ウラベやレイ・レイホゥとの接触は、覚醒編でのキャンペーンの伏線にしやすいからです。
彼らの出番を無くしてしまっても、全く問題はありません。
ただし、その場合、ビフロンズでは強力すぎるので、ストラスかセエレに変更して下さい。
ＰＣは、市営（設定の規模に変更して下さい）バスに乗って、移動中です。学校や職場からの帰りか、とにかく、「愛車」の特典があるＰＣも、所用（車検や修理）があってバスを使用しているか、車に乗っていて巻き込まれることにしても構いません。
外は、夕暮れ、いわゆる黄昏時です。
加護チェックをして下さい。成功すれば、何か危険を察知して、対ショック姿勢を取ることが出来ました。失敗したら、敏捷チェック。格闘系の方は、防御技能を使用しても構いません。ただし、−２０％の修正を受けます（誕生編で言う連続行動に当たるからです）
衝撃に耐えきれず転倒、威力３＋１ｄ６ダメージ。敏捷チェックに成功していれば、何かに捕まることが出来、ダメージは半分になります。防具類は有効です。
衝撃の感じや、窓から外を見てみると、どうやら玉突き事故に巻き込まれたようです。バスなので車体に大したダメージはありませんが、直前を走っていたのが、大型トレーラーだったため、バス前方はかなりのダメージで、ドアが開きません。運転手や、座れなかった人の中には、頭から血を流している人もいます。
窓から周りを確認した感じでは、帰宅の時間帯、と言うこともあってか、かなりの台数が巻き込まれたようです。
◆後部の非常口から出ても構いませんし、救出を待っても構いません。五分としないウチに救急隊が到着します。
脱出の際、手荷物をどうするか聞いておいて下さい。
また、違法武器（銃器など）を所持しているＰＣには、どう行動するか、カマかけて見て下さい。
ＰＣは比較的軽傷だったので、警察の事情聴取につきあわされた後、後発の救急車によって、脳やなんかの精密検査を受けるために、病院へ運ばれることになります。
乗り込んだ、救急車は明らかに、理不尽な距離を走り続けますが、救急隊員は「先ほどの事故で、近隣の病院は手一杯なので、少し遠い病院に向かいます。」と説明します。
都市部から少し離れた病院、と言うよりは郊外の巨大な療養所のような感じのするところへ到着します。
直感チェック（鋭い勘有効）に成功すると、門のところにある看板から病院名が読みとれます。知力チェックで「数年前に医療ミスを起こして、衰退し、現在は入院介護をメインしているが、虐待の噂もある」と言うのが判明します。この情報は、病院内で何度でも出すことが出来ますので、特に気にしなくても大丈夫です。
さび付いた鉄の車輪が擦れあうような嫌な音が、車の後方から聞こえます。どうにかして、外を確認すると門が閉まっていきます。とうてい電気仕掛けには思えない、古びた門ですが…視鬼や見鬼、等を使用するとグレムリンが門を閉めています。
救急車は、地下駐車場に到着。救急隊員の一人に誘導されます。病院側の出迎えはありません。
突如、悲鳴が聞こえます。悲鳴の方向を見ると、先行していた救急隊員が犬に噛みつかれており、喉笛をかみ切られます。
薄暗い中、犬をよく見ると、眼球が飛び出していて、視神経によってぶら下がっています。ぶら下がった眼球でＰＣ達を見つけると、腹から、はみ出した内臓を引きずりながら、ＰＣ達の方へ近寄ってきます。
◆戦闘：ゾンビドッグ三匹（データはゾンビを流用、数はＰＣのレベル、人数で調整して下さい）。
なお、この段階で、コンピューター使いは、ＧＵＮＰ等特殊なコンプを選択した場合、まだ持っていません。
通常のコンプを選択した場合でも、ＤＤＳやＤＡＳ等は持っていません。
地下駐車場は、それなりに広いですが、出口は厚いシャッターで閉ざされており、脱出は出来ません。救急車でシャッターに突撃すれば、何とかなるかもしれませんが、乗っている人は、まず助かりません。
それを知らしめるために、残っている救急隊員が車で逃走しようとして、失敗し、車もなくしてしまう方が良いかもしれません。
◆戦闘終了後、もしくは戦闘中、救急車を漁れば、武器になるものも沢山あります。
出て来るものは、ＤＭの判断にお任せします。
一例としては、傷薬ＰＣの人数分。トランキライザー＊５。ディスポイズン。ディスパライズ。
ガリバーマジック（コンピューターの中）。ヘルメット＊３（死亡した隊員の分３つ）。
応急セット。場合によっては、メス、注射器（アルミダート扱い）。ファイアアックス（ハンドアクス扱い）。
ガソリンを抜いて火炎瓶が作れるでしょうし、スプレー缶とライターで簡易火炎放射器が作れるでしょう。
消火器も利用できます（逃走アイテム扱い：煙幕代わりに散布）。いろいろと、アイディアを示唆したり、採用してあげて下さい。
◆基本的に、事故に遭ってますから、各ＰＣが申請しない限り、手ぶらな状態となります。
拳銃を持ってきているかどうかも、決めておいてください。所持している場合は、事情聴取の際に、警察官に見とがめられる可能性があります。
◆コンピューター技能者が、特殊な形のコンプ（ガンプやアームターミナル）を選択している場合には、戦闘終了と同時に、携帯かモバイル機器に、メールが届きます。
メールの発信者は、スティーブン。内容は「地下駐車場の指定された場所に行き、指定された箱を開けるように」と言うものです。
指定されたドアだけが開いており、中は倉庫です。病院内売店の倉庫のようで、水や携帯食料があります。指定された箱はすぐに見つかります。
箱の中には、キャラメイク時に指定したコンプが入ってます。
通常のコンピューター機器の場合には、ＤＤＳとＤＡＳ、拾得したプログラムが、強制ダウンロードさせられます。
どちらも、最初に起動したときに、真メガテン１の冒頭メッセージが表示されます。
さらに、マグネタイトバッテリーには、ゾンビドックを倒した分がチャージされています。
他のシナリオから参加し、すでにコンプを持っているＰＣに関しては、なにも起こりません。
◆ここからは、探索モードです。申し訳ありませんが、ＤＭの責任でＭＡＰを作って下さい。
気休めですが、各階の設備の目安と、イベントのアイディアを列記しておきます。
地下一階：自家発電装置、放射線治療用の原子炉（？）、遺体安置所（ラスボスの場所）。警備員詰め所
一階：駐車場からここに出ます：ロビー、外来受付、事務室、売店、自販機コーナー。診察室
二階：ナースステーション、集中治療室。一般病棟。医局（？）、薬剤保管庫。
三階：一般病棟。ＣＴ室。ＭＲＴ室。個室病棟。研究室。院長室。
四階：手術室（中ボスのいる目的地）、特別病棟（個室や仮病の政治家用）。
最低移動順路：地下駐車場＞一階＞二階＞三階＞四階＞地下一階
一階から四階は、防火シャッターで区切って、遠回りさせたりして下さい。
必須イベント：
二階：一般病棟：ウラベとの出会いがあります。
部屋のゾンビを倒した後、倒したはずのゾンビが集合して、コープスになります。しかしそれは、ＰＣの背後からの銃弾「トリブルタップ」で、倒されます。「組織は何を考えているんだ…組織内で何かが始まっているのか？」
ＰＣ達には「クズノハではないようだな…だが、邪魔をするようなら容赦はしない」
三階：研究室：日記や実験記録の類が見つかります。レイ・レイホゥとの出会いがあります。
ブランドスーツに身を包んだ女性が、机に座って何かを読んでいます。
「あなた達の捜し物もこれでしょ。」と言って投げてよこします。
去り際に「こうなった以上、止めはしないけど、無理しないようにね」と言って出ていきます。
ファイルや日誌からは、交通事故で不随になった娘を組成させるための研究記録が読みとれます。他人の人体を利用したもので、まさに悪魔的な研究といえます。手術中に実験したり、意図的に危篤状態にして、実験に同意させたり、警察に言えない治療を求めてきた人間を使ったり、交通事故などの急患を利用していました。
最終的な問題点を、使者の知恵によって解決できた。となっています。
さらに、部屋を捜索すれば、魔界魔法の魔道書が一冊出てきます。
三階：院長室：もみ消しの証拠があります。
示談金を積んだり、暴力団に介入させたりして、医療ミス（と言う建前の実験）を隠していたことが分かります。
それら裏の必要経費や愚痴が書き込まれています。「明日、なんとしてでも止めさせる」と言う書き込みを最後に、そこから先は真っ白です。
イベントトラップ
◆ベッドから苦悶の声が上がります。実はゾンビ（ベタネタ）
◆部屋から何かが転がり出てきた。よく見ると人間の頭部で、ＰＣと目が合うとにやりと笑う。
◆低レベルの悪魔を仲魔に出来るイベントを作っても良いでしょう。
ひーほー君とひほ子を出して、医者と看護婦と言うので、ちょっとほのぼのさせても良いでしょう。
使用悪魔は、イベントや、ランダムエンカウントに使用するのは、ゾンビナース（ボディコニアン）。ゾンビ。ゴースト。ポルターガイストぐらいが適当かと思います。
◆手術室に到達すると、そこはＳＦの実験室のような機材が持ち込まれ、中央に１０歳くらいの少女が横たわっています。
父親である医者は、初老の域に達しており、疲れ果てていますが、眼光だけは、いじょうなほど鋭く輝いています。
「ふん、もはや実験の必要はない。手術は成功したのだ。さぁ、もうおまえは自由だ…」
と、少女に起きあがるように促します。
少女は、人工呼吸器や様々な器具を取り外しながら、娘は起きあがります。
呟くように「お父さん…」と言うと、医者は涙を流し、娘と父親、双方が歩み寄ろうとしますが、娘は数歩、歩いたところで、頭髪が抜け落ち、顔面の肉も腐汁となって、墜ちていきます。
骨と腐汁だけになった娘は、歯を打ち鳴らし続けています。何かを必死で訴えているようです。チャネリングやＥＳＰ、ＤＤＳの会話システムを使用すれば、解読は可能です。
「お父さん、もう良いの…もう止めて…私は、２０年も前に死んだのよ」
父親は、骨と腐汁に成りながらも生きている娘を抱きしめつつ、聞き慣れない言語で叫びます。
叫びに答えて、陽炎のように半透明の悪魔、ビフロンズ（Ｌｖ３０）が登場します。
「私との契約は、娘の甦生だったはずだ。肉体の腐敗を考慮しなかったのは、貴様の短慮だろう。今まで腐敗しなかったのはサービスだ。契約が履行された今、私が腐敗を止めておく理由はない。」と高笑いし、
「貴様の絶望、憎しみ、怒り、心地よいぞ」と、かき消すように消えていきます。
◆騙されていたことを察知した父親は、半狂乱でＰＣに襲いかかってきます。
医者（オオツキＡｃｔ１扱い）、ゾンビナース（ボディコニアン扱い）、ゾンビ２体。
半狂乱なので、戦術オプションは取ってきません。がむしゃらに攻撃してきます。
娘を相性「聖」の技で倒した場合、医者を倒した後ならば、二人で取り合って天へ登っていくのが見えます。天には、母親とおぼしき人物が手を広げて待っています。屋内ですが見えます。幻覚か事実か、それはＰＣに任せましょう。
先に娘を成仏させた場合、医者は涙を流して、微笑みながら天井を見つめています。同じものが見えているのかもしれません。
妻と娘に手を取られ、天へ登っていく姿が見えます。地上には、呆けた表情の医者がいます。意識はありません。
それ以外の方法で倒すと、腐汁となって床にしみこんでいきます。
医者を倒したのち「ちっ、想定ほどの資質は無かったか。我らが女帝も見る目がない事よ。」と声が響き渡り、
部屋の外からシャッターの開く音が聞こえます。
「来るが良い、私を倒さぬ限り、この土地から出ることは叶わないのだ」
手術室を出ると、開かったシャッターが開いており、エレベーターが起動しています。
◆地下の遺体安置室へ。
娘を「聖」で倒している場合、ビフロンズは、ＨＰ／ＭＰが半減した状態で登場します。上限はそのまま。ダメージを受けた状態と考えて下さい。「おのれ…人間ごときが…」
そうでない場合は、ビフロンズは、天井からしたたり落ちる腐汁を飲んでいます。「恨み、苦しみ、悔恨のこもった良質のマグネタイトだ…お前たちに、感謝するぞ」
安置室には、魔法陣が描かれており、魔道技能者ならば、すぐに分かります。魔界との門を開こうとしています。
アストラルサイトや、見鬼、視鬼を使えば、まるで、ゼリーを流し込んだ容器の様にゴーストが部屋中に押し詰められています。
「くっ、これが、崇高な使命だと？…やる気がないなら、とっとと逃げろ」と、ウラベはＧＵＮＰで、召還を始めます。
ＰＣたちが、傍観するなら一人で倒しますし、ＰＣの参加を咎めはしません。ＰＣの中から「邪魔をするな」「彼奴は俺が倒す」発言があると、仲魔を出したままで、傍観します。
◆ウラベ（覚醒編、ルールブック参）
仲魔：鬼女リャナンシー、夜魔ナハトコボルト、妖魔アプサラス
ソウルハッカーズに出てきた彼です。ただし、このシナリオでは、まだ組織を裏切っていません。
誕生編を使用している方は、ＬＶ２０の覚醒者で、Ｎ／Ｎ。コンピューター６、射撃７、格闘（軍隊格闘術）７とでもしておいて下さい。
仲魔も、Ｌｖ１６前後を目安に、メディ、水の壁、カジャ／ンダ系を使える悪魔を選んで下さい。
傍観とは言っても、ちまちまと援護してきます。「お前らが勝手に回復するだけだ。俺は俺の仲魔のために使っている」
リャナンシーはメディアを。ナハトコボルトはスクンダをかけ続けます。アプサラスは、水の壁を張ります。
◆戦闘終了後、ウラベにナニを聞いても「知らない方がいい、知れば、お前らを殺さねばならない」といって去っていきます。
◆ウラベが去ったのち「ウラベか…なかなか見込みあるわね」と、ブランドスーツに身をつつんだ女性が現れます。
「あなた達もね…我々は決して強要しない…だから、ココで捨てて貰ってかまわないだけど、何かあれば、ココに来ると良いわ」
と、繁華街の会員制バー「クレティシャス」の名詞を一人づつ渡してくれます。
「マダム…本当の経営者は忙しい方で、なかなかいらっしゃらないけど、しばらくは私が預かることになっているの…言っておくけど、私はホステスじゃないわよ」と言って笑います。「あなたにはもう一つ…」コンプ技能者にはさらにもう一枚「業魔殿」の名詞をくれます。「ヴィクトル…そのホテルの持ち主も、しばらくこの街に逗留するそうよ。その気があれば港に行くと良いわ」
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