ニッパー選びの総論としては、「三千円程度(2024年だと4000円ぐらいか)の片刃ニッパー」に落ち着きましたが、私には疑義があります。
一時期は、ニッパー?ゴッドハンドでしょ。と言う、半可通。似非、などが幅を利かせておりましたが、こういうのって「カメラ?ライカでしょ」「バイクは、やっぱハーレーだよね」みたいな、良く知らないけど知ってるブランドあげとけ。みたいなもんです。
片刃ニッパーの欠点
・刃が薄い
利点でもあるんですが、刃が薄くて切れ味が鋭いこと。なんですが、これは裏を返すと、脆い。と言う事。
デザインナイフの刃の寿命を知っているならば、自明のハズなんですが、プロの人でもあまり触れなかったりする話題。
それに伴い、薄刃の片刃ニッパーの説明書には、厚さ三ミリ以下とか四ミリ以下とか上限が設定されています。
3-4mm普通でしょ。と言う人はリバイブ以降のガンプラしか作ったことが無いと言えるでしょう。これをコンスタントにクリアしているのは、驚異の技術力のバンダイの楔形ゲートぐらいなもので、確定なのはタッチゲートぐらいです。
楔形ゲートも薄いところでクリアしているだけで、5ミリを超すところも結構あります。
私が作った中では、2000年発売のHGABビアレスには、5ミリ程度のゲートがそこかしこにありました。海外製だと、パーツより太いゲートは普通にあります。 後述しますが、薄いところを切ろうとしても、刃が入らない事態は多発します。
・片刃である
当然片刃なんで、刃の反対側はまな板です。つまり、このまな板側をパーツの合わせ目側にもっていかないと、片刃の意味がありません。逆にしてしまうと、パーツ側に白化のラインが入って、処理が手間になります。
気を付ければいいんでしょ。と言う人もいるかもしれませんが、ランナーの配置上、まな板が合わせられなくなる事態は多発します。二度切りすればいいじゃん。と言うのも半可通で、ゲートの厚みでギリギリなのに、さらに太い根本やランナーを切ると、一発で終わります(特に、アルティメットゴットハンド)。
このことに触れているサイトは少数で、nipper(ウェブメディアの方)で、右利き用と左利き用の片刃ニッパーを揃えると、まな板の位置合わせが出来て便利。とか、ヒューイアンドデューイの日記(HLJの企業ブログ)で、太いゲートのキットを紹介するときに、薄刃は避けた方がよろしいかとと記載されている程度でした。
つまるとこ、片刃の薄刃ニッパーは、かなり繊細な道具ですので、よくわからない初心者だと、すぐに刃を潰してしまう可能性が高く、刃を潰したことも気が付かずに、使い続けてしまう危険性があります。
結局オススメは
上記二点から、私が勧めたいのは、タミヤ 精密ニッパー(クラフトツールNo1)です。…私買った時1500円もしなかったのだけど…
タミヤブランドなので、入手性が高く、品質も担保されている。
両刃なので、刃の向きは考えなくても済みます。切れ味に関しては、一度切りでは差が出るが、二度切りするなら差はない。という感じです。デザインナイフで処理をする人なら、一度切りでも差は無いです。
刃の強度は圧倒的なので、少々乱暴に使っても大丈夫。ランナー切っても大丈夫ですが…長持ちさせたいなら避けるべきかと。
当然、タミヤがニッパーを作っているわけではないので、どこかのOEMな訳ですが、片バネであることを見ると、このつくりはツノダっぽいんですよねぇ…ミネシマはL字バネを背面にガッツリ入れる傾向があるので。まぁ、名もなき町工場製かもしれませんが。
ちなみに、ゴッドハンドはツノダの子会社から始まってます。社長の息子さんが、一般販売部門の部長になったが、売るものがなく(笑)て、検品落ちしたニッパーを研ぎなおしたのが発端とか。つまるところは、刀鍛冶がツノダで、研ぎ師がゴットハンドということですか。
現在は2700円程度するようなので、ミネシマのベビーニッパー もオススメ。1コインで買えます。
模型作りを趣味にするか分からないけど、始めたいという人や、お子さんの初ニッパーにオススメ。
当たりを引けば、精密ニッパー並みの切れ味で、音もなく切れますが、HGガンプラ2体も作ると、パチンとなり始めます。
刃先も平坦で薄く、隙間に入りやすいですし、ベビーというぐらい小さいので、手の小さい人だけでなく、取り回しやすいので普通の人にもオススメ。
なお、このパチンという音は、プラスチックが割れる音ですので、確実に白化しています。
切れ味が落ちたら、研ぎなおせば復活します。研ぎは百均のダイヤモンドヤスリ(研ぎ用ではなく、普通の三本セットのヤスリ)がオススメ。まぁ、2パーツも切ったら、戻ってしまう研ぎですが。
まぁ、切れ味が落ちたら、乱暴に扱う用のニッパーすればいいわけで、無駄にはなりません。持ち手が無いのでランナーごと切り出すことはよくありますから。
歳をとってから始めるときは、衰えた分を道具に補ってもらうべきですので、タミヤの薄刃ぐらいから始めても良いかもしれませんが…切れ味が落ちたかどうか、分かるぐらいの技量になってからの方が良いと思うなぁ…刃がダメになったまま使い続けてたりするし。
道具に関しては、安物を使い続けるのも愚の骨頂ですが、高いものが良いものというのも、また愚か。ブランド代で高いだけのもは、そこかしこにありますし、無駄に高級品を買っても、道具に振り回されるだけです。
初心者は、道具の良しあしが分かりませんし、扱い方が分からないので、頑丈なものを買うべきで、道具の善し悪しが分かるようになったら、中級者と思います。上級者は、道具にあった使い道を見つけるという点で、道具を選ばなくなります。
なので、ちょくちょく、中年からはじめる趣味の道具は、高いものを買え。という人のブログを見ると、金にモノ言わせた下手の横好きが多いです。本人は楽しそうなんで、良いですけど(ね、永江さん)。
あ、あとオプションとして、ニッパーキャップを購入しておくことも、勧めます。むき出しだと錆びやすいですし、尖っているので保護しておいた方が良いです し。ボタン付きは意外と邪魔なので、無しで良いと思います。工事の人みたいに屋外に持ち出すわけでもないので。
Amazonアフィリエイトのリンク貼ろうとしましたが、どうにも機能してないので、止めました。別に稼ごうとも思ってないしねぇ。代わりに、ヨドバシに直リンかますw…しかし、こうしてみると、Amazonって、ぼったくり増えたな……けど、なんか悔しかったので、Amazonリンク成功させました。クラフトツールno1はAmazon行きです。