企業や公的機関などの組織から受けた「理不尽な処遇」を、広く世に問いかけることを目的として個人により作られたHP(ホームページ)。アフターサービスの対応が問題とされた「東芝事件」以来、ネット界でブームの観がある「情報のゲリラ戦」だ。
個人による匿名の情報発信が可能というHPのメディア特性を十二分に活かし、既存の情報チャンネルに載り得ない情報流通を促したと高く評価される一方、「言ったもんがち」の情報発信はスキャンダリズムにつながり、ひいてはメディアとしてのHPの可能性を狭めると危惧をいだく人も多い。
問題解決には同じ土俵での議論が望まれるところだが、「ゲリラ戦」であるがゆえに、その土俵をどこに設けるのか、これがまた大きな問題なのである。
1999年9月27日 『よいこの今ドキ語』 毎日新聞東京本社版朝刊4面
松田美佐 まつだみさ
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