ダーレスの罪と罰


果てのない慄然たる未知の領域−影の集う外界−に乗り出すときには、忘れることなくその戸口において、
人間性というもの−そして地球中心の考え方−を振り捨てなければならないのです

HPラヴクラフト−ウイアードテイルズ編集長に宛てた書簡−(ラヴクラフト全集5作品解題/青土社)




クトゥルフ神話のブームは、もう下火になって久しく、私としては一過性のファンが通り過ぎた事は喜ばしい事なのですが、しかし暴風は確実に禍根を残したようです。

例えば、某寄せ書き型事典で、クトゥルフ神話の項目を見ると、神話作品に、ナムコのアクションゲーム、スプラッタハウスが入っていました(今は分かりません。もうずいぶんと前ですし、特に確認を取りたいとも思いませんし)。理由は、屋敷の名前が、ウェスト邸。だからだそうです。

HPLの小説「死体蘇生者ハーバード・ウェスト」のつもりなのでしょうが、名前が同一だからといって、神話の世界設定とは全く関連がないのに、神話作品としてしまう神経が分かりません。ウェストという名前も、特に珍しいものではないですし、ファーストネームも不明。そもそも、死体蘇生者ハーバード・ウェストは、神話作品ではありません。HPLの書いた小説ではありますが、神話の設定とは全く関係がありません。 ただ、ウェストがアーカムのミスカトニック大学出身と言うだけです。むしろ、エーリッヒ・ツァンの音楽の方が、神話との関連性は高いです。

例えるならば、同じ冨野監督作品だからと、ガンダムワールドに、ダンバインを持ち込むような真似をしている事に気がついて貰いたいものです。

こうした文学サークル的な遊びを理解出来ない日本人ですが、遊びの部分を理解出来ならともかく、本編をも理解出来ていない人がずいぶんといるわけです。

クトゥルフやハスターを、ただのエントロピーやアンゴルモアの大王の代わりに据えただけで、神話的な設定は全く踏まえていないにもかかわらず、神話作品と名乗ったり、モチーフに。とか臆面もなく言ってしまう訳です。

一昔前ならば、デモンベインなど、ウルトラ怪獣や、戦隊ヒーローの巨大敵のかわりにグレートオールドワンを列挙したに過ぎず、魅力的な怪獣が作れないから、クトゥルフ神話という看板を借りたようなモノです……ってこういう事を最盛期に書いたら、一発炎上でしたでしょうけども、別段、クトゥルフ神話のグレートオールドワンでなくてはならないと言う事はなく、オリジナルの悪の組織を作ればそれでよかったはずですし、ニトロ+の力量なら、問題なく、魅力的な敵組織や設定を作れたはずです。

別段、キーアイテムとして、ネクロノミコンや原書たるアル・アジフ(ネクロノミコンが手垢が付いたと感じたのか、アル・アジフも安売りされてきてますね)を出すならば、私は構いませんが、なにゆえに、怪獣的にグレートオールドワンを扱う必要があるのかと。別に、ゾンダーでも、キングギドラでもよかった訳ですよね?。

近年ならば、アダルトゲームの「ク・リトル・リトル」なんて言うのは、まったく神話設定と関係なく、オリジナルの設定で済むにもかかわらず、単語だけを借りて、他人のフンドシで相撲どころか、土俵まで借りてしまっている状態です。ラブクラフトとクトーニアンを、べつにニュータイプとファンネルとか、何にでも言い換えられる。

こうした、うわべだけの名前だけ借りたような代物は、同人とかでやるならば問題ありませんが、プロの作としては大変恥ずべき行為と思います。クトゥルフ神話と銘打ってやるならば、体系に沿ったキッチリとした物語を展開していただきたいものです。二次創作にしても、設定は踏まえる物でしょう?。

クトゥルフ神話作品と名乗るならば、真に行うべきは、グレートオールドワンの名前を列記する事ではなく、自分で新しいグレートオールドワンを作り出し、それをクトゥルフ神話に組み込む事ではないでしょうか?。世界設定を踏襲すれば、いや、全く縁がなくとも、すこし、関連ワードを並び立てれば、クトゥルフ神話に入る事が出来るのですから。



なぜこうした事が起こるのか。と言う事を考えるのに、まぁ、日本人が文学サークル遊びのセンスがないと言う一点に集約されるのですが……例えば、どんなゲームのwikiでも、絶対に、パロディという項目が立っています。その内容たるや、お遊び程度のものにマジ解説をしているモノが必ずあります。詰まるところは、オレはこれだけ知ってるんだぜと言う自慢なんでしょうけど……HPLがあちこちに、ネクロノミコンとか、魔道書の類を書き込んだのも、お遊びに過ぎす、魔道書が出てくるから神話作品という訳ではありません。

クトゥルフ神話が流行る前ならば、ネクロノミコンの役目は、ソロモンの小鍵とか、ゲーティアなどが勤めていたハズで、ネクロノミコンにしろ、ネームレスカルトにしろ、少々危ないオカルト知識の持ち主と言う事を臭わせるだけの小道具に過ぎません。と言うか、ネクロノミコンは、実在が信じられているけど誰も見た事がない。と言う事に魅力があった訳ですが、もはや、リン・カーターの解説付きペーパーバッグになってしまったようですね。



センスの無さ。で終わってしまっては、身もフタもありませんから、もう一歩踏み込むと、日本人の無宗教に見える程、無節操な信心深さも上げられると思います。

HPLが描きたかったであろう、コズミックホラーは、有り体に言えば、神の否定です。ホーキングのカオス理論がセンセーショナルに語られた事と同じく、キリスト教など一神教においては、宇宙は神の手により、完璧な計算から作られ、管理されている。と言う発想があります。ゆえに、カオス理論の「宇宙は偶然の産物である」と言うモノが、神の否定にもつながり、センセーションを巻き起こした訳です。

HPLの作り出したクトゥルフ神話も、全く同様です。カオスという言葉の代わりに、宇宙の中心核たるアザトースが存在し、アザトースは「全盲にして白痴」とされ、宇宙に意志などない。ましてや、神が作った美しい世界でもない。と言うそれは、偶然の産物であると言うカオス理論と同一です。

倫理観、道徳観をキリスト教に頼る欧米社会では、神の否定は、世界の否定であり、この世の全てを否定するに等しい事です。それがゆえに、まさに世界が崩れ去るような恐怖感を与える訳ですが、日本を含めたアジア圏は、もともと一神教ではないため、そうした事に恐怖はおろか、違和感など感じる事もありません。

ゆえに、グレートオールドワン(誤訳の方が有名ですが、旧支配者)をただの一柱とみなし、人間の手でも撃退できるような存在と勘違いしているのです。多神教において、神の零落はごく当たり前に起こり、時には、人間(おおむね半神ですが)の手によって倒される悪神も当たり前に登場します。

こうした事から、グレートオールドワンをただのモンスターとしてしまう事を、日本の自称クトゥルフ神話ファンはやってしまいます。先の例にも挙げましたが、手垢が付いてしまったエントロピーやアンゴルモアの大王、大魔王や破壊神の代わりに。目新しいクトゥルフ神話のグレートオールドワンの名前だけを借りているに過ぎません。



ただまぁ、これまでのゲームも、ギリシア神話などの怪物の名前だけを借りて来た訳で、特に悪い訳でもありません。ただ、何でもかんでもクトゥルフ神話作品と見なすアホゥが嫌いなのです。例えば、ドラゴンクエストにはキメラが登場しますが、ドラゴンクエストをギリシア神話作品に含める人は居ないでしょう。ファイナルファンジーシリーズには「ズー」が登場しますが、メソポタミア神話作品と見なす人は居ないでしょう。

しかし、なぜか、クトゥルフ神話においては、「魔道書が出てくる」、「HPLの小説の登場人物と同じ名前」と言うだけで、神話作品に入れたがる人が居るのです。そもそも、クトゥルフ神話にも、ヒプノスが登場します。では、ギリシャ神話も神話作品となるのでしょうか?。バースト(バステト)も組み込まれています。エジプト神話も?。そうそうダゴンもいますから、メソポタミア系列の神話も神話作品なのでしょうか?。グールも登場しますから、ほとんどのファンタジーゲームは神話作品と言えます。

普通のゲームのグールはアンデッドだけど、HPLのグールは普通の人間が変貌したモノだから違う?。そう、その通りです。ならば、宇宙の根源たるアザトースやヨグソトースが、人間には想像も出来ないような存在であるはずのグレートオールドワンや外なる神を、たかが魔道書一冊で、コントロールできるのはクトゥルフ神話とは言えないのではありませんか?。



少々、話がずれましたが、コズミックホラーを理解出来ない筆頭が、オーガスト・ダーレスです。この人の功罪は、クトゥルフハンドブック(山本弘著)に詳しいのですが、たしかに、小説家としては二流で、若くして死んでしまったHPLは小説本数も少なく、そのままにしていては、埋没していた作家でしょう。その埋没を防いだ事は功績ですが、しかし、その功績を帳消しにしてあまりある罪をダーレスは行っています。

有名な

「私が書いた作品はお互いに何の関連性ももっていないように見えるかも知れないが、基本的には一つの伝説に基づいている。かつて、この地球上には人類以外の種族が住んでいたが、黒魔術使ったがために足場を失い放逐されてしまった。」

と言うのは、ダーレスの捏造である事が判明しています。そもそも、HPLは「宇宙は、人間に好意も敵意も持っていない」としており、全く矛盾します。

それがゆえに、旧神対旧支配者という対立軸も、ダーレスが創作した設定で、ラブクラフトは全く関与していません。HPLはダーレスの事をあまり評価していなかったと言われていますが、その理由は、せっかくの宇宙的恐怖を安易な二元論に持ち込んだからかも知れません。

他にも、チープな四大元素への還元(しかも、グレートオールドワンと外なる神が同格に扱われていたりする無理解ぶり)とか、とにかく、ファンタジックな善悪対決に持ち込んだのが、ダーレスなのです。そもそも、ダーレスの行為は、偏執的といえ、たとえ、敬愛している作家だとはいえ、HPLの死後も共著として発表したりと、ちょっと常軌を逸している感じがします(まぁ、作品メモから執筆したので共著と言えなくもないですが…普通、原作、原案にとどめるよね)。例えるなら、山村美沙の死後、西村京太郎が、山村との共著として発表するようなモノ。その偏執性を示すかのように、アーカムハウスの経営が軌道にのった、1940〜50年代には、クトゥルフ神話作品と似ている話にクレームをつけたりと、ややもすると、ヒステリックな行動を取っています。

そんなダーレスですから、自説へのこだわりは、まさに偏執的で先にも挙げた通り、捏造してまでも「善悪二元論」を広めようとしてました。 こうした偏執ぶりと、一時期に見せた独占欲、尊敬以上の感情を持っていたのではないかと邪推してしまいます。

HPLが、ヒトラーの「我が闘争」に感動した。と言うのは有名な話ですが、一部で、「後年、ファシズムへの傾倒を撤回した」と言う記述をたまに見るのですが、これが私には、後世の捏造くさいと思っています(私は、賞賛の書簡は見た記憶がありますが、否定の書簡は見た事がありません。何処かにあるのでしょうか?)。

そもそも、1920年代欧米社会において、人種差別と、共産主義への敵視は、ごく当たり前の行為でした。アメリカでも、バスなど黒人専用席が決められていた程です。

時折、HPLを人種差別主義ではない事を臭わそうと無駄な事をする狂信者がでますが、HPLの著書を見ればそれは消しようがありません。黒人、アジア人の描写は、神話生物の描写と同じように化け物じみて描かれています。死体蘇生者ハーバード・ウェストでも、黒人ボクサーの描写は酷い悪意に満ちています。他の作家も、世界征服を目論むモンゴル人や、ドジョウヒゲの片言の英語を使う悪の魔法使いと闘うヒーローなどを良く描いています。

また、好古趣味でジョージ王朝時代の考えを好んだとされるHPLですから、白人至上主義を打ち出したナチズムに共感するのも当然といえましょう。戦後、ナチが世界の悪と定義づけられるに至って、我らがHPLがナチズムを賞賛したとあっては、看板に傷が付く。と思った誰かの仕業ではないかと。



また話が少しそれてしまいましたが、旧支配者という訳語も、超訳を通り越して、誤訳に近く、元々は、Great Old Oneでした。偉大なる古きモノ。でしか無く、この旧支配者という訳語は、ダーレス設定に基づいて、旧き神に追放された支配者だからこそ、旧支配者と呼ばれる訳です 。

考えてみれば、クトゥルフにしろハスターにしろ、いわば覇権を争っていた状況であり、全然支配してない気がするのですが。南極大陸に、一大都市を作っていた古きモノElderThingや、イスの偉大なる種族など、よほどクトゥルフやハスターよりも支配していた存在は沢山います。

ともあれ、ピンチになればノーデンスを呼び、十字架に脅える悪魔のごとく、古き印を振りかざす。いわば、ピンチになったらウルトラマンを呼ぶ様な世界を作ったのがダーレスです。そして、ブームを作ったのはダーレスのこうした設定なんですね、悔しい事に。

地球の物理法則とは異なる法則に従った生物、それがいわゆる神話生物であり、人間の存在がいかに取るに足らないものか。と言う事が、コズミックホラーの根幹と言えるのではないかと思います。一匹のアリが、ゾウを殺せないように、人間がどうやってもかなわない存在であるべきなのです。

そうした絶対的な無力感とか、絶望感もコズミックホラーの根幹部と思っています。それがゆえに、ダーレス設定では、神の助力や知恵によって、そうした神話生物をやりこめてしまえる世界というのは、コナンと同じく、非常にマッチョな世界と言えるでしょう。詰まるところは、ウルトラマンや仮面ライダーが怪獣や怪人を倒す世界と同じなのです。

そして、もう一つの罪。ダーレスは、グレートオールドワンとアウターゴッドをごちゃ混ぜにしてしまいました。グレートオールドワン(旧支配者)と、アウターゴッド(外なる神)は、存在のレベルが異なります。アザトースやヨグソトース等の神から見れば、クトゥルフやハスターも、人間に毛の生えた存在でしかありません。グレートオールドワンは、あくまでも非常にパワフルな生物であり、神ではありません。ダーレスは、しばしば同格に扱い、尚かつ、旧き神の方がパワフルに描くなど、矛盾が見えます。




先にも述べたとおり、コズミックホラーを描く事は大変に難しいので、あえて、分かっててダーレス設定を採用しています。と言うモノであれば、良いのですが、昨今の神話「モチーフ」作品や、ファンの言動をみると、HPLのコズミックホラーという概念すら知らず、ダーレスの善と悪の対決こそが、クトゥルフ神話と思っているような人を見かけます。まぁ、日本人クトゥルー作家の代表格である、栗本薫先生とかも、ダーレス設定のみですし。仕方がないのかも知れません。 神話図鑑と名乗っている本でも、コズミックホラーに関して考慮してある本は、少数派です。

何にもまして、ダーレス設定は分かりやすい。善悪二元論で、ピンチになればノーデンスにお祈りし、十字架を掲げるように古き印を掲げる。言い換えるならば、怪獣に手も足も出なくなったウルトラ警備隊が、ウルトラセブンを呼ぶようなモノです。それでは、せっかくの欧米人のアイデンティティすら破壊しうる恐怖を生み出したHPLに失礼というモノでしょう。いや、まぁ、ウルトラマンなどは、隠しテーマが意外に深いので救いがありますが、世界を破滅させる破壊神や怪獣の代わりやに呼び出されるクトゥルフが不憫です。

ウルトラマンや仮面ライダー等、特撮ヒーローモノのスタッフが、苦心の末に敵の設定や怪人、怪獣を考えたのに、そうした設定などを、考えるのが面倒だから。と言わんばかりに、クトゥルフ神話から名前や姿だけ借りるのは、プロとしては姿勢がなってないと思う訳です。

状況としては、格ゲーで、もの凄いマイナーな格闘技を掘り出してくるのが流行ったようなモノで、手垢が付いたものではインパクトに欠ける。と言う事で、目先のインパクトに走った結果なのでしょう。先のデモンベインも、バラモスとハーゴンに置き換えても、ノストラダムスとアンゴルモアにしても、 天使と堕天使に置き換えても、なんら変化があるものでもないですしね。

妙な例えですが「サッカーで手を使いたい。手を使う事以外、全てのルールはサッカーに準拠しているから、サッカーだ」と主張している人に、ほとんどの人は、それはサッカーじゃない。と言うでしょう。手を使わず足でプレイするのが、サッカーの根幹であり、サッカーたらしめているルールですから。

HPLが描き出そうとしたのは、人間にはどうしようもない存在がいる事の恐怖であると思います。人間の努力で、何とかなってしまうマッチョでファンタスティックでヒロイックなクトゥルフ神話の世界は、まさに、サッカーで手を使っているような世界です。

それでは、悲劇的な結末しか存在しないのか。と言われれば、「そうです。」としか答えられません。テーブルトークRPGの「クトゥルフの呼び声」では、クトゥルフ神話の技能が増えると、正気度の最大値が下がっていきます。それは、人間にはどうしようもない、勝算0%の世界に触れたからと言えるでしょう。

ただし、最終的には救われないかも知れないが、その瞬間においては救われる。その物語単体としては救われる。と言う話は可能です。レッドフックやダニッチの怪などが上げられます。とりあえずの破滅は回避できたが、その後は分からない。要約すれば「アレが、最後の○○とは思えない」と言うタイプです。

HPLがそこまで考えていたかは分かりませんが、コズミックホラーの別の一面は、絶対的な無力を感じつつも、破滅をもたらそうとする人類を止めようとする人々の勇気と思います。クトゥルフやハスターを追い返す必要はないんです。それを呼ぼうとしている人間(含むインスマスの住人)を阻止すれば良いんです。

そうした方策をとらず、直接勝利を収めようとする点もダーレス設定を私が嫌う理由の一つです。ダニッチの怪に出てくる、アーミテイジ教授は、老ウェイトリーの野望を砕き、宇宙の真相を知ってなお、地球を滅亡から守ろうとしている人物です。宇宙的恐怖に潰されなかった勇者の物語を、善悪対決の単純なファンタジックな、安っぽい日本のヒロイックファンタジーRPGのような解釈しかできなかったダーレスを私は評価できません。



少し聞いてみたいのが、ゴジラとかキングギドラが、等身大で戦隊ヒーローの怪人として出てきて、何とかシュートで倒されて巨大化して、ロボに倒されちゃったら、特撮ファンはどう思うだろう?。車が変形してコクピットになっちゃう鉄人28号とか?。 リモコン操作こそが鉄人の肝でしょう?。

「プラグエントリー、変身!」「新世紀戦隊エヴァンゲリオン!」後ろでカラー爆薬がどかーん。「スーパーポジトロンライフル!」で、使徒が巨大化して、ネルフ基地から、働く自動車を呼び出して、「合体!エヴァンゲリオンロボ!」とか、やってるエロゲメーカーあったら、皆さんどうします?。まぁ、ガイナックスがセルフパロディとしてやってたら、受けるかも知れませんが、他社がやったらねぇ?。



クトゥルフ神話ファンも、詰まるところ、クラスに一人はいた、ウルトラマンや仮面ライダーの怪獣博士、怪人博士どまりで、これだけオレは神話生物知ってるんだぜ。に止まっている 人が多いのも悲しい事です。出版社から発行されている事典系は、そんな感じですよね。

……ふと思えば、ウルトラ怪獣的だからこそ、クトゥルフ神話は受けたのかも知れません。確かに、ハスターとクトゥルフの取っ組み合い。メフィラス星人や、メトロン星人ばりに、策謀巡らすニャルラトホテプ。多分に特撮的な感じがあります。そして、より怪獣的 、ウルトラマン的、特撮的にするダーレス設定が好まれた。と考えれば、合点がいきます。

ダーレスの設定を突き詰めれば、ピンチに陥ると古き印(もしくは十字架)を握りしめ、「神(ノーデンス)よぉ〜」と叫べば、どこからとも無く、ノーデンスが現れて、「外道照身霊波光線!、汝の正体見たり、前世魔人ニャルラトホテプ!」とか叫ぶ世界 になります。それでも、クトゥルフ神話モチーフなんですかね……まぁ、モチーフかも知れませんけど……モチーフ作品って言葉、便利すぎません?

それだったら、「本郷猛は改造人間である。星の知恵教会によって、ヨグソトースの細胞を埋め込まれた」とか、怪人代わりに、ノフ・ケーとか、ガグと毎週闘うのも、クトゥルフ神話?。「ノーデンスに選ばれた五人が、地球侵略を目論むニャルラトホテプと闘う」ってのも、クトゥルフ神話?。キタブ・アル・アジフに見いだされた少年がスーパーロボットに乗って………うお?、ヤツだ、やつが来た。ぬらぬらとした深緑色の金属光沢を持つ触手のようなモノがドアのすき間から蠢いている。ああ、私の足に…神よ…



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