情報収集をする
男よりは、女の方が耳は達者だと思ったことは間違いではなかったが、耳よりも達者な口があることを忘れていたのは失態だった。鉄板を爪でひっかいているような店内の音楽を上回る勢いで、会話が続く。公子のジョークに匹敵するほどのとめどない話に辟易しつつも、価値のある情報を待つ。
「んー、変わった事ねぇ」
口に指を当てて、考えるしぐさ。いかにも、頭の悪そうな女に見えるが、こういう手合いの方が計算高いものだ。我らが君が良い例だ。彼女の策謀を見れば、外見と普段の言動でタカをくくったことを後悔する。後悔するのは永遠の滅びまでの短い時間だけで済むのだが。
「そーいえば、あいつら見ないね。なんだっけ、ヘルスガーデン?」
「ヘルズガーディアンよ、まぁ、あいつら口ばっかりだから、そっちのがお似合いかもね。え?こんな事に興味あるの?。まぁ、良いけど…港をシマにしてると自称しているギャングよ。新参者が着たから締めるとか言ってたんだけど」
「一週間は見てないよねぇ」
「返り討ちにあったのかも」
「口だけの、数だけの連中だったしねぇ…イヌの手先って話だったし」
ヨタ話に戻ったのを確認して、悟られぬように席を立つ。ギャングボーイの抗争。どおって事のない情報だが、場所が港と言うのが気にかかる。新参者が、黒手団だとしたら。あり得ない話ではない。
1、情報源と接触する(コネ判定)
3、導師と接触する
4,公子に密告したノスフェラトゥに会う