MS−05B

ジオン軍初の、つまり人類史上初の人型戦闘兵器。

しかし、実状は、戦闘可能な人型ロボットに過ぎない。言うなれば、パイロットが手持ちの火器で、戦闘をこなしていた、黎明の飛行機のようなものと言える。

プレスリリースも作業用という触れ込みで公表され、05の特徴であるモノアイのバイザー(ひさし)も、一つ目が威圧感を与えないようにとの配慮と公表している。

05Aは、完全な作業用で、マスコミ向けのアピールを行っていた。言うなれば、大がかりな擬装作戦のための機体だったとも言える。作業用と言うことで、連邦軍とマスコミの目を誤魔化しているうちに、機動プログラムやパイロット育成マニュアルの作成を行い、純粋な戦闘兵器である06の開発を水面下で行っていたと考えるべきだろう。

作業機として考えるならば、モニターを介することでの視認性の悪さ、無意味な大きさから、ほとんどの企業からは、失笑か、ただの技術アピールと受け取られたと思われる。無重力での作業は、後にジュニアモビルスーツと呼ばれる、作業機で事足りたハズであるから。

しかし、物好きな金持ちや、技術解析のためにといくつかの企業が購入したと思われる。そして、現実に商談が行われたことで、連邦軍にも完全な作業用という公表を信じさせることが出来たと思われる。

推論だが、購入した個人、企業は、アナハイムエレクトロニクス、ブッホコンツェルン(クロスボーンバンガート)、サイド2(ザンスカール)が上げられると思う。

純粋な兵器として生まれた06と比べれば、戦闘力の差は歴然であったが、05は、動力パイプを内蔵していることと、作業用と言うことで、機動性より、剛性を優先したことから、06よりも衝撃に強いと言う特性があり、切り込み、白兵戦を仕掛けることが多かった海兵隊や、特務部隊、ゲリラ戦法を得意としたランバ・ラル隊などでは、06普及後も、05を愛用する傾向があったようだ。

また、当初民間作業用という触れ込みであったために、操作は、非常に簡略化されており、その素直な操作性を買われて、退役後は、教練用として、第二の人生を歩んだ機体が多い。