BOOK REVIEW

〜ヒマとお金の都合が悪い時はサア本で行ったつもり〜

VOLUME 1


イギリス、特にロンドンについて書かれている本の書評集です。 ただし私の読んだ本に限

定されておりますし、また私の独断と偏見が混じっている恐れがあることを、 はじめにお

断りしておきます。

 

いつかイギリスに暮らすわたし

井形 慶子 (ちくま文庫)

根性がすわった女性である。
幼い我が子を連れてのロンドンへの取材旅行から、この本は始まる。不思議なもので著者の歩く先々に 話題が転がっているようである。 何の変哲もない、日常のロンドンの風景が読む者にそのままの形で生き生きと伝わってくる。
著者の周囲の出来事がそのままロンドン案内書である。

 

ヨーロッパぶらりぶらり

山下 (ちくま文庫)

ご存知放浪の画伯、故山下清の初めての海外旅行へ出かけた際の旅行記である。
ドイツ、スウェーデン、デンマーク、オランダ、フランス、スイス、イタリアそして当然ロンドンと ヨーロッパ周遊旅行である。
ロンドンでは美術館を始め名所と言われる所は大体回っているので、1週間くらいは滞在したようである。 まあこの本の面白さは、「過激な質問者・山下清」の「過激」で「素朴」な、質問にある。
あなたは答えられますか?

 

ロンドン旅の雑学ノート

玉村 豊男 (新潮文庫)

ロンドンについての百科事典と形容してもよい。
どの本でも取り上げられるパブ、イギリス料理をはじめ紳士・淑女、二階建てバス、はたまた歩道に 立つ変な棒にいたるまで、話題はとどまるところを知らない。
しかもすべて丹念に調べた絵、写真、そして歴史的考察が施された徹底ぶりである。

 

二つの大聖堂のある町

高橋 哲雄 (ちくま学芸文庫)

ここでいう町とはリヴァプールのことであり、二つの大聖堂とはプロテスタントとカトリック両宗派の 象徴ともいえる聖堂である。
とまあこの宗教問題に入っていくと、根が深く大変であるが本書でも軽く触れている。
本書の特色はロンドンをはじめ、イングランドを中心にコーンウォル、ドーバー等の各地を文化的な面 から緻密に解説されている。

 

イギリスびいき

他著 (講談社α文庫)

各界10人による寄せ書き風エッセー集。
車の話、ミステリー、犬、映画の話と多方面にわたり、イギリス好きにはたまらないだろう。