「メディア・リテラシー」

 「メディアを通じて情報を批判的に読み取ったり、創造的に表現したりするための総合的な能力」のこと。インターネット教室の流行で、パソコン操作のハウツーと理解されたりしたが、もっと複合的な概念。「インターネットができる」だけではなく、受け取った情報をきちんと吟味したり、自らホームページやメーリングリストを通じて情報発信したりといった、相互に関連する能力を指す。
 「リテラシー」が必要なのはマスメディアも同じだ。批判的にテレビや新聞に接触するといえば、何となく小うるさく感じるが、ケチをつけるのではなく、建設的に受容、解釈すると考えればよい。
 要は主体的にメディアや情報とかかわる姿勢と能力。周囲に流され「教室」に通うのは、実はメディア・リテラシーの対極にある。
(東京大学社会情報研究所助手)

1999年5月10日  『よいこの今ドキ語』  毎日新聞東京本社版朝刊11面

松田美佐 まつだみさ  

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