誕生編の扉の部分を流用しています。ゲームの真・女神転生Tのオープニングともリンクしています。
DMは読み上げても良いですし、印刷してから、PCたちに配っても良いです。
また、DM、PCともに雰囲気に慣れるために、ゲームとして運営しても良いでしょう。
メタリックに輝く青い霞(かすみ)が一面に充満している。
大理石の通路を果てしなく思えるほど、さまよい歩いた先には、青銅の扉があった。
その扉には、巨大な人面が刻まれていた。
人面はゆっくりと瞳を開き、朗々とした声で言った。
「運命に導かれたものよ。汝の名を名乗れ。汝が頼りし技を示せ。さすれば、扉は開かれるだろう。」
扉がしゃべる。とても、奇妙な現象のはずであったが、驚きも、恐怖心も浮かんでは来なかった。
自分の名を扉に告げる。今生(こんじょう)で、思い出せる唯一の名を
◆PCの特技と自己紹介を行います。
最後の一人が、その名を告げると、左右の壁に景色が映る。写実的な油絵のようだ。
良く知った景色。自分の家、自分の街。
壁に触れれば、冷たく滑らかな大理石の感触。
近づいてみれば、絵ではないことが分かる。動いている、生活している。
壁に映る景色は、列車の窓のように、後方へ流れていく。
景色が流れているのが、自分たちが前に進んでいるのかも、分からない。
壁の中では、幾たびも日が昇り、日が沈む。木々は実り、葉を散らす。
青ざめた骸骨の騎士が、ラッパを吹き鳴らしながら、空を駆けめぐると、いくつもの太陽が降り注ぐ。
木々は焼け落ち、人々は光に飲み込まれていく。
焼けただれたような、くすんだ朱色の空の下で、人々は苦悶と絶望の声を上げる。
この間建て替えられたばかりの看板の残骸。
廃墟の中で、のたうつ人々の中に、見知った顔が見える。幻想にしては、現実味がありすぎる。
右の壁には、天から柔らかな光が射し込み、天使達が舞い降りる。
左の壁には、地より醜悪でありながら、どこか微笑ましい生物があふれ出る。
右の壁では、傷つき、汚れきった人々を天使達が救い起こしていく。
光り輝く宮殿に、連れて行かれた人々は、無個性で、生気のない目をしている。
出荷される前の人形が、梱包されるのを持っているかのくようだ。
左の壁では、醜悪な生物たちが、檻に閉ざされた人間達を解放していく。
果てしない荒野のど真ん中で、途方にくれる人間を、あざ笑うように眺めている。
恐怖に包まれ、生活に疲弊しながらも、人々の顔は、生気にあふれている。
◆右の壁によっていけば、LAWが。左の壁に行けば、カオスが、1d6上昇します(誕生編)。
どちらの状況を好むかと質問してもかまいません。
壁は再び、大理石の壁に戻る。冷たくも、なめらかな感触が、ゆっくりと高ぶった感情を鎮めていく。
扉の前に、一人の少女が立っている。さっきまではいなかったはずだ。
「未だ汚れざる魂、運命の行く手にある魂よ。汝の名を名乗れ」
「我が名は未だ定まらず、千の名と千の姿があり」
本当に、千人がハモっているような声でありながら、その一つ一つを聞き分けることができるほど涼やかな声。
可憐な少女であり、魅惑的な妙齢の女性、暖かな母性、子を守る鬼女、確認できないほどの姿が折り重なる。
扉の顔は、光の粒子となって弾け飛び、青銅の扉は、音もなく開いていく。
「我は未だ定まらず、千の名と、千の姿を持つ。汝らが命運と等しく」
振り向き様に、そうつぶやいた少女の顔を思い出すことは誰にもできなかったが、確かに見覚えのある顔だったことは、たしかだ。どこかで、いや、いつの世にか、出会ったことがある…
◆扉の先に進めば、ライトが。来た道を引き返せば、ダークが上昇します。
どちらに進んでも、青い靄の中に戻ります。
◆さらに進んでいると、誰かがあなたを呼んでいます。 突如、誰かに肩を掴まれます。
「オイ、もう授業は、とっくに終わったぜ、さあ、掃除始めるから、どいた、どいた」
◆何かが額に当たった。五時間目の数学教師が、肩で息をしている。周りには、白い棒状のものが散乱している。
「17本目でようやく当たったか…オレなんか、流れ弾に三発食らったぜ」
◆「先生?、小テスト終わりましたよ?、大丈夫ですか?」
などなど、授業中に居眠りをしていたと言う設定で、PCの職業立場に合わせた対応をしてください。
◆シナリオへ
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