総評
(真・女神転生TRPGシリーズ)


総評
私は、誕生編が一番好きです。
期待していた覚醒編は、誕生編の上位ルール、サプリメント相当と思っていたのですが、別ルールになってしまいました。それはそれで、構わないのですが、システムがコンシューマー版に近づきすぎていて、媚びているようで嫌いです。あと、背景システムも煩雑な割に、利点が少なく、自分の思い通りのキャラクターを作りづらいと言う、弊害を生んでいます。そもそも、魂とも言える命運と引き替えにする割には、あまり価値のない背景ばかりで、要らない。と言ってしまいたくなるものばかりです。

イメージするキャラクターがあるのに、システムに邪魔されるのです。また、属性を宿命とリンクさせることは、本来の女神転生のテーマである属性システムを殺しているような気がします。

デビルサマナーシリーズのように、属性の傾きがオマケ(仲魔召喚の枷)のような設定では、良いかもしれませんが、揺れ動く属性(信念)がテーマである、SFCの真女神転生1を内包しているのですから。

いっそのこと、属性ルールは選択ルールにしてほしかったです。デビルサマナー的な設定では、悪魔召還の枷としてのみ機能するとか。

戦闘システムも、コンシューマーと似たシステムにしているため、単純な殴り合いに成り下がってしまい、戦術的な組立をするという面白みがありません。連続行動好きだったんだけどなぁ。戦術オプションとしては、とても面白い試みで、魅力的なモノだったんだけど。なんで止めちゃったんだろう。私は、連続行動よりも、覚醒編の背景ルール理解する方が大変でした。未だに理解し切れていませんが。


と、悪い面を書きましたが、これらは全て紙一重の存在で、利点も多くあります。

戦闘システムのコンシューマー化は、新規に参加するプレイヤーが、「ああ、ゲームと同じなのか」と思うことで、壁を一つ減らせます。また、属性値と宿命がリンクすることで、各属性に殉ずることは、命がけである。と言う雰囲気を生みます。軽々しく、ロウとカオスを行き来するのも美しく無いですからね。

背景システムも、キャラクターのアイディアが浮かばないとき、そのキャラクター造形に大いに役立ちます…無理があるか…足かせになる場合の方が圧倒的に多いしなぁ。覚醒したぐらいで、解放されるトラウマなら、設定しなくて良し。と思うんだけどね。

テーブルトークのルールは、絶対の書ではなく、あくまで道具なのですから、囲むテーブルごとに改変して良いと思います。ただ、コンベンションなど、対外に出るときには、仲間内の取り決めを持ち出さないように(笑)。


他のルールとの比較

初代である「真・女神転生RPG基本システム」はシステムが煩雑すぎて、理解できず、チャート類の不備など商品としても問題があります。
しかし、ゲームの世界観や設定を踏襲しつつ、かつ独自性を出していました。設定も、一番しっかりとしており、アイテムや神族解説等、読み物としても一番面白いモノでした。未だに私は、資料として使用する場合は、基本システムを利用します。さすがは、大司教手ずからお作りになっただけのことはある。

その後、誕生編、覚醒編と続くのですが、鈴木大司教の影響が薄れて行くに従って、私の好みとは離れていくようです。朱鷺田さんも、好きなデザイナーなのになぁ…と思ったら、鈴木大司教も、チャネラーの守護霊がD/Cのゴーストと言うのは、お気に召さないご様子。私もそう思う。善霊あるハズの守護霊が、D/Cってなぁ。本当に、D/Cだったら、隙あらばチャネラーを乗っ取ろうとするはずだし。守護霊と言うより、とりついた悪霊だべさ。

どうにも、世界観よりシステムを優先する人だったらしい。メガテン公式サイトのFAQでも、宿命システムは大いに不評らしいし…って、私、建部さんと朱鷺田さん混同していた模様。サバイバルガイド書いた人にしては、イマイチだなぁと思ったら、サバイバルガイドは、建部さんではないですか。こりゃ失態。次のメガテンは、建部さん希望。切実に。

誕生編では、基本システムで分かりにくかった技能を、特技として体系化。判定方法も、単純、一元化ですっきりしました。覚醒編は、すっきりしすぎて、スカスカな印象を受けるのは、私だけでしょうか。

奇しくも、同じ版元となったトーキョーN◎VAと似た展開をしている気がしますね。BOX版から、セカンドエディションへ。クルードを突き詰めた、オオサカMOONの失敗。覚醒編は、オーサカMOONに当たるのでしょうかねぇ。


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