第5幕 ロトルアからオークランドまで
ロトルアの朝のひととき

早いもので、いよいよニュージーランドでの最終行程になった。
ここでのホテルは、CENTRA ROTORUA Hotelといい、部屋も朝食も今までで一番。ただ周りに何もない。
今日は土蛍のワイトモ経由で、オークランドまで行くバスが9時にホテルに向かえにくることに なっている。ロビーに行くと何組かのグループがバスを待っている。
バスは次々と来て、ドライバーが該当者を呼びチケットを照合して出発していく。
最後は私達と2,3才くらいの子供連れの中国人らしい3人家族だけになった。この子供は昨日の夕食の 時に、私の母親と隣同士になったのでちょっと顔見知り。なもんで、この子供がぬりえとクレヨンを持って、 ばーさんのところへ寄ってきた。
ばーさんが赤いクレヨンをつかんで「これは?」(もちろん日本語で)と聞くと、「ジス イズ レッド」
ばーさん驚いて「この子英語できる!」
そりゃそうに決まってる、中国人たって中国に住んでるとは限らない。オーストラリアかもしれないのに。
子供はぬりえを置いたままいなくなったので、私が子供の母親に返しにいくと、彼女いわく「あの子、絵を あなたのお母さんに見せに行くと言ってました」とのことだった。「いい子ですね」とお世辞で返し、ふと 見ると子供がばーさんのところに来て、ぬりえがないと騒ぎ出していた。
そうこうするうちに、バスが来たが、これは中国人一家を迎えにきたもの。とうとう私達だけ残った。
9時20分になったので、電話してみようとフロントに行って話し中に、受付の女性がニッコリして外を 指差すので見ると、ちょうどバスが来たところ。

バスにはまだ二人の客とバス会社の人らしいのが一人だけ。途中もうひとり女性客を拾うと、これで終わり。
バス会社の人らしいのに聞くと、「そうこれだけ、ビッグ・リムジンだよハハハ」。確かに大型バスに乗客6人 だから、そうも呼べるよナ。
ドライバーはどうも見習いらしく、なにかともう一人の顔色をうかがう。・・・あとで聞いてみるとやはり そうだった・・・。

休憩のためバスを降りた、オトロ
ハンガ(OTOROHANGA)という町
でのひとこま。
どこから現れたのか、キィウィ鳥
のぬいぐるみを着た人が愛敬をふ
りまいた。

地底のプラネタリウム

昼少し前にワイカトのほんの手前でランチタイムとなった。牧場の見晴らしのいい一画に立つ、かわいらしい レストラン。ほとんど同時にオークランドから来たバス(同じ会社の)も到着。
同じバスの乗客6人でテーブルを囲む。一人旅の女性はカナダから来て、オーストラリアも行くとのこと。
もう二人の乗客は母と子の親子で、なんとブラジルから。息子は17,8才という感じで、もう6年間も ニュージーランドに留学している。そこへ母が様子を見がてら来て、旅行しているらしい。

牧場の中にあるランチ・レストラン。
そんな景色を見ながらの食事は至福
のひととき。
とても気持ちの良いところでした。

オークランドからのバスには日本人の男性が乗っていて、彼は私達をワイトモの土蛍見学の案内をするため に来た係員さんということが分かりビックリ。前日の係員マイケルはそんな話をしてなかったので、自力で 見学すると思っていた。
いよいよ、ワイトモ・ケーブに到着した。私達の他、別の親娘3人連れと合流して、総勢7人で スタート。ここで分かったことだが、土蛍見学には個人でかってに入れない。
案内の彼がいなくては、”英語圏グループ”に入って行動するしかなかった訳である。
洞窟は鍾乳洞でできており、かなり奥に入り込んだ地底という感じのところまで歩くと、いる、いる!、天井 に無数に青白い光が。普通の蛍と違うのは、幼虫のままで天井の土に張り付いていて、光は瞬かずに点燈 したままなこと。
ここでは撮影もできないし、大声も厳禁。ただ心の中で喚声を上げるのみ。

オークランドへ

地底のプラネタリウムのような光景を見た余韻にひたりながら、バスはオークランドへ向け出発。
途中で休憩に立ち寄ったところには、おいしいアイスクリーム屋さんがあって、しかもたったの1$(55円)。
この休憩所には、私達がいる間に鹿児島の高校生がバス8台で到着した。いいねえ!修学旅行が海外!。
ただ残念なのは、学生服の群れ。あの黒い制服は外国人の目にどう写るのか。

オークランドは大都会。だんだん道路は混んできて、渋滞もしばしば。今まで田舎道を走り、牧場の緑や 山、湖ばかり見てきてたので、一気に現実に引き戻されるような気がする。
同時に、あー旅行も終わりだな、”帰ったら雪かぁ”とも。
オークランドのホテルNOVOTEL AUCKLAND前でバスを降りると、出迎えの係員さんがいた。案内の彼とはここで 別れる。いやいや、上げ膳据膳ですネ。
夕食は食欲が失せている、じーさんも食べやすいように”写楽”という日本食レストランへ行った。ここは なんでもそろっており、味もそこそこ。ウェートレスの日本人の女の子としばらく、おしゃべりして外へ。 ちょっと街をぶらついてホテルへ。
サイフの中を見て、シマッタ!。明日は空港使用料として一人20$、合わせて60$要るのを忘れてた。 20$しかない。朝早いので両替所が開いているかどうかは分からない。仕方ないのでホテルのフロントへ 行ってみると、両替OKでホッ。・・・・でも高い!、普通1NZ$=55円のところ60円換算だった。

後ろ髪ひかれて・帰国

帰国の朝。
飛行機に搭乗すると、来た便に乗っていた添乗員付きのグループがそっくりいる。途中では全然会わなかった けど、同じ日程で来てるようだ。
さよならNew Zealand

振り返ってみると、ずーっと天気にも恵まれて、移動のバスや飛行機にトラブルもなく快適な旅になった。
途中、年寄りの父には、少し疲れが出て風邪気味になったことが気がかりだったが、あとはあっけないほど 順調にいった。これもひとえに現地係員さんたちの連携の良さのおかげかもしれない。
私はクライストチャーチから450km南へいったところにあるダニーデンと、クィーンズタウン に近いミルフォードサウンズにも行きたかった。やはりそうするには日程がプラス3、4日必要に なることで実現できなかった。
又、きりのない話であるが、北島と南島の間のクック海峡をフェリーで渡ってもみたかった。

またニュージーランドに来る理由が残って、これでいいのかな。

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