二年ぐらい発売延期を繰り返したEmpressの、と言うか聖少女の変態エロゲ(正味のエロゲ)。
端的な感想は…『選択肢があって、その選択が後から効いてくるだけで感動している私を助けてください』です。
いや、真面目に。
ちゃんと選択肢があって、その選択肢が後から効いてくる。つまりルート分岐する。
ごく普通の、AVGとして 、というかゲームとしてあるべき基本があるだけで、感動している現状に助けてください……
話の筋、ストーリーラインは、いつのも聖少女クォリティです(悪い意味で)。
購入前に、本筋のない「河原崎家の一族」だろうなぁ。と予測していたのですが、概ねそう。まぁ、エロシチュエーションの連続体であって、ストーリーと呼べるようなシロモノはない。
旦那がいないことや、地下から聞こえるうめき声など、解くべき謎はいくつでもあるのに、まぁ、スルー。
行動の自由もなく、意思表示したいところで出来ない相変わらずのズレ等々。90年後期のゲームっぽい「抜きゲー」、不出来なAVGモドキレベルです。 シーズの禁断の血族レベルぐらい?。
選択肢が一切ない、世界に男は〜とか、あけすけのヒロイン選択ぐらいしかないもんむす学園と比べれば、ゲームとしてはマシ。
物語的にも、それは無理があるっしょ。と言うのが多い。知識的な至らなさっての?。
精液を睾丸に注入とか、尿道から差し戻すとか。乳腺に母乳差し入れたら、永遠に吹き出るのかっていうと出ないと思うんですが、睾丸って割ったら中に液体溜まっている訳じゃあるまいと…溜まってるの?…いや、調べたくはないもので…尿道と精道管は、間違いなく別ルートだよねぇ。
睾丸に睡眠効果のある薬液を注入して、睡眠精液を作り、飲ませようとするシーンもあるのだけど…膣内射精をさせられて 撃ち尽くして、隠し持った注射器で自分で注入して二回戦なんですが…自分に差すなら、直接相手に刺せよ睡眠薬。ていうか、経口摂取よりも、粘膜摂取の方が効果高いやろ。つーか、なんぼ睾丸いうても、自分に刺したら自分が寝るやろと か…
ちなみに、ホストしてた知り合いによると「大人用紙おむつをして、ビールを注いで貰う芸をしていたが、中ビン一本でベロベロに酔ってしまった」と言っていた。そのくらい吸収に差が出るのだ。 ちなみに、普通に飲むと1ケースは飲める人。
そう言ったところで、非常にリアリティが感じられず、薄っぺらい。選択肢も、はい/いいえレベルのもので、意思表示になっていない。マルチエンドへの分岐点でしかなく、物語への関与というレベルにはない。自分の意志で行動した結果、この結末を迎えたと言う積み重ねがないので、話が盛り上がらない。 完璧に「降って沸いた」レベル。そこは、各ヒロインとのエンディングにも出ていて、主人公は脈絡無く乗り換え、ヒロインは脈絡無く惚れる。って言うところを見ると、男の視点で女性ではない気がするなぁ。まぁ、どっちゃでもええケド。
登場人物もわりとコロコロと気変わりするので、なんか人物像としてもチグハグ。マリカなんぞ、いろんな場面で主人公を買える(手元に置くチャンス)がゴロゴロしてるにもかかわらず、スルーなんだよねぇ。なんか変。単に元々本気じゃなかったのか。
パッと思いつく、メインラインとしては
金と権力をもてあまし、金と権力でしか他人とつながるすべを持てない人たち。権力に媚びるわけでもなく、金にへつらうわけでもなく、物理的な快楽でもなく精神的な充実を 住人にもたらすことで、閉ざされた屋敷に変革をもたらす。 要は「愛も金で買える」人たちに、買えない愛を教えるとか言うラインでどうでっしゃろか?。裏家業と絡めれば、そこそこのサスペンス風味に持って行けるかと。
選択肢を入れて、後で効かせるのは良いんですが、選択肢は行動の分岐であり、意思表示である。と言うのをもっと反映すると、さらにゲームらしくなると思います。あとは、メインストーリーね。
つまるところ、主人公は、なぜ酷い仕打ちに耐え続けるのか。と言う意思表示、決意の積み重ねが無いから、全ての展開が降って沸いたように見える。御手洗を一人にしておけないから?、マリサに褒められたいから?、金のため?そうしたものを選ぶからこその「選択」肢であって、ただ、探されているだけでは、選択とは言えない。
ただ、尊敬するのがこの人の変態性。よく思いつくなぁと言うレベルを超えて、もう尊敬。
私、二度ほど吐きそうになりまして。
なんでこの人は、こうも精液の文字描写がねちっこいのかと。食感の描写が……想像で書けるレベルなんかソレ?ってぐらい。
そのシーンを思い出すだけで、胃袋が痙攣するんですわ…男でコレは書けない気が…女性なんかなぁ?。まぁ、性別はどうでもイイけど。
たとえ、宇宙人が書いてても、面白ければいい。
で、聖少女がライティングせず、他にライターがついた作品。要は、聖少女が原画だけって作品は、妙に淡泊に感じるんですわな。
どんなに変態性を持たせた設定やシーンになっても、妙にタンパク。マグロ正常位から、片足抱えただけに見える。
そう思うと、ドリアンがごとく、アクが強いけど癖になるって奴なのかなぁ…絵的にも、自分でセリフ考えないとノってこないタイプに思える。
ゲームとして作りたいならば、まともなメインプロットが組める人と分業したら面白いと思う。要は、シナリオとストーリーライティングを分業…までしなくても、原作としてシナリオプロットを組む人と、ライティングの職責を分けるぐらいで。 もしくは、エロシーンだけ描く/書く。と良いと思う。
まぁ、人柄的に無理そうだけど。コンビプレイとかダメそうな匂いがふんぷんと…
ライティングにダメ出しして、と言うか歪なイベント分布ので、その辺はある程度の均等化は必要かと思います。ホントにマリカの出番はかなり少ないし、セリフ量もマリサと比べるとかなり少ない。つーか、マリサ多すぎ。 スーパーカー=F40もなんだかなー。あと、ケルベロス、サキュバスとか言うのも、売れない二流ラノベファンタジー作家みたいなので、止めた方がイイかと存じます。
私の沢渡君とか言いながら、ノーアクションのマリカ(何らかの行動するだろう、あの家族なら。私の良さを理解して貰うわ。とか)とか、暗躍感のまったくない幸恵(これは狙ってやってる気がする)とか。出ずっぱりのマリサと出番が少ないマリカとか、明らかに、自分の好きなのは書くけど、そうでないのは…というムラが大きいのも課題ですな、文字書きとしては。
2013/07/08追記
とか書いてたら、なんやシナリオ別人、原画聖少女で、新作ラッシュしてますな、Empress。これエロシーンだけ聖少女ライティングだったら…アレか、アレなのか?
まぁ、アレだとしても再訪はないと思うんだけど、固定場所に書き残しておくべきモノを忘れておりました。
聖少女氏は、ディシプリンの頃から、体験版を「本編の原画を利用した本編とは無関係な話」にしたがるのですが、「体験版」と言う当初の意味を考えた場合、これほど無意味なことはない。買う側とすれば、体験版は、買おうと思っている作品の、雰囲気とか、話の感触を確かめたいと思っているのに、本編とは無関係なものを出したのでは体験版にならない。
要するに「今度そば屋を開きます、つきましては試食にうどんを配ります」と言っているそば屋のようなモノ。なんの試しにもならない。
ぶっちゃけ、STARLESSの体験版も、クリア後のオマケにすれば良いいのに。センス悪いって思ってしまう。これは早期に是正しないと、ダメだと思う。つーか、まわりも止めるべきだよ。ただでさえ、発売延期繰り返したのに。 とDominancEの体験版貰ってきたら、相変わらずの模様。
それはそれとして、抱き合わせで再販されるようですね、STARLESS。なんとかムラサキのは、よほど売れなかったんだろうか…それとも、STARLESSの方が、売れてないのだろうか?。ってまぁ中古価格みれば察しが付くけど。
根拠のない妄想
DominencEのサンプルプレイムービーみると、マリエ、マリサの声優さん(お気に入り二名)は続投、キャラの立ち位置もSTARLESSに近い。M役がメガネ。セリフ回しも、なんとなーく。そして、間宮という名前を引き続き出す=自分の設定にこだわっている。と言うところから、DominecEのライター。聖少女の別ネームではないかと。つか、便利な薬(媚薬)とかの矛楯を消すためにSFにしただけのような印象…と言うよりも、STARLESSの間宮家が宇宙時代にも続いてます的な感さえある。
会社内シェアワールドは別になんの問題もないんで、ゲスの勘ぐりですがね。発注時に、基礎設定として出してるかもしれないし。 が、体験版やったら本人確定。つか、宇宙版STARLESSだね、これ。恒星間航法があるのに宇宙人と接触禁止とか、外宇宙船が船内セキュリティないとか…過ぎ去りしSF。サイエンスフィクションは終わり、スペースファンタジーに差し替えられております。
追加考察:STARLESSはなぜ盛り上がらないのか
物語ピークがないのか。でも良いですが。
パッケージコピーには、「主人公は生きて出られるのか」と言う、サスペンスフルな煽りがありますが、実際のゲームでは、そんな緊迫感や、サスペンス感はなく、流されるままに終わります。ひとえに、選択肢を出す場所を間違えているから。と言うのも理由なんですが、その前に、タメの演出がないので、さらっと流れてしまうと言う、物語のピーク作りに失敗していること。が上げられます。
河原崎家の一族1で、主人公は二日ぐらいは普通に過ごしますが、夜、妖しげな声や音を見に行くと、住人たちの性癖を盗み見るハメになります。この屋敷は、何かおかしい。と感じさせる、小さな違和感を積み重ねていくことで、でサスペンス感が高まっていくわけです。
STARLESSでは、面接からアブノーマル全開で明けっ広げなので、出オチも同然。後は惰性。せめて、選択肢で、決意とか覚悟を示せればいいのですが、何を選んでも同じだったり、意志決定したいところで自動で決められたりなど、その運命を自分で選んだと言う気分にすらなれません。
ホラーで言うなら、最初は小さな怪異、ピアノが勝手に鳴るとか、空耳のような笑い事が聞こえるとか、視線を感じるとかから始まるべきなのと同じ事です。Starlessでは、いきなり怪異の根源が出てきて、主人公を連れ去ってしまっているようなもの。後が続くわけがない。
まぁ、21世紀のゲーム事情、エロゲである事を考慮すれば、開幕からエロシーンがないと飽きられてしまう。とか、タメの演出すら我慢できず、すぐに投げしまわれるなどもありますが。
選択肢とはプレイヤーの意志表示である。と、タメの演出をそこそこやってくれると、大化けすると思うんですけどねぇ。
なにはともあれ、選択肢が無意味という悪癖を直さないとダメでしょうね。
簡易攻略
まぁ、本気で攻略しても変わりないですが。
・黒いビデオレター
夜の覗きを両方しない
幸恵にお金を貸さない
・新しい飼い主
夜マリエを覗く
幸恵にお金を貸さない
・汚れた花嫁
夜の覗きを両方しない
幸恵にお金を貸す
マリカと勝負しない
・終わらぬ悪夢
幸恵にお金を貸す
マリカと勝負を受ける
幸恵のアドバイスに乗る
幸恵の計画に乗らない
・悪の華
幸恵にお金を貸す
マリカとの勝負を受ける
幸恵のアドバイスに乗る
幸恵の計画に乗る
外に出す
・新世界
マリエを覗く
幸恵にお金を貸す
マリカとの勝負を受けない
・歪んだ結婚
幸恵にお金を貸す
マリカとの勝負を受ける
自分を信じる
・最悪の結末
幸恵にお金を貸す
マリカと勝負を受ける
幸恵のアドバイスに乗る
幸恵の計画に乗る
中に出す
・逃避行の果てに
幸恵の情報を買わない
・新しい家族
夜、美加子を覗く
初稿 2013/02/23…たぶん…
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