「一九九九年七の月」

 いよいよ一九九九年七の月に入った。ノストラダムスが「空から恐怖の大王が降ってくる」と予言したといわれている月だ。
 五島勉氏の『大予言』シリーズが話題を集めてから25年あまり。核兵器、巨大彗星、超光化学スモックとその時々の社会的関心事が「恐怖の大王」の正体と名指された。近年ではダイオキシンや2000年問題だ。20代から30代の関心は高く、オウム真理教が信者勧誘の手段として利用したという。
 しかし、関連本は早くも4月頃から「さらばノストラダムス」「ノストラダムスよさようなら」と、すでに過ぎたかのような扱い。関心はそう高くない。初めから誰も信じてなかった??のか。もっとも、「予言自体ではなく、解釈が間違っていただけ」との悪あがきも多く、静観はできない。

1999年7月5日  『よいこの今ドキ語』  毎日新聞東京本社版朝刊4面

松田美佐 まつだみさ  

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