RGM79

連邦軍初の制式モビルスーツ。試験運用とデータ収集のために、持てる技術の粋を集めたRX78とは異なり、生産性と操作性に重点が置かれている。

連邦軍のモビルスーツは、企画段階から、ザクキラーとして設計された、いわば、対MS用MSであり、旧世紀の軍用機の分類を借りるならば、ファイター、空戦用戦闘機に分類される。

そのため、対艦攻撃機であったジオンのモビルスーツに、付け焼き刃のパイロットと技術でありながら、互角以上の戦闘を行うことが出来たのである。

モビルスーツ単体の性能としてみれば、開戦当初のMS06Fの性能を上回る程度の性能しか有していない。

しかし、疑似AIとも言える教育型コンピューターを搭載しており、エースパイロットの戦闘データのコピーを取ることで、新人パイロットを即戦力として使用することが出来た。

パイロットの育成期間が十分に取れなかった連邦軍は、この教育型コンピューターに全てを託していたと言っても過言ではない。

コストダウンの為に、ジェネレーター出力が抑えられたため、ビームライフルは装備できず、ビームスプレーガンが標準装備となっている。しかし、このスプレーガン、ビーム兵器であると言う利点しかなく、威力や運用面で、パイロットからは不評で、マシンガンで出撃するパイロットも少なくなかったようだ。

このRGM79は、作製工廠、および、作製時期で、パーツ特に、頭部のパーツが様々あり、一ヶ月のズレで全く違う顔つきをしていることも、珍しくなかった。

このことは、いかに性急に製造を行ったかという証拠と言えるだろう。本来ならば、設計段階で修正されるべき問題を推敲せず、とりあえず生産させた結果ともいえ、こうした細々としたバリエーションも正式に認定するならば、ジムのバリエーションはザクをゆうに越すだろう。