『テケテケテケッ♪』

 

クリスマスイブ。

一年に一度、この夜だけ、おもちゃは自由に動くことが出来る。

ツリーにぶら下がったままの僕たちクマも、

さっきまでテケテケ太鼓を叩いて遊んでいた。

 

でもね。

 

「おっほ〜! クマさん、今は太鼓を叩かないでおくれよ。

よい子が目を覚ましちまったら大変だ。

寝ている間にプレゼントを置いていくのが、昔からの習わしだからね」

 

さっき部屋に入ってきたサンタさんにそう頼まれたので、

僕らはサンタさんのお仕事が終わるまで、

じ〜っと動かないで待っていたんだ。。

 

 

 

 

けど。。。

 

 

 

 

 

もののはずみで。。。。。。

 

 

 

 

 

 

・・・テケッ♪

 

「し〜!! ダメだったら!」

 

サンタさんは飛び上がらんばかりに驚いた。

 

でも大丈夫☆

 

サンタさんを待ちこがれて遅くまで起きていた子ども達は、

今はぐっすりと、暖かなベッドの中で眠り込んでいて、

目を覚ます気配はない。

 

サンタさんは、枕元の靴下に子ども達へのプレゼントを入れ終わると、

もういいよ、って僕たちにウィンクをして、

そっと子ども部屋のドアから出て行った――。

 

窓の外を、しゃんしゃんと軽やかな鈴の音が通り過ぎたら、

また僕たちおもちゃの、明日の朝までの楽しい時間が始まる。

 

ほら、みんな、いくよ!

 

テケテケテッ♪

テケテケテケッ♪

テケテケテッ♪

 

 

(おわり)

 

Copyright(C)2001-2007 Linda all rights reserved