序章


プールではあった肖像画は無くなってしまった。寂しい気もするが、イメージに合わないのも悲しいので、まぁ、無くなって正解か。プール・オプ・レディアンスやヒルズファーは、持っていないので、カースから制作することになる。

本作カースで、作成したキャラクターは、専業で5経験レベルから始まる。プールをクリアしていれば、7レベルにはなっていること考えると、少々ハンデがある。ここは、能力値を調整して、強めのキャラクターにさせて貰おう。ちなみに年齢は、かつてに決まる。

実際には、ハーフリングを加えたかったのだが、AD&Dでは、ノームとハーフリングは、専業盗賊以外なりようがない。この2種族は、戦士の限界レベルが低く、また、魔法は使えないので、マルチクラスにしてもあまり意味がない。実際のテーブルトークならば、盗賊としての活躍の場もあるが、行動が限定されるコンピューターゲームでは悲しいかな、活躍は出来ない。

何しろ、コンピューターは手加減などしてくれないのだから。


・パーティ紹介

・ルー(ルドヴィック・クレイソン)
レンジャー 人間 男 21歳 カオティック・グッド

ん、カオティックで、グッドなんて矛盾してるって?。別に、カオティックは悪じゃない。法を遵守しないだけだ。そもそも、国には国の、街には街の法がある。森には森の法があって、それが、国や街の法律と、整合しないだけさ。森の秩序に従わないあいつらの方が、カオスだと思うがね、俺は。


・エオルフィン(エオルフィン・ロザリス)
聖騎士 人間 21歳 男 ローフル・グッド

法と秩序。それを遵守してこそ、人は幸せになれるのです。そして、秩序を乱し、他人のささやかな幸せを奪うことで、自分だけが幸せになろうとする物に、神の鉄槌を下すのが、パラディンたる私の使命なのです。


・ガラド(ガラド・ベファント)
戦士/盗賊 ドワーフ 60歳 男 ニュートラル・グッド

戦場では戦士、遺跡では盗賊。ドワーフってのは、元々、そう言う種族さ。ドワーフは壁?、猪戦士?、そいつは一部の話さ、ドワーフは、他の誰よりスマートな冒険者なんだ。


・ミランダ(ミランダ・エリオット)
僧侶 人間 女 20歳 ローフル・グッド

信じるモノは救われる。これも、主ゴンドのお導き。改心なさい。え、装備と金をおいていったら考えるですって?。鉄の懺悔が必要なようですね…やだわ、マントに返り血が…取れるかしら。


・イエナ(イエナ・ティスムーン・ナーディア)
魔法使い/盗賊 エルフ 女 160歳 ニュートラル・グッド

本来は、D&Dのエルフらしくするために、戦士/魔法使いにしたかったらしいんだけど、エルフの戦士の成長限界、意外と低いのよね。盗賊なら、無制限だし。それに、盗賊一人じゃ心許ないし、戦士/盗賊だと、鎧を脱ぐ必要あるけど、魔法使いなら、装備のことは考えなくてもいいしね。


・ルファーム(ルファーム・オブライエン)
魔法使い 人間 男 30歳 ニュートラル・グッド

このパーティーの欠点は、僧侶魔法の数ですかね。聖騎士も高レベルなら使えますが、そこまで耐えられるかどうか。まぁ、AD&Dでは、戦闘中に回復させるのは、即死を避けるのがメインですから、何とかなるとは思いますが、回復に時間がかかると、ランダムエンカウント確率が…え、キャラクターのセリフじゃない?。一人はこういう解説役がいるんですよ。


パラディンの特殊能力「回復」は、24時間に1回、経験レベル*2の分だけ、HPを回復してくれる。キュア・ライトウーンズよりも、回復量は多いし、安定しているのだが、24時間に1回という回数と、戦闘中には使えないという欠点がある。

宿屋での回復も、宿泊による回復ではなく、僧侶魔法による回復と、魔法の記憶を繰り返すことで回復させるので、キュアの数が回復スピードを決めることになる。安全な場所ならば問題ないが、ギリギリ、魔法を覚え直す時間しかキャンプできない場所がほとんどで、一戦ごとにHPがボロボロになりがちな、このゲームでは、キュアの数は、難易度を決めると言えなくもない。

解決策としては、レンジャーではなく、ハーフエルフの戦士/僧侶を入れるか、僧侶で始めて、開始直後、戦士に転職し、デュアルクラスにするという手もある。5レベルくらいならば、ティルヴァートンを出る頃には到達しているだろう。 しかし、転職した後は1レベル戦士で下水を乗り越える必要があり、難易度はかなり上がるので注意。下水道の秘密訓練所で転職する手もある。ハーフエルフの僧侶上限は低く5レベルまでだが、それでもキュアの数はパラディンより遙かに多い。

ちなみに、レンジャーの能力は、ドワーフの能力と被っているところが多いので、あまり優秀とは言えない。ヒットダイスも1D8(実際は1レベルレンジャーのヒットダイスは2d8だが)と、戦士よりも低い(戦士は1D10)。また、ドルイド魔法も、カースの範囲で、実用に耐えるのは、ディテクトマジックぐらいだし、魔法使い魔法も、カースの制限レベルでは、1レベル魔法が2個だけ(そして多分、上限である11レベルに到達するためには、かなりの努力が必要と思われる)。カースには、巨人系種族はあまり出てこないので、レンジャーは、趣味のクラスと言える。

と思っていたのだが、最後の最後で、レンジャーを入れた事を神に感謝することになるのだが。


イエナ:きゃー、なによ、コレ。
ルー:入れ墨…か。なにかの紋章のようだが…しかし、青く発光してるな。
ミランダ:神に捧げた私の身体に入れ墨など…
ガラド:入れ墨と言うより、皮膚の下に埋め込まれたようだな…皮膚を動かしてもよれないぞ。
ルファーム:僅かに魔力を感じますね…

エオルフィン:宿屋の主人によると、赤いローブの人が運んできたそうですが
イエナ:一人あたま300pp(白金貨)のプレゼントか、物取りじゃないことは確かだね。

ルー:ここで、推理しててもも始まらん。一人で解決できるとも思えん。これもなにかの縁だろう。
エオルフィン:そうですね、手を組みましょう
ミランダ:他のみんなも無事だと良いのですけど…
ガラド:他?
ミランダ:ええ、私たちのパーティーは、ナカシア王女を捜索していて、襲われたものですから…
イエナ:きっと、無事さ。他の街に、きっと送りつけられてんだよ

ガラド:とにかく、丸腰では落ち着かん。武器屋へ行こう。
ミランダ:この向かいが武器屋だそうですよ。

武器屋:コアミア1の剣がおいてあるぜ、どうだい、一振り。

ルー:とりあえず、予算はコレだけだ。ドサドサ
ガラド:まとめておくと買い物は便利だが、戻すのを忘れて、文無しになるのはゴメンだぞ。さて、ドワーフと言えば斧…

ルファーム:ダメですよ、AD&Dでは、バトルアックスは両手持ちの上に、ダメージはロングソードと同じなんですから。戦士系の方は、ロングソードにシールド、鎧はバンデッドメイルがベストです。いざというときのために、ロングボウもあった方が良いですね。

ガラド:せめて、ドワーフらしくクロスボウに…
ルファーム:クロスボウとドワーフらしさの関係は謎ですが、矢の事を考えたら、統一しておいた方が有利です。シーフは、ショートボウしか持てないので、ボウで統一します。

ルー:魔法使いなのに、武器関係で仕切るとは…俺は、レンジャーらしく、コンポジットロングボウにしとくかな。ダメージはショートボウと変わらないのが悲しいが…

イエナ:アタシは、レザーアーマー、ショートボウ、万が一に備えて、ロングソードも買っておこうっと。
ミランダ:では、フレイルは、両手持ちなので、却下ですね。
ルファーム:いや、マニュアルだと両手になってるけど、フレイルは片手で持てる。だけどメイスとは大差はない。フレイルの方が、大型のモンスターには有利みたいだけどね。この編成なら、スタッフスリングもかっておいた方がいい。僕は、ダーツぐらいしか買うモノないなぁ。


コンピューターらしさを嫌っているシリーズとは言え、戦闘では数値の有利不利がモロに出る。イメージを優先したいが、そうするとかなり不利なので、諦めた方が良い。クロスボウを持つぐらいの余裕はあるけど。

この段階では、ロングソードではなく、ブロードソードでもいい。ブロードソードはダメージダイスが2D4なので、安定したダメージが出せる(ロングソードは1D8)。ただ、大型のモンスター相手だと、ロングソードの方がダメージダイスが大きくなる。

このゲームでは、コンピューターがダイスを振るので、本当にランダム(人間がダイス振ると、出目の確率分布は歪む。統計を取った学者によれば、6面体で「6出ろ」と念じながら振ると、6が出る確率は1/6を上回るそうだ。)。

そんな訳で、どんな高レベルの戦士でも、武器命中率はかなり悪い。3回に1回当たればいい方だ。命中に大幅な修正が入るバックスタブでさえ、ちょいちょい外れる。外しまくって、長期戦に陥ることも多いので、攻撃よりも、防御を重視すべき。回復手段も少ないしね。よって、両手武器より、盾と片手武器を前衛は持つべきだ。


ルファーム:道具屋は、油瓶と鏡だけか。ホーリーシンボルは無くなったのか。まぁ、カバンが楽になって良いけど。
ミランダ:買い物も済みましたし、賢者フィラニという方に、会いにいきましょう。

ルー:こんな田舎町で、賢者ねぇ…
イエナ:おおかた主都で、出世争いに負けたんだろう。期待は出来ないね。

エオルフィン:こんにちわ
フィラニ:ようこそ。その紋章のことですね。その前に、料金を決めましょう、全財産の半分でいかが?。
ルー:ぼったくりっぽいなぁ。
イエナ:だねぇ。

エオルフィン:手持ちはコレだけです。
他のメンバー:おいおい

ルファーム:フィラニの言うところによると、「手のひらに口」がモーンダー神の紋章で、「火のナイフ」がファイア・ナイフ団、「Zのマーク」がズヘンタリムで、「三日月」のは口にするのもはばかられる。もう一つの「火」は不明っと。

イエナ:シャドウデイルの強力な賢者。と言うとやっぱアレかねぇ。
ルー:エルミンスターか?。んでも、あの人は、誰とも組まないし、こんな回りくどいことはしないだろ。
ルファーム:エルミンスターぐらいの力があれば、パパッと済ますでしょうね。

ミランダ:あら、ゴンド神殿ですね。司祭様に相談してみてはいかがでしょう。
エオルフィン:呪いならば、解いてくれるかも知れませんね。

ゴンド司祭:ふむ、話は分かりました。では、リムーブカースを一発。
全員:うがらごぐわげぇっ

司祭:どうやら、無理に解呪しようとすると、苦痛を与えるようですな。これでは私に出来ることはありません。主ゴンドの加護がありますように。

ルー:無料だったから許すが…
ルファーム:まぁ、僧侶魔法で消せるぐらいなら、わざわざ誘拐なんかしませんよね…採算取れないし。

ガラド:ともかく、一杯やって、おちつかんか?。
イエナ:そうね、歩き回って喉も渇いたし。
ルファーム:街の噂は、コアミアを良くは思ってないようですねぇ。
ルー:まぁ、そうだろうな。表向きは、併合だが、実際は軍事力にモノを言わせた、占領だからなぁ。
ガラド:人間の領土的野心ってヤツは、イマイチ理解できないのぅ

ルー:おやん、こんな酒場には似つかわしくない娘だな。
イエナ:ほう、私らは、似つかわしいと。
ミランダ:聞き捨てなりませんねぇ。

バーテン:お客さん、申し訳ありませんが、特別な客が来たんで、引き取って貰えませんか?。
エオルフィン:あの方の貸し切りですか?。
バーテン:まぁ、そんなもんです。
エオルフィン:では仕方ないですね。出ましょうか。

ガラド:なんだ、出た途端に酒場が騒がしくなった。
ルー:乱闘騒ぎって感じだが…あの娘が、大立ち回り?
イエナ:ふっ、女に幻想見てると、いつか泣くわよ

ミランダ:あら、この通路からも騒ぎが…
ルー:酒場の裏口か
エオルフィン:とにかく行ってみましょう。

ガラド:行き止まりなのに、どこにも、誰の姿もないな。
ルー:酒場に戻ってみるか。

バーテン:…いらっしゃい…
ルー:おやおや、派手なメイクだな。目の回りに、でっかい痣つくって
ミランダ:一体どうされたのですか、その傷は?
バーテン:はは…その、転んじまって…こんな日もあるんですね

ミランダ:転んだ?、転んでそんな傷は…
ルー:もうやめとけ。飲み過ぎで転んだんだ。な?
バーテン:え?ええ。

ルー:パンチの効いた強い酒を、ストレートで貰ったんだ、そりゃあ、床に倒れもするさ
ミランダ:でも…
ルー:放浪する俺たちと違って、定住する人間には、街の色んなルールってのがあるのさ。特にこういう商売はな。
ガラド:後始末も大変そうだ、また、寄せて貰うとしよう。冷やしておいた方が腫れは早くひくぞ
バーテン:どうもすいません。

衛兵:コアミア王、アゾウン4世の馬車が通る、道をあけろ。
エオルフィン:王が、接収したばかりの、こんな辺境に?
ミランダ:なに?
ルー:くっ、身体が言うことを…聞かない?
イエナ:なんで、王の馬車なんか襲わなきゃならないんだいっ
ルファーム:例の入れ墨が光ってますから、コレのせいかも。

コアミア王:よせ、俺は偽物なんだ、殺さないでくれ。
ガラド:と、言われても、自分の意志では、どうにもならんのが現状だ。

衛兵:王をお守りしろ。
エオルフィン:身体が動く?。
ガラド:おい、王様が、連れ去られているぞ。
衛兵:そんな手に乗るかっ、取り押さえろ。
エオルフィン:仕方ありません。自衛のためです。戦いましょう
ミランダ:なるべく殺さないようにしたいところですね。
ルファーム:まぁ、このゲームは、普通に倒せば、気絶だから、大丈夫でしょ。

ルー:よわっ、こんなのが近衛兵やってるようじゃ、コアミアの未来も知れたものだな。
衛兵:おいっ、き、貴様ら、降伏しろ。

ミランダ:降伏しましょう。これ以上の戦いは無意味です
ガラド:バカな、このままでは、王の暗殺未遂で死刑だぞ?
ルー:とは言っても、このまま弱いものイジメしててもなぁ。数だけは居るみたいだし。
イエナ:そうね、あの降伏しろ。を聞いたら、可哀想になって来ちゃった。

続く



ティルヴァートン市内




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