「縫う」から「ぬいぐるみ」。「あみぐるみ」はその編み物版だ。
ここ数年、20、30代の女性を中心にじわじわ広まってきたこのあみぐるみ。映画やビデオに登場したり、CDや本のジャケットを飾ったりしたこともあって、昨冬にブレイク。小物好きの女子高生は、手のひら大のものをバックやケータイにぶらぶらさせている。
小さくてすぐにできあがるので、手編みにありがちな「執念」や「忍耐」とは無関係だ。しかし、上手につくるのは意外と難しく、手作りゴコロを刺激する。このバランスが微妙でよい。
難点は「編み物」のイメージ。いくらコットン毛糸でも、これからの季節、編み物はちとツライ。が、そのおかげで一過性のブームではなく、「手作りの定番」の一つとなる気配も見せている。
1999年6月7日 『よいこの今ドキ語』 毎日新聞東京本社版朝刊11面
松田美佐 まつだみさ
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