| Bookmark2005 - 栞 at random - |
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この読書ノートをつけ始めてみて気がついたのですが、 思いの外たくさん本を読んでいて、自分でもびっくり! しかも、ここをご覧になられた(!?恥ずかしい〜;)という 著者の方からメールを頂いたりして、またまたびっくり!! 《酒井雅子様♪どうもありがとうございましたm(_ _)m》 そんなこんなで、今年も続けていくことにしたこのページ。 ここを読まれての感想や励ましのお言葉など こちらにお寄せ頂けましたら、たいへん嬉しく思います^^ |
| Date | Title | Author | Memorandum.....φ(._. ) |
|---|---|---|---|
| 2005/ 12/8 |
まざあ・ぐうす (ダイソー) |
英国伝承童謡 (訳 北原白秋) |
【ちっちゃなテイ・ウイ】 ちっちゃなテイ・ウイは海へゆき、たななしボオトにのりこんで、ゆらゆらゆられているうちに、ちっちゃなボオトがひっくりかえり、これでお話もおォしまい。 【ゆりかごのうた】 ねんねや、ねんねや、おねんねや、ぼうやがお父さんひつじ守り。お母さんはねんねのねむりの木。ねんねやねんねとゆすりましょう、ゆすればお夢がふりかかる。ねんねや、ねんねや、おねんねや。 残酷だったり、突拍子もなかったり、コケッっと足下をすくわれたかと思うと、優しいことばの子守歌。。一度は読んでみたかった”マザーグース”をようやく読めました♪(前に読んだかも知れないけど、記憶にない;) この童謡は、現代風に言うと、ラップ?*^-^* あ、でもハンプティダンプティがいなかった! アガサクリスティの、”そして誰もいなくなった”の元になった歌はあったのに、、、彼は一体いずこへ??? |
| 2005/ 12/1 |
プチ・プランス 新訳 星の王子様 (グラフ社) |
サン=テグジュペリ (訳 川上勉/廿楽美登利) |
(いまわたしが目にしているものは外形にすぎない。もっとも大切なものは、目には見えないのだ・・・)中略(こうしてよく眠っているプチ・プランスがわたしを強く感動させるのは、彼が花に対して誠実だからであり、眠っているときでも、ランプの炎のように、バラのイメージが彼の心のなかに輝いているからなのだ・・・)(p107) 「夜、きみが空を見上げるよね。たくさんの星のなかのどれかにぼくが住んでいて、そこで笑いかけているから、まるで、星がぜんぶ笑いかけているように思われるだろう。だから、きみは笑うことのできる星を持っているようなものなんだ・・・」(p120) 中学生くらいの時に、内藤あらう氏訳の「星の王子様」を国語の教科書で習った。私が”象を飲み込んだウワバミの絵”を理解できるおとなになろうと思ったのはその時からだ、ということを、この本を読んで思い出した。訳者が書いているように、この訳での王子様の年齢は、思っていたのよりも少し上のようだ。そして、あの頃には理解できなかったいろいろなことが、今、私なりにわかってしまい、なぜか切ない気持ちになっている。 |
| 2005/ 11/25 |
僕の妻はエイリアン (新潮社) |
泉 流星 |
陸の上ではドテーッとしてあんまり動かず、ゴロゴロしてばかりのように見えるアザラシだって、いったん水に入るとものすごく活発で、機敏な動きで自由自在に水中を泳ぎまわる。それと同じように、妻も自分に適した環境の中にいる時は、水に入ったアザラシ、っていうか、水を得た魚のように、実はものすごく生き生きと積極的に活動している。仕事にだって実力を発揮できるし、それを評価してくれる人だってちゃんといることがわかった。(p192) 一見ふつうの地球人に見える”妻”は、脳の仕組みがちょっとだけ他の人達と違っていた。人の感情が読めない、雰囲気が読めない、予測できない変化に弱い・・・高機能自閉症の”妻”が、自分の弱点をカバーし、環境に適応するために行った努力たるや!(@@)!今自閉症 と呼ばれている脳のプログラムは、実は、未来対応型の優れたものなのではないだろうか・・・そして、最後の文章でのアピール! これぞ、って感じです*^-^* やりますね〜♪ |
| 2005/ 11/12 |
JOY JOY JOY (小学館) |
波流 (監修 MASAKO) |
人間が使っているのは脳のわずか3%、だけど残りの97%は何もしていない訳ではなく、3%の意識に働きかけている・・・作品を書くのに行き詰まった作者の元に、その97%の脳から魔女が現れて、時間と空間のトリックの講義をする。。なにやらよくわからない内容で、おまけに物理の話まで出てきて、アチャ!選択間違ったかな;と思ったのだが、読み終えてしばらくしてからやけに気になる。ポジティブシンキングは当たり前、しばらく前にスピリットのベクトルが神に向いたから・・・わからないけど、とにかく良い方向に向かっているんですね*^-^* |
| 2005/ 10/14 |
ひとりぽっちの 世界一周航海記 (理論社) |
堀江謙一 |
【衛星電話レポート第14回より】 「すぐ横に人がいないという寂しさはあるけど、社会的に孤立しているわけではないので、寂しくないですよ。応援してくれている皆さんの暖かい言葉も励みになります。しかも、大の大人が、自分から進んで一人で航海に出発して、それで、寂しいなんか言ってたんじゃ、恥ずかしいですよね」(p241) 2005年6月、ヨットでの単独東回り世界一周に成功した、海洋冒険家・堀江謙一氏の航海の記録。淡々と日々のできごとを綴ったこの日誌は、私達に、いながらにして大海原を航海する醍醐味を味わわせてくれる。ひとつ(?)勉強になったこと。ヨットは、セール(帆)に風を受けて(後押ししてもらって)走るのではなく、飛行機が浮力を利用して浮かび上がるように、風を流して走るそうです。ほほう! |
| 2005/ 10/01 |
天使がいた三十日 (講談社) |
新堂冬樹 |
「――音楽とは躰で作るものではない。いまも君の心に奥さんが生きているのなら、なにも迷うことはない。素晴らしいではなく、素敵な曲を心の中の夏乃さんに贈ればいい」(p223) クリスマス・イヴに雪の中から現れた天使は、チョコレート色の被毛を持つアイリッシュセッター・・・。いつしか私の耳には、映画”ゴースト”の主題曲、”Unchained Melody”が聞こえていました。これはメルヘンです♪ |
| 2005/ 09/13 |
有栖川の朝 (文藝春秋) |
久世光彦 |
婆ちゃんは八十八にもなって、どこかよその国から気性のいい若者が迎えにくるのを、正気で待っていた。ホトホトと戸が叩かれるのを待っていた。お月ちゃん、きれいなものが見たかったら、目を瞑ってごらん。悪いことは言わないから、これからの一生、嫌なことがあったら目をお閉じ。そこに見えるのが夢という嘘の世界だと思っても、嘘こそが本当なんだよ。(p121) 絶滅した川獺(かわうそ)の話。ではなくて、2004年、実際にあった”有栖川宮事件”をヒントに書かれたお話。(あれは詐欺が成立したのだろうか?)川獺の生態についても書かれていて、その習性と事件の流れとをからめ、話が進められてゆく。出だしと最後、”きっちり”です♪ |
| 2005/ 09/09 |
もうひとつの グッドラック物語 (ポプラ社) |
アレックス・ロビラ監修 (グッドラックプロジェクト 委員会 編) |
【はじめに】より 幸運は、本質的に愛に依存するものです。愛がなければ、尊敬も、勇気も、信頼も、熱狂も、根気も、配慮も、思いやりも、思いも存在しません。愛なくして行動はないのです。幸運とは、愛と同じく自分で育むもの。自分で種をまいて摘みとるものです。よい種を上手にまき、行きとどいた手入れをしなければ、豊かな収穫は得られません。愛がなければ幸運も生まれないのです――アレックス・ロビラ ベストセラー『グッドラック物語』の読者達からよせられた、読者達の物語。原本を読んだ時よりも感銘を受けたのは、今、夢に向かって進んでいる私が、ここで出会えた”幸福の下ごしらえ”をしている方達に、おおいに励まされたからだと思う。共に歩きましょう!グッドラック♪ |
| 2005/ 08/12 |
ひとりずもう (小学館) |
さくらももこ |
私は、夜中にひとりでいわさきちひろの絵本を見たり、アルプスの美しい景色の写真集を見たり、高山植物の絵を描いたりして過ごす事が多くなっていた。うす汚い感じのする現実に耐えられず、透明感を求めていたのである。コップの中にサイダーを入れたりしたら、しばらく目が釘付けになったものだ。(p31)
こう 漫画を描くというのは、非常に地道な作業だ。特にプロになる前の投稿時代というのは、アシスタントもいなければ、道具や設備も最小限しか揃っておらず、孤独にコツコツとやるだけである。でも、この地道な作業が大きな夢につながっているかもしれない。つながっていないかもしれないが、どっちにしても揃える道具が高価な物ではないので、失敗しても痛手は少ないし、気軽にチャレンジできる。その点は非常に良い。(p166) このノリは、どうすれば良くなり、どうしたら悪くなるのかという事がわからない。「今、書きたい」という気分になるのをひたすら待つしかないのだ。他の仕事は、ノリが良かろうが悪かろうが、どうにかがんばりゃできるのだが、エッセイは特別だ。それだけ、集中力がいるのかもしれない。(p201 あとがきより) さくらももこさんの青春エッセイ。ず〜っと眠っていた種が、突然水を含んでふくらみ始め、根を出し、芽を出し、伸び始める。”その時”の描かれ方、それまでの”のんびりだらだら”から一転して、目標に向かって突き進む様は、見事、としかいいようがありません。”時期”を待つこと。見極めること。やるときゃやること。夢の実現の仕方の見本でしょう。さすがです!ももこさま♪ 初めて書き上げた漫画を投稿するべく、封筒を郵便局員さんに差し出すときの心境には、共感の笑みが漏れました*^-^* |
| 2005/ 08/07 |
ベジタブルハイツ物語 (光文社) |
藤野千夜 |
各部屋に野菜の名前がついていることについては、ちょっとメルヘンさん? といつも思っていたけれど、・・・(p89) 二階建て1DKアパートの住民と、その大家さん家族のお話。ナスカの地上絵をチョークでアプローチに描いてしまう、 2のキャロット(二階のC号室)の女の子とか、1のダイコン(一階のD号室)に住む若い夫婦のつましい生活ぶり (実は後で・・)などが、あたたかく、ほほえましく、ときに切なく語られる。言葉や文章を畳みかけるように連ねてゆく書き方が印象的。自分自分自分自分←これは自己主張の強い女の子の形容詞!? |
| 2005/ 08/02 |
狐寝入夢虜 きつねねいりゆめのとりこ (講談社) |
十文字実香 |
【水酔日記みずよいにっき】より 水の中で暴れた後は、身体が芯から切なくなるものだ。手の中で猫柳の実を撫でる様に誰かに優しくされたい人恋しさ、これが鳥子を唆した。(p113) プールで泳いだ後の、あの、ぼんやりと心細い妙な感じ。。その的確な表現に思わず手を打った(心の中で♪) この世は淋しい狐が見ている夢、だそうです*^-^* 眠れぬ夜に数える羊が、”あんな風”だなんて思っても見なかった; 普段は使わない難しい漢字が満載です! ”唆した”←読めますか? |
| 2005/ 07/11 |
ディック・ブルーナ ぼくのこと、ミッフィーの こと (講談社) |
ディック・ブルーナ |
形はあくまでもシンプルであること。そして、余白を生かしたデザインであること。絵につける文は、詩のように短く、言葉の響きがよいものであることが大切でした。(p54) ぼくの絵本の物語は途中にどのようなことがあっても、すべてがハッピーエンドです。・・・略・・・寝る前に読んでもらう絵本のストーリーの終わりがあたたかいものだったら、子どもたちは一日をとても幸福に感じるでしょう。そして心地よい眠りにつけるはずです。これは家庭のあたたかさそのものです。(p98) 自分は自分を客観的に見ることはできません。だから、ぼくには作品を正直に評価してくれる、信頼できる批評家が必要なのです。・・・略・・・この人のアドバイスなら素直な気持ちで聞くことができるという、信頼できる人をもつことは、人生の何よりもの財産になると思います。(p129) 原点見つけたり♪ |
| 2005/ 07/02 |
イトイ式コトバ論序説 (マドラ出版) |
糸井重里 |
表現というのも、そういうふうにたくさんのコトバの素を含んでいる。それを受け止めるキモチよさを求めて、つらいキモチよさも含めて、快いと感じて僕らは表現に向かうわけです。発信する側も、こういうコトバの素のカタマリを僕は作ったんだけども、受け止めてくれるかな、と不安と恍惚という状態で差し出したりするわけです。それが受け止められて返ってきたなと思うときに、うれしいわけです。(p91) 小説家だったら、長いコトバのつながりで物語を混ぜたり、すでに外に意味を持っているものを文章の中に混ぜこんだりしながら、情報量を、コトバの素をたくさん増やして、入り組ませて、ある何かを伝えようとします。・・・略・・・でも、これは直感的にしか言えないんだけれども、いわゆるコトバを生きているだけの素人たちには、「詩の方法」というのがあるんじゃないのかな。(p93) そうか、私の表現方法はきっとまだ素人なんだな。長い物語も書けるようになりたい! |
| 2005/ 06/26 |
あなたと、どこかへ。 乙女座の夫、蠍座の妻。 時速四十キロで 未来へ向かう 本を読む旅 慣れることと失うこと この山道を・・・ 娘の誕生日 遠い雷、赤い靴 夜のドライブ (文藝春秋) |
吉田修二 角田光代 石田衣良 甘糟りり子 林 望 谷村志穂 片岡義男 川上弘美 |
【時速四十キロで未来へ向かう】より ・・・土下座する勢いで謝り倒して帰宅したのち、ぱちんとブレーカーが落ちた。何をするのも嫌になった。ぜんぶぜんぶ嫌になった。(p52)
【娘の誕生日】より 【遠い雷、赤い靴】より 短編小説というのは、気の利いた一節で全体が光るものなんだなぁ。片岡氏の文章は久しぶりに読んだが、相変わらず”乾いています”というコピーが似合いそうで、なぜか嬉しかった。話の内容は集中豪雨なのだけれど*^-^* |
| 2005/ 06/23 |
高樹のぶ子Book (文藝春秋) |
高樹のぶ子 |
【葉桜の季節】桜の花は、人間を狂気と眠りに誘う。花闇という言葉があるが、これは桜のはながたわわに重なり、陽光を遮り、その下に生まれた淡い灰色の、無限のかげりを言う。(p23) 【花火】小郡の郊外の川だった。硝煙が風に流され、そのにおいと人いきれで、頭がくらくらしていた。火が弾けると、足元の草と私のワンピースが、同じ色で輝いた。ギャザーのスカートが、円形に広がっていたも覚えている。(p54) エッセイの魅力はやはり文章の流れや表現の美しさにあると思う。この本は、恋愛小説家として名高い高樹のぶ子氏の文章の集大成。待つ女の哀しみを描いた”子猫”というお話が私は一番好きです。 |
| 2005/ 06/14 |
どんまい!わたし (扶桑社) |
安原宏美/編 いのうえさきこ/漫画 |
【どんまい!心の格言集】脱力弛緩達観系格言 明日できることは今日絶対やらない(研究助手 24歳) 読者から寄せられたプチストレス解消法の数々。特に気にいったのは”ピンクの優しい空気を吸うイメージでゆっくり深呼吸する”というもの。私はグリーンの空気でも良いな、なんか殺菌されそうで♪先にグレーの息を吐きだしましょう、とはセラピー指南の先生の助言です。あれ?これってなんだかたばこを吸うイメージに似てる!? |
| 2005/ 06/14 |
ぼくが愛したゴウスト (中央公論新社) |
打海文三 |
「翔太はほんとにいい性格してる」豊田准陸尉がにこにこして言った。「一つ愉しいことがあれば、三日は機嫌がいいからね」(p184) しまった!表紙と最初のページを見てミステリーファンタジーだと思ったのに。。夜更かししてまで読み急いだ結末は重い。これは、自己認識に関する哲学の書です。 |
| 2005/ 06/14 |
大人の友情 (朝日新聞社) |
河合隼雄 |
夫婦であれ、恋人であれ、それが永続するためには友情を支えとするものであるし、その背後に何らかの断念の構図があると思う。(p165) 実は桜の大木にもなつかしくて手紙を書こうと思ったが、そんなことをすると狂気と思われないかと気になって、やめていた。しかし、結局はそれを狂気と思うような人は友人になどせぬことにした、と。明恵の友情に対する考えがここによく示されている。それによって、彼は島へ手紙を書いたのだ。(p191) 理想は茶飲み友達♪*^-^* |
| 2005/ 06/10 |
窓際の死神(アンクー) (双葉社) |
柴田よしき |
【おむすびころりん】より 「・・・あんたにはまだわからないだろうけどね、子どもを育てるってのはそういうことなの。子供が独立してたまに戻って来た時、昔みたいに世話がやきたいもんなんだよ。そうやって世話をやいて、くたくたになりながら必死でやって来た、っていう過去が、誇りなんだから」(p116)
【舌切り雀】より アンクー(Ankou)というのは、フランス・ブルゴーニュ地方に伝承される死神で、その姿を見た者あるいは愛する者には死が訪れるという。お話の中にお話が入り込む、という物語のそれぞれで、主人公にそのアンクーが見える。人は、死が間近になったとき、なんと真剣に生について考えることか。主人公が吐露する心の闇の部分なんて、ホントに誰でもが持っていることだろう。あまりの符合に笑っちゃうところもあるくらい。苦笑、ですね; それはそれとして、特別の存在として取り上げられている芸術家佐伯祐三氏。その画伯の絵があるという東京駅近くのブリジストン美術館をぜひ訪れたいと思った。 |
| 2005/ 06/06 |
ビトウィン (集英社) |
川上健一 |
・・・とにかく一匹目に釣れた魚は放流する。食べるために釣りをしますのでよろしくお願いします、と許しを乞う儀式でもあるのだ。食べるための釣りを続けているうちに、自然の神様、釣りの神様に感謝する気持ちが大きくなっていき、そのことを示すべきだとごく自然に敬う気持ちがわいてきたのである。(p42) 「ひとつ発見した」と妻が言う。「こういう寒くて身を寄せ合っている生活も捨てたもんじゃないわよね。小さなうれしいことでもものすごくうれしく感じるんだもの。・・・」(p166) 身体を壊して休筆中の作者の、慢性的手元不如意、超極貧生活を綴るエッセイ。でもそれがとても楽しそうなのだ。自然の中で手作りの物やユニークな友人達に囲まれ、健康は回復するし、その結果10年ぶりに書いた小説は賞を獲得するし、で、まさに事実は小説より奇なり!でも絶対奥様の内助の功あればこそでしょう。健気な”ヅキちゃん”の可愛らしさにも注目です*^-^* |
| 2005/ 06/04 |
西の魔女が死んだ (新潮文庫) |
梨木香歩 |
おばあちゃんにはそういう、誰はばかることなく身内をほめるところがあった。そして自分がそれを誇りにしていると、まるで植物に水を遣るかのように、さりげなく伝えることも。(p50) 「悪魔を防ぐためにも、魔女になるためにも、いちばん大切なのは、意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。その力が強くなれば、悪魔もそう簡単にはとりつきませんよ。」(p70) 「春になったら種から芽が出るように、それが光に向かって伸びていくように、魂は成長したがっているのです」(p119) 「・・・サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうをえらんだからといって、だれがシロクマを責めますか」・・・・・・「おばあちゃんはいつもわたしに、自分で決めろって言うけれど、わたし、何だかいつもおばあちゃんの思う方向にうまく誘導されているような気がする」(p162) おばあちゃんの言葉は全て書き留めておきたいくらい、ステキに優しいものばかり。”I know”と微笑んで全てを包み込み許してくれる、そういう大きな存在が、幼い魂(こどもでなくても)の成長には必要なんだなぁ。 |
| 2005/ 05/30 |
家守奇譚 (新潮社) |
梨木香歩 |
すると土耳古の丘の一番高いところにツリガネニンジンがすぅっと茎を伸ばし、薄青の釣鐘型の花を六つ、つけているのを見つけた。ああ、あの鈴の音はここに凝ったのだと得心した。(p58) ――綿貫さんは、だから、桜鬼なんぞに律儀に挨拶されるような境涯にあって、超然としているところがよいのですよ。(p148) 歳時記のような、おとぎ話のような。100年ほど前にはこれが当たり前だったのかもしれないなどと本気で思う。『*初*音*』を読んでこの本を思い浮かべたという方がいらしたのだが(光栄です♪)今回読んでみてなるほど納得。夢とうつつが入り交じった不思議な世界が不思議に思えなくなった頃、読み手は既にこの本の世界に取り込まれています*^-^* |
| 2005/ 05/25 |
ドリームタイム (文藝春秋) |
田口ランディl |
【ピエロ男】より 私はテーブルの上に黒い蟻のように群がっている言葉をおしぼりで拭った。・・・男は肩や胸にへばりついている黒い蟻をぱんぱんと払い落とした。(p13)
【肉の花】より 【ウタキの青い蝶】 精神性とか、霊とか、情念漂うお話の多い中で、私は【ピエロ男】のような淡々とした物語が好き。 ・・・と、書いてから気付きました。これってフィクションを交えたエッセイですね*^-^; |
| 2005/ 05/22 |
いい女 (中央公論新社) |
藤本ひとみ |
詩織は、毎日、いく種類かの夕食を作る。下の娘が、学校から直接塾にまわり、九時過ぎに家に戻るため、塾の自習室で食べられる軽食と、帰宅後に食べるボリュームのある夕食。夫用のおつまみと仕上げの軽い軽食。上の娘は、いったん家に戻って制服を着替え、十五分そこそこで夕食をかきこんで出かけていき、帰ってくるのは十一時過ぎなので、消化のいい夕食と、帰ってきて食べられる夜食。(p94) 「美しくあろうとすることは、そもそも不自然なことなの。自然のいろいろな生物には、それなりの役割があって、種を保存し、寿命が来たら死んでいくでしょう。人間も同じ。自然に任せておいたら、年とともに衰えていくしかないわ。風格は出てくるかもしれないけれど、それは美しさとは違うものよ。いつまでも美しくあろうと思えば思うほど、年をとらないようにしなければならない。つまり自然を拒否しなければならないの。」(p166) 恐ろしくなるほどの自己犠牲で築いてきた家庭。でも家族にとってそれは・・?完全無欠の良妻賢母がある事をきっかけに自己財産のほとんどをエステにつぎ込んでいい女に変身する。極端から極端へ。それこそが優等生 のやり方のように見える。ほどほどがいいけどな。。はい、私は甘い人間です; |
| 2005/ 05/19 |
がんばらないでも幸せ (祥伝社) |
横森理香 |
ヒーラーになった動機は本当に疲れている人、困っている人を助けたい、という気持ちだったのでしょうが、お金や立場を得るにつれ、うっかりゴーマンになってしまったような人も、少なくないのです。「自分は特別だ」という意識で人に手を施すと、その意識は受けた人をもっと疲れさせてしまうのです。それ以前に、カウンセリングの段階で高圧的なことを言われて、気分を害すことだってあります。(p105) 疲れたときには海を見に行く、美味しいものを食べる、友達としゃべる、映画を見に行く。。全身エステも一度は受けてみたいと思っているのだけどな。エステティシャンに気を遣って却って疲れた、なんて話も、そういえば林真理子のエッセイにあったような・・・。自宅でゆっくり身体を休めたら、やっぱり楽しいことを見つけに出掛けたい♪ |
| 2005/ 05/15 |
ユージニア (角川書店) |
恩田陸 |
ノンフィクション?あたしはその言葉が嫌い。事実に即したつもりでいても、人間が書くからにはノンフィクションなんてものは存在しない。ただ、目に見えるフィクションがあるだけよ。目に見えるものだって嘘をつく。聞こえるものも、手に触れるものも。存在する虚構と存在しない虚構、その程度の差だと思う。(p24) あの結末はずる〜い!と思った。なんだか消化不良。でもそうなることもちゃんと示唆されていたと思い直す。そういうことだったのね。 |
| 2005/ 05/13 |
春を嫌いになった理由 わけ (幻冬舎) |
誉田哲也 |
失敗は誰でもするわ。そして誰にとっても、とても嫌な経験だわ。けれど誰でも、一つくらいは、失敗しても進むべき道があるはずなの。もし今、ミズキにそれがないのだとしたら、それはまだ見つけていないからだと思う。もし見つけているなら、迷わず進みなさい。(p73) あなたは他人にどう見られ、認められているかどうか、いつも気にしているでしょう。でも、怯えてばかりのあなたには魅力はないわ。心を、解放なさい。あなたには、あなたにしか見えない世界があるのよ。あなたにしか見えない世界を、あなた自身が認めないというのは、とても悲しいことだわ。心を解放して、あなたはあなたの世界を受け入れるべきよ。」(p73) プロローグを読んだ時にはとんでもない本を借りてきてしまったかと思った。かなりディープな問題にまで触れてきて、でもミステリーを途中で止められる人など希有だろう、上の言葉も気になって最後まで読んでしまった。読後感は”哀しいけれどハッピィエンド”。 |
| 2005/ 05/08 |
モードの方程式 (新潮社) |
中野香織 |
かつてはブルーこそ女の子の色、であった。ブルーはソフトで抑制のある色と見られ、中世においては、ブルーは「本当の恋人」「忠実な召使」の色とされていた。一方、ピンクは激しい色、血の色である赤が薄められた色とみなされ、それゆえに、男の子にふさわしい色と見られていた。(p94) なるほど、「姫は待ち、王子は姫を解放するために戦う」という男女の役割分担をきっちりと果たさねばならないおとぎ話の人物が着るべき最もむかしの衣装としては、性差が一目でわかるようになった十四世紀スタイルが最適というわけだ。(p96) 服飾にまつわるエトセトラ。コラムごとの締めが光ってます。小気味よいツッコミも多々有り。”ワイシャツの裾をズボンから出してはいけない本当の理由”・・・知ったらきっとびっくりしますよ^^; |
| 2005/ 05/03 |
工学部・水柿助教授の 逡巡 (幻冬舎) |
森博嗣 |
大勢の知らない人たちに好かれなくても、身近な数人に好かれていれば、生活は充分に楽しいのではないか、と水柿君は考える。ただ、本の売り上げは気になる。気にはなるけど、これはK談社の仕事であって、水柿君としては、唐本さんと宇矢野さんの二人が喜んでくれたら、それで良い、と思えるのだ。(p127) 教室で講義をするときには、少なくとも3分の1は寝ている。起きて目を開けている学生でも、その半分は、死んだような目をしている。こちらも見て、話を聴いているな、という顔をしているのは、だいたい数名で、全体の一割程度だ。これが、人間のコミュニケーションの一般的な状態だと水柿くんは考えている。だから、自分の話したことの一割が伝われば、まずまず成功と思わなければならない。伝わるだけで一割である。伝わったうち半分は誤解をするから、真の理解が得られるのはさらに半分。五パーセントくらいだろう。消費税と同じだ。比較してもしかたがないが、世の中とは、だいたいこんなものである。(p210 小説などほとんど読んだことのない大学の工学部の助教授が、あるきっかけからミステリー作家になってしまうお話を、たぶん作者自身とだぶらせてかなりだらだらと(ただしラストの締めはしっかりと)描かれていた。それが作者の手法だと思うし、読む方もかなりのんきにだらだらと時間をかけて読み終わり、そして思った・・・本は出したいけど、小説家にはなりたくないかも。ちなみに助教授の奥様は大の読書好きでミステリー好きだけれど、ファンタジーは許せないらしい。そういう人もいます。 |
| 2005/ 04/23 |
イケズの構造 (新潮社) |
入江敦彦 |
京都人は言葉を「言って良いことと悪いこと」だけでなく「言って楽しいこととツマらんこと」に分類しているような気がします。(p19) 京都人を喜ばせるにはイケズだーー千年前、すでに気がついている人がいた。その段階における《京都人》は殿上人に限られていたけれど、結果的に彼女は正しかったわけですね。今日の京都人が碁盤の目の上で交わしているイケズのパターンはみんな「源氏物語」に記されていて、平安人と同じツボで私たちも共感することができる。(p84) イケズは意地悪でも皮肉でも ない?内輪と認めてるからこそのイケズ?言葉が洗練されている京都人ならではの技ですね。ただ、私みたいに鈍いとイケズをそのまま受け取って”ありがとう”と言ってしまいそうです。参った?*^-^* |
| 2005 04/18 |
わかることはかわること (河出書房新社) |
佐治晴夫 養老孟司 |
養老氏:文章が難しいとかやさしいとか、内容がどうとかいうことよりも、何よりもまず効いてくるのはリズムじゃないかと思うんですよ。(p39) 佐治氏:いかに美しいか、いかに無駄がないか、いかに単純か、という三つが数学のほめ言葉なんです。だから「夕日を見てきれいだと思わないやつに数学はわからないよね」ということになります。数学はある意味ではポエムなんです。(p185) 紙の雪を雪らしく降らせるのも物理、1:√2は美しい、マイナスxマイナスや分数の割り算、さらには虚数というものがきちんと空間認識できる、という方々のお話はところどころわかり、けれども1/fのゆらぎ、などの物理用語が飛び交うあたりは、畏れ多くもとばし読みさせて頂きました。だから文系理系を分ける教育は・・・となるのでしょう; |
| 2005/ 04/11 |
絵本を作る (ブロンズ新社) |
五味太郎 |
そして、なにしろこの情報社会ってやつでしょ。自分で考えたことなのか、他人が考えてそれをどこかで聞いたことなのかもよくわからないし、テレビで見たのか実際に見たのかもはっきりしないのが普通の暮らしの状態なんだから、これがイメージだ、みたいに力をいれる必要もないのさ。イメージなのかな?具体的なのかな?あたりでやってればいいのね。やってるしかないのね。(p17) つまり、真似っこするのさ。いいなあと思ったやつを。「いいなあ」と思った自分は、とりあえずその感受性においてその作品なりをクリアしたという理解のもとに、その「いいなあ」のいいなあ部分を、自分のものにする、利用する、使う、という構造ね。(p19) トーンダウンするのわけね。絵があるゆえにトーンが下がるのな。・・・「かえるとキスするお姫さま」なんて、もう絵で説明してくれなくてもいいのさ。しないほうがいいのさ。(p167) 五味節です。なんだか絵本なんか簡単に作れる、みたいな書き出しだけれど、読んで行くに連れて氏のこだわりが色濃く表れてくる。とりあえず、でも、やっぱり、ぜひ!作りたいな〜絵本!! |
| 2005/ 04/07 |
夢をかなえる オーダーメイドの方法 (幻冬舎) |
藤沢優月 |
ライティングの技術を教えてくれたのは、わたしをターニングポイントに投げ込んでくれた、例の友人編集者。文章に何度も赤を入れて、「ここが強みだから大切にしたほうがいい」「この表現は輝いている。音と匂いがするみたい」、ごつごつの原石だった「わたしの文章」を見つけて、ピカピカに磨くのを手伝ってくれました。(p55) でも、直感の声ではわかっていました。もし「雑誌で得意分野をつくって、ライターとして独立してから単行本を出す」なら経験は積めるかもしれない。でもその間に、スピリットが死んでしまいます。それより「今、この瞬間」に生き生きとしているスピリットを尊重することが大切では?少なくとも、直感に従ったことは間違っていないのでは?(p118) ターニングポイントで起こるさまざまな不思議な出会いや出来事、それは経験上からも十分に納得できる。直感を信じる、流れに乗る、すると必要な人や物に必ず巡り会える。。勇気を持って自分サイズの夢を叶えよう!(折しも、私の作品をある編集者の方に、それもあの方がいいなと内心願っていた方に評価して頂くことができ、まさにこのことを確認した形になりました♪) |
| 2005/ 04/01 |
真夜中の五分前 side-B (新潮社) |
本多孝好 |
僕は枕もとの目覚まし時計に目をやった。11時55分。だったら世界はもう明日を迎えているのだろう。世界から取り残された五分が静かに僕を包んでいた。(p170) side-Aを読んだときに、じゃぁside-Bもあるのかしら?と思ったが、はい、当然ありました。真夜中に浮いた”五分”の使い方が好き。 |
| 2005/ 04/01 |
靴に恋して 赤い靴のソウル サイズ スニーカーと一本背負い ハイヒール 空に星が綺麗 わたしと同じ靴 冷たい部屋 「それは彼の靴」 (ソニー・マガジンズ) |
谷村志穂 野中柊 斉藤綾子 横森理香 狗飼恭子 山崎千里 甘糟りり子 やまだないと |
【冷たい部屋】より もう部屋は冷たくなかった。この部屋に涙を流すピエロは似合わない。(p233) 靴をテーマにしたオムニバス形式の短編集。文章の好みって確かにあると思った。 |
| 2005/ 03/08 |
コイノカオリ 水曜日の恋人 最後の教室 泣きっ面にハニー 海の中には夜 日をつなぐ 犬と椎茸 (角川書店) |
角田光代 島本理生 栗田有起 生田沙代 宮下奈都 井上荒野 |
【海の中には夜】より 電車の窓から見た海とはまるで別物のような、巨大な海が視界いっぱいに広がっていた。近くで見ると、さっきより色がくすんで見える。うねるようにこちらへ向かってくる波は、砂浜に打ち付けられて瞬時に白い泡へと変わっていく。何かを飲み込もうとしているみたいだ。(p156)
【日をつなぐ】より 著者それぞれの特徴ある文章が面白く、的確な表現に心を動かされる。装丁もとても美しい。夕映えのフィレンツェに舞い始めた雪は暖かなオレンジ色に滲んで、あたかも恋する女性の心象風景のよう。 |
| 2005/ 02/22 |
遺伝子が解く! アタマはスローな 方がいい!? (文藝春秋) |
竹内久美子 |
動物は自分の遺伝子を(直接、間接的に)残すために行動する。種は結果として残っているだけなのです。(p109) 読者が寄せる質問に、非常に科学的かつ論理的に、時には遺伝子レベルで回答をしてくれている。特に興味深かったのは、鳥は飛ぶため(体重を軽くするため)にDNAの数まで減らしている、渡り鳥は星を指標にして夜でも飛べる、北枕よりも南枕の方が身体によい(地球磁気の関係)、雑草は抜くほど生える(土の中で発芽の時期をじっと待っている)、遺伝子の優劣の関係により九州ではテントウムシといえばフタホシテントウ。本当ですか!? |
| 2005/ 02/16 |
バランス力のある人が、 成功する。 (ダイヤモンド社) |
中谷彰宏 |
1万人のイベントで100人しか来なければ、その100人で盛り上がったという「事実」をつくり出します。1人も来なければ、1万人来たことにします。(p28) 他人の助けを払いのけるのは、「他人を信じていない」ということです。風がないから船が進まないのではありません。風がない時は、自分で漕げばいいのです。自分で漕ぎ始めると、「こいつも自分で漕いでいるから、ちょっとぐらい風を吹かせてやろう」と風が吹いてきます。風が吹いてきたら、今度はその風を信じることです。風を利用して助けてもらうことも、船を進めるためには大切です。(p45) まじめすぎる人、落ち込みやすい人、、、のために書かれた本だそうです。え?私!?特に、1人も来なければ・・・の論理には唸らされました。なるほど!誰も知らないのだからこういうのもありなんだ!!”風”については最近身をもって体験しているところです。吹いてくれる風に大いに感謝です! |
| 2005/ 02/08 |
今がいちばんいい時よ (メディアファクトリー) |
ターシャ・テューダー |
エプロンは、両手では持ちきれない果物や、卵や、花を運ぶのにも使えるし、ちょっと手をふいたり、お客様が見えたとき、急いで調理台の上の屑を払うのにも使えます。最近は、エプロンを使わない人が多いけれど、こんな便利なものをどうして使わないのかしら。(p147) ターシャ・テューダーの本を読むと時間がゆっくりと流れます。いえ、ゆっくりと流れる時間に身を浸したいとき、彼女の本を読みたくなるのかも。 |
| 2005/ 02/07 |
ジブリマジック (講談社) |
梶山寿子 |
「一度脚光を浴びたもの、もてはやされたものには、必ず終わりが来る。ジブリだってそう。人はそのうち飽きるし、いつかは終わりがくる。そのとき、しがみつくのはみっともない。何が起こっても正気でいたいし、自分が正気でいられることが、いちばん大事なことだと思っています。」(p.223) 徳間書店の”窓際族”で作った雑誌は思わぬ大ヒットとなり、金食い虫だったアニメ・スタジオは親会社の借金をせっせと返済する”孝行者”に成長した。そして、「ドジオくん」と呼ばれていた青年は、世界が認める映画プロデューサーになった。かくも世の中はわからない。だから世の中はおもしろい。(あとがき) 宮崎駿氏とジブリのアニメ映画が好きだ。それを支える辣腕プロデューサー鈴木敏夫氏の仕事ぶりとは。気に入った人と仲間を組み、高校の部活のような感覚で作品を創り、世に送り出す。出したい企画がなくなったらその時点で解散したい、ときわめてシンプル。今、ジブリは大きく重くなりすぎたから、もう辞めたいという会話も宮崎氏との間では出ているとか。みんなのためではなく、特定の誰かのために作品を創ろうと思ったらそれもありかも知れないと思う。好きなテーマを好きなように作る。それこそが創作の喜びだから。 |
| 2005/ 02/04 |
真夜中の五分前 side-A (新潮社) |
本多孝好 |
「時計は全部、五分送らせることにしてるの」慌てて着替える僕をベッドから起き出しもせずに眺めながら、水穂はのんびりとそう答えた。「だって、人より、ちょっと得した気にならない?あら、あなたはもう十時なの?私はまだ九時五十五分よって」(p64) この発想ってすごい。そして、そんな彼女を失った”僕”の時計は六年間ずっと世間から遅れたままだった。その遅れを強引に取り戻してくれるのが”一卵性双生児の宿命”を担った女性。自分と全く同じ遺伝子を持った人間がいる、というテーマは偶然前に読んだ川上弘美の”一実ちゃんのこと”でも扱われていたので、読み比べる楽しさがあった。 ストーリーとは全然関係ないけれど気になったこと・・・Dm7→G7ときたらC7、と書いてあったんだけれど、Dm→G7→Cじゃないのかな?調べてみなくちゃ! |
| 2005/ 02/02 |
Teen Age 神様のタクシー 狐フェスティバル 春休みの乱 イモリのしっぽ ハバナとピアノ、 光の尾 Inside 一実ちゃんのこと (双葉社) |
角田光代 瀬尾まいこ 藤野千夜 椰月美智子 野中ともそ 島本理生 川上弘美 |
【狐フェスティバル】より 「そんな予備知識、無駄やって。三崎が標準語しゃべってようが、ばかって言おうが、なんちゅうの、チョベリバとかわけわからん若者言葉しゃべってても、お前がいいやつやったら、きっとうまくやっていけるって」(p84)
【イモリのしっぽ】より ブレザーをハンガーにかけたら、雨に濡れた制服の匂いがした。独特の、学生にしかわからないこの匂い。中学校生活がぎっしりと詰まった濃すぎる匂い。雨に濡れたとたんにじわじわと染み出してくる、すえたような湿気を帯びたほこりの匂い。(p147) 10代を主人公に据えた物語7話。年齢を超えて共有できる感情、さすが10代は感受性が豊かだなぁと思う場面、そうそう、そうだった!と手を叩きたくなる表現。好きだと思える作品は、どこかに今までの自分と重なる部分を持っている。だが、共感できなくても感動できる話があるのは、やはり作者の筆の力? |
| 2005/ 01/22 |
ラブレター (講談社) |
いわさきちひろ |
あまりにもつりあわない――いゝえつりあう。三十年来私はこんなに人を愛したことはないもの。年齢は問題ではない。愛しているとゆうことはもっともつりあうとゆうことなのだ。彼がいなくては絵がかけない。絵をかける状態にしてくれる人、それは善明。だからこそもっとも善明は私につりあう人だ。(p19) 童画は、けしてただの文の説明であってはならないと思う。その絵は、文で表現されたのと、まったくちがった面からの、独立したひとつのたいせつな芸術だと思うからです。(p228) ちひろの絵が好きでした。若い頃の驚くほど情熱的な彼女、その儚げな画風から想像もできなかった。自分の子を叱ったことはないというちひろ、こどもが大好きでこどもの、それも幸せそうなこどもの絵しか描けないというちひろ。やさしさの陰に主張を秘めた彼女の絵は、これからもずっと私の憧れ。 |
| 2005/ 01/21 |
オムツをはいたママ (グラフ社) |
安藤和津 |
「血液をサラサラにするのはタマネギがいい」というので、タマネギとワカメが入った味噌汁はわが家の定番になった。それにお豆腐やエノキダケも入れて、具だくさんのお味噌汁にする。母は、「具だくさんは田舎っぺのごちゃっぺだ」と言って怒る。(p173) 私が赤ちゃんのとき、母はせっせとオムツを替え、離乳食を作って食べさせてくれた。桃子とさくらのときもそうだ。私だけが大変なのではない。人は皆繰り返しで、やってもらったことをお返ししているだけなのだ。(p203) 一日でも、一分一秒でも母が幸せに生きられますように。介護とは愛なのだと私は思う。(p223) しっかり者で人一倍プライドの高かった母親が壊れていく。それも20年間も黙って抱え込んでいた脳腫瘍のせいで。その時から娘とその家族の献身的な介護が始まる。在宅介護の厳しさ、 今の介護制度への疑問などを訴えながらも、一番柱になっているのは家族の絆、愛の深さであると思った。お母さん、元気でいて欲しい!! |
| 2005/ 01/06 |
星の神話・伝説図鑑 (ポプラ社) |
藤井旭 |
冬の星座たち おおいぬ座の口もとで輝く、全天一の輝星シリウスの名の意味は、”焼き焦がすもの”というギリシャ語のセイリウスに由来するものです。夏が暑いのは、太陽とシリウスがならんで輝くからだと古代エジプトなどでは信じられ、ローマやヨーロッパではその時期をドッグ・デイズ(犬の日)とよび、厄払いをしたといわれます。なお、シリウスがあんなに明るいのは、私たちから8.6光年という近さにあるためです。(p127) 星好き神話好き絵画好きさん( <私?)なら絶対手にしたくなる本。幼い頃あちこちで読んだり聞いたりしたお話がここに集められているばかりでなく、それにまつわる古今東西の絵画写真、星座や惑星に関する科学的知識なども満載です。折しも、マックホルツすい星が地球に最接近中で、10日頃までは昴の近くに肉眼でも観られるとか。ロマンチックな星物語はこうして続いていくのですね。ところで!新しいすい星は発見年の符号のほかに、それを発見した順に3人までの名前で呼ぶのが習わしとか。。ほら、あなたも夜空を見上げてみたくなったでしょう?*^-^* |