運営上の基本方針
注意:このページは、キーパーをする人だけが読んでください


このシナリオは、現代日本を舞台とした、調査メインの短編シナリオです。
クトゥルフ神話の知識はほとんど必要ないように設定していますので、入門用として機能するはずです。
ただし、調査がメインのため、初心者には少し辛いかもしれません。


事前情報

推奨キャラクター:探索者の横のつながりが町内会で、平均年齢は高めに(元々クトゥルフのPCは高めですが…)。
なお、最低一組は夫婦であるという設定が好ましいが、無くてもなんとかなります。

土地の生まれかどうか(地元民であるか)を、探索者たちの希望を聞いてください。
協力的な一人に、渦中の人物である「住友と幼なじみ」という設定を付与すると良いでしょう。
幼なじみを付与された人間が、夫婦であれば、なおよし。

最低一人は、幼なじみか、学生時代からの友人と設定しておかないと、話が進まないでしょう。

職業に規制はありませんが、従来のクトゥルフのキャラクターメイキングはしない方がいいと思います。
探偵や、警官、新聞記者に医者が大量に住む住宅街って奇妙でしょう?。まぁ、ゲームだからと割り切っても良いのですが。


舞台

加古町大浦:田舎の海沿いの住宅地です。町や地区名もシナリオに関係していますので、変更はしないで下さい。

以前は漁師町として栄えたモノの、昭和初期の埋め立てで土地を拡大。漁場を失い、ただの住宅地となってしまいました。
うらぶれた、潮の香りに満ちた田舎町を想定して下さい。


シナリオの背景と流れ

背景

加古町は、実は平安時代から続く、由緒正しい半漁半農の貧しい漁村です。
あまりに不漁不作のために、海神に生贄を捧げることにしました。

生贄として、海に投げ込まれた男女の悲痛な想いを聞きとげた市杵島姫は、魚を呼び寄せました。生贄が投げ込まれた岬には、どんな海が時化ても、不漁となることは無くなり、これらの子弟は、特に女神に愛でられ、様々な宝物と、伴侶を連れて家に戻り、その土地の要職に着いたという。

それは、市杵島姫の伝説。として伝わっています。

投げ込まれた生贄の男女の名は、領主、神主、庄屋の子弟など。住友、魚住、高階(たかしな)、PC名2〜3人分。

海神とはつまりはディープワンで、実際には、深きモノどもへの供物で生贄を受ける代わりに、魚を集めているのです。
次第に、村全体が混血化していき、コミューンと化したのですが、交通が便利になり、道が開く度に血は薄まっていった。
次第に、海の汚染等で住み難くなった、深きモノどもは深いところへ、移っていったのです。

その為、この町、特に大浦地区に生まれた者は、潜在的に、深きモノの遺伝子を内包しているのです。
住友洋一は、特に血を濃く受け継いでいましたし、その妻も、銚子コミューンの出身だったのです。

二人の子供は、生まれながらにして変成をしていたのです。深い海に退避していた深きモノどもも、若き仲間のために、活動を再開したのです。そのために、臭気が充満し、それに耐えかねた住民に押されて、PC達が動き始めるのです。

このシナリオでは、パルプマガジンの悪魔主義者のような無表情の悪しき生物ではなく、太古から続く健気に生きている生物とします。ただ、人間とは精神構造が違いすぎるため、お互いが理解し合えることは決してないでしょう。



流れ

加古町大浦の古い住宅街。排水溝が、水が臭う。突き詰めていくと、貯水池そばの家から、悪臭が…そこは幼なじみの家。最近めっきり姿を見せず、雨戸も常に閉められたまま。

産まれた子供が実は、ディープワン。洗っても洗っても、臭いが落ちず…彼自身の変成が始まっている。

調べていくと、このあたりの住民には、何十年かに一度、失踪者が出ており、海に帰っている。
もしかしたら、自分たちもいつ変成するかもしれない…

と言うのが、基本的な流れです。探索では、幼なじみの家と、その地下。調査は、探索者の思いつくだけ広がっていきます。
かなりの分量の資料を提示しておきますが、キーパー側で意図的に出さないと、使う事はないでしょう。
その手の話に、詳しいプレイヤーがいれば別ですが。


注意。最大の嘘は、知人の家を勝手に捜査することです。ここは、ゲームだからと割り切って下さい。

最大の恐怖は、単純な幽霊屋敷の探索と、見え隠れするだけのディープワンではありません。いつ、自分が、配偶者が、変成を始めるか、産まれてくる子供は…と言う疑心暗鬼に陥る幸せな家庭で、フェードアウトしていく映画をイメージしています。
それを念頭に置いて、演出して下さい。


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