ディーバとはラテン語の「女神」に由来する言葉で、本来はオペラなどのプリマドンナを指す。だがディーバ系という場合は、MisiaやUAを筆頭に、クラブシーンから人気を博したR&B系の女性歌手に使われている。
　彼女たちに共通するのは、生命感あふれる歌声。そして多くの場合、自作の歌詞で若い世代のリアルな生活感覚や心の内面に訴えかけるような内容を歌っているところがその特徴である。
　この業界の常で最近は粗製乱造の傾向もあるが、確固とした才能を感じさせる者が少なくないのもたしか。前世紀末のディーバたちになぞらえれば、はたして時代のアダ花と消えるのか、あるいは歴史に名を刻む文字通りの「女神」として君臨するのか。それぞれの個性が試されるところだろう。

1999年12月14日　　『よいこの今ドキ語』　　毎日新聞東京本社版朝刊12面

岡田朋之　おかだともゆき　　

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