1,ビーストシティーへ向かう
いまや、密林となった死国の奥。突然視界が開けたかと思えば、荒野が続き、やがて無骨なコンクリート壁が見えた。
あれが、ビーストシティか。街の防壁としては立派すぎる壁の切れ目には、門番が立っている。これから戦争に行くのかという程の重装備。
フルシールドのヘルメットに、赤いプロテクターの衛兵から、言葉よりも先に銃口が向けられる。どこが出入り自由なんだ。
「おまえか、連絡は受けている。ほらよ、支度金だ。まぁ、香典の先渡しみたいなもんだがな。」
すでに、報告がされていたららしい。ポケットロンで何事かを確認すると、シルバーを差しだしてくる。
「ああ、それからな。ここで暮らす気なら、そのトライク、俺に売らないか。その方がお互いのためたぜ」
この街の治安と比べれば、N◎VAの治安など、のどかな田舎町レベル。というなら、たしかに、このトライクは目立ちすぎる。だが、何かの時のために、足は確保しておきたい。
1,衛兵に売る
2,売らない