「ケイをエレベーターの保守に残し、ベティとドロシィで索敵任務を継続する。いいな、ケイ?」
ケイの返事は無い。変わりに何かのつぶやきが聞こえる。教官勤めで実戦感を無くしているのか?。こちらの呼びかけにも、返事がない。通信用のモニターに移るKEIのパイロット、キース・ホーソン中尉の顔に生気はなく、義眼だけが冷静に状況を見つめている。
「…我々は、倉庫区画から中央コンピューターを目指す。ドロシィは実験区画を目指し、所員ないしターゲットの索敵に入れ。」
「ケイは、教官を務めていたヤツだ。実戦から離れていたせいで、ちょっと戦場の空気に飲まれただけだ。心配ないよ」
ケイとの会話を終えたベティは接触通信で、ゆっくりと話しかけてきた。
「おまえの方こそ、一人で大丈夫か?」
「なんとか…任務中は…」
「終わったら、一杯奢るよ。生き残れよ」
オデッサだってもっと被害は少なかった。特殊部隊が手玉に取られている。そんな考えが脳裏によぎる。震える声を必死でこらえて、喉から声を絞り出す。
「これより、索敵に移ります」
ベティは軽く手を振ると、通路を直進し倉庫区画への通路を目指す。俺は、南へ折れ、実験区画を目指す。ジム・ヤヌスは複座機だ。センサー類は拡充している分、扱いが難しい。操縦しながらじゃ、とても扱えない。センサー性能を半自動に設定する。RGM−79並になるが、仕方ない。気になるところがあれば、フル活用することにしよう。
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