別名、「ワンプチ」ともいう。
新しい携帯電話を持った知り合いの女子高校生が私に向かって「ベルを鳴らすけれどとらないで」と言った。何をしているのかと尋ねると「ワンコールの練習をしている」という。
ワンコールとは、若者たちが、仲のよい友人同士で一度だけ相手の携帯電話のベルを鳴らすあいさつのこと。着信時に自分の名前や電話番号を表示させることで、状況によって「元気?」という意味になったり、「電話をかけてくれる?」という意味になったりする。
仲間を大事にしたいが、そうそう交際にお金をかけられない若者が考え出したものだ。仲間とつながっていたいという気持ちが、経済的制約を超えさせたところに、若い消費者の賢さがみえる。
1999年11月8日 『よいこの今ドキ語』 毎日新聞東京本社版朝刊4面
羽渕一代 はぶちいちよ
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