祖先を敬い、子孫繁栄を願う


 結婚式のスピーチにでも出てきそうな言葉ですが、よくよく考えれば"遺伝子"という言葉さえなかった昔から、人間は遺伝子の概念を把握していたのかも知れません。

 生命誕生以来、あなたが現在存在するのは、貴方を構成する遺伝子群が、35億年を生き抜いてきたことの証明に過ぎません。

 貴方の祖先が存在しなければ、あなたは存在しなかった。そう考えれば、自ずから祖先に感謝せねばならないでしょう。

 遺伝子が望むことは、より多くの自己のコピーを残すこと。それがさらに生き残るための必須条件なのです。

 遺伝子は、生命体に子孫繁栄を望むことになる。よって人類を含め生命の究極的な本能は、生殖活動に向けられる。

 雄は、いかに多くの雌と生殖できるかに命を懸け、雌は、いかに将来生き残る可能性の高い遺伝子を持った雄と接触することにすべての可能性を賭ける。