断る


政府絡みの仕事だ。まともなワケがない。そもそも、日本政府の介入がイヤでN◎VAを出ると決めたのだ。それなのに日本政府の支配下に飛び込むなど、本末転倒だ。

ヴィルヌーブの町並みは、N◎VAとは大きく異なるはずだが、なぜか、N◎VAに居るような感覚に襲われる。ここもまた、滅びの時をひたすら待つだけの街なのだろうか。

日本政府の介入でN◎VAの輝きは失われた。オレの輝きを奪ったのは、俺自身だろう。
「おい、そっちは大丈夫か?」
インターコムからの連絡。
「ああ、問題ない。侵入者三名をフラットライン。残りは?」
「全部終わったみたいだ。通常警戒に戻ってくれ」
「了解」

地に埋もれても、人は人たり得る。地に落ちた星は、どうなるのだろうか。
くすんだ空に、かすかに瞬く星を見ると、いつもN◎VAを思い出す。