飲みますか」
「ですよね・・・」

というわけで明日の土曜日のおめざは「胃カメラ」に決定。

胃は親譲りでめちゃくちゃ弱いんです。
なんたって中1の三学期に
胃けいれん、胃下垂、食道炎、十二指腸潰瘍を一気にやったクチ。
原因は期末テスト。
義務教育課程の身分ゆえもちろん飲酒なんぞしておりません。
完全にストレス負け。
ちょっとのことですぐダメになっちゃいます。
けっこう図太い性格のはずなのにウサギちゃんタイプらしいことが
こんな形で判明した瞬間でした。
その後、バリウム検査なんてしょっちゅうだったし
おかげで上手に飲めるようになったし
むしろバリウムは得意分野に「昇格」したくらい。

でもあるとき思ったんです。

めんどくさい。

時間かかるし、まずいし(冷たいのは飲みやすいんだけどね)
詳しく診るには胃カメラだし・・・。
ならば最初っから胃カメラで良いではないか。
と、いうわけで「胃カメラ」派に。

薬もカプセル、錠剤のほうが得意だから
固形物をゴックンするのは慣れたもの。
しかしさすがに初めての胃カメラは一瞬・・涙。
でもすぐさま慣れて胃の中をじっくり見せてもらってからは
もう「へぇ〜」の世界。

明日はそんなわけで久々に体内とご対面なんです♪
そのため今晩はおいしいもの控えなきゃなんない。
おいしいお店に行く予定があるのに。
お酒も飲めないし・・。
せっかくの金曜日なのに。
夜八時以降は飲み食いダメってのはどうなの・・。
残念!
日にち変えてもらおうかな。
だって全然痛くないんだも〜〜ん。
胃カメラよりおいしいものの方が良いに決まってるも〜〜ん。

悪魔のささやき
「んなもん、やめちゃえ!」
天使の攻防
「おいしいものを食べたければまず胃カメラ♪」
hiromiのたわごと
「じゃ、8時までにサクっと・・。お酒もちょぴっと・・。えへへ」

え〜〜い!
この注意事項が目に入らぬかっ!!

ははぁーーーー。



5/11

ドラックストア
ワタシのドラックストア好きはけっこう有名で
仲のいい友達だと待ち合わせ場所に指定してくれるくらい。
ココは本屋さん同様飽きない。
いろんな日用品があって
新製品もあって
それらの使用法や効能を読んでいるだけで
充分に満足してしまう。

今日は「黒ゴマきな粉」なるものを発見
お子様からお年寄りまでがターゲット
一日スプーン3杯をコップ一杯の牛乳に溶かして飲むと
二日酔い防止、食物繊維摂取、生活習慣病予防
中性脂肪、悪玉コルステロールが減って
健やかに生活できるらしい。
他にもコラーゲンの粉末(豚皮100%)やお釜にポンのCa番
黒豆ココアのソフトクッキータイプやアイス用も販売されていて
ますます健康志向に拍車をかけてくれる店内。
その一方ではカップめんやお菓子もしっかり売られ
ダイエット関連商品やお薬の類と仲良しこよし。

それにしても、消臭、除菌、防臭の類が本当に増えたねぇ。
柔軟仕上げ剤にもそれらが用いられているし
ニオイに過敏に反応するようになったというか
そう仕向けられてきたというか・・・。
とにかくカラダから出るニオイも食品のニオイも
臭(にお)い=臭(くさ)い
ってことになる。
(くさいニオイは漢字で書くと臭い臭い・・・・??)
ニオイに対する反応は人それぞれなんだけどね・・。
ブランドの香水とトイレの芳香剤も紙一重のところあるし。


デオドラント効果のおむつとかあるのかしら?
そのコーナーはチェックしそびれちゃったけど。




5/10

印鑑
今は100円ショップでも印鑑が売っている時代。
朱肉を使うのもそうでないお手軽なのもその場で手に入る。
印鑑を持ち歩く習慣がワタシにはないので
ちょっとしたときに「あ・・!」と思うことがしばしば。
以前はその度に文房具屋さんとか、ハンコ屋さんに飛び込んで
一番安いのを買ったりしてたけど
今では迷わず100円ショップ。
本当に便利な世の中になったもの。

しかし、さすがにそれらのハンコも欠損したり、紛失したりで用をなさない。
本数がある割には役立たず。
おまけに朱肉もない我が家。
今まで印鑑ケースについているやつでどうにごまかして来たけど
進学、入社に伴いとにかく書類が多くて
押すたびにかすれた印影しか残せない。
これではいかん!
印鑑をつくるぞ!
イモ版掘るぞ!
ちがーう!

てなわけで100円ショップじゃないチョットちゃんとしたお店に出向き
あれこれ見本を見ながら決めたのです。

子供達には生まれてすぐに「名前」の印鑑を作ってあって
彼女たちの通帳はすべてそれを使用。
いくつになっても結婚しても、たとえ性転換をしても
「名前」が変わることはないから言葉どおり一生もの。
我ながら「えっへん!」っていう気分で作った印鑑。

「名前でお願いします。形はコレで」
こころに決めておりました。
ワタシも「名前」の印鑑を作るって。

でもね
出来上がったのみてガックリ・・・
ダサっ。
多少の予想はしてたけど、やっぱりまぬけ・・・
子供が作った版画文字みたい。
選んだデザインが悪いのか??
彫り師が未熟だったのか??


何度みても笑える。

改めて親を恨んだよ。
なんでワタシの名前、平仮名なんかにしたのぉーーー。
誰でも読み書きできるようにって気ぃつかわんでいいからぁーーー。

これを銀行印にしたら笑いものじゃん。
これを認め印にしたらやっぱり笑いものじゃん。


平仮名は女文字ともいわれ優しい雰囲気を持ち合わせた文字。
でも、ハッキリ言って印鑑には合わないね。
ま、これはどこにも売ってないやつだから
偽造されることもないけどさ。

ちなみにワタシの座右の銘は
「嫌われ者より笑われ者」なので
この愛すべき平仮名印鑑を堂々と使います。

みなさん
大いに笑ってください。
クス・・と笑ってください。
ほら、心なしか楽しい気分になったでしょ。



5/7

微熱
ほのかに熱いんです。
静かに燃えているんです。
それはまるで「焼けぼっくいに火」のよう。
ワタシはけっして「文学少女」であったわけでもなく
もちろん追っかけをするほどのマニアでもなかったのに
知れば知るほどもう一度会いたくなるわ。
治さんって罪な人。
そうやって今でも女性を、ううん、若者たちを虜にしているのね。
あなたはそうやって永遠にこころに棲みつくんだわ。
でもね、ワタシがあなたより先に惹かれたのは
達三さんなの。
石川達三さん。
思いっきりハマッてましたもの。
微熱なんてもんじゃなかったわ。
寝ても冷めても・・・でしたもの。
「稚なくて愛を知らず」
意味もわからずのめり込んでいったわ。
そして4年後
ワタシはあなたに出会ったの。
そのころちょっと達三さんに食傷気味だったってこともあるけど
大人になったってことかしら。
気持ちに加速度がつくのがハッキリわかったもの・・。
思い出したわ。
正確にいえばもっと前に出会ってたわね。
でもそのときは全く興味も感心もなかったの。
だって全然こころに響かなかったんですもの・・・・。

あなたはこんなメッセージを残しておきながら
どんな気持ちで逝ったのかしら。
きっと「安堵」にも似た気持ちがあったのかもね。


さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬。  「津軽」より   太宰治



5/6

黄金週間物語 番外編
今年のGWは近年稀にみる大型ゆえ
カレンダーどおりの人も
そうでない人も
たっぷりと「時間」があったのではないでしょうか。
ワタシのGWはくりんが日々みなさんにご報告済みなのでここでは割愛。
とはいえ津軽といえば太宰治
「斜陽館」と訪れて初めて知る彼の人生を
ちょっとした旅行記っぽく残してみました。


昭和19年、36歳の太宰治は津軽風土記の執筆を依頼され
青森から外ヶ浜を通り、竜飛崎と巡って青森に戻り
生家のある金木に寄った後、日本海側の深浦まで行き
五所川原から十三湖を経て小泊(こどまり)へ向かう。
小泊では乳母だった越野たけと30年ぶりの再会を果たし
「平和とは、こんな気持ちのことを言うのであろうか。
もしそうなら、私はこの時、生まれて初めて
心の平和を体験したといっても言ってもよい」
と「津軽」に残している。

現・弘前大学時代3年間すごした弘前のことを「津軽」の序説で
「津軽人の魂の拠りどころ」と記し
「ここは本州の袋小路だ」と竜飛崎を語り
10年ぶりに訪れた金木町の生家においては
「金木の生家は気疲れがする」と記している。
そして
「私の一生は、その人に依って確定されたといってもいいかも知れない」
と記している小泊村には幼い太宰に読み書きを教えたたけが嫁いでいる。
太宰はその人を探しに、津軽鉄道終点の津軽中里駅からバスに乗り
車窓から十三湖を眺めながら小泊へと向かう。
その十三湖のことは
「浅い真珠貝に水を盛ったような、気品はあるがはかない感じのする湖」
と書いている。


奇しくも同じような道程で北国を初体験したワタシ。
きっと地元に住んでいたら遠足などでこの辺は飽きるほど行ったに違いなく
今ほどの「感慨」など全く感じないで過ごしているはず。

現に情けないかな、竜飛岬では「津軽海峡冬景色」しか浮かばず
あまり考えもせず下っていった階段が
歩行者専用の「階段国道」(国道339号)で総延長388メートルの長い石段
だったなんてことも知らず
弘前公園のソメイヨシノはすでにその「旬」を終え
久々に履いたパンプスのおかげで足は早い段階から痛み出し
公園の半分もまわらず早々に100円循環バスに乗りこむしだい。
「斜陽館」で太宰を味わったものの
目が行くのは地酒コーナーにならんだ「太宰」に関する品々と
青森銀行とみちのく銀行の看板。
小雨模様だったため、十三湖はその美しさからほど遠い風情で写り
・・・・・・・・・・
何事においても予習は大切ってことデス。

旅を終え、持ち帰った資料を見直し、作品をじっくり読み返すことにより
また湧き上がっている新しい「感動」


しばらくは太宰の作品を読み直す日々が続きそう