1000年前の「ヘイアンチョウ」からやってきた5歳の妖精貴族。「だんご三兄弟」に続いて注目を集めているNHK教育テレビ発のキャラクターである。
子供向け番組の主人公なのに、まったり、のんびり、ゆっくりがモットー。体力がないので、少し歩くと「おぶってたも」。他人に頼り切っているのに、かなり自分勝手。マイペースな怠け者でもある。しかも、そのあたりを追及されると「まろはみやびなお子さまゆえ」「まろはかわゆいからのお」と開き直る。なのに、なぜだか憎めない。
「たれぱんだ」や坂本龍一の「エナジーフロー」の流行から、今年のキーワードとして「癒し」が挙げられている。「子供らしく」ないおじゃる丸人気の広がりも、この路線なのかもしれない。
1999年8月30日 『よいこの今ドキ語』 毎日新聞東京本社版朝刊4面
松田美佐 まつだみさ
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