35億年生命の進化の頂点に立つ、私たちの「脳」。そして、6万年前、仲間の死を悼み、花を捧げたネアンデルタール人に萌した私たちの「心」。
私たちは、私たちの科学でそのすべてを知り尽くしたわけではない。私たちの心には意識の表に浮かんでこない領域があり、その領域から私たちを動かす何かが私たちを駆り立てる。その領域は、まだあまりに広く、あまりに深い。
科学的技術を少しばかり自在に扱い始めたとはいえ、私たちは、ニュートンがいったように、真理という大海の波打ち際で砂遊びをして、小さな発見を喜んでいる子供のような存在にすぎない。
それでも私たちは、私たちの脳の可能性、心の創造性に、宇宙に浮かぶ生命体「地球」の行く末と、私たち自身の未来とを託さずにはいられない。
まだ明らかにされない大いなる可能性、果てしない創造性が、私たちに希望と、夢と、喜びを与え続ける。
「脳と心」という未知の、そして素晴らしい領域を前にして、私たちはつねに問い続けるだろう。