Making of Peter☆Pan

 

 

 

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作品市場へ登録する前に、ピーター☆パンの結末を二通り考えました。

まるっきりのメルヘンと、ちょっとシュールなショートショート風と・・・

現代の女の子にはふたつ目の方が似合いそうな気もします。

あなたなら、どちらのエンディングを選びますか?*^-^*

 

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ーター☆パンとウェンディ

 開け放した窓から入ってきて目の前に降り立ったのは、

 緑色の服を着た男の子だった。

「やぁ、ウェンディ!迎えに来たよ!君が毎晩窓を開けて僕を呼んでる声が聞こえてきたんだ。

そうさ、君を受け入れてくれない世界になんかいなくたっていいさ。

君はネバーランドで、永遠に子どもでいればいいんだ。

さぁ、今から僕と一緒に飛び立とう!」

「ああ、ピーター、ありがとう!あなたが来てくれるのを、私ずっと待っていたわ。

この窓辺で、白いドレスを着て、あなたが通りかかったらすぐに見つけてくれるように。

でもね、、、ほら、見て、今日の私のドレス!

これは一生に一度だけ着られる純白のウェディングドレス。

見つかったのよ、私が私でいられるところ。

私が勝手に夢見ていても、たとえ他の誰から相手にされなくっても、

そしてねピーター、あなたのことを話してみても、彼は全部聞いてくれた。

私が夢見ることを受け入れてくれた。

そのままで良いよ、二つの世界を行ったり来たりすればいいよって。

だから私、彼と一緒にこちらの世界に残ることにしたの。

だから・・・ごめんね、ピーター、私、あなたと一緒に飛び立てない」

「そうなんだ、ウェンディ。でも残念だな。

今夜は月も明るいし、二人で飛んでいくのは楽しいと思ったんだけどな。

君が無理して大人ぶっているのでないのなら、君が本当に君のままでいられるのなら・・・」

「ええ、そうよピーター!私は私のままで変わらずにいられるの!」

「わかったよウェンディ。だけど君は僕にとって永遠の少女。

もしもまたネバーランドに行きたくなったら、僕を呼んでくれたらいい。

僕はいつでも君を迎えに飛んでくるよ!」

緑色の服を着た男の子は笑顔でそう告げると、すっと空中に浮き上がり、

軽やかに、月の光の満ちた窓から外へと飛び去っていった。

ありがとう、ピーター☆パン。

今までずっと壊れそうな心を支えていてくれて。

もうあなたを呼ぶことはないかもしれないけれど、

私は絶対、あなたのことを忘れない。

 

* * * もうひとつのエンディング * * *

 

 その姿がすっかり見えなくなってから、私はそっと窓を閉めた。

 そして、演劇部の友人から借りていた白いドレスを

 汚さないように脱ぐと、

 ふわりとベッドの上に広げて置いた。

本当にごめんなさい、ピーター☆パン。

だって、こういうことにでもしておかないと、せっかく来てくれたあなたに、

なんと言って帰ってもらったらいいかわからなかったんだもの。

結婚の話は嘘。

こちらの世界に残りたくなったのは、やりたいことが見つかったからよ。

着替えを終えた私は、キッチンで熱い珈琲を淹れると、それを持って机の前に座った。

さてと、今日はどんなお話を書こうかな。

 

* * *

 

その時、夜空の星が一瞬強く光った。 

♪そのお話、もらった♪

今夜はきれいな星月夜。